とある男の憑依体験   作:minesama

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原作介入って難しいっすね……。
そして着地点が見えない。


2.もしかして:役立たず

 絶対能力進化(レベル6シフト)実験、被験者を樹形図の設計者(ツリーダイアグラム)が弾き出したプランに従って絶対能力者(レベル6)に進化させる為の実験だ。

 内容は「20000通りの戦場で20000体の『妹達(シスターズ)』を殺害する」と言う、贔屓目に見ても悪魔の所業と言える実験だ。

 そして今夜、9982回目の実験が行われる。

 

(……突拍子も無さ過ぎて正直信じられないわ。絶対能力者なんて眉唾な……それに私のクローンが居るのは分かったけど、20000体も? しかももう半分が殺されてるって……、アンタ冗談の質が落ちたんじゃないの?)

 

 はははっとみこっちゃんは笑うけど、声は硬いし完全に顔は引きつってる。

 信じられないと言うより信じたくないんだろうな。俺だって逆の立場ならそうなると思う。

 

(……はぁ、アンタ何でそんな事知ってるのか色々問い詰めたい所だけどとりあえず、あの子が殺されるって誰がやるの?)

 

(……あ)

 

(どうしたの?)

 

(いえ、あの……)

 

 

 一 方 通 行 の こ と 忘 れ て ま し た。(※本気で考えないで前話書いてました)

 

 

 やばいやばいやばいやばいマジどうしよう。勢いだけで言ったからみこっちゃんが一方通行(アクセラレータ)と戦う事まで考えてなかった。うっ、また胃が……。

 つか原作でももろ戦ってたじゃねーか、アホか俺は。アホでした。

 あの時は妹達の介入でうやむやになったけど、今回もそうなるとは限らないし……。や、やばい、まじでやばい……。

 ああ、勢いだけで言った数十分前の俺を殴ってやりたい。何が俺の原作改変(わがまま)に今だけ付き合ってくれ(キリッ)だよ。微塵も格好良くねえよばーかばーか。タヒね。

 うう、胃がキリキリする、だれか俺に胃薬をお供えしてくれ……。

 

(な、なぁみこっちゃん、やっぱ帰らない?)

 

(ここまで来て何言ってんのよ。心配しなくても、アンタだって私の能力(チカラ)は知ってるでしょ? 大抵の事じゃやられはしないわよ)

 

 アナタ様より格上の奴が相手なんです! やばいまじどうしよう……。

 あ、そもそも万が一上手くいってもアレイスターに目を付けられる可能性がありますよね。

 やばい、俺のせいでみこっちゃんの人生がマッハだ……。うっ、胃が……オェ。

 

(それで、相手は誰なのよ?)

 

(……一方通行です)

 

(……アク、セラレータってあの、第一位の?)

 

(はい)

 

(……冗談でしょ?)

 

(本気と書いてマジと読みます)

 

(…………)

 

(…………)

 

 みこっちゃんの顔が完全に凍りついた。そりゃそうだ、俺が言ったのは最悪一方通行と戦えって事になるんだから。

 一方通行の能力はあらゆる力の向きを操るベクトル操作能力。理論上は核攻撃ですら傷一つ付けられないってチート能力だ。

 まあこの世界にはそんな一方通行を倒せるバグキャラが結構居るんだけど、現状みこっちゃんではどうやっても傷一つ付けられないのだ。

 俺マジ屑過ぎわろえない。

 

(な、なあ、やっぱり帰ろうぜ……? 俺の勘違いかも知れないし……)

 

(何腑抜けたこと言ってんのよ。――一方通行が相手? 上っ等じゃない、いつかはあの馬鹿と同じく倒してやろうと思ってた相手なんだから……っ!)

 

 みこっちゃんマジ主人公(ヒーロー)。俺が女だったら絶対惚れてるね。

 それに比べて俺って奴は……。うう、みこっちゃん死なないでくれよ……。う、胃が……ウップ。

 

 ストレスでいよいよ俺の胃が限界に近づいた頃、歩き続けてた妹ちゃんの足がようやく止まった。

 そしてそこに待つのは針金のように細い体で白髪の男――最強の超能力者一方通行。

 

「現在時刻は20時48分です。第9982次実験開始まであと11分40秒です」

 

 実験が、始まる。

 

 

 

第二話 もしかして:役立たず

 

 

 

「待ちなさい!」

 

 死角から飛び出したみこっちゃんの声が夜の操車場に響き渡る。

 妹ちゃんは目を見開いてこっちを見てるな。まだ感情の発露がほとんど無いはずなのに、よっぽどびっくりしたようだな。

 うーむ、しかし実験開始場所は路地裏だったような……。微妙に歴史がずれてる?

 

「お姉様……何故……?」

 

「あァ? ……そうかそうか予定と違うから変だと思ったらオマエ、オリジナルかァ」

 

 呆けた顔でこっちを見ていた一方通行の顔がみこっちゃんが誰だか気づいてすげぇ怖い笑顔になった……。うう、こええよ。

 みこっちゃんですら少し気圧されてるし、肉体あったら俺なら確実にちびってるわ……。

 

「っ……あ、あんたが一方通行?」

 

「あァ、正解だぜ。始めましてだなァ超電磁砲(レールガン)。それと……」

 

 あ、あら? 一方通行さん、なぜわたくしの居る方に目を?

 

「……本当に、あんな(・ ・ ・)計画を……?」

 

 一方通行がみこっちゃんに視線を戻す。うん、俺の方見たのは気のせいだよな? そうだと思いたい。

 

「――へェ、知ってンのかよ。ったく機密情報駄々漏れなンじゃねェのかァ?」

 

 俺の情報が真実だと証明されてみこっちゃんが息を呑む。

 つーか、一方通行空気読めよ! そこは誤魔化す所だろ! そんで実験もついでに中止してくださいおねしゃすっ!!

 

「っ! な、何でそんなっ! この子を……こ、殺すなんて! 正気なの!?」

 

「おいおい人殺しみたいな人聞きの悪ィ事言うンじゃねェよ」

 

「ミサカ達は計画のために作られた模造品です。計画遂行の為には死ぬ事も任務の内ですと、ミサカは気を使う必要がないとお姉様に説明します」

 

「そんっ……! あ、あんたそれ本気で言ってるの!?」

 

「それがミサカ達の存在意義ですので」

 

「……って事らしィぜ? ククッ、俺の汚名も晴れたところで悪ィンだけどよ、実験の邪魔だから帰ってくンねェ?」

 

 今度こそ完全に凍りついたみこっちゃんは一方通行の言葉が耳に入っていないようだ。いや、聞こえてても動けないのかもしれない。

 でもこれで良いのかもな。少なくともみこっちゃんから仕掛けない限りは一方通行と戦うことは――

 

「チッ、ダメだこりゃ。おいどうすンだよこの場合?」 

 

「第三者の目撃、介入があった場合は実験場所の変更の許可を受けています、とミサカは突発的な事象にも準備万端であるとアピールします」

 

「ったくとンだ手間だぜ」

 

 一方通行が俯いたままのみこっちゃんの横を通り抜ける。

 このままなら妹ちゃんは間違いなく死ぬ……。結局、俺が出来たのは妹ちゃんが死ぬのをほんの数分先延ばししただけで全く意味は無かったな……。

 霊体だからって全部他人任せだった結果がこれだよ。いや、体があっても何にも出来なかっただろうな。

 

「ミサカはボタン一つで出来る単価18万円のタンパク質と薬品の合成物です、とミサカはお姉様が気に病む必要がない事を告げます」

 

 妹ちゃんが止めの一言を吐いて(本人は気を使ったつもりらしい)横を通り過ぎようとした時、みこっちゃんは俯いたまま妹ちゃんの手を掴んだ。

 

「お姉様? 何――」

 

 そしてブチッ、と何かが切れる音が聞こえて、みこっちゃんの体から妹ちゃんに(・ ・ ・ ・ ・)ちょうど人間一人が気絶する雷光が走った。 

 電撃に気づいた気づいた一方通行がイラついた表情でこっちを睨みつける。だからこええよ。

 

「……オマエ、何のつもりだ」

 

「……させない」

 

「あァ?」

 

 電撃で意識を失った妹ちゃんを抱きとめながらみこっちゃんは続ける。ああそうだ、やっぱり俺は馬鹿だ。みこっちゃんはな、

 

「この子は殺させない。実験動物? 殺されるのが存在意義? ふっっっざけんじゃないわよっ!!!! そんなの認めない、この子は、この子は私の――っ!!」

 

 みこっちゃんは、こう言う子(ヒーロー)なんだよ。 

 

「へェ……面白れェ。じゃあ何だ? オマエが俺の相手をしてくれるってのかァ? ギャハ、良いぜ。雑魚共との実験も飽き飽きしてたとこだかンなァ!!」

 

 心底嬉しそうに邪悪に笑う一方通行、凄く……怖いです。

 あ、ちびった。何かAIM拡散力場的なものを。

 

 そんな俺の最低な合図によって(って事は間違いなくないだろうけど)、二人の超能力者が激突した。

 

 

 

 

 

 

 

 予定調和と言える結果だった。

 

「オイオイ、この俺相手に啖呵切っといて何なンですかァそのザマは?」

 

「ぐ、ぅ……」

 

 電撃も、砂鉄の竜巻も、鉄道のレールを磁力で飛ばしても。

 

「まさかさっきのがオマエのとっておきか? ……ヤレヤレ、仮にも同じ超能力者がまさかこンなしけたもンとはよォ」

 

 みこっちゃんの代名詞である超電磁砲すら効かなかった。一方通行は身動き一つしてないって言うのに。

 うう、分かってはいたけど一方通行チートすぎんだろ。

 

「――さて、次はこっちの番だ」

 

 やばい、やばいやばいやばい!!

 妹ちゃん達がくればこの戦いを止めてくれるのにまだ来る気配がない。

 俺の責任だ、俺が余計な事をみこっちゃんに言ったから……、俺が何とかしないと!!

 でも俺の能力で出来る事なんて……。

 

(……ごめん)

 

(みこっちゃん!!)

 

 やばいやばいやばい! みこっちゃんが覚悟を決めた顔になってる!!

 倒れてる妹ちゃんを一瞥して一方通行に視線を戻すとか完全にフラグで――そ、そうだ!

 妹ちゃんとも念話もどきが出来たんだ! 幻想猛獣(AIMバースト)に取り込まれた時レベルの上がった今の俺ならアレ(・ ・)が出来るはずだ!!  

 すまん妹ちゃん、少し借りるぞ!

 

「ちっとは楽しませてくれ「お待ちください」……あァ? ンだよ目を覚ましちまったのかよ。良い所で横槍いれやがって」

 

「あ、アンタ……!!」

 

「計画外の戦闘は実験に無視できない影響を及ぼす可能性が高いです、とミサカは空気を読まずお二人の戦いに割って入ります」

 

 よし、まずは妹ちゃんに憑依した(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)俺の言葉で戦闘が止まったな!

 

(みこっちゃん、ここは俺に任せてくれ)

 

(あ、アンタその子に……!?)

 

 も、もうこれしか手は無い! うう、でも後ろから沢山の視線を集めてるみたいなプレッシャーを感じる……。

 

「チッ、そンぐらい分かってるっつの、ちょっとからかっただけだ。ンでどうすンだ、このままオマエが実験を続けンのかァ? それとも後ろの「いえ、それは拒否します。もう止めにしましょう一方通行、とミサカは実験の中止を勧告します」オマエ……人形の癖に人が喋ってる所に被せるとか舐めてンのか?」

 

や、やべぇちょっと焦りすぎた! 深呼吸深呼吸。

 

「ったく、超電磁砲の電撃でイカレちまったのか? まァ良い、ンで実験は後日に延期しろってのか? ンなだりィ事は勘弁だぜ俺は」

 

「いえ、そうではありません。ミサカは、もう死にたくありません」

 

「…………は?」

 

 一方通行が目を見開いて固まった。こうかは ばつぐんだ!!

 よし、やっぱ効果があったな! 一方通行は最初から妹達を殺すつもりじゃなかったはずだからな!

 狂気に陥る素養はあったと思うけど、最初は研究者に嵌められて不可抗力で殺したようなもんだからな。人形だと半ば自己暗示に掛かるようにしないとやってらんなかったんだろ。

 本来その程度の良心はあるはず、だと良いな、と思いたい。一方通行目の前にしてると本当にそうなのか自信がなくなってくるな……。

 まあ明らかに現実として目の前に居るのにゲンサクチシキガーとか頼りすぎるのもどうかとは思うが、それ否定したら俺どうすりゃ良いのよって話しだし。

 

 

「ふ……ふざけンじゃねェ!! あれだけ実験繰り返させておいて今更そンな理屈が通ると思ってンのか!!!?」

 

 怒りに体を震わせる一方通行、うんお怒りはごもっともです。自分で言うのは何だけどかなりゲスい方法使ってるからな。

 でも怖いんで睨むのやめてください。びびって妹ちゃんの体で漏らしちゃったらやばいんで。

 

「ミサカは「それが……それがオマエらの総意だってのか!? 今になってなン――待て、奴は何処に行った?」ます」

 

 はい? 奴って?

 

「――クク、クカカカッ! そうか、そう言う事か。一方通行とも在ろうもンが危うく騙されるとこだったぜ」

 

「……何の事でしょうか、とミサカは――」

 

「ハッ、とぼけてンじゃねェよ。クローンの体使ってお人形ごっこですかァ? クハッ、テメェらも結構下衆い事すンじゃねェか、ええ?」

 

 テメェ「ら」……だと……?

 

「そいつらはよォ、さっき言ってた通りテメェでテメェを『実験動物(モルモット)』って言うように出来てる(ここ)がかわーいそうな奴らなンだよ。それが急にもう嫌ですゥ、だ? 笑わせンじゃねェよ三下、細工すンならもうちっと上手にやれや。――オマエに言ってンだよ意識飛脱(アストラルフライ)

 

 ……は、え? ば、ばれたーーーーっ!!!? なんで、なんでバレたの!? 

 

「ククッ、単純過ぎンじゃねェのか? 正解だって顔に出てンぜ」

 

「な、なんで……」

 

「オイオイ俺を誰だと思ってンだ? 一方通行は全ての物理法則を操り、観測してンだよ。オマエみたいな希少な能力の法則を学習しないはずがねェだろうが」

 

 オウフ、さすが第一位……。お勉強も熱心だったのですね……。

 

(アンタ、その子の体にも憑りつけたのね。言いたい事は色々あるけど、とりあえずそのまま逃げなさい。私が時間を稼ぐから)

 

(ダメだ、そんなに長くは憑依してられない。それにみこっちゃんを置いては……)

 

(……万事休すって言葉、初めて使ったわ)

 

 どうする? どうすりゃ良い?

 どうすりゃ一方通行を、実験を止められるんだ?

 このままじゃ予定通りに、って……そうか!

 

「やい、一方通行!」

 

「あン?」

 

「お、俺がこの体から出なけりゃ実験は続けられないぞ!! 予定外の戦闘は計画が狂うんだろ!?」

 

「ハァ? テメェまさかその人形を使って人質のつもりかァ?」

 

「そ、そうだ! もし俺をこのまま殺したら実験は失敗になるんじゃないのか? そしたらお前が今までやって来た事も無駄になるぜ!」

 

「……ハッ、なら研究者共が下っ端使ってオマエの本体を殺しに行くんじゃねェのか、佐藤鳴介くゥゥゥゥゥン?」

 

「な、ならその前にこの体で自殺してやる!!」

 

「ちょ、アンタ何言ってる「みこっちゃんは黙っててくれ!!」っ!」

 

「……へェ、言うじゃねェか、テメェにそんなクソ度胸がある様には見えねェがなァ? オマエらもそう思うだろ、人形(クローン)共」

 

 へ?

 

「え?」

 

「9982号の精神状態は分かりかねます、とミサカは9982号が先ほどからネットワーク接続していない事実を明かします」

 

「なっ! アンタ、達……!」

 

「チッ、そういう事言ってンじゃねェンだがなァ。ま、実験動物に期待した俺が悪かったか」

 

 うおっ、妹達が到着してたのか。何十人居るんだろコレ、悪いとは思うが同じ顔がこれだけ多いとさすがにちょっとびびるな……。

 

「なァ、聞きてェンだけどよ。仮に9982号が使い物にならなくなったらどォなるンだ?」

 

「その場合、9982号を破棄した後ミサカ達が一人ずつ繰り上がり、生産予定数を増やして実験を遂行する予定となっています、とミサカは事故対応マニュアルに沿って説明します」

 

「だとさ。まあつまりテメェがその人形の中に引き篭もってても何の問題もねェンだわ」

 

 あ、あれ、そうなの? じゃあ俺の啖呵は意味が無かったって事……?

 いや、でも妹達が来るまでの時間は稼げたはずだよな! そういう意味じゃ無駄じゃないよな、うん。

 

「それよりもダリィのはよォ……超電磁砲、テメェは実験が続けばどうせ突っかかってくンだろ?」

 

「あ、当たり前よ!! こんな事、見過ごせるはずが無いじゃない!!」

 

「計画外の戦闘は予測演算に誤差を生じる恐れがあります、とミサカは警告します」

 

「それ、さっきコイツから聞いたわ。ったく、面倒な事になりやがった……。この場合は実験てなァどうなっちまうンだァ?」

 

 ア、一方通行が困ってる……だと? これはかなり良い流れなんじゃ。

 

「現場の判断では限界があります、とミサカは暗に上に丸投げすることを提案します」

 

「チッ、上の研究馬鹿共に任せてどうにかなンのかよ。――そこでだ超電磁砲、賭けをしようぜ」

 

「……賭け?」

 

「テメェにチャンスをやる。明日から5日間時間をやる、その間に実験を中止に追い込ンでみろや。それが出来なかったらこの件から手を引け」

 

「私がそんな約束をするとでも? 私はアンタにずっと付きまとって妨害してやってもいいのよ?」

 

「堂々とストーカー宣言とは恐れ入るぜ。だがよォ、何か勘違いしてねェか? 俺は最悪テメェを殺して実験を続けたって良いンだ、多少計画がずれようがンなもん再計算させりゃ済む話なンだからなァ」

 

「っ!」

 

「計画責任者以外による勝手な計画の中断は「るせェ、人形は黙ってろ」」

 

「で、どうなンだ超電磁砲。乗るのか、乗らねェのか?」

 

「……良いわ、やってやろうじゃない!」

 

 うわぁ、一方通行悪い顔してんなぁ。学園都市主導だから何があっても実験が中止にはならない事知ってんだろうな。

 うーむ、って事はわざわざこんな賭けするって事は強気な顔してるみこっちゃんがもがいて絶望するのを見て愉悦に浸るつもりかよ。そりゃ親切でチャンスくれるとは思ってないけど趣味悪過ぎだろ、ドン引きっすわー。

 こいつ本当に根は良い奴なのか? こっちの方が素なんじゃねーの……?

 

 あ、でもこれで時間は稼げたな! 正確な日付は忘れたけど、これだけあれば原作通りのラストに繋げられそうか?

 

(やれやれ、何とか俺の時間稼ぎで事態が落ち着いたな)

 

(……そっか、これを見越して時間稼ぎしてくれたのね。悔しいけどアンタのおかげで助かったわ。ありがと)

 

(ふふ、もっと褒め称えよ)

 

(調子に乗んな、まだ何にも終わってないんだから)

 

「あーあ、無駄な時間過ごしちまったわ。テメェらも律儀だよな、コイツがお人形遊び始めた時もじっと待ってンだからよ」

 

 うん? それって俺が妹ちゃんに憑依した時には既に来てたのか?

 そうなると別に時間稼ぎする必要は無くて……あっ(察し)

 

「……アンタ達、いつから居たの? 」

 

「9982号が『計画外の戦闘は実験に無視できない影響を及ぼす可能性が高いです』と言っていた時です、とミサカは具体的なタイミングを示します」

 

「あー……」

 

「ところで何故9982号は四つん這いの体制になっているのでしょうか? それになぜかいつまで経ってもネットワークから切断されたままですし、とミサカは複数の不可思議な現象に首を傾げます」

 

「いや、あの子はアイツが憑依してるから厳密にはあの子が四つん這いになってる訳じゃ……まあ、少しそっとしておいてあげて。それよりもあんた達――」

 

 その後みこっちゃんは妹ちゃん達が殺される事を受け入れてるのに愕然としつつも不屈の精神で立ち上がったりとか、憑依を解かれて目を覚ました妹ちゃんがみこっちゃんと口論したりとか、みこっちゃんに泣きながらひっぱたかれたりとか。

 何かそんな心温まる姉妹達のお話があったっぽいけど役立たず過ぎて凹んでたんで良く覚えてません。

 




原作崩壊無理スギィ!!
これが僕の限界です。整合性取れてるのかもう良くわかんなくなったので、突っ込み所あったらお願いします……。

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