目を開くと知らない天井だった(様式美)
「う……あ、れ?」
「鳴介……? 鳴介!! 目を覚ましたのか!?」
「っ! 鳴介!!」
「鳴ちゃん!!」
「亮太、翔、小雪?」
あれ、何で俺はこいつらの事知ってるんだ? ……当たり前か、俺は
うー、つーか体が重いし間接は殆ど動かねーし。寝たきりの弊害かねこりゃ。
「俺、
「おう、頼むわ」
「まったく、みんな凄い心配したんだからね!?」
「あー、すまんかった」
「特に小雪なんか凄い取り乱して泣き喚いてたからな」
「ほう?」
「ち、ちち違うもん! 泣いてなんか!!」
これは、なんと言う弄りフラグ!! この鳴介容赦せん!!
「え、そうなの? 何だ、小雪はあんまり心配してくれなかったのか……」
「え、え? し、心配したよ! 私だって凄い心配したんだよ!?」
「でも泣くほどじゃないんだろ? やっぱり大して心配してないんじゃ……」
「心配したもん! 凄い泣いたもん! ううー!!」
ここだ、ここで渾身のニヤニヤ顔を入れるっ!!
「何だやっぱり泣いたんじゃん」
「――!? め、鳴ちゃんの馬鹿あああぁぁぁ!!」
おお、顔真っ赤にして病室出てっちまった。
ちょっとやり過ぎたかね。だが反省はしない。
「……お前、ここまで徹底的に弄るタイプだったっけ?」
「ん? まあずっと寝てたからストレス溜まってるんじゃね?」
あ、凄い呆れた顔された。
「……お前、やっぱちょっと変わったわ。ったく、後で小雪に謝っとけよ、俺もフォローしとくから」
亮太は俺が変わったって言ったが、それは俺が一番分かってる。
あっちの世界の記憶、みこっちゃんと過ごした記憶、それと俺本来の記憶がごちゃ混ぜになってるからな。
それでも不思議と違和感は感じなかった。俺は俺なんだから。
「りょーかい。――亮太」
「ん?」
「サンキューな」
「……翔と小雪にも言っとけよ。アイツらだって心配してたんだから」
「分かってるさ」
さて、目を覚ましたので差し当たってやる事が一つ。
「なあ亮太、ちょっと連絡取りたい人がいるんだが――――――」
「おいーっす、お見舞いに来てやったわよ」
「お邪魔しますの」「お邪魔しまーす」「こんにちわー」
「よっ、みこっちゃん……と、お連れさんが沢山だな」
危ない危ない、みこっちゃん以外は俺と面識無いのに危うく名前を呼びそうになったぜ。
ん、亮太達の様子が?
「……本物だ」
「マジで、超電磁砲……?」
「…………可愛い子ばっかり……」
まあこれが普通の反応だよな。俺が慣れなれし過ぎるだけで。
なんか約一名反応がちょっと違うけど。
「あ、あはははは……」
「まあ人も多いし自己紹介からだな。俺の名前は佐藤鳴介。で、コイツらが手前から
「よ、よろしく」
「ど、どうも!」
「……よろしくです」
だめだこりゃ、ガチガチになってやんの。まあ仕方ないか。
約一名反応がry
「それじゃ今度はこっちね。私は御坂美琴、でこの子が白井黒子「よろしくですの」その隣が初春飾利さん「よろしくです」それと佐天涙子さん「よろしくお願いしまーす」」
うーん、なんか合コンの挨拶みたいだなコレ。こっちが男4人だったら完全にそんな雰囲気になりそうだ。
「それでお聞きしたいのですが、一体お姉様とはどう言った御関係で? 事と次第によっては――」
「あ、それ私も聞きたかったんです。超能力者の御坂さんがワザワザお見舞いに来る男の人、ねね、どんな関係なんですか?」
「ちょ、ちょっと二人とも!?」
「し、白井さんと佐天さん初対面なのに失礼です!」
白井も佐天も一応初対面なのにぐいぐい来るなぁ。まあ内包するのは嫉妬と興味で全然ベクトルが違うけど。
初春も諫める様な事言ってて興味ありありな表情隠せてないぜ?
「鳴ちゃん、どう言うことなの……?」
おお、小雪からブリザード級の冷たい視線が。だがみこっちゃんの眼力に晒され続けた俺をそんなもので止められると思うなよ!!
「うーん、詳しくは言えないが何日も一緒に過ごした仲「そう言えばアンタの事ぶっ飛ばすって約「鳴ちゃんどういう事なの!? 私聞いてない!! 何で私以外の――!!」」お、おおう?」
こ、小雪さん? 薄々分かってはいましたけど、こんな衆人環視で……。あ、気づいて真っ赤になった。
「あーあ、御坂さん失恋しちゃいましたね」
「だから違うって。ま、良かったじゃないアンタ、今日はお祝いね」
「やれやれですの」
「ごちそうさまでした」
ぐぐ、ちくしょうニヤニヤ生暖かい目で見やがって。
俺は弄るのは好きだけで弄られるのは嫌いなんだよ!!
「亮太、翔、助けて」
「うっせー爆発しろ、祝ってやる。ってかあっちの誰かと仲取り持ってくれ」
「やれやれ、やっとかよ。お幸せに。あ、俺もヨロシク」
し、親友達に見捨てられた……!? お、のれ、かくなる上は!!
「な、なあ佐天! そう言えば俺キミに謝りたかったんだ!」
「はぁ? アンタ佐天さんになんかしたの???」
「えっと、私初対面ですよね?」
「まあ俺のケジメみたいなもんだ、聞き流してくれ。それでまあお詫びとして耳寄りな情報をだな。ちょっち耳貸して」
「はあ……? ――――――!! なるほど、茶巾袋なる技が――――!!!! ええっ、御坂さんがその男の人と!!!?」
「ちょ、ちょっとアンタ何話してるのよ!?」
「ちょ、わたくしにもそのお話を詳しく!!」
「はわわわ、やっぱり御坂さんに恋人が!!」
「ねえ、あなた達うるさ過ぎるんだよ!! 隣でとうまが寝てるんだよ、静かにして欲しいかも!!」
「ああこらインデックスなに他人の病室に勝手に入ってるんだよ! すいません、すぐ連れてきますんで」
「ああー! アンタなんでここに!?」
「え、えっと?」
「む、とうま。この品の無い女誰? 知り合い?」
「な、なんですって!? アンタこそコイツの何なのよ!?」
「えっ? わ、私はその――」
おお、なんかピタゴラスイッチ的に修羅場が発生した。何コレ面白い。
「とうまっ、どういう事なのかな!?」「アンタっ、どういう事なの!?」
「ふ、不幸だあああぁぁぁ!!」
「……ここは病院だから静かにして欲しいんだがね?」
学園都市は今日も平和なようです。
―最終話A 俺の憑依はこれからだ!・完―
ここで出したオリキャラは使い捨て(下衆顔)