オリ主と衛宮士郎との友情ルート   作:コガイ

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 シロウがソウタという者に連れさられ、残された私達ですが、

 

「また窓ガラスが割れたわね。」

「す、すみません。焦っていたもので。怪我はありませんか?」

「別にどこにも無いわ。あと、窓ガラスに関してはここの家主に言った方がいいわよ。」

「はい、そうすることにします。」

 

 ジアナがアーチャーのマスターに謝っていました。

 

「さっき直したばっかりなんだけど、仕方ない。もう一度直すしかないわね。」

「それは原因である私にやらせてください。」

「そう?それじゃあお願いするわ。」

 

 どうやら、ジアナが窓ガラスの修理を行うそうだ。彼女は自身が入ってきた壊れた窓ガラスの方へと歩く。そして、それを右手で触れ、反対側の手を部屋の中心に向ける。

 

物質(Material)(to)魔力(magic,)、」

 

 この詠唱をするという事はつまり、彼女は古崖家の魔術を使用するということ。彼女の言葉によって部屋に散らばっていた窓ガラスの破片が左手に集まり吸収されていきます。

 

「ほう……これは……」

「まさか、物体を魔力に変換しているの⁉︎」

 

 彼女が驚くのも無理はありません。私は魔術に関しては知識があまり多いほうとは言えません。ですが、これが異常なのは解ります。前のマスターとその妻も、古崖家の魔術を見て驚いていました。きっと生前……は厳密に言うと違いますが、ともかく知り合いの魔術師もこれを見たら驚いた事でしょう。

 

魔力(magic)(to)物質に(material.)。」

 

 もう一度唱えると、今度はジアナが割った窓ガラスが何かの生き物のように元の形へ復元されていきます。魔術とは本来、現象を起こすモノ。ですが、物体を生成することは基本的にあり得ません。

 

「貴女、一体なにを……?」

「話はソウタ達が戻ってからにしましょう。えっと、確か……」

「遠坂凛よ、ジアナさん。とりあえず、貴女の言う通り、古崖くん達が戻るまでその話は不問にしましょう。別の話の途中だったしね。」

 

 アーチャーのマスターの疑問がまた増えたようですね。しかし、私にも一つ疑問が増えた。

 

「良いのですか、ジアナ。古崖家の魔術を使ってしまっても。」

 

 古崖家の魔術はかなり珍しく、それ故に他の魔術師に狙われやすいものだ。以前、私と前のマスター、そしてその妻は信頼に値するものだと判断され、その詳細を教えてくれました。

 

「私なりの誠意ですよ、セイバー。それに、この聖杯戦争は必ず激しいものになります。遅かれ早かれ、いずれ彼女達には見られることになるでしょう。けれど、古崖家の魔術はあれだけではありません。貴女も解っているはずです。」

 

 ええ、解っています。彼女らの魔術の真髄はそれよりももっと恐ろしいモノだ。私ですら敵に回したくないほどです。

 

「ただいま、衛宮に令呪を調べさせてきたぞ。」

 

 話をしていたら、シロウとソウタが帰ってきたようです。前回はありませんでしたし、きっと今回も大丈夫でしょう。

 

 =====

 

「ただいま、衛宮に令呪を調べさせてきたぞ。」

 

 俺達は令呪調べについて報告する為に居間に帰ってきた。いや、帰ってきたという表現はおかしい気がするが……

 

「おかえりなさい、マスター、創太。」

「2人ともおかえり。それでどうだった、衛宮くん?」

「ただいま。創太の体を調べたけど令呪みたいなのはなかったぞ。」

「という訳だ。アーチャー、俺が聖杯戦争の参加者じゃないってことは判ったな?」

 

 これで、そんなもん嘘だと言われれば、ジアナに倒させるつもりだ。

 

「ああ、少なくとも聖杯絡みでお前達と戦う事はなさそうだ。」

「理解してくれて、助かるぜ。これで話が進む。」

 

 よかった。よろしい、ならば戦争だ。とかっていうセリフは言わなくて済みそうだ。

 

 そういえばだがさっきジアナが割った窓ガラスが直っているな。……まさかとは思うが一応ジアナに小声で聞いてみるか。

 

「ジアナ、窓ガラスが直ってんだけどさ……。」

「はい、私が直しました。あの魔術を使いましたが。」

 

 やっぱりそうか。

 

「遠坂には何か言われなかったのか?」

「ええ、その魔術については聞かれましたよ。しかし、貴方もシロウ君もいませんでしたし、二度手間になってはいけないと思い、後で聞くようにと言っておきました。」

 

 また話す内容が増えたよ。

 

「何で、そんなことをしたんだ?」

「セイバーにも聞かれましたが、私なりの誠意です。それに、原因は貴方にもあるんですよ。」

「うっ……まあ、確かにそうだな。」

「古崖くん、話をしてもらって大丈夫かしら?」

「大丈夫だ、問題無い。」

 

 問題だらけだがな。一番いい省略法を頼みたい。

 

「話を再開したいんだが、その前にジアナの紹介をさせてくれ。こいつの名前はジアナ・ドラナリク。俺の師匠兼保護者兼うちの居候だ。」

 

 保護者というのは、もう俺には父親も母親もいないのだ。その代わりがジアナだ。俺としては、姉の方が近い気もする。

 

「紹介に預かりました、ジアナ・ドラナリクです。先程は皆さんを勘違いしていたこと、大変申し訳ありませんでした。」

 

 ジアナは土下座をした。外国人がそれをすると違和感があるね。こいつ、見た目だけは超絶美少女なんだが……うん、年がね。

 

「そして、士郎君。そのせいで貴方の家を壊してしまったこと、申し訳ありませんでした。」

 

 その原因の半分……というか全部俺のせいなのだが、今更謝ることができなくなっていた。

 

「いや、いいですよ、ジアナさん。知り合いが誘拐されたと思っていたんですよね?なら仕方ないですよ。」

 

 衛宮が敬語を使ってる。そういえば、ジアナが衛宮に会ったっていう話を聞いたことがあったな。

 

「衛宮くん、もしかしてドラナリクさんと知り合い?」

 

 ジアナが衛宮の名前を知っていた事を不思議に思ったのか遠坂が質問する。

 

「ああ、商店街で買い物をしているとよく出会うんだ。」

 

 確かジアナもそんな風に話してたな。

 

「それじゃあ、話を再開しようか。……で、どこまで話したっけ?」

「工房の許可証がっていう話よ。あんたのところにはあって、こっちのところにはないからどういう事になってるのかで中断させられたはずよ。」

「あっ、その許可証は私が盗みました。」

 

 っ!?なんかさらっと凄い事をいったぞ!?

 

「ついでに言うと、遠坂家にある古崖家に関する書類も全部です。」

「ちょっと、それどういう事よ⁉︎」

 

 遠坂が叫ぶ。俺もびっくりだ。

 

「ちゃんと理由はあります。それは……」

 

 ジアナが俺に目配せをしてくる。俺に関する言いづらい事をだろう。だが、大丈夫だ。あれはもう克服した。そう思い頷く。

 

「……それは十年前、冬木の大災害が起こった日です。」

 

 衛宮の顔も歪む。こいつにとっても色々な意味での転機だったからだ。

 

「私達が住んでいる場所は被災地にはなりませんでしたが。運悪く、ソウタの両親はそれに鉢合わせ、巻き込まれてしまいました。」

 

 居間を取り巻く空気が一気に重くなる。

 それは俺にとって最大のトラウマであった。俺の心の半分以上を占めていた両親が亡くなり、引きこもり状態であった。今でこそジアナのお陰で立ち直ってはいるものの、まだどこか気にしている部分もある。

 だが遠坂は、

 

「横槍を入れるようで悪いんだけど、貴方の両親は巻き込まれたんじゃなくて、自ら巻き込まれに入ったんじゃないの?」

「遠坂お前……!」

「いいんだ、衛宮!遠坂の言う通りだ。」

 

 やっぱり誤魔化せなかったか。そっちの方が都合が良かったんだが。

 

「さっき、セイバーはドラナリクさんの名前と古崖と言ってた。つまり、古崖君の両親とドラナリクさんは前回の聖杯戦争に少なくとも関わっていた。そして、セイバーも。

 今回のように、参加者でもないのにでしゃばっているのか、それとも正規の参加者として聖杯を求めたのかは判らないけど。そこのところどうなのかしら、セイバー?」

 

 的確な推理ですよ遠坂さん。質問されたセイバーは答える。

 

「はい、ソウタの両親とジアナは聖杯戦争に関わっていました。しかし、今回と同じようにマスターとしてではありませんでしたが。」

「ということは親子二代揃ってでしゃばっているのね。」

 

 ズバズバと言う遠坂。人によっちゃ傷つくぞ、それ。

 

「話を戻しますね、ソウタはその事実を知って、引き篭もってしまいました。それを見た私は思いました。この子は魔術師になろうとはしないでしょうと。だから私は遠坂家にある古崖家の資料を盗みました。」

 

 遠坂が持っていないって言ったのはそういう訳か。いや、確かに前々からおかしいと思ってたよ?いくら誤魔化せたとしても、管理者(セカンドオーナー)がこっちの情報を持っていないはずかないって。でも、それをジアナに訊くといっつもはぐらかされちゃうんだよな。主に殺気で。

 

「……解った。どう盗みだしたのかは聞かないとして、何故、古崖くんはそれでも魔術を使っているのかしら?そして、どうして古崖くんから魔力を感じ取れないのかしら?」

「一つ目の質問の返答は、ソウタが1年前に魔術を習いたいと言ったからです。そして二つ目の質問の返答は、私は彼が魔術を恐れてやめるかもしれないと思い、古崖家の魔術で周りの魔術師に気づかせないようにさせてきました。

 そうすれば、もし魔術をやめたいと言った時、古崖創太が魔術師だったということは誰にも勘付かれず、魔術師の世界に関わることにはならないと思いました。」

 

 なるほど、最初のころ隠蔽の魔術の猛特訓させられたり、魔力隠しの道具を持たせてたりしたのはそういうことか。隠蔽の魔術に関しては厳密に言えば違うものだが。

 

「はあーっ。」

 

 遠坂が深い溜息をついた。

 

「なるほど。細かいところは省いているようだけれど、こっちの質問にはちゃんと答えているわね。魔力に関しては完璧に隠せるなんていう魔術は聞いた事はないけど、とりあえず信じてあげるわ。」

「そうか、じゃあ次の話は?」

「いや、もうそれはいいわ。貴方達が聖杯戦争の参加者じゃないのなら、ここで情報を聞き出しても、今、それは必要ないわ。」

 

 そうしてくれ。段々、眠くなってきた。

 

「それじゃ、話も終わったし、そろそろ行きましょうか。」

「?行くって、こんな時間にどこにだよ。」

 

 やめて、寝たいからやめて。

 

「衛宮くんの疑問を答えてくれる場所、教会よ。」

 

 ほんとに今何時だと思ってるんだよ。




どうも作者です。
3話目を分割しました。(大事な事なのでry)

以下元3話目の後書き。

ロリっ子小悪魔が前回の前書きで出てくると言ったな、あれは嘘だ。というか外道神父すらでませんでしたね・・・。まあ、本当にただの切実な願いだったので、本当に嘘をついていたのはオリ主の能力説明に関してですね。すいませんでした。

その代わりに新たなオリキャラ、ジアナが出てきましたね。さらにセイバー陣営とはすでに出会ったことがあるという設定。ちなみにオリキャラはもうでません。というか最初からオリキャラは一人と決めていました。(ここ重要)
しょうたいばれそう。あと、セイバーとキャラが被る。

そういえば、前回でアーチャーの召喚フラグが折れましたね。後でまた、立たせる予定です。

次回予告!!・・・をすると、また嘘をつくことになるのでやめます。

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