ドラえもん のび太の新魔界大冒険~絆の戦士と7人の魔法つかい~   作:憲彦

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やぁやぁ皆さん、おはこんばんちは。前回の話で、バトルシーン擬きと、訳の分からない方向に話を進めて事故ってしまい、ネクサス好きの方を怒らせてしまったのではないかと思っている作者です。

………………本当、すいませんでした。

それでは本編、はーじまーるよー!!!ゆっくりしていってね。


離れても離れない、二人の絆

ドラえもん

「あー、そろそろもとの世界に戻そうか。」

 

帰宅したドラえもんがのび太にそう言いながら二階へと上がっていった。

 

のび太

「ねぇ、ドラえもん…………」

 

少し思い詰めた顔で、ドラえもんを読んだ。

 

ドラえもん

「ん?どうしたの?」

 

のび太

「ボクたち…………このままもとの世界に帰っても良いのかな?」

 

このまま、帰って良いのか悩んでいたようだ。自分達には何かやるべきことがあると思っているのだろう。

 

ドラえもん

「気持ちは分からないでもない。でも、ボクたちは科学の世界の人間なんだよ。これ以上このように世界に関わるのはまずいよ。」

 

魔界星や悪魔、巨人に怪獣。その事を考えたら、この世界から戻って良いか迷うが、ドラえもんの言うことも確かだ。

 

のび太

「そう、だよね。」

 

まだ少し納得行ってないようだ。

 

二階に着き、のび太達が部屋にはいると、固まった。

 

 

昼間出していたはずの物が無くなったからだ。

 

 

そう、もしもボックスが

 

 

もしもボックスの置いてあった所では、玉子がのび太のの布団の整理をしていた。

 

それだけで二人は想像しただろう。

 

最悪の未来を。

 

 

のび太

「マ、マママママ、ママ!!」

 

ドラえもん

「こ、ここに置いてた、もしもボックスは!!」

 

二人は慌てて尋ねた。予想が外れてくれと思いながら。

 

しかし、現実は残酷である。

 

玉子

「ああ、デッカイ箱?邪魔でどうしようかと思ってたのよ。そしたら丁度、粗大ごみ回収絨毯が通りかかって…………」

 

ドラえもん/のび太

「うわああああああああああああああああああ!!!!」

 

そこから先は聞かなかった。聞く必要が無かったからだ。

 

二人は急いで窓から飛び出し、タケコプターで飛んでいった。

 

スクラップ置き場に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日が沈みかけている時間帯、のび太とドラえもんがスクラップの山の上に腰かけていた。

 

ドラえもんの手には、もしもボックスの受話器が…………この先は皆さんの想像の通りだ。

 

ドラえもん

「もしもボックスが無いんじゃあ、もう、もとの世界には帰れない。」

 

受話器を見ながらそう言った。

 

のび太

「そんなぁ…………でも、この世界でもやるべきことがあるんだ!!それを見て見ぬふりをするよりは良いよ!!」

 

のび太はドラえもんにそう言うが、

 

ドラえもん

「違う!そんなこと、許されるわけないだろ!!さっきも言ったけど!ボクたちはこの世界にとっては異物なんだ!!これ以上、ボクたちがこの世界の問題に干渉すると、何が起こるか分からないんだぞ!!この世界だけじゃない!ボクたちが本来居た、科学の世界にだって、どんな影響が出るか分からないんだぞ!!」

 

さらに続けて、ドラえもんは言った。

 

ドラえもん

「それに、ボクはロボットだから影響は少ないけど、君は人間なんだ!この世界の事に関わって、科学の世界に戻ってから、君にどんな影響が出るか分かっているのか!!?最悪、存在その物が消えちゃうかも知んないんだぞ!!」

 

そう、いくら魔法が使えるようになったとは言え、二人は科学の世界の住人。ロボットであるドラえもんはまだしも、人間であるのび太にはどんな影響が出るか全く予想が出来ない。

 

しかし、のび太は

 

のび太

「僕の命一つで済むんなら、上出来じゃないか!!」

 

ドラえもんはその言葉に驚いた。そして怒りも覚えた。

 

ドラえもん

「本当に言ってるの…………」

 

のび太

「え…………?」

 

ドラえもん

「命だけじゃない!君がこれまで生きた時間も!これから生きる時間も無くなるんだぞ!!もっと自分の存在を大切にしろ!!!!!」

 

自分の存在を軽く見ているのび太に怒った。

 

ドラえもんからすれば当然だろう。のび太が居なくなると言うことは、彼がセワシの子守り用ロボットになることもなくなり、21世紀に来て、のび太と出会い、友達を作り、一緒に冒険した事や、楽しかった事、その全ての思い出が無くなるからだ。

 

のび太にはのび太の思いが、ドラえもんにはドラえもんの思いが、二人の思いが交わる事なく、ぶつかり合った。

 

ドラえもん

「そもそも、もしもボックスなんて思い付いたのが間違いだったんだ!!」

 

のび太

「君も良い考えだって言ったじゃないか!!それに、それとこれとは、話は別じゃないか!!」

 

ここからは責任の押し付けあいになった。

 

ドラえもんはこうでもしないと、本当にのび太との思い出が消えてしまいそうだったから、

 

のび太は、この事から逃げたら、一生後悔して前に進めなくなると思ったから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、美夜子達の居る教会では

 

美夜子は水晶玉を覗いていた。

 

水晶玉には星空とその星をのみ込みながら広がっていく、闇が映っていた。

 

美夜子

「……昨日より大きくなってる。星の光を飲み込んで、魔界星が近づいているんだわ…………。」

 

美夜子は不安そうに呟いた。

 

だが、一つの可能性も見出だしていた。

 

銀色の巨人に変身するのび太と、変わった魔法で戦うドラえもん達を、彼らの存在が魔界星を止める鍵になると思ってるようだ。

 

彼らは強い。これから起こる戦いでも、きっと心強い味方になってくれる。

 

…………しかし、彼らはまだ子供。ツラい戦いには巻き込みたくない。

 

この二つの思いが、彼女の心の中で葛藤してきた。

 

その時、

 

満月牧師

「おぉ~い!美夜子~!」

 

満月牧師が嬉しそうな声をあげて部屋に入ってきた。

 

美夜子

「は~い!どうしたの?」

 

満月牧師

「遂に分かったぞ!!魔界歴程のありかが!!これで魔界歴程が手に入る!!」

 

美夜子

「凄い!!それが終わったってことは、のび太さんの言っていた巨人の方も終ったの。」

 

美夜子は魔界歴程のことも気になるようだが、巨人の方が気になるようだ。

 

満月牧師

「あぁ、解読可能な所までは終わった。だが、最後の部分は、この古文書一つでは解読不可能なようだ…………。」

 

美夜子

「そう…………。」

 

少し残念そうに思うが、

 

満月牧師

「だが、大丈夫だ。この古文書も5000年の昔にナルニアデスが書いたものだ。恐らく魔界歴程が手にはいれば解読できるだろう!彼らに教えられる内容もまとめたし、とりあえずは大丈夫だろう。」

 

そんな話をしているとき、

 

満月牧師/美夜子

「!?」

 

二人は、強い妖気を感じていた。

 

外では、石像が何かに向けて矢を放つが、その直後に粉々に砕け散った。

 

外に出た二人は、教会の屋根の上に立っている二つの影を見つけた。

 

一つは女性のような影で、髪の一部が蛇になっている。

 

そしてもう一つは、昼間森に出てきたギムだった。

 

満月牧師と美夜子はその影を見つめる。

 

すると、女性のような何かが口の端を吊り上げた。

 

それと同時に、教会全体に魔方陣が張られた。

 

満月牧師

「こ、これは……!?」

 

美夜子

「何!?」

 

二人はこの現象に困惑していた。

 

???

「はあぁぁぁぁ!!」

 

女性が両手を空に突き上げて叫ぶと、地震が発生して、魔方陣がより強く輝いた。

 

そして教会は光に包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間は少し巻き戻り野比家の夕飯時

 

ドラえもんとのび太はまだ喧嘩をしているらしく、互いに椅子ごと背を向けて食事をしていた。

 

のび助

「なんだ、また喧嘩したのか?」

 

のび助は二人の様子を見て呆れている。

 

そこへ玉子が醤油を持って?やって来た。

 

玉子

「ねぇ、また台風が来てるんですって。」

 

のび助

「また?あちこちで洪水だの寒波だのって、ほんとうにどうなってるんだ?」

 

のび太とドラえもんは一瞬顔を合わせるが、すぐにお互いそっぽを向いてしまった。

 

のび太/ドラえもん/玉子/のび助

「ん?」

 

その時、全員小さな揺れを感じた。

 

そして揺れはどんどん大きくなり、のび太達は思わず悲鳴を上げた。

 

のび助

「テ、テーブルのしたに潜りなさい!!」

 

のび助がそう言うと、テーブルのしたに潜り、それに続いて、ドラえもんと玉子も潜り込んだ。

 

のび太

「うわぁ!ああああ!?」

 

のび太も潜ろうとするが、椅子が動かず、振動で椅子ごと倒れてしまった。

 

玉子

「のび太!!」

 

のび太

「うわぁっ!!」

 

倒れているところを、テーブルの下から玉子が引きずり込んでくれた。

 

そして、のび太を守るように抱き締めていた。

 

ふと横を見ると、同じようにドラえもんものび助に抱き締めていた。

 

二人は目が合った瞬間に、変顔でお互いをバカにしあった。

 

…………さすがに神経を疑う。

 

そして、地震が収まった。

 

のび助

「大きかったなぁ…………。震源が近いぞ、きっと。」

 

地震が収まったてから、全員テーブルから出てきた。

 

のび太とドラえもんは地震の情報を得るためにテレビのある居間に向かった。

 

のび太

「どけよ!」

 

ドラえもん

「どけって!」

 

居間に着くと、二人はお互いを退かしあいながら、テレビのスイッチを押していた。当然画面には何も映らない。

 

のび太

「あれ、つかない!?」

 

ドラえもん

「そんな!?」

 

二人が困っていると、そこへのび助がやって来て

 

のび助

「何だ何だ、テレビのつけ方忘れたのか?スイッチに触れて念力を送るんだろ。」

 

二人を退かし、スイッチを押すとあっさりニュースが映った。

 

三人はそのニュースを見始める。

 

キャスター

「超巨大の台風は、いぜん勢力を保ったまま北上を続けております。」

 

そこに、新しい原稿が飛んできた。

 

軽く原稿にめを通すと、

 

キャスター

「先程発生した地震の詳しい情報です。震源地は樹海の森、北西部。震源の深さは非常に浅いと言うことで………………。」

 

のび助

「やっぱり近かったんだ…………。」

 

呟くのび助の後で、のび太とドラえもんはハッとした。

 

のび太

「樹海の森って…………」

 

ドラえもん

「美夜子さんの教会の近くだ。」

 

二人は自分達が会話をしているのに気付くと、またそっぽを向き合い、玄関へ向かった。

 

のび太

「お先にっ!」

 

ドラえもん

「あっ、このっ!」

 

のび太がドラえもんより早く家を出ると、待たずに駆けていった。

 

得意気に走っていたが

 

ドラえもん

「お先っ!」

 

ドラえもんがタケコプターを使ってのび太を追い越して行った。

 

のび太

「ああっ!?こらっ、ずるいぞ!!自分ばっかり!!」

 

のび太の文句も聞かず。ドラえもんはのび太からどんどん離れていった。

 

のび太

「ドラえもーーん!!うわっ!?」

 

ドラえもんの名前を叫びながら、何かに躓いて転んでしまった。

 

のび太

「いっててて…………。卑怯者!!薄情者!!いくらなんでも置いてくなんて!!」

 

ドラえもんが飛んでいった方向に向かって叫ぶ

 

のび太

「短足…………!ポンコツ狸…………!」

 

徐々に声が弱々しくなって、俯いた。

 

のび太

「……ん?」

 

のび太の目に道に落ちてるものが入った。

 

タケコプターだった

 

のび太

「これって…………」

 

のび太はそれを手に取る。

 

のび太

「ドラえもん…………」

 

空を見てこれを置いていった者の名前を呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

険しい表情で飛んでいたどんどんの横に、タケコプターを使って飛んできたのび太が追い付いた。

 

のび太

「あのさ…………」

 

無言だったが、のび太が口を開いた。

 

ドラえもん

「なんだよ…………」

 

不機嫌そうに返すが、のび太が咳払いをし

 

のび太

「もしよかったら…………、仲直りしてやっても…………良いよ。」

 

しばしの沈黙のあと、

 

ドラえもん

「…………良いとも。」

 

その言葉に安心したのか、息を吐き、お互いに笑顔を向ける。

 

のび太

「ドラえもん!」

 

ドラえもん

「のび太くん!」

 

二人は両手を繋ぎ、くるくる回りながら飛ぶ。

 

ドラえもん

「喧嘩しててもしょうがないや!二人で力を合わせれば、もとの世界には帰る方法だってきっと見つかるよ!」

 

のび太

「そうだね!!」

 

ドラえもん

「さっ!急ごう!美夜子さんが心配だ。」

 

のび太

「うん!!」

 

切っても切れない、離れてもまた近づく。

 

これが、これこそが、二人が今まで積み上げてきた絆だ。

 

そしてこれからもこの絆は切れることは無いだろう。

 




あぁ~、また訳の分かんない方向に事故っちゃった。

それでは、後書コーナーでーす。


作者
「今日は本編よりこの人がゲストとして来てくれました。ジャイアン&スネ夫で~す。」

ジャイアン/スネ夫
「イェーーイ!!」

のび太
「やっと座談会的なのやるんだね…………」

作者
「今日は紹介するものないし、そもそも座談会擬きだからね。そこんとこちゃんと覚えといてね。それじゃあ、ジャイアンとスネ夫、何かある?」

スネ夫
「あっ、はい!」

作者
「どうぞ」

スネ夫
「ドラえもんとのび太が、スクラップ置き場で喧嘩するシーンだけど、何であそこ原作と変えたの?」

ドラえもん
「そう言えば、気になるね~」

作者
「そこは、元々原作通りにする予定だったんだけど、ネクサスぽさを入れたいから、自分の存在を懸けるリスクを入れようと思ったんだ。まぁ~、それが意外と良い方向に働いてくれたかなって思ってるよ。」

ジャイアン
「俺からも良いか?」

作者
「良いよ。」

ジャイアン
「もしもボックスで世界を変えたのはずなのに、何でのび太達は魔法の世界に来たってことになってるんだ?」

出来杉
「それは僕も気になってたよ。もしもボックスは自分が考える空想の世界と条件の近い世界を作る道具って言ってたから。」

作者
「それはね、この映画が公開されたとき、テレビの方では、魔法世界ののび太のが科学の世界に変えるって話があったからさ。偶然同じタイミングで全く反対の願い事を言ったら?…………」

出来杉
「入れ替わっても不自然さは少ない。」

作者
「そう言うこと。」

ジャイアン/スネ夫
「成る程な~」

作者
「時間もいい感じだしここまでね。それじゃあ、次回予告よろしく!」


ジャイアン
「じゃあ、美夜子さん一人で魔界歴程を取りに行ったのか?何で一人で行かせた!!」

スネ夫
「でもボクたち、箒に乗ることと、物体浮遊術しか使えないんだよ。足手まといになるだけだよ!」

のび太
「やっぱり、ボクは美夜子さんの所に行くよ。」

出来杉
「僕も着いていくよ。」

ドラえもん
「それじゃあ、行こう!美夜子さんを助けに!」

作者
「次回 魔界歴程 」

???
「ワタシは、貴様の光を、ここで消す」

ドラえもん/のび太/出来杉/スネ夫/ジャイアン
「次回もよろしくね!!!」

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