オリ主と衛宮士郎との友情ルート   作:コガイ

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戦いの後

 ーー2月3日ーー

 

 夢を見た。

 

「僕は正義の味方になりたかったんだ。」

 

 それは切嗣(爺さん)が死んだ日だった。

 

「だったら俺がなってやるよ。」

 

 それは満月の夜だった。

 

「そうか、なら安心だな。」

 

 それが最後の言葉だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 朝の日差しで目が覚める。日が少し高い。どうやら寝過ぎたようだ。桜と藤ねえは学校の部活だろうから誰も起こす人がおらず、結果こうなったのだろう。

 顔を洗おうと、洗面台に向かう。その途中に、体が少し気怠く感じた。寝過ぎたせいだろうか。

 

「昨日、何かあったか?」

 

 少し思い出せない。そもそも寝過ごすという事が珍しい。昨日の内にあった事が関係ある筈なんだが。

 

「腹、減ったな。」

 

 そんなことよりも体は栄養を求めている。居間に行けば何あるだろう。

 顔を洗い居間へと歩く。どうやらまだ寝ぼけているらしい。だって、遠坂の顔がそこに……

 

「おはよう、衛宮くん。」

 

 ……気のせいではなかったらしい。

 

「な、え……!」

 

 なんで遠坂がここに!?昨日なにか……

 

「何?まだ寝ぼけてるのかしら?」

「ちょ、ちょっと待ってくれ!」

 

 えっ、えっと確かセイバーのマスターになって、教会に行って、その帰りにバーサーカーとかいう奴に襲われて、セイバーを庇おうとしてそれから……

 

「創太は⁉︎」

 

 そうだ。あいつも俺を庇ってなんとか生き残り、黒い大男を撃退したは良いものの、そのまま倒れて俺の家で看護しようという話になった筈だ。

 

「あいつなら、衛宮くんが寝てる間に出ていったわよ。家に色々と取りに行ってるらしいわ。」

「えっ、だけど……!!」

「心配いらないわよ。昨日も言ってたでしょ。ただの魔力失調で、ドラナリクさんが補給すればなんとかなるって。」

「あ……」

 

 そんな事も言っていたような気がする。ただ、儀式も何も無しに魔力補給はできないとかなんとか言ってたような気もする。遠坂が。

 

「なんとなく昨日の事は思い出してきた。本当に創太は無事なんだな?」

「ええ、ピンピンしてたわよ。」

「そうか、良かった。……他の三人は?」

 

 三人というのはセイバー、ジアナさん、それにアーチャーの事だ。

 

「アーチャーとドラナリクさんは屋根の上で見張りをしてもらってるわ。セイバーは道場にいるそうよ。」

 

 え? アーチャーとジアナさんは解るとして、なんでセイバーが道場に?

 

「衛宮くんの質問には答えたし、次は私からも質問をして良いかしら?」

「あ、ああ。」

 

 まだ質問はあるがそれは本人に聞けば良い事だろう。

 

「率直に言うわ。衛宮くん、私と一緒に組まない?」

「はひ?」

 

 何故か変な返事をしてしまった。

 

「だから、あのバーサーカーを倒す間協力しようっていう事。古崖くんに、その結論をあなたが出す前に話をさせろって言われたから、報告するのは彼の話を聞いてからでいいわ。」

「あ、うん。解った」

 

 遠坂と戦わなくて済むのはこちらとしても嬉しいが、創太から話とは一体?

 

「それじゃあ、言いたい事は伝えたから私は帰るわね。昼食もまだ食べて無いし。」

「待った。なら、一緒に食べないか?。」

「えっ?」

「俺が作るからさ。皆で食べていけよ。」

「皆ってまさか、アーチャーも?」

「おう。」

 

 当然だ。皆っていうのはそういう事だろう。もちろん、セイバーとジアナさんもだ。

 

「……いいわよ、ただしアーチャーは抜き。あいつ呼んでも来ないと思うし。」

「なんでさ。」

「サーヴァントっていうのは元々食事が必要ないのよ。そもそも敵地で出される食事なんて普通は食べないの。」

 

 そんなものか?……いや、そんなものか。よく分からないがアーチャーは食べないのか。

 

「じゃあ、他の人が食べるか聞いてくるよ。」

 

 セイバーは分からないが、ジアナさんは食べると思う。

 

 =====

 

 少し時間は遡り

 

「貴方は後悔しているのですか。」

 

 ジアナとアーチャーの会話が屋根の上で行われていた。

 

「さあ、何のことかな。」

 

 アーチャーははぐらかそうとしながら見張りを続ける。

 

「それは士郎君に関係しているのですか。」

「何故そう思う。」

 

 彼の顔色は変わらない。

 

「貴方が士郎君に向ける敵意は他の人に向けるものとは格段に違いました。」

「それだけの事で判断したというのか?」

 

 呆れた顔をするアーチャー。

 

「いいえ。」

 

 ジアナは答える。

 

「貴方のその敵意には自己嫌悪が含まれていたからです。」

「……。」

 

 少しアーチャーの顔色が変わったようにジアナは見えた。

 

「すみません。こんな事をいきなり尋ねてしまって。ただ、貴方の後悔を知りたかっただけで……」

「ジアナさーん!」

 

 話の途中で下から士郎から呼びかけられる。

 

「……はい!なんでしょうか!」

「昼食一緒に食べませんか!」

「はい!頂かせてもらいます!」

 

 それは、食事の誘いであった。

 

「先程の話は無かった事にしてください。知られたくない過去は誰にでもありますから。」

 

 そう言って屋根から降りようとするジアナ。

 

「君はやり直したいと思ったことはあるかな。」

「えっ?」

 

 アーチャーは呼び止める。

 

「……なに、ただの独り言だ。」

 

 ジアナはアーチャーをじっと見る。言葉の意味を考えているからだ。しかし、いくら考えても判らないと思い屋根から降りた。




どうも、作者です。
今回は何も進みませんでした。そして、ジアナが真相に迫ろうとしていきます。早いよジアナさん真相を知るにはまだ早い。

今さらですがキャラの口調が合っているのか怪しいです。

そして更に今さらですがオリキャラの容姿について説明します。

主人公である古崖創太は茶髪黒目で髪型は少し長めです。身長は162と低めで体重は56です。
ジアナは金髪碧眼でショートヘア(三つ編みは無い)です。身長159、体重44です。バレそう、本当にバレそう。いや、バレても良いんですけどね。

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