オリ主と衛宮士郎との友情ルート   作:コガイ

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夢・あの頃のグラウンドで

 また、夢だ。

 ここ最近、よく見るようになった。

 内容は中学生の頃にあった出来事だ。場所は中学のグラウンド。周りは夕陽によって赤く染められている。そして、クッションに物が落ちる様な音が聞こえる。

 

「お疲れ、衛宮。」

「そうt・・・冷たっ!!」

 

 そりゃあそうだろう。キンキンに冷えて(やがるっ・・・!!)いる氷が入ったペットボトルを顔面にねじ込んでるのだから。

 

「つめt・・・、痛たたたたたっ!痛い、痛いって創太!ただでさえ冷たすぎて痛いのにグリグリ押しつけたらさらに痛いって!!」

「うるせえ。休憩も無しに走り高跳びを延々とやってる体は冷やしておかないと体力が回復しねぇんだよ。」

「そうだとしても、普通顔じゃなくて足とかそういう所を冷やすべきだよな!?」

「知らん。」

「やめr・・・痛いっ!」

 

 ああ、懐かしい。こういう事もあったな。衛宮がガムシャラに頑張っているのを見て、近くのコンビニで冷凍されたペットボトルを買ってやった思い出。

 

「ほら、溶けたらそのまま飲める。一石二鳥だろ?」

「いや、まあ確かにそうだけどさ。」

 

 衛宮は納得がいかないという顔をしている。だが、俺は関係ないと言わんばかりに話を進める。

 

「まったく、諦めないのはいいけどもうちょっと考えてからやれよ。」

「だったら、創太はできるのか?」

「いいや、出来ないけど?」

「・・・。」

 

 衛宮が呆れる。まあ、そうなるよな。

 

「俺が言いたいのは出来る出来ないじゃなくて、やり方を工夫しろって事だよ。助走の方法とか、跳ぶ角度とかさ。」

「もっと具体的に教えてくれないか?」

「いや、そんなモン知る訳ないだろ。」

「・・・。」

 

 また、呆られた。

 

「別に今、跳べなくてもいいだろ?どっかで調べてからでも良いし、そもそもお前の体は疲れてる。一旦休んでまた、明日にでもやれば良い。じっくりとやりゃあ良いんだよ。」

「・・・ああ、そうだな。」

 

 俺の言いたい事は解ってもらえたようだ。

 

「なら、今日は帰ろうぜ。時間も遅いし、家で待ってる人も心配しているしな。」

 

 家で待っている人。衛宮にとっては藤村先生、俺はジアナに当たる。

 

「だったらマットとかを片付けないと。」

「じゃあ、それは俺がやるよ。お前は休んどけ。」

「いや、やるよ。使ってたのは俺だけだし。」

 

 出た。衛宮の変な頑固っぷり。

 

「・・・はあ。解った。けど、マットは俺が片付ける。お前はバーとか残りのモンをやっとけ。」

「けど・・・」

「いいから早く持ってこいよ。置いてっちまうぞ。」

 

 と強引に言ってマットを引きずりながら走る。

 そして、夢はそこで終わる。

 

 

 

 

 

 

 ーー2月6日ーー

 

 眩しい。朝の日差しが目に映り、目が覚める。ここ最近、本当によく夢を見る。ここ最近というよりかはここ三日といった方がいいだろうか。

 視線を横に移す。まだジアナは眠っている。珍しいモンだ、俺がジアナより早く起きるなんて。まあ、昨日は俺の方がかなり早くに寝てしまっていたから当然っちゃ当然だと思う。

 

「・・・昨日は迷惑かけたな。」

 

 小声で放った独り言。昨日、俺と衛宮はキャスターに捕まり、アーチャーが来てくれたおかげで脱出することができた。だが、その裏にはジアナの作戦があった。

 俺が行方不明になった後、ジアナは遠坂、セイバーと合流。そして、衛宮も行方不明だということを知った。俺達が連れ去られた場所も洞洞寺と判明して、そこからどう助け出すかとなった。

 柳洞寺はサーヴァントにとって入りにくい場所らしく、正門からしか入れないらしい。

 そこでジアナが作戦を提案した。それは、まずセイバーが門番であるアサシンと戦い、その隙にアーチャーが中へ。ジアナはサーヴァントではないので遠坂と一緒に塀を登って侵入。

 アーチャーとキャスターが戦闘中にジアナが遠坂とタイミングを合わせて、アーチャーに念話を飛ばし、隙を作る。アーチャーがわざと矢を外したのはキャスターを本拠地で倒すのは不可能だから。キャスターは陣地作成を持っており、それにより籠城戦に長けていて、本拠地で倒すのはほぼ不可能。だから、アーチャーは矢を当てるよりも俺たちを門の外へ出す事を優先した為にわざと外した。

 その後柳洞寺からは一旦出て、門でアサシンと戦っているセイバーと交代。そのまま、鍔迫り合いに持っていき、俺達が衛宮の家まで帰還するまでの時間稼ぎをして、自身も隙を見て、その場から逃げ出すと言った物らしい。

 

「・・・はあ。ジアナにはいつも世話になってるな。」

 

 いつもジアナには結構色々言ってるが、こいつの存在は俺の中で大きい。普段の生活でも助けられているし、魔術の方面でも色々と教えてもらい、もしもの事も考えてくれてる。

 生活費の事もそうだ。家のローンを払わなくて良いぶん、毎月の支出は比較的少ないが親の遺産だけで二人の生活を死ぬまで賄えるかと言われれば、難しい。だから、ジアナは空いている時間を使い、バイトをして稼いでくれている。本来ならば頭が上がらない奴なんだがなー。

 

「いや、よく考えれば物心ついた時から一緒にいるんだし、上がらないとか関係ないよな。」

 

 感謝する相手なのは変わらないが、遠慮するのもおかしな話だ。まあ、この戦争が終わったら何か一言ぐらい言おうかな。

 

「・・・やべえ、無意識にフラグ建てちまった。ブチ壊せる方法って何だっけ。」

 

 まあ、そんなモン漫画とか限定だし、大丈夫だろう。・・・またフラグ建ったな。

 

 

 

 

 

 昨日は無事に衛宮邸に帰った後、俺は意識を失っている事になっていてので衛宮が状況説明をした所、改めて遠坂は俺たちの未熟っぷりに呆れていた。そして、ジアナが「もっと鍛えないといけませんね。」と不穏な事をいってた気がする。さっき、この戦争が終わった後に感謝の言葉を言うと決意っぽい事したが、その前に死んでしまうかもしれん。

 時は戻り、現在。間桐は遠坂に交渉を出され、一週間ほど来ない事になった。朝食に顔を出したのは俺、衛宮、ジアナ、セイバー、遠坂に藤村先生だ。

 

「今日は学校を休むよ。」

 

 みなで学校へ行こうとした時に衛宮はそんな事を言い出した。藤村先生は詳しい説明をされていないにも関わらず納得していた。衛宮を信頼しているからこそ、そう判断したのだろう。藤村先生が先に学校へ向かった後、衛宮にちゃんとした理由を聞いた所、

 

「昨日起こった出来事を考えてたら、俺は実力不足なんだって改めて思ったんだ。創太だってさ、キャスターの魔術を破る実力があった。だから、俺も鍛えなきゃってそう思ってさ。」

 

 セイバーにボロ負けして、さらに魔術師として凡骨だとキャスターにも格付けされた。そして、そのキャスターの魔術を破った俺に劣等感・・・いや、多分衛宮はそんな事は思っていないだろうが・・・。

 とにかく衛宮は自身が強くならなければと思っているのだ。だが、それを言ったら俺だって同じようなモンだ。あの時、俺はキャスターの魔術を破りはしたものの、その後に動けなくなったので、結局、破れなかったのと似たり寄ったりな結果だ。

 

「そうか、だったらジアナにも色々と教えてもらえよ。魔術に関しては・・・まあ、全部が全部じゃ無いとは思うが、取り敢えず、遠慮せずに頼れよ。」

「ああ、ありがとな。」

 

 そんな会話をした後、遠坂と一緒に登校しながら、敵の事について話し合った。キャスターは街の人たちの魔力を吸収してはいるが、やはり、学校の結界に関しては別のマスターではないかという推測やら、今後の対策やらと。

 そしたら、いつの間にか学校に着いたが、校門を跨いだ瞬間何か嫌な予感がした。おかしい。あの魔法陣からは魔力を撤去した筈だ。なら、別の何かか?それとも・・・

 




どうも、作者です。
今回はノーコメントで。言う事が何も思いつきませんでした。

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