吉良吉影はゼロから始めたい   作:憂鬱な者

14 / 16
第14話:秘められた欲火

彼の爪が伸び始めてから2日が過ぎた

 

「また…伸びたか…

だが、まだ我慢だ…」

 

廊下を歩きながら、爪を見る

 

(ここを出るまでの辛抱だ…

誰も知らない場所…目立たない場所…

そこを拠点に出来れば、遠出と称して『彼女』を手に入れられる…

金は貯まった…あとは変装とタイミングだ…

まず、変装だが…どうするか…)

 

そう思うと、彼は立ち止まり

禁書庫に向かった

 

(何か、変装の方法など無いだろうか…?

あの、書庫には色んな本がある

何か、役立つものがあればいいが…)

 

 

数分後

 

彼は禁書庫を見つけ

中に入ると、本を探し始めた

 

 

(何か無いか…何か…

あの『シンデレラ』の時の様に、綺麗に顔を変えられる方法は無いだろうか…

変装…整形…魔法…何か…)

 

すると、彼はピンと閃いた

 

(魔法なら、何か出来るかもしれないな…

メルヘンやファンタジーの様に、変身出来ないだろうか?)

 

そう思うや否や

彼は、片っ端から本を漁った

 

(変身…流石に無いか…

だが、待て…

どうやら、傷を治癒させることが出来る魔法がある様だな…

それを使えば…

そうだ…!!

傷を『治す』ことが出来るなら、あの仗助のクレイジー・Dの様に

応用出来るかもしれないな

ものを『治す』能力というのは実に厄介だ…

だが、仗助に出来て、わたしに出来ないことなど無い…!!

なんとかしてこの魔法を手に入れたいものだが…どうするか…)

 

やや険しい表情で、他の本を次々と読んで行くが

気になるものは見つからなかった

 

(魔法は基本的に1人一つか…

精霊使いなら精霊と契約すればいくつか使える様だが…

わたしは契約などしないな…

人でなくとも、自分以外に正体を知られるわけにはいかない…

どうする…何か方法は無いか…

考えろ…考えるのだ、吉良吉影…

何か方法を…

見つからない方法を…

例え探られても、決して見つからない方法を…

BITE THE DUST(バイツァ・ダスト)は、わたしのミスで破られる可能性がある…

バレるのをやり直すのには大きなリスクが必要だ…

方法を…

『失敗をやり直せる方法』を…)

 

カリカリと爪を齧り

深く考え込む

 

 

数時間考え込んだが

彼は方法を思いつけなかった

 

部屋に戻り、また考え込んだ

 

「クソッ…!!

どうすればいいのだ…!!

爪が伸びる時期、わたしは『性』が抑えられない…

何とか我慢したとしても、精々あと1週間…

それを過ぎたら、わたしは衝動を抑えきれなくなり…

何をするかわからない…

ここの住民を殺したら、かなり目立ってしまうッ…!!

それだけは何としてでも阻止しなくてはならない…!!

考えろ…考えるのだ…

何か方法を…!!」

 

ガリガリと爪を齧り

指先から血を流しながらも、深く考え込んだ




思ったのですが
吉良さんって、そこまで殺人のペースは速くないですね
吉良さんが18歳で殺人を始めたとして、現在33歳
吉良さんの発言から48人殺害しているということから
15年間の内、年に3、4人殺していることになります
つまり、吉良さんの『彼女』との付き合いは
約4ヶ月となります
よく、保ちますね…
生肉なんて3日も経てば腐るでしょうに…

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。