TALES OF CRYING ―女神の涙と黒い翼―   作:ILY

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最終章『共生体』編
最終章 主要登場人物


パーティーメンバー

 

エッジ・アラゴニート

 

「あいつを倒す……力を貸してくれ、アエス・ディ・エウルバ」

 

性別:男

武器:長剣

年齢:15才

身長:163cm

 

 漁村トレンツから出てきた少年。世界の守護者・監視者である「(シン)」の一族の血が半分混ざっている。兄であるブレイド・アズライトとの出会いを通して自分が記憶喪失だった事を知り、自分の行動が逃避でしかなかった事を思い知らされ一度は旅の目的を失いかけたがクロウの信頼に応える為、仲間を全て失った状態からもう一度立ち上がる。

 一族の使命の為ではなく自分の守りたいと思う少女の為、幾度も壁にぶつかりながらそれでも前を向き続ける彼の姿勢は、周りの人間にも大きな影響を与えバラバラの方向を向いていた者達を一つの「仲間」にしていく。

 主に雷属性を得意とし、剣と深術の両方を武器として戦う。

 

 

クロウ

 

「これで全部終わりにする。行くよ、ラーヴァン!!」

 

性別:女

武器:スローイングダガー

年齢:16才

身長:160cm

 

 闇の宝珠の欠片を右肩に持つ少女。物心ついた時から戦いの中に身を置き、それを当然のものとして敵側の幹部の一人『黒翼』として育つがエッジを始めとした仲間との出会いと、孤児院での経験を経て自分の中にある「誰とも戦いたくない」という望みを自覚する。

 その力から多くの勢力に狙われ、運命は彼女を戦いの中心へと巻き込んでいくが、彼女は自分の望みに逃避せずそれを希望として戦い続ける。その先にこそ自分が求めるものがあると信じて。

 闇の宝珠の力で他の深術士を圧倒する攻撃能力を持つ。

 

 

ジェイン・アキ

 

「私はエッジさんとクロウさんを巻き込んだ責任から最後まで逃げたくない、止めます『父』を」

 

性別:女

武器:『明の天傘』

年齢:14才

身長:153cm

 

 スプラウツを陰で操るジェイン・リュウゲンの娘。一度は敵としてエッジ達を裏切るが行動を共にする内にエッジとクロウが悪人ではなく「普通の人間」である事に気付き、エッジ達の仲間となる。当初クロウからは殺し合いに発展するほど恨まれていたが和解し、互いに数少ない友人と呼べる関係になっていく。

 他の仲間以上に、ジェイン・リュウゲンを止めなければならないという思いは強い。

 和傘を象った『明の天傘』という特殊な攻防一体の武器と「詠技」を扱うパワー型。

 

 

クリフ・セイシャル

 

「子供が生きる場所作んのが、大人だろうが」

 

性別:男

武器:格闘術

年齢:23才

身長:183cm

 

 セオニア王国の諜報部隊「蓮の水鳥」に所属しアクシズ=ワンド王国内を調査していた青年。

 元々はどの国にも留まらない流浪の旅人だったが、セオニアの王女フレア・L・セオニア・アリーズと出合った事でセオニア側の人間となった。その経歴から、クロウに希望を託したセオニア王に彼女達の力となるよう言われ「蓮の水鳥」をクビになり正式にエッジ達の仲間となる。

 「蓮の水鳥」の仲間を殺したラークへの敵意を捨てられずにいる為、仲間として彼に複雑な感情を抱いている。

 「気」を操り、それを加速や攻撃等幅広い技に転化して戦う。

 

 

リアトリス・フローライト

 

「仲間を大切に思うこの心だけは……私のものなんだから」

 

性別:女

武器:杖

年齢:19才

身長:165cm

 

 宝珠を守る使命を持った、「(シン)」の一族の少女。

 常に明るく仲間に接し、その深術で仲間達を守ってきた彼女だが「使命」を果たそうとするその表情が徐々に翳り始める。

 彼女がたった一つ、最初からずっとその笑顔の裏に隠してきた事は――。

 正確無比なピンポイント攻撃術と、最高位の防御術を扱う補助タイプの深術士。

 

ラーク・テンネシア

 

「僕は自分の罪の重さに苦悩したりする様な立派な人間じゃないからね――だから、リアトリスの分まで僕が背負おうと思ったんだ」

 

性別:男

武器:三日月形のダブルブレード

年齢:117才(外見年齢18才)

身長:166cm

 

 リアトリスと同じ使命を持った、イクスフェント側の「(シン)」の一族の族長の血を引く青年。長命な身の一族としてはまだ若く、自身の立場から責任感が強すぎる面がある。期せずしてブレイドとエッジ兄弟両方の剣の師となった。

 エッジの考え方を甘すぎると切り捨てていたが、一度見捨てた彼が自分の力で道を切り開くのを見てやや考えを改める。以前と変わらず最善と考えれば時として非情な判断も下すが、エッジのやり方もまた尊重するようになった。

 彼が自分の使命を捨てる事は無いが、自分が常により確実な方法を取る事が結果としてエッジの不確実な判断を支える事にもなるのだとラークは信じている。

 一人で多数を相手取る事を得意とする、神速の剣士。

 

 

 

敵陣営

 

 

レスパー・シビル

性別:男性

年齢:26才

 

「構わない、俺は貴族に復讐さえできればそれで良い」

 

 序盤アキと協力していた、スプラウツとジェイン・リュウゲンを繋ぐ男。

 スプラウツ側の人間ではあるが、フレットやクロウを始めとしたセブンクローバーズとは折り合いが悪く、リュウゲンの事も快く思っていない。 しかし、アキにだけは唯一親身に接し、肉親のリュウゲンに頼れない彼女にとって唯一頼れる存在だった。

 

 

ジェイン・リュウゲン

 

「宝珠を渡せ、ディエルアーク」

 

性別:男性

年齢:49才

 

 タリア・キサラギと共にアクシズ=ワンド王国の国王を支える宮宰だが、陰で孤児を集めてスプラウツを組織し自分に反対する者を葬り強引に開戦を推し進める。エッジ達とセオニア国王の行動によって追い詰められ、火の宝珠を奪取するという行動に出た。

 

 

スプラウツ・セブンクローバーズ

 

 

厳岩(げんがん)

 

「この身はリュウゲン様の為に」

 

名前:バルロ

武器:錬成手甲(れんせいしゅこう)岩堵(ガンド)

特化属性:地

才能:観察と経験による弱点の看破

 

 スプラウツの子供達の師にして統制者の老人。子供達を道具の様に扱い、リュウゲンの為に忠誠を尽くし戦い続ける。

 地の防御術と、策略でエッジ達を追い詰める。

 

 

爪雷(そうらい)

 

「立てよ!戦えよ!死ぬ気で、俺と!」

 

名前:フレット

武器:專雷爪(せんらいそう)「スペシャライジング」

特化属性:雷

才能:『混血児』としての能力

 

 エッジと同じくシンの一族の血を引いた『混血児』。その能力から家族に捨てられ、持って生まれた才能のままスプラウツで育つ。

 しかし、彼はそれでも世界を恨む事は無くただ自らの望むままに戦いと殺戮を楽しみ続ける。世界もまた彼がどうなろうと気にしなかった様に。

 術士でありながらラークと同等クラスの前衛としての能力を備える七人中最強の単独戦闘能力を誇り、エッジと同じ雷属性を得意とする。

 

 

紅蓮(ぐれん)

 

「何も無かったからそれに固執した……でも、違う!私は、」

 

名前:セルフィー

武器:鞭、炎熱鉱石(えんねつこうせき)

特化属性:火

才能:感知

 

 火属性の深術を得意とする深術士の少女。自分の能力に誇りを持ち、フレットを始めとした優秀な術士に敵意を向けていたが、火山での出来事以降彼との関係に若干の変化が生まれる。

 唯一上級深術を詠唱破棄する事が可能で、宝珠の力を持つクロウを除けば術の攻撃力だけなら幹部中で最も高い。

 

流連(りゅうれん)

 

「くそっ、くそっ、クソオオオ!もっと強くなりたい、死にたくない、戦いたくない!」

 

名前:レパート

武器:?

特化属性:風

才能:なし(武器との関係あり)

 

 前任者の穴を埋める為に急場しのぎで空座についた二代目。理由はどうあれ選ばれた精鋭に入れた事を喜んでおり、クローバーズ最年少のルオンに張り合う様子も見られる。

 

 

弧氷(こひょう)

 

「僕は……」

 

名前:ルオン

武器:弓

特化属性:氷

才能:『爪雷(そうらい)』には劣るものの高い身体能力、狙撃

 

 レインという少女と、クロウ、三人で兄弟の様に育った白髪の少年。元々は口数の少ない優しい性格であり、人を殺すことに罪悪感を持っていなかったクロウに初めて疑問を投げかけ彼女の人格形成に多大な影響を与えた。目の前で実の姉同然のレインを亡くしたショックで感情を失い、冷徹な射手となる。

 クロウは彼と戦う事に強い抵抗を持っており、過去二度の戦いでも本気を出せずにいる。

 幹部七人中最も遠距離の戦闘を得意とする。

 

 

純白(じゅんぱく)

 

「私達家族だったじゃない。ねえ、クロウ……」

 

名前:ネイディール

武器:??

特化属性:光

才能:??

 

 光属性の深術を操る女性。一歩間違えれば反抗的になる子供も多いセブンクローバーズの中で、数少ない成人としてバルロと共にスプラウツという組織を動かしている。深術士が危険視される現状を理解しており「スプラウツの外の世界を子供達に見せるくらいなら痛み無く自らの手で葬る」という歪んだ思考回路をしている。痛みの有無に固執し、なるべく痛みの無い殺し方を追い求める。

 「人間の力のみでの中級以上の詠唱破棄」をして見せるなどその実力は底が知れない。

 

 

その他の人物

 

 

タリア・キサラギ

 

「お前たちが無事で居てくれれば、私はそれで」

 

性別:男

年齢:42才

 

 ジェイン・リュウゲンと共に国王を支える宮宰、リュウゲンの政敵である彼の存在が辛うじて彼の暴走を押し止めている。リュウゲンはキサラギの妨害を受けず直接の手足として使える組織としてスプラウツを組織した。

 

 

タリア・リョウカ

 

「貴方は私が止める……私と共にここで死になさい、ジェイン・アキ!」

 

性別:女

武器:『宵の地衣』

年齢:20才

 

 タリア・キサラギの娘。政敵の娘であるジェイン・アキと敵対する一方で、海上都市で協力して以降エッジ個人には幾度か力を貸し、彼の頼みから一度はアキの王都脱出を手助けした。

 アキ同様、職人の手からなる衣型の武器『宵の地衣』を蜘蛛の脚のように伸ばし、「詠技」も同様に扱い戦う。

 

 

ブレイド・アズライト

 

「全てを守る事など人には出来ない。だから、俺は自分の部下を精一杯守る」

 

性別:男

年齢:21歳

 

 エッジの兄。父親に付いていった為、彼の姓であるアズライトを名乗っている。

 ジェイン・リュウゲンに推されて第三師団長の地位に付く。

 かつて「天才」と呼ばれた騎士ラークに師事した上で、それに自身の深術の才能を組み合わせる事で独自の剣技へと昇華させており、現王国最強の騎士の呼び声も高い。「千の太刀筋のアズライト」の異名を持つ。

 エッジと母をトレンツの村に置いて来た事でエッジが最後の家族を目の前で亡くして記憶喪失になってしまった事に負い目を感じている。

 が、その感情から一度は捕らえたエッジを取り逃がす結果を出してしまっており、失敗の代償に『命令刻印術式』を埋め込まれた彼は再び弟の前に立ちふさがる。

 決して国を裏切らない冷徹な敵となって。

 エッジのスタイルを更に成長させたかの様な剣技と深術を組み合わせた技を使う。

 

 

ハーディロン・アズライト

 

「エッジ、あの娘は悪魔だ」

 

性別:男

年齢:43歳

 

 エッジとブレイドの父親。体内に埋め込んで機能する術式の研究をしており、ブレイドに『命令刻印術式』を埋め込む役割を買って出た。仕事の為に王都に移り住む際、妻とエッジをトレンツの漁村に置いて来た事を後悔しており、無理を重ねがちな兄弟の身を案じている。

 指名手配される以前からクロウの事を知っている。

 

 

ジード・カルシート

 

「その力で救える命があるのに、何もしないでいることなんて俺には出来ない」

 

性別:男

年齢:102歳(外見年齢17、8歳)

 

 ラークと同じ身の一族の青年。

 見守るだけで人々を守ろうとしない一族に反発し、闇の宝珠をイクスフェントからアエスラングへ渡した張本人。

 その際、ラークによって殺されている。

 

 

ボブ・ヘイム

 

「エッジ君、ここは君の家だ。どれだけ離れても、ここはずっと」

 

性別:男

年齢:55歳

 

 アクシズ=ワンド王国の南東の端、漁村トレンツの自警団に所属する男性。

 母親を亡くし、家族がいなかったエッジの育ての親の様な存在。

 

 

漆黒の翼

グローリー

サッド

バッド

 

 賞金稼ぎ三人組。

 序盤でエッジ達を襲った。

 

 

レイン

 

性別:女

年齢:8歳(六年前)

 

 ルオン、クロウと三人で共にスプラウツに居た少女。

 同時期にスプラウツに連れて来られ、同じ白髪のルオンにとっては姉の様な存在だった。

 カトマス殲滅作戦時に、クロウの術を暴走させたフレットにより命を落す。

 

 

ハク

 

性別:女

年齢:9歳(六年前)

 

 中央大陸のシントリアの特権階級に多く見られる黒髪の民族の少女。同じ民族ではあるが、彼女達は王都から離れ人里はなれてひっそりと暮らしていた。

 一時的にスプラウツを脱走したクロウと姉妹の様に心を通わせるが、ラーヴァンの力がクロウの制御を超えて暴走した事で村の人間全員と共に消えた。彼女が最後に放った「化け物」という拒絶の言葉はクロウの中にトラウマとして深く残っている。


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