「おい、衛宮が誘拐されたって本当か⁉︎身代金はいくらだ‼︎」
「うるさいです。」
「ボゴォ⁉︎」
慌てて衛宮邸に帰り、居間の扉を思いっ切り開け、大声でふざけた事を叫んだ結果、ジアナにアッパーで殴られた。
見えた!星が見えたスター!
「ちょっと、ジアナ⁉︎創太が気絶したじゃないの‼︎」
「大丈夫ですよリン。ギャグ補正がありますし、ソウタは倒れたフリをしているだけですよ。」
「あんだけ吹っ飛ばされて大丈夫な訳……!」
「あれは痛えよジアナ。」
遠坂の心情を裏切るかのように俺はムクリと起き上がる。
「えっ、でもあんた……」
「さっさと作戦会議するぞ。衛宮が連れ去られたんだろ?」
「凛。彼らのおふざけを気にしてはなりません。仲間になりたいのなら別ですが。」
「………ええ、そうね。」
おう、なんだセイバーも居たのか。寝たきりから復活したようだな。それでなんかひでえ事言われた気がするがまあ気のせいだろう。
「で、まず衛宮が攫われたって知ってるならその誘拐現場を誰かが見たって事か?」
「いいえ、私とシロウに繋がっているパスに異常が感じられたました。そこから士郎に何かあったのだと思い、助けを求めたわけです。」
パスで相手がどうなったのかを感じ取ったのか。だが、衛宮とセイバーの繋がっているパスはあまりにも細い。セイバーが十分な魔力を補給できないほどに。
「なるほど。つまり、誰が衛宮を連れ去ったかは分からないと。」
「はい。しかし、場所ならば判明しています。」
「そこは何処なんだ?」
「確か、郊外の森の方だと思われます。」
「郊外の森……つまりはあそこですか。」
ジアナの予測に対してセイバーは頷く。その予想は正解なのだろう。だが、あそことは一体?
「なあ、ジアナ。あそこって?」
「アインツベルン城です。」
「っ……!」
ああ、くそ。また
「つまり、イリヤスフィールが犯人ってことね。まさか、城までもこっちに持ってきてるなんて……ねえ、セイバーとジアナってその郊外の森に行ったことあるの?」
「はい。前回のマスターがそこを拠点にしていましたから。」
へえ、そうだったのか。前の聖杯戦争に関して、俺はジアナからそこまで詳しくは聞いていなかったから初耳だ。知っているのはその結果だけだ。
「ふぅん。それで、士郎とのパスは?まだ繋がっているんでしょ。」
「ええ、異常を感知しただけで切れてはいません。」
「そう。だったら案外創太が言ってたことも間違いじゃないようね。」
「俺なんか言ったっけ?」
ワタシー、キオクガーアーリマセーン。ユーギボー、げふんげふん。
「最初に言ったでしょ。身代金がどうのって。あっちは何かしらの取引を要求してくるかもしれないわ。」
え、あれただ適当に言っただけなのに。
けれど、多分相手は単なる好意でやってる気がしなくもない。まあ、好意の結果が誘拐ってのはないね。
「なら、それに応じるか?」
「嫌よ、絶対にね。」
だろうな。短い時間だが、今までの遠坂を見る限りでは、性格上相手の思惑に乗るなんて事は絶対にしない。
「やる事は一つだけよ。」
「人質の救出だな。」
「ええ、そうよ。」
俺も
「侵入経路とかはジアナとセイバーが内部構造に詳しいから任せるとしてだ、もしバーサーカーに会った時の対策は……」
数秒の沈黙。あれに対策とかねえよ。
「なあ、遠坂お前……」
「無いわ。私もあれに対抗できるなんて思えない。」
ですよねー。
「せめて、誰かを犠牲にして逃げる方法しかないわ。例えば……」
遠坂は申し訳無さそうにジアナを見る。
「私は無理です。」
「ええ、分かってる。流石に生きてる人を犠牲にしない。そうするのは、せめてサーヴァントのアーチャーかセイバーを……」
「いいえ、私が言いたいのはそういう事ではありません。
私ではサーヴァントに、ましてやあのバーサーカー相手では一分も保ちません。」
「え?だってアーチャーの視認範囲から二秒で走ってここまで来たんでしょう?その身体能力があれば多少は……」
「それは素の身体能力ではありません。」
「分かってるわよ。身体強化の魔術でも使ったんだと思うけど、それでも一分で効果が切れる訳でもないでしょ?」
まあ、普通はそう思うよな。
「遠坂、言っとくけど俺たちの魔術は特殊なんだ。納得はしなくてもいいから理解はしてくれ。」
と言いながらも詳細な説明はしない。遠坂には悪いけど、秘密がバレれば封印指定に一直線だからな。
「……ええ、手の内はあまり見せたくないのね。」
まあ、そうとも言えるな。正確には違うが、最初に物質の魔力化を見せた時点で意味無い気がしなくもない。
「まあ、そう思ってくれ。さて、人質救出作戦を今からちゃんと決めていくわけだが……。」
ーーーーー
「全員揃ってますね。」
玄関前で今回のメンバーを確認するジアナ。
「ああ。俺も遠坂もいるし、セイバーとアーチャーも同じだ。」
アーチャーの姿自体は見えないが、魔力を感じられるので霊体化しているだけでちゃんと遠坂の側にいるのだろう。
セイバーに関しては、実の所連れて行かないという案が出た。まだ魔力不足に関しては解決されていないし、まともに戦えないという事からその案が出たが、本人の強い希望と、俺と遠坂よりかは戦えるという事で連れて行くという結論に至った。
「さっさと行きましょう、あのバカを連れ戻しにね。」
「凛。」
「なによ、アーチャー。」
遠坂を止めるアーチャー。止められた方は止めた方を睨む。
「そう睨むな。私が言いたいのは余計な労力を使わなくてもいいのではないかという事だ。」
「どういう意味よ、それ。」
余計な労力……それってつまり、
「別にあの男を助けに行かなくてもいいのではないかという意味だ。
ああいう奴は他人の心配など関係ないと言わんばかりに生き残る。だから……」
「却下。あいつとは同盟相手なんだし、もしもの事があったら困るわ。ただでさえバーサーカーは強力な相手なんだし、戦力を減らすのは得策じゃない。」
マスターとサーヴァントの意見の食い違いか。戦争を進めていくにつれて起こるっちゃあ起こる事だ。俺個人としては遠坂の考えが通ってほしいが、
「どっちでもいいけど、どうするかは早く決めてくれ。これは時間の問題でもあるかもしれないんだ。」
「もちろん、行くわよ。」
「で、アーチャーは?」
「私はマスターの意向に従うまでだ。」
なら、助けに行かないという提案をするな。
「よし、全会一致だな。そういえばジアナ。あれは?」
「ああ、あれですか。それならばここに……」
「なら何個か俺に……」
「あんた達なにやってんの。まるでヤのつく職業みたいに。」
密輸みたいな事をやってたら、遠坂に突っ込まれた。あとはヤのつく職業は虎の実家だ。
「秘密兵器の準備だよ。」
「で、その秘密兵器ってのは?」
「後のお楽しみだ。ほら、さっさと行くぞ。」
ーーーーー
歩いて数時間。ようやく森の入り口へと到達した。タクシーとかを使っても良かったが、その運転手の安全を考えた末に徒歩の方が良いと判断した。
そして、ここからさらに数時間森を歩くらしい。精神的にしんどい。
「皆さん、少し待ってください。」
と、森の中に入ろうとした時、ジアナが前にでる。
「どうした?」
「結界です。と言ってもただの感知用で強力なものではありません。」
そう言って前方に手を掲げる。
「どう、解除できそう?」
「部分的であればいけます。」
待つ事数十秒。何も無いところからまるでワームホールの様な歪みが作られる。まるでここを通れと言わんばかりの物だ。
「ここから入れば大丈夫です。この結界が敵の出入りを感知するだけの物で助かりました。もし、居場所まで知られてしまうタイプであったならば、かなり厄介ですから。」
そうだろうな。ジアナが言っている後者になれば結界を壊すか、相手のサーチが引っかからない様に全員に魔術を掛けなくてはならない。結界を壊す方法は相手に気づかれるし、魔術を掛けるのであれば効果が切れそうな度にそうしなくてはならないので、魔力の温存ができなくなる。
「サンキュー、ジアナ。みんな、敵の本拠地の侵入開始だ。」
本道と思われる道から少し外れた道を通り数時間。ジアナの先導(ほとんどセイバーに間違いを指摘されていた。)のお陰で、ついにここまで来た、アインツベルン城。
やっと見える範囲まで近づけた。森の中は似た様なところを進むだけで同じところをぐるぐると回ってるんじゃ無いかと一時期思っていた。まあ、迷いの森ではなかったから本当に良かった。
ちなみに、途中でアーチャーが小屋を見つけ、そこは緊急時に使おうということになった。
「っ!みんな伏せて!」
条件反射で遠坂の指示に従う。何が起こっているのかは分からないが、だからと言って従わないと死ぬかもしれない。
「どうしましたか、凛?」
小声でジアナが訊く。
「イリヤスフィールとバーサーカーよ。」
城の入り口を指差しながら重々しく言う。
「あいつら何処に行くつもりだ?」
「さあね。でもこれはチャンスよ。あの城からバーサーカーが居なくなるんだから。」
そうだな。もし誰かがまだ城の中に残っていたとしてもバーサーカーより強い奴ではないだろうし、楽に突破できる筈だ。
「それもそうですね。しかし、念のため私はイリヤスフィール達の後を追います。」
けれども、ジアナがもしもを考えた提案を出す。
「ああ、わかった。頼んだぜ。」
「はい。もし戻って来たら連絡します。」
ジアナはそう言ってイリヤスフィール達の後を追跡しに行った。
しかし、その会話におかしな所でもあったのか、遠坂は首を傾げながら当たり前の疑問を話す。
「連絡ってどうやって……」
「いや携帯に決まってんだろ。」
幸いにも、ここは圏外ではないらしい。そのことで疑問に思っていたのかなと考えたがそれも一瞬で違うと判断し、そして結論に至る。
「はっ?」
……しまった。普通の魔術師は機械音痴だって事忘れてた。
そして、遠坂がその例外に漏れないってことも今知った。
「……俺もジアナも携帯電話という物を持っていてだな、お前らみたいな魔術師と違ってちゃんと使えんだよ。」
「なんでそんな物騒な物を⁉︎」
「なんで物騒なんだよ‼︎」
「だって爆発……」
「しねぇよ!一体どんな使い方すればそうなるんだよ!!」
どういう教育すればそんな発想すんだよ‼︎そういえば、十年前に亡くなったんですね、お前の両親は!不謹慎ですんませんねコノヤロー‼︎言峰神父め‼︎コンチクショー‼︎
「……とにかく、何かあったらジアナから連絡が来るって事で。俺たちは衛宮を助けに行くぞ。」
「でもそのけいt」
「い・く・ぞ。」
「……はい。」
魔術ばっか使ってないでもうちょっと文明の利器使えや。衛宮に関しては……微妙だな。魔術使って、文明の利器を直しるだけだからなー。文明の利器自体はあんまり使ってねえしなー。いや、でもブル◯レイを衛宮ん家でみたような……今、気にしても仕方ねえな。
「で、どうする。裏から回るのは決まってるけど、問題は何処から……」
「いいえ、真正面から行くわよ。」
「はっ?」
何言ってんのこの人。
「なんで真正面からという発想になったんだよ。」
「バーサーカーがいないあの城は戦力が残ってないような物よ。そんな所にわざわざ手間を取る方法で侵入する必要ないでしょ。」
「……せめて、俺が感知の魔術で安全を確認してからな。」
衛宮を一人にしておくと危ないと思っていたが、遠坂も大概かもな。
ーーーーー
誰もいねえじゃねえか‼︎どーゆー事だよ‼︎こんなデカイ城にイリヤスフィールしか住んでないっておかしくね⁉︎感知の魔術全く引っかからなかったんですけど⁉︎
……まあ、取り乱すのはここまでにしよう。遠坂にも言っておいたが、俺の魔術は完璧ではないし、誤魔化される時もある。だから、誰かいる可能性もある。油断しないようにしよう。
「ここの扉の先にシロウが居るはずです。」
と思っていたら、衛宮が囚われている場所まであっさり来た。俺の懸念とは一体……
「ここがねえ。普通の部屋みたいだが?」
「間違いはありません。」
「ま、入ってみれば分かることよ。」
「それもそうだな。くれぐれも油断はするなよ?じゃあセイバー、開けてくれ。」
俺の言葉にセイバーが頷き、扉に手を掛ける。そして、開けた。
「いませんn……」
セイバーが絶句する。うん、一瞬目的の奴がいないと思ったらいるから驚くよなそりゃ。それもベッドの中に隠れてたらな。……いや、これ隠れられてないだろ。
「ちょっと待ってくれ。」
これは流石に腹が立つ。
「……
詠唱に呆れが混ざりながらも唱える。それと共に近くにある机が浮かび上がり、天板と脚が分離する。
「これでも食らっとけ。」
そう言い放った直後に、机の脚が布団を固定するようにベッドの四隅へと突き刺さる。
「っ……⁉︎」
中の人には突き刺さってないので安心してほしい。
「さて、みんな。ここに馬鹿はいないから次に行くか。」
「ま、待ってくれ!」
「そうね。セイバー、本当にここにだったの?」
「ちょっと!?」
「すいません、隣の部屋でした。」
「これ抜いてもらえません!?」
うるせえな。まあ、これ以上やると誰かが来てしまうかもしれないので程々にしとくか。
「ったく。ほらよ。」
「ああ、その……みんな、色々悪かった。」
「ええ、そうですね。あっさりと敵に捕まってしまったり、おふざけかは知りませんが明らかに見つかる場所に隠れていたりと……」
「はいはい、そこまで。説経会はあとよ。イリヤスフィールが戻ってくる前にさっさと出るわよ。」
「ああ、そうだな。」
モタモタしてる時間はあんまねえしな。
ちなみに、机は直してベッドもちゃんと元に戻しておいた。もちろん魔術でな。
ーーーーー
出口へと向かっている間、俺は衛宮の様子が少しおかしいと思った。魔術の影響がまだ残ってるのかと考えたが、それとは少しちがうな。となると……
「おい、衛宮。」
「なんだ、創太?」
「お前、その状態でよくセイバーの心配できるな。」
「うっ……」
「どうせ、イリヤスフィールに受けた魔術がまだ残ってんだろ。セイバーの魔力不足も重大だが、お前が倒れりゃセイバーも今以上に長くは持たない。ちっとは自分の心配しとけ。」
「………」
何も答えない……か。まあいい。どうせ、衛宮士郎というやつはきっと変わらないんだろうな。今までもこれからも。
ーーーーー
「おい、ここって玄関じゃないのか⁉︎」
「衛宮、言いたい事は分かるがその下りは入る前にやった。」
「なんで、二人とも他人ん家の玄関を通る事に抵抗があるのよ。」
違う、そうじゃない。とは口に出さない。
「ほら、さっさと降りるわよ。」
こいつ、ある意味大物になれるな。
ただ、次に起きた事が何か嫌な予感をさせた。
「……ジアナ?」
「どうしたの、創太。」
「いや、ジアナからの念話だ。」
「携帯を使うんじゃなかったの?」
「その筈なんだが……まさかな。」
階段を降りた直後のジアナから念話。携帯を使うって言った筈なのに、それで連絡するとは緊急を意味する。
「なんだジアナ……はあ⁉︎あれが偽物⁉︎」
「何が偽物なんだ?」
「……まさか。」
「そう、そのまさかだ、遠坂。」
「だからそのまさかって……」
「なぁんだ、もう帰っちゃうの?」
ヤバい。次の瞬間に出てきた単語がそれだ。全員が後ろに視線を向ける。俺たちが居た場所には……
「イリヤ……スフィール——」
震える遠坂の声。
隣にはバーサーカーも居やがる。クソ、何処に隠れていやがったんだ。魔術には反応がなかったってのに。
あいつに出会わない前提の作戦だったが、こうなっちまえばオジャンだ。
「こんばんは。あなたの方から来てくれて嬉しいわ、リン。結界の反応は無かったけれど。……ジアナはいないみたいね。」
「ああ、お前の作った偽物にまんまと掛かっちまったよ。」
あえて、強気で返す。内心バックバクだが、それを押し殺すように一歩前へ出る。
「あなたは……誰かしら?」
前にも一度会ったよね⁉︎そんなに影が薄いかな、俺‼︎
「俺の事なんざどうでもいいじゃねえか。それよりもジアナだ。あいつを騙せる魔術はそうそう無い。いや、魔術である限りは絶対に見破られる。」
「苦労したわ。彼女の目を欺くのは。どうやったかは教えないけど。」
「ああ、そうだろうな。」
冥土の土産とか言って教えてくれたら助かるが、そうもいかない。そして、沈黙が数秒。もう、誰も話す気にはならない。すると、バーサーカーが跳び降りてくる。
「お喋りはおしまい?それじゃ始めよっか、バーサーカー。」
余裕がある言葉。負ける事は絶対に無いと言いたいのだろうか。
イリヤスフィールは次の言葉を紡ぐ。まるで喜んでいるかのように、まるで狂っているかのように、
「———誓うわ。今日は、一人も逃がさない」
勝利を宣言する。
「……アーチャー、聞こえる?」
いつの間にか実態化しているアーチャーに遠坂は問う。
「————」
そのアーチャーは答えないが、遠坂にはその問いへの答えは伝わっているかのようで、次にこいつは……
「———少しでいいわ。一人であいつを止めて。」
死ね、と言った。
「馬鹿な…!正気ですか凛、アーチャー一人ではバーサーカーには敵わない……!」
ああ、確かに敵わない。けれども、妥当な判断だ。
「私たちはその間に逃げる。アーチャーには時間を稼いでもらうわ。」
セイバーの主張は無視か。まあ、ここはできるかできないかではなく、やらなきゃやられるだけだ。判断は迅速にそして冷静に行わなければならない。
「賢明だ。凛たちが先に逃げてくれれば、私も逃げられる。
単独行動は弓兵の得意分野だからな。」
一歩前に出る。
何すかしてんだ。今そんな事言ってる場合じゃねえだろ。いや、別にふざけてる訳では無いのだろう。あいつはただ平静を保っているだけだ。
「ところで凛。一つ確認していいかな。」
「……いいわ、なに。」
申し訳なさそうに遠坂はアーチャーを見る。しかし、次のアーチャーの言葉は俺たち全員を驚かせるものだった。
「ああ。時間を稼ぐのはいいが———
別に倒しても構わんのだろう?」
こいつ、最後の最後に……
「アーチャー、アンタ———。
ええ、いいわ。がつんと痛い目に合わせてやって。」
ああ、もういい。
「行くわよ。外に出ればそれだけで私たちの勝ちなんだから。」
皆が遠坂の指示に従う。だが、俺はそんな言葉を無視する。
「おい創太!お前も早く!」
「衛宮、お前は先に行け。」
「は!?」
アーチャーの右、その一歩後ろまで歩を進める。
「どうした、お前もさっさと逃げろ。まさか、ここでも命を顧みずに目立つ事を考えているのか?」
「んな訳ねえだろ。……アーチャー、
一緒に生き残るぞ。」
どうも、作者です。
ついにアーチャーの名言が炸裂‼︎の筈がオリ主にぶち壊されてしまいました。おのれ、オリ主め‼︎
今回は前回とは打って変わって長めになってしまいました。バーサーカー戦の直前まで持って行きたかった結果です。
次回、バーサーカーは二度死ぬ。オリ主の能力がついに明らかに‼︎