【ネタ】:我、ウロボロス・D・オーフィス   作:打出小槌

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 とりあえず、思いついたので投稿しました。
 続くかどうかは、今のところ未定です。

 


【ネタ】:我、ウロボロス・D・オーフィス

 Side in 主人公

 

「我、ウロボロス・ドラゴン・オーフィス」

 

 うん。いきなり何の事だか分からないだろうが、大丈夫。

 この状況を一番、理解できかねているのが俺だから。

 

 なんせ朝起きたら、ハイスクールD×Dのオーフィスになっていたのだからな。

 

 長く伸びた柔らかそうな黒髪、黒曜石のような漆黒の瞳。

 艶やかな汚れのない肌に、重いものなど持ったことも無い小さな両手。

 大事なところだけを隠したバッテン印のロリボディー、素肌の部分が多すぎです。

 街に出れば、親はどんな教育をしているのか!?とお巡りさんを呼ばれかねない扇情的な危うさ、大人の紳士淑女が涙を流して喜びそうな背徳的なゴスロリファッション。

 頭にあるのは、なんだ・・・・。カチューシャ?的なフリルの付いたやつ。

 首元にピンクの蝶ネクタイ。黒い靴にもひらひらしたものがくっついているのだが・・・・。

 いかんせん、露出が多すぎる。

 

 覗いた泉の中に映る無表情な美少女一名・・・・。

 つまり、俺。

 笑顔になってみようとするも、無表情・・・・。

 目が、頬が、ピクリとも動かない。

 とりあえず、両手で口元の両端を引っ張ってみる。

 

 うん。ムリがある。いや、ほんと。

 

 昨日の晩、寝る前までは、38歳独身実家暮らし、年収400万未満のありふれたオッサンだったんだがな・・・・、なんでだ?あれか?嫌がらせか?

 

 声質も当然変わっている。

 しかしながら、この身体が今の自分の物だということは間違いない。

 

 無精ひげや、最近たるんで来たはずの体毛過多なお腹も、シミひとつないハリのある綺麗な肌に成ってはいるが。違和感はない。

 いや、正直、違和感がないのが可笑しいのだが、何故か、しっくりとくるのだ。

 まるで、以前からそうだったかのように。

 

 首を傾けたり両の手のひらをニギニギしたり。

 軽く跳んでみる。うん、軽い―――。

 最近、増えた体重によって辛くなってきていた筈の腰も――――軽い。

 あっ、もちろん。股の間のMyサンも確認してみましたが、消えていた。

 ついでに下着もヒラヒラのレースっぽいものが付いていた。

 色は当然の様に黒。

 

 ひととおり、身体の調子や、その多諸々を確認。

 この身一つのみのようです。

 手荷物一つありませんね~。

 しかたがない。溜息一つ。

 あっ、出た。これは出るのか・・・・。表情は相変わらずだけど。

 

 ところで、ここ何処よ?

 

 ひとまず。落ち着いたところで周囲に目を配る。

 

 山?

 木々、っていうかジャングル?

 見たことがない植物、蔦などで一杯です。

 その辺から野生の動物や熊でも出てきそうな雰囲気。

 

 仕方ない。とりあえず、動く。

 

 さて、どちらへ向かおうか?

 

 そんな俺に・・・・・・・。じゃないな。

 今、オーフィスだし。一応、姿かたちは女の子だし。

 姿をアーカード見たくいつでも変えれるっちゃー変えられるみたいだしなこのぼでぃ。

 

 俺→私→我。うん。やっぱ我で行こう。

 オーフィスちゃんですからね。

 

「我は我。我思う故に我在り」

 

 風向きが変わり鼻に漂う塩の臭い。

 

 こっちか・・・・。

 臭いの方へと進む。が流石、ちびっ子進めねェー。

 時間かかり過ぎ。

 うん。あっ。

 

 ドラゴンだし、飛べるよな。我。

 翼よ、出ろ。

 ピョコンと、ついでバサァっと翻る、我の翅。

 ドラゴンの翅。黒い翼。

 さぁ、準備万端。

 

 そして跳ぶ!我。

 

 ヒュゴ!

 

 一気に打ち上がる我の身体。

 あっという間に天高く舞い上がり。雲すらもぶち抜く。

 マッハコーンが出るとはまさに神秘?

 

 すみません。加減、間違えました。

 

 誰に謝っているんだ我は?

 

 跳躍力場の頂点まで到達した我。

 翼を広げそのまま滞空。それから真下を確認。

 

 先程まで居た場所は、どうやら島の様らしい。

 島の周りは当然、海。そして、そこに係留しているのであろう。一隻の船。

 

 ―――船。

 

 それも遠めに見た感じ帆船らしき姿。

 つまりは其処には人がいるであろうということ。

 

 情報収集の機会。

 

 しかし、このまま直接、船へと降りて行くには問題があるだろう。

 

 ここがどこだか、分からないのだから。

 例え、ここがハイスクールD×Dの世界であったとしても。

 一般人にはファンタジーは不要な訳だし。

 

 とりあえず、近くまで隠れて行くか。

 なんか空に手をかざし、人か何かがこちらを見ているようだけれども、ここはスルー。

 

 小さいし、この距離だし、裸眼でも、望遠鏡でも、ちゃんと見えはしないでしょう。

 さて、どう降りる?

 

 ぽくぽくぽく・・・・・・チーン!?

 

 ヒラメキました!!

 

 空間を渡れば良いのです。

 そう原作で次元の狭間に行くみたいに。

 先程までいた場所をイメージし、腕を一振り、空間を切り、開きます。

 そして、その中に入る。

 すると・・・・。

 何ということでしょう。

 抜け出た場所は先程の泉です。

 

 こんなにあっさり出来ました。

 

 とりあえず、先程見つけた船のある入り江まで向かいます。

 因みに翼と翅はしまいました。

 

 ところで、さっきから羽虫一匹出てきません。

 動物の気配すらありません。

 何故に?

 

 草木をかき分け木々の合間を歩くこと約10分。

 その間にいろいろな気づきと再確認でした。

 ちんまいので思ったより前に進みません。

 しかし、流石は無限、疲労がない。

 かき分けて草木が、肌を擦りますが、かすり傷ひとつ付きません。

 最強ボディー、ついでに服装をバッテン印からアレンジして、

 露出の少ないものに変えたりと。

 いやぁ~、魔力って便利だわ。

 想像で衣服をまとう様にイメージして作ると色々できましたよ。うん。

 とりあえず、ゴシック系はそのままに、上半身の露出範囲を小さくして、ヘソだしルックに落ち着きました。

 

 閑話休題。そんなこんなでようやく開けた場所に出る。

 

 どうやら、この下が入り江の様ですよ。

 暗い場所から出てきたせいか、妙にキラキラして見えます。

 そのまま進み、淵の所で止まります。

 どうやらここは切り立った崖の上の様です。

 そして、下を見る。

 

 目が合いました。

 頭に布を巻いた、背が高くてごつくて大きな、お兄さんと。

 

 上半身は裸に袖を落とした、チョッキ?を着ています。

 おかげで鍛え抜かれた鋼のような筋肉が目立ちます。

 下半身はアラビアンナイトに出てきそうなダボッとしたズボンに靴。

 ついで、右手には大きな薙刀が一振り。

 

 はて、どこかで見たことがあるようなぁ~・・・・。デジャヴ?

 

 ところで、どうしてそんなに驚いているのでしょうか?

 まぁ、いいです。

 質問します。

 もしもし、あなたはどこのどなたですか?

 

 「お前。何?」

 

 Side out

 

 Side in ■■○○○・◆◆△△△

 

 男は一人だった。

 男は孤独だった。

 

 男は仲間、家族を求め、海に出た。

 男は海賊だった。

 しかし男は財宝などには興味を示さなかった。

 そんな男は、同じ船の乗組員と最後まで欲が合わなかった。

 

 今回。今まで間借りしていた船を降り、只一人ここへ来たのもただの成り行き。

 この島で水や食料の補給に来ただけであった。

 以前に一度、補給に訪れた無人島。

 幸い、ここには、飲料に適した水があり、自生した食料。

 食える肉となる獲物があることを知っていた。

 

 船を入り江に着けると、錨を降ろす。

 もやい綱を近場の岩に巻き付け固定する。

 

 そこで、ふと感じた違和感に眉を顰め。顔をあげ、周囲を見渡す男。

 何かがおかしい。

 そう感じた男は警戒をしつつ、冷静に周囲を確認する。

 

 男が感じた違和感。

 それは、音がしないことだ。

 生命の音。鳥や獣。このあたりに生息する海王類の息吹きが・・・・。

 

 感じる違和感をもとに、周囲を警戒、獲物の大薙刀を用意する。

 男の勘は驚くほどよく当たる。

 男はその勘を信じ、気を配る。

 

 その時だ、大空へ向かって、島から黒く小さい何かがものすごい速さで駆け上がった。

 薄い雲を突き抜け天高く舞い上がる何か。

 その何かの後を追うかのように棚引く、雲の後。

 それらを視認した直後。

 

 島中はおろか当たりの海域にまで轟音が鳴り響いた。

 

 一番近い、身近に知る音は大砲の発射音に似た何か、・・・・そして。

 

 衝撃が来た。

 

 船が寄れ、波が高鳴り、島の上空を中心に円形状に拡がる空気振動による衝撃。

 

 男は船の上で、必死に身体を固定する。

 

「ぐらぁぁあああああああああ!!!」

 

 同時に、男固有の力を使い、振動に振動を当て相殺してゆく。

 男でなければ出来なかったことであろう。

 

 それらの波、衝撃を受け流した男は、盛大に息を吐く。

 頭を大きく一度ふるうと、周囲の様子を確認する。

 船への被害は相殺した為にない。

 揺れる船が収まり、波が穏やかになるのを待つと、男は再び空を見上げた。

 一体、何が起こったのだろうかと・・・・。

 

 片腕で日差しを遮り、目を凝らして天を見詰めるも、何も見えず。

 ただ、岩場に打ち付ける波の音以外、何の音もしない静寂が辺りを包むのみであった。

 

 いや違う。そう男は思う。

 

 この島には今、途轍もない何かがいる。

 

 この辺りの海王類が鳴りを潜め、息を殺し、ひたすらその何かが去るのを待っているのだと・・・。

 

「ふん」

 

 男は一人、甲板で軽く大薙刀を打ち降ろす。

 待つ。何が出てきても大丈夫なように・・・・。

 

 そして――――。数刻。体幹時間に措いて恐ろしく長く感じる時間を破り。

 

 それが来た。

 

 いるのだ、この入り江の崖の上に・・・。

 

 先程の現況が・・・・・・。

 

 そして―――――。

 

「はぁ?」

 

 男は柄にもなく呆けた。

 男を知る者が見れば笑い出すに違いない。

 かの男なら爆笑して、業腹ながら腹を抱えるに違いない。

 

 ぴょこん、と崖の上に顔を出したのは小さな少女。

 歳は12、3歳だろうか。見た目の可愛らしい少女であった。

 大人になればさぞかし綺麗な女性へと生まれ変わるであろう美少女だ。

 しかし、表情が薄い。こちらを観察するように見つめてくる。

 だが、見た目に反し、恐ろしいほどの重圧を感じる。

 かつて相対した海軍大将の比ではない。

 勘がいう。全力で逃げろと。

 勘がいう。あれは次元が違うのだと。

 海軍大将。そんな生易しいものではない。

 目の前のコレは・・・・・。

 

 ただ見つめてくるのみ。

 にも関わらず、男は襲いくる重圧により膝を付きそうになっていた。

 冷汗が流れ、心臓を鷲掴みされるかのようなプレッシャーに、必死に耐える。

 

 そうしてしばし、互いに目線を合わす。

 そのことに焦れた男が、声上げようとしたその時。

 今まで感じていた圧力が瞬時に引いて行った。

 いきなり消えた重圧に、そのまま崩れ落ちそうな身体を大薙刀で支る男。

 そのことを目の前の少女の皮を被った何かに気取られないように。

 

 

「お前。何?」

 

 

 目の前の少女が先に口を開いた。

 

 気を取り直し、気付かれないように落ち着けてから名乗る。

 

「俺か?俺はエドワード・ニューゲート。海賊だぁ」

 

 そして。

 

「・・・・・・・オメェーは何だ?」

 

「我?」

 

 小首をかしげ、不思議そうに見つめてくる少女。

 その少女の身体が、ふわり っと浮き上がる。

 そして、背中に拡がる黒い翼。

 滑空。滑るように甲板上へとやってくると、男の目線と同じ高さまでやってくる少女。

 

 背中の翼を大きく広げたままに一言。

 

 

 

 

「――――我は、(りゅう)。・・・・・・我、ウロボロス・ドラゴン・オーフィス」

 

 

 

 後に人は語る。

 これが世界最強と云われた海賊と。

 人の姿をしたドラゴンの邂逅であると。

 

 男は初めて家族を得た。

 少女は初めてこの世界を知った。

 

 これより始まるは【人つなぎの大秘法】の序曲。

 麦わらの少年が海へと漕ぎ出すより数十年前。

 何が起こるかは、予測不可能。

 

 

 私にも分からない。

 

 

 

「我、どしたらよい?」

 

 中の人は思う。

 

 あ~~~。  

 マジか・・・・・。

 




 誤字、脱字、感想に関して。

 何度もプレビューで確認しつつ。
 読み難くないか見直しをしておりますが、
 見つけたらすみません。
 一言いただければ助かります。

 よろしくお願いします。

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