オリ主と衛宮士郎との友情ルート   作:コガイ

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初戦・VSバーサーカー

「セイバー、迎え撃て!!ジアナはそれを主体に援護!!アーチャーは遠方から狙撃だ!!」

 

 バーサーカー戦闘開始直後、俺はそんな事を叫んでいた。セイバーとアーチャーの実力は詳細には知らないが、クラス名から判断した指示だ。普通、セイバーが白兵戦、アーチャーが狙撃は得意なはずだ。ジアナの身体能力はかなりのものだが、一点特化にしか()()()()もので、正面で戦おうとしてもやられるだけだ。

 セイバーとアーチャーは俺がマスターじゃ無いにも関わらず、指示に従ってくれる。セイバーは俺がジアナの知り合いという事で信じてくれているのだろうが、アーチャーは何か言ってくるのかと思った。敵である衛宮にも殺意を向けていたし。

 

「■■■■■ーーー!!」

「くっ……!!」

「はあっ!!」

 

 セイバーが見えない剣で、バーサーカーの大振りで素早い攻撃を逸らし、ジアナがその攻撃の隙を槍で突き、すぐさま離れる。バーサーカーに力負けしているがこちらはダメージを受けてはいない。だけど、相手もダメージを受けていない。というよりも、

 

「あいつ、攻撃が効かない!?」

 

 そう、遠坂の言う通りの事が起きていた。あのバーサーカーは体の表面で攻撃を弾いている。鎧でそうなっていたり、単にダメージが通りにくいのならまだしも、攻撃を無効化しているのなら勝ち目なんてない。ジアナに援護しろと言ったがあれでは無意味だ。

 そして、なにかセイバーの動きがおかしい。ぎこちないないというか、キレが無い。確か衛宮はセイバーを召喚する前にランサーに襲われたと言っていた。多分あの槍をセイバーは受けてしまったのだろう。あれをくらえば治癒が効きにくくなる。

 

「創太、セイバーの様子がおかしいです!今はなんとか拮抗していますが直にそれも崩れます!」

 

 解っている。この状況を有利に持っていけるのはアーチャーだけだろう。

 

「どうする、遠坂。お前のアーチャーで対抗できそうなのあるか?」

 

 手札が多いと言っていたあいつの事だ。それがブラフではないと信じたい。

 

「ちょっと待って……」

 

 アーチャーに念話をしているのだろう。そもそも手札が多いとは言え、相手が何故攻撃を無効化できるのかが解らなければ意味がないのだが。早くしてくれ、セイバーが押されている!!

 

「……二秒も隙を作れればなんとかなるって言ってたわ。」

「解った。俺が隙を作る。合図を送るからそれま」

 

 俺が作戦を伝えようとした時、鈍い音が聞こえた。セイバーとバーサーカーの距離が離れており、彼女の腹から血が見える。

 まずい。モロに攻撃を食らったのだろう。完全に力負けをしたか。こうなる前に反撃をしたかったが……!

 バーサーカーは追撃と言わんばかりにセイバーへ一直線に走る。ジアナもセイバーを助けようと走るが間に合わない。だがこれはチャンスだ。ここまで一直線なら隙も作りやすい。

 

「今だ、遠坂!アーチャーに……」

「セイバー!」

「なっ!?」

 

 衛宮はその叫び声と同時にセイバーへと駆け寄ろうとする。

 あの馬鹿ブラウニー!セイバーを助けようとしてるんだろうが返って邪魔だ!ランサーに殺されかけたというのに、また死ににいくつもりか!

 

「ちっ!」

 

 舌打ちをしながら俺も走る。

 

「■■■■■ーー!」

 

 バーサーカーの大きく振りかぶりでかい斧剣を上段から叩きつけようとする。

 

「うおおおーー!」

「シロウ⁉︎」

 

 それから助けようと衛宮はセイバーを突き飛ばす。だが、

 

「やばっ。」

 

 攻撃の射線上に残されてしまった。このままではあいつは死ぬ。死んでしまう。また身近な人を失ってしまう。

 

 そうなったらどうなる?

 考えただけでも怖い。

 怖い……!

 こわ……

 

「はああああーーー!」

 

 恐怖を持ちながらも、俺は剣の腹に向かって体当たりをし、

 

 バーサーカーの攻撃を逸らした。

 

 その剣は丁度セイバーと衛宮の間に落ちていき、俺は尻もちをついてしまう。しばらく沈黙が続き、ジアナを除いたここにいる全員が驚愕している。俺は体格が小柄な方だ。遠坂よりは身長が高いがそんなのは些細な事。そんなサーヴァントでもない俺がバーサーカーの重い一撃を受け止めてはいないものの、逸らした事は異常な事態だろう。

 その秘密は魔術を使ったからだ。古崖家の魔術は()の扱いに関して右に出ないと自負している。

 

「……っ!バーサーカー、まずはそこの奴を殺すのよ!」

 

 我に返ったのか、イリヤスフィールの声で戦闘が再開された。だが攻撃の対象が俺に変わり、さらにまずいことになってしまう。

 

「■■■■■ーー!」

 

 まず一撃。先程と同じような上段からの攻撃を左に避ける。

 

「っ!!!」

 

 二撃目、右からの薙ぎ払いを跳んで躱す。だが、それが間違いだった。

 

「しまっ……!」

「■■■■■ーー!」

 

 跳べば着地点を狙われるのは当然だ。飛べれば話は別なのだが。そんな高等な事、俺にはできない。

 

 すぐに切り換えされた斬撃が俺を殺そうとする。

 

「創太ーーーー!!」

 

 衛宮が叫ぶ。しかし、そんなことでは現実は変わらない。

 

 死が目前まで迫る。

 

 ああ、死にたくない。それなのになんで庇ったんだっけな。

 

 友達……だったからだろうな。

 

 

 

 

 

「剣をお借りします。」

「ジ、ジアナ!?」

 

 そんなジアナとセイバーの声が聞こえる。

 

「はあっっっ!!」

 

 斬れた。あのビクともしなかったバーサーカーの体が斬れた。厳密に言えば腕なのだが。

 そのおかげで攻撃の軌道が逸れて、殺される事は免れた。

 

「怪我はありませんか、創太?」

「……あ、ああ。なんとかな。助かった。」

 

 ジアナはバーサーカーに向かってセイバーの見えない剣を構えている。

 

「ふーん。そこらへんの魔術師かと思ったけどやるじゃない。いいわ、今回はこれで引き上げてあげる。お楽しみは後に取っておくものだしね。」

 

 そう言うとイリヤスフィールはバーサーカーの肩に乗り大砲のごとくどこかへ跳び去っていった。

 誰も止めようとはしなかった。当たり前だあんなものは早くどっか行って欲しい。

 そうしてすぐさま俺は倒れた。緊張の糸が切れたからだろうか。

 

「大丈夫か、創太!!」

 

 ああ、大丈夫だ。そう言おうとしたのだが舌が上手く回らない。

 

「お……太!返事を……!」

 

 眠いんだよ俺はそんな近くで叫ぶなよ。

 

「……、……!!」

 

 ジアナも何か言っているが俺の意識は段々薄れていく。

 

 眠い、ねか……せ……て……く……

 




どうも作者です。
今回は短いです。次の日まで書いても良いのですがそれだと長すぎるかなと思いこうなりました。

戦闘シーンにもっと迫力が欲しい。と言うか語彙力が欲しい。そんな願いを叶えてくれる人はいませんかね。(他人任せ)

アーチャーに狙撃させようとしたら一発も撃たせずに終わった件について。まあ、仕方ないよね。アーチャーは作者の隣で寝てるからね。

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