オリ主と衛宮士郎との友情ルート   作:コガイ

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救助・アーチャーVSキャスター

「んあ?」

 

 目が覚めたというのに目の前は真っ暗。いや、これは真っ暗というより・・・

 

「!〜〜〜っ、ぺっぺっ!!」

 

 体がうつ伏せになっていただけだったようだ。地面とにらめっこをしてたおかげで口の中が砂塗れ。後で水でゆすぎたい。

 いや、それよりも、

 

「戦闘中か。」

 

 先ほどから聞こえてくる爆音。というよりかは爆音で目が覚めたのだが。少し意識を失っていたらしい。隣には衛宮。前方には戦っているアーチャーとキャスター。そして、場所は柳洞寺。意識を失う前とほぼ変わらない場面。戦闘中ではなかったけど。

 いや、というかキャスターが空飛んでるんですけど。あれ魔法じゃなきゃできないんじゃないですか。たしかにどっかの龍の球を七つ集める漫画では途中から標準装備だったけども。

 ・・・それは置いといて、衛宮から状況を聞こう。

 

「衛宮、大丈夫か?」

「創太!?お前こそ無事なのか!!」

「まあな。といってもこんな状態じゃ嘘が見え見えだな。」

 

 こんな状態とは、体が思うように動かせず芋虫のように地面を這いずりまわっている事だ。心配するのも無理ない。まだ体痛いし。

 

「キャスターの魔術は解除されてるみたいだな。」

「あ、ああ。癪に触るけど、アーチャーが助けてくれて・・・、ってそうじゃない!!

 創太!!さっき言った事はどういう事なんだ!!」

「は?さっき?ああ、あれか。」

 

 キャスターに寝返るような事を言ってたな。いやまあ、

 

「あれは嘘に決まってんだろ。」

「嘘って!……えっ、嘘?」

 

 鳩が豆鉄砲を食らったとはまさに今の衛宮の顔だろう。

 

「俺達がいなくなったのは最低でもセイバーやジアナが気づいているだろうから、何かされる前に会話を続けて見つけてくれるまで時間を稼いでたんだよ。」

「……悪い、創太。てっきり俺は」

「いいんだよ。」

 

 むしろ、気づいてたら絶対に衛宮は隠しきれず、相手に勘付かれるというオチになる。

 

「で、一応聞いておくけど状況は?」

「アーチャーとキャスター、後ろの門の向こうではセイバーとアサシンがそれぞれ戦闘中だ。それでアーチャーには下手に動くなって……」

 

 アサシン、門の前にいた侍みたいな奴か?ジアナが言うには、全身真っ黒な奴が普通ならば召喚されるはずだとか。まあそれは今考えるべきでは無い事だ。

 というか、セイバーが助けにきてなんでジアナが来てないんだ?それはそれでおかしいんだよな。アーチャーも来てるのに。……もしかしてジアナ、気づいてないんじゃないか?

 

「セイバーとアサシンが戦っている理由は?」

 

 大方予想はつくけど。

 

「アサシンは門番としてキャスターに召喚されたらしい。だから、侵入してくるセイバーと対峙している。」

「はっ?キャスターがアサシンを?」

「ああ。だから、アサシンは真っ当な英霊ではないとかアーチャーが。」

「まさか、そんな事を思いつくとはな。」

 

 これじゃキャスター最弱とは呼べないんじゃないか?援護が得意な者が多いキャスターが前線で戦える別のサーヴァントを呼ぶ。なにそれつよすぎ。アーチャーが真っ当な英霊ではないとか言ってんのは気になるところではあるが。

 

「なるほど。大体理解した。前門の虎、後門の狼といった状況か。」

 

 マジで最悪な状況だ。前にも後ろにも行けないとは。いや、待てよ?もしかしたら塀を登って行きゃあいいんじゃ?

 

「間抜け!!いつまでそこに立っている!!」

「へっ?・・・うわっ!!」

 

 ちょちょちょ、ちょっと!?考え事してたらアーチャーが俺を抱えて走りだした!?

 

「クソ、なんだってこんな手間を!!」

「ちょっ、降ろせバカ!!なに考えてんだおまえ!!」

 

 アーチャーを挟んで反対側では衛宮も肩で抱えられていた。俺達を合わせれば決して軽くないはずの重さを持ちながら、その前とは走る速度がほぼ変わらないのは驚愕だ。

 それと衛宮。降ろせとか言ってるけど、そんな事したら死ぬぞ?だって、目の前にレーザーみたいなモンが、ガンガン落ちてるからな!頼むアーチャー!体力持ってくれよ!

 

「いいから黙っていろ!お前に言われると自分の馬鹿さ加減に頭を痛めるわ、馬鹿が!」

「馬鹿!?おまえ、自分が馬鹿だって判ってるのに人の事を馬鹿呼ばわりするのかよ、このバカ!」

 

 おまえら子供か!?こんなときに喧嘩する余力があるなら、もっと敵に意識向けろよ!!

 あと、もう少し丁寧に走ってくれないかな、アーチャーさん?揺れるたびに体が痛いんですよ。贅沢っていうのは解ってるんですけど……

 

「っ……!」

 

 なんてふざけたことを考えてる場合じゃない!キャスターが次の魔術を放とうとしている!

 あれは……なんだ?空間固定?なるほど動きを止めようとしているのか。ってそれ俺達も巻き添えになるじゃねえか!!アーチャー、気づいてくれ!!

 

「このっ———いいから離せ!」

「そうか、なら遠慮はいらんな。」

 

 その瞬間、「ごはっ」という衛宮の声と共に吹っ飛ばされた音が聞こえた。そして次に、

 

「はっ?」

 

 俺が投げ飛ばされた。

 

「うぐっ……!」

 

 痛ってえええ!!と叫びたいがそうすると喉の筋肉に激痛が走るのは確定なので我慢するが、それでも痛い事には変わりない。

 隣には衛宮がいる。先ほどの声は蹴り飛ばされたか、殴り飛ばされたかのどちらかだろう。まあ、蹴る方が楽なので大方そっちだろう。いや、どちらにしろ衛宮はかなり雑に扱われたな。俺も似たようなモンだが、こいつに比べれば投げられたのはまだマシだろう。

 それよりも、アーチャーだ。先ほどの行動は俺を庇った物だ。となるとアーチャーは!

 

 

 弓を構えていた。

 

 

I(我が) am(骨子) the born of(は 捻れ) my sword(狂う。).」

 

 

 そして次に起きたのは

 

 

 どこからともなく現れた槍がキャスターに向かっていく!

 

 

「なっ……!」

 

 それは間一髪で避けられる。けれども、敵の体制は崩れた。その隙を逃さんと

 

「——-偽・螺旋剣(カラドボルグ)。」

 

 アーチャーの弓から矢が放たれる!

 

 

 大気をうねらせ、その周りに風が起こる。いや風なんていうちゃっちいモンじゃない!あれは矢を中心とした竜巻だ……!

 

 

 それが、キャスターだったモノを貫いた後、飛行機雲を作り、空へと消えていく。

 まるで嵐が過ぎ去ったような静けさ。その中で唯一聞こえるキャスターの喘ぎ声。

 

「は——あ……!!」

 

 空間転移でとっさに回避したのだろう。しかし、その空間さえもアレに捻じ曲げられていた。キャスターの身体能力は俺達と変わらない。むしろ、低い。余波であろうと掠ってしまえば致命傷になりかねない。

 それにしてもあの槍、鉄製だったな。少なくともランサーの物ではないし、あれはもしかして……?

 

「今だ、走るぞ!!」

「はっ!?なに言っていた……!」

 

 そう言ってアーチャーは俺を抱きかかえ、走る。

 

「敵の本拠地にいつまでも居るつもりか!解ったならついてこい、戯け!」

「戯けって……!」

 

 アーチャーに続き、衛宮も走る。目的地は門だ。

 

「お前の方こそ、なんで()()()外したんだ!今のはキャスターを倒せるチャンスだっただろう!」

 

 まだ罵り合うのか!……ん、わざと外した?

 

「その説明は後だ!」

「は、どういう……」

「今ジアナ・ドラナリクがアサシンを抑えている頃だ!その隙に横を突っ走るぞ!!」

 

 ジアナがアサシンを?セイバーが戦っているのでは?そんな事を考えていると門まで着いた。

 そして、横目で確認した風景にはジアナとアサシンがつばぜり合いをしていた。アーチャーが言った通りだ。階段の下では遠坂とセイバーが居る。

 

「セイバー、遠坂!」

「シロウ、ここは危険です。早く屋敷に!」

「アーチャー、創太は大丈夫なの!?」

「ああ、ただ気を失っているだけのようだ。息もまだある。」

 

 いやー、意識はあるんですけどね。ほぼ体動かせないから、そういう風には見えるっちゃあ見える。

 その後は衛宮邸へと無事戻り、なんとかあの危機から逃れた。




どうも作者です。
今回の始めと前回の終わりの繋ぎが少しおかしかったと思います。それは別の文をかんがえていたからです。そのボツ案がこちらです。

 無数の何かが地面を突き刺さる音。いや、抉る音と言った方が正しいだろうか。視認はできていなかったが、動けない俺達には命中していないのでそれを放った奴の腕が悪いか、キャスターを狙い、なおかつ、敵では無い奴かのどちらかだろう。

「アーチャー!?」

 衛宮が叫んだ。俺は倒れており、体が動かず地面とにらめっこしているので横目でしか確認できないが、やはりあの赤い外装はアーチャーの物だったか。

「ふん。とうに命は無いと思ったが、存外にしぶといのだな。」

 その言葉は俺ではなく衛宮に言っているようだった。別に何を言ってもいいんだけど、俺の存在を忘れないでほしい。

「そっちの目立ちたがり屋も生きているな?まったく、キャスターの魔術を無理矢理解除する技量があるのはいいが、その前にこちらの手間を増やさないで欲しいものだ。」

 前言撤回。やっぱり腹立つから黙ってて欲しい。確かに、捕まったのも、倒れて動けなくなり今から行うであろう戦闘の邪魔になるのもこちらに非がある。けれども、俺としてはわざと敵さんに捕まって本拠地を探り、時間稼ぎの為に一回もやった事の無い、筋力で魔術行使という訳の分かんない事を成功させたんだぞ。あと、目立ちたがり屋ってなんぞ。
 と言いたいが喉の筋肉すら動かせないので、うつむいている事しかできない。悔しいです!!

「・・・で、体はどうだ。今のでキャスターの糸なら、断った筈だが。」

(以下、原作と同じ様な流れ)

なんか、原作コピー禁止に引っかかりそうなのと、いちいち、原作見るのが面倒なので、オリ主には少しばかり意識を失ってもらいました。

オリ主のちゃんとした戦闘が書きたいです!

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