IS×ACE COMBAT X ≪転入生はエースパイロット≫ 作:初月
第2話 グリフィス1と男性操縦者 前編
今私達は箒さんと専用機持ち2人に追われている。
ことの発端は昼休みと放課後にあたる。
私の部屋の件で織斑先生に呼ばれたのだ。
もちろん今日からの部屋割の件だ。
話し合いをする場所は昨日私が寝落ちしたあの応接室である。
二人とも席についたところで織斑先生が口を開いた。
「メアリー、お前の部屋だが男と同室なのに抵抗はあるか?」
口調からもう決まっているようだ。正直に答える。
「いえ、別に抵抗はありません。基地でも同室でしたし」
むしろ女子と同室にされたほうがつらい。色々な意味で。
そこで私はあることに気が付いた。IS学園に男性がいるわけがない。
「あれ?でもISって女性しか操縦できないのでは?」
…あれ?なんか織斑先生が唖然としてるぞ。なんかまずいことでも言ったのかな?
「…お前、最近のニュースとか見てるのか?」
どうやら最近なにかがあったらしい。
「いやぁ、最近は色々な任務で忙しくてニュースとか見れてないんですよ。それにオーブリー基地は辺境の基地だから情報が来るのも遅いんです」
織斑先生が冷静に戻ったな。事情説明は問題なかったようだ。
そして織斑先生の説明が始まった。
「今年の2月のことだ。一夏がISを起動させてな。それで一夏は世界初の男性IS操縦者として登録されたんだ」
知らない間になんかすごいことが起きていたようだ。
まあ俺にはあんまり関係のない話である
「ISって謎が多いですね。そのあと誰か男性が起動させたという記録はあるのでしょうか?」
ふと気になったことを聞いた。
男性にも適正があるならば空軍内で別の操縦者を発見することも可能かもしれない。
そして、それが叶えば俺は本国に帰り模擬空戦に勤しむことができる…かもしれない。
だが淡い期待は次なる発言で消えた。
「あのあと何人も挑戦したんだが結局起動はしなかったんだよ」
…現実そう上手くいくことはないからな。今回は諦めよう。
一連の説明が終わり、私は教室へもどって授業を受けた。
そして放課後。
こんどは職員室だ。
織斑君とデュノアさん、そして私が呼ばれていた。
勿論部屋の件である。
ここから千冬さんの説明とこれから同室になるメンバーの会話は省略する。なぜかって?ことの発端とはあまり関係がないからな。
これからのために語っておくべきことは織斑君らの部屋に寝具増設という形で空きができるまで過ごすことになったということくらい。
そして一番の問題が何故か箒さんと専用機持ち2人に流れたということだ。
そのことに気づいた瞬間織斑君はとっさに私達を連れて逃げ出した。
おかげで私は追われている。
後ろからは
「どういうことですの!一夏さん!」
とか
「一夏そこまで堕ちたか!」
など聞こえてくる。
織斑君って普段から悪い行いをしているんだろうか?
織斑君に私、そしてデュノアさんの逃避行一体どうなるんだろうか?
正直後ろからくる殺気のせいで死の危険を感じているんだが…。
まあ逃げ切るしかないか。むしろ逃げ切らなければ二人の命がないだろう。
恋は盲目という、と聞いたし。
まあ、もしもの時は織斑君を差し出せばなんとかなるだろう。
そこで私はあることを思い出した。
訓練から私の専用機のテストまでの作業を一気に今日やるとか織斑先生(織斑君と紛らわしくなりそうだから千冬さんに戻そう)に言われていたのだ。
いかなかったら本国と千冬さんから怒られる。こっちのほうが重要だし私の命にも関わってきそうだ。
そう思った私はどさくさに紛れてアリーナへ向かった。
勿論全力疾走である。
~~~アリーナ~~~
一通りの熟練訓練を兼ねた測定30分で済ませた私は専用機のテストへと移って行った。
ちなみに私は入学前にも一度しかISを操っていない。
測定でなんだか山田先生が驚いているところがあったが今やっている作業は急を要するのであとでそこらへんは聞こうと思う。
さて、私のISのスペックとかを見よう。
ISの名前はGryphus。
流線的なデザインからなんだか戦闘機を連想させる。というか胴体後部には戦闘機の翼が取り付けてあるようだ。それに戦闘機のエンジンも積んでいるようだ。
IS開発経験がないから既存の技術を応用したのだろう。
私のコールサインとほぼ同じだがなぜか本国から運んできて来てもらうか検討中のあの専用戦闘機を思い出す。
いや、なぜかではないだろう。あそこまでひどい魔改造は初めて見たって言い切れるくらいの変な機体だったからな。それになんか嫌な予感がする。
・・・むしろあいつらの作品に嫌な予感がしないほうが異常か。
そんなことを考えていると千冬さんから声をかけられた。
「まずはフィッティングとフォーマットを行なうからそれに乗れ」
うなずいた後まだ灰色のグリフィスに乗り込んだ。
「そういえばその作業は誰が操作してやるんでしょうか?」
ふと思った疑問をつぶやいた。誰かが操作するなら信頼できる人間以外にはやらせたくない。
だが帰ってきた答えにすこし驚いた。
「基本的に全部ISがやってくれる」
そりゃ私はIS初心者ですから。
しかし全自動ってことは緊急時に危なくないのか?いや、そもそもISのコアが不可侵状態だから私が想定しているような緊急事態は発生しないのだろうか。むしろする余地がないのか。
そう思うと少し安心した。
そして心の中で呟いた。
―――これからの相棒君、よろしく頼む―――
なぜだか情報がきれいに入ってくる。なんでだろう?
フォーマットとかが終了したのだろうか?
でも機体の色は大して変わっていない、いや、都市迷彩じみた色にはなってはいる。
あとは背中の翼にグリフィス隊のエンブレムがついた。
そんなことを思っていると千冬さんから
「フォーマットが終了した。まずは各装備を確認しろ」
といわれたので確認してみる。
別に問題はないようだ。
唯一不安な点といえばソフトウェアが不明な点である。
下手に情報を通さないほうがいいだろう。
そして次の指示が下りる。
「次に機体武装を確認しろ」
こっちも確認し…。
…絶句した。あまりにも見たことのある武器だらけだ。しかもそれらに名前をつけてない。
正確にいうと名前付けは操縦者に一任されていた。どういうことなの…。
色々言いたいことはあるが、とにかく羅列すると以下のようになる。
メソンカノン(中間子砲)
M.B.S.R.(中間子安定供給器)
LSWM(長距離衝撃波弾頭ミサイル)
SWBM(衝撃波弾頭弾道ミサイル)
HPM(マイクロ波照射装置)
TLS(戦略レーザー)
GAU-8 アベンジャー(対地上目標用機関銃)
M61(汎用機関銃)
アサルトメソンライフル AM-1(銃剣付き中間子ビーム弾頭使用可能アサルトライフル)
対装甲ショートバレル(対装甲ボルトアクションライフル)
レーザーブレード
ショートナイフ
QAAM
SAAM
と種類が比較的豊富なようだ。増加装甲とかはあるにはあるようだがロックがかかっていた。まだ使うなということなのだろうか。
しっかし戦闘機なら一撃で消せるような危ない武器ばかりだな。
こんな武装を全力で使う機会なんて来るんだろうか?
色々考えていると
「それでは武装を呼び出してみろ」
と言われたので武装を順番に呼び出していく。
メソンカノンとM.B.S.R.はグリスウォールで破壊した砲台とあまり変わらない形をしていた。
HPMはどこにあるのかが分からないほど小さくて、TLSは両手の小さい箱のようだ。
GAU-8とかM61とかはただのガトリングガン。
アサルトメソンライフルも見た目は普通のアサルトライフルだった。
QAAMは背中の翼に、SAAMは腰にある小さい箱に収納してあった。SWBMは背中に発射機のようなものに入ってついていた。
他の武器は特徴とかはなかったので説明を省略する。
というか適当に戦略兵器を載せてくれたおかげで使う機会とかほとんどなさそうだ。
ミサイルとショートナイフは小さい上に機動戦で使う機会がありそうだから常時展開にすることにした。
その後試射を行ったのだが、光学兵器系のものは戦争の頃に見たものとあまり変わりはなかった。射程が短くなっていたりしたくらいだ。
その他の武器は登場時にでも解説していこうと思う。
私はこの相棒とどこまで行くんだろうか…。
ふとそれが気になった。
原作はまだ買っていませんので修正が入る可能性あり。
次も遅くなります。
Gryphus<ノーマル>の設定(本文に入れられなかったやつ)
メソンカノンやM.B.S.R.などを一基でも展開すると機動性と速度が著しく低下し、戦闘機動は不可能となる。さらに増加装甲無しでの射撃時にはシールドエネルギーも消費する。またそれらを二基以上展開した場合は飛行が出来なくなる上に、火器管制の都合上一つの目標しかターゲットすることはできない。
ちなみにグリフィスは攻撃特化という面があるのでシールドエネルギーは白式より少し多いくらいしかない。
つまり、現状では初撃かトドメくらいでしか中間子砲は使うことができない。
LSWMやSWBMは狭い空間で撃てば自らも被害をこうむる。相殺する方法は今のところはない。
また、初めてオーレリアが作ったISなので欠陥も多い。
これからこの設定は生かされるのだろうか?