IS×ACE COMBAT X ≪転入生はエースパイロット≫   作:初月

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4/4 一部改訂

2014/7/25 改訂

2015/7/21 大幅改稿


第1話 グリフィス1、転入する

数時間後、たたき起こされた私はIS学園へと歩きつつ千冬さんが口を開く。

 

「そういえばなんでで本国テストを行わないんだ?行えないほど小さい国ではないだろう」

 

千冬さんは結構鋭いところをついてきた。

 

「6年前の戦争で出来た古傷がまだ残っているんですよ。」

 

どうにかぼかしながら答える。

正確に言ってしまえば航空機が壊滅している状況でISが出来てしまい判断に困っているし、航空機を使うにしても教官職につける人が少ないという問題も出てきてしまっていた。

そこで転換を考える、というのが最近の小国のトレンドなのだが、生憎国内の復興と外部から侵入してくる国際犯罪組織やテロ集団などの対処に人出を裂かれIS適正の検査に避ける人員すらいないのが現状だった。

 

オーレリア空軍万事休す!となってもおかしくない状況なであり、ISに乗りたいなら支援はしてやるから留学しろというスタイルであった。

 

「6年前の戦争での被害はかなり大きい物だったようだな」

 

「ええ、まぁ」

 

俺が頑張ったんですけどね。

 

なんてつける気はない。地上部隊も頑張っていたからな。

だから俺はオーレリアの英雄と呼ばれるのは好きじゃない。

英雄はあの時戦っていた全員なのに私だけが注目されている気がするからだ。

 

それに俺が支えたのは明くまで奪還作戦で、後方や陣地維持の際に大活躍したファルコ1みたいな人もかなりいた。

 

「まあいい、ところでお前のISの武装とかはわかるのか?」

 

オーレリア戦争の話がまあいいで片付けられてしまった。まあいいか。

本題とずれるのはあまりよろしいことじゃない。

 

「そういえばレーザー兵器を積んだとかは聞きましたね。」

 

「レーザー搭載ということは攻撃特化型か?」

 

「流石にそこまでは把握してません。ただ技術実験機でもあるのでマルチロールではないでしょうか」

 

というかそうじゃなかったら嫌です。試験機なのに特化型だったら怒るよ。

 

「おっと・・・。あとで寮監室に来い。続きはそこで話そう」

 

千冬さんはそういうと同時に携帯端末と荷物が渡された。寮監室の位置が記されているようだ。

 

横を見ると生徒が何人か近づいてきていた。軍服姿を見られるのは構わないが、転入にサプライズは大事だろう。

そう思って格納庫へと逃げ込んだ。

 

それにしても手際がいい。千冬さんが優秀なのか、それとも最初から転入させる気が合ったのか。

まあ、どちらにしろ俺の仕事は変わらない。

 

 

 ◇

 

格納庫に戻ってきたらもう輸送機から荷物は降ろされていた。

 

護衛の戦闘機はまだいるようだ。

 

箱の上に座って雑談しているのはファルコ隊のよう。

トランプがあるからポーカーでもしようとしていたのだろう。

 

近づく俺に気がついたのかファルコ1が話しかけてきた。

 

「テスト飛行の件はどうなった?」

 

「ああ、それなら結構先のことになりそうだよ」

 

学園に入からね!テヘッ★

 

なんて言えるわけない。言ったら「テヘッ★」の部分が無くても軽く引かれるだろう。

なんたって俺は26歳、大学生とかと変わらない年齢だからな。

 

学校生活するならこの口調も直さなければいけないかもしれないな。

まあこんなんでも一応貴族なので口調くらいはお手の物だ。まあ著しく疲れるが。

 

「じゃあ俺たちとはしばらく会えないんですか?」

 

少し悲しげな声で言うファルコ2。慕われるのは悪くないかな。

 

「まあそうだな」

 

そのしばらくは3年くらいだけどね。

 

慕ってくれている後輩に3年会えないのはつらいな。なんて少しだけ思った。

 

でも部下はもう2人しかいないのだけれど・・・。

 

そのあと整備員に注文と機体の癖を言ってから格納庫を後にした。

 

 

 ◇

 

女子寮受付において渡された携帯端末に記された部屋を目指して歩いていた。と言いたいのだが普通に道に迷った。

 

ここ数年基地と空以外にあんまりいなかったからしょうがないよね。

 

もちろん新しく寮に入る高校生にしか見えないように偽装はしてきている。だがなんか先ほどから目線をすごい感じていた。

 

バレたのだろうか・・・?それとも不審者と思われてる?

 

いや、知らない人が歩いているんだから当たり前かな?

 

 

若干そわそわしながら寮監室を目指した。

着いたのは1時間ほどさまよった後だった。

 

 

流石に寮監室の近くまで来たら目線はなくなった。

 

まあ千冬さんはなんか怖い雰囲気をまとっていたから生徒から恐れられてたりするのかな。

 

寮監室の扉は閉まっていた、って当たり前か。

 

とりあえずノック。

すると千冬さんの声が返ってきた。

 

「学年組番号名前を言え。」

 

そんなもん知らないしそしてまだ持っていない。一瞬戸惑ったが正直に答えることにした。

 

「無理です。というか知りません。」

 

「ああ、お前か。・・・少し待て。」

 

どうやらわかってくれたようだ。ちょっと沈黙が気になったけどそこはスルーでいこう。

 

ん・・・?

なんか目線を感じた。別に誰もいないよな?

 

 

数分後千冬さんが出てきた。

 

「一応明日からここの生徒になるんだから私のことは織斑先生と呼べ。」

 

確かに生徒が先生を先生と呼ばないのはおかしいな。違和感があるのは否めないが。

 

「分かりました。」

 

「で、一体どこに行くんですか?」

 

さっきからずっと気になっていたことだ。

 

「応接室だ。あそこなら大丈夫だからな。」

 

 

 ◇

 

応接室の扉を閉めた直後千冬さんが口を開いた。

 

「そういえばお前の名前を聞いていなかったな」

 

入ってそうそうそんなことを言われた。

そこそこ長い付き合いなんだけど言ったことはなかったみたいだ。

 

もちろん答える。

 

今回の件では必要なら話していいとのころだったし、それに友人に名前を言わないのもおかしい。

 

「俺・・・いや私の名前はメアリー・オーブリー。階級は・・・言わなくてもいいか。」

 

階級は戦後表彰されたり指揮をとらされたりしたせいでかなり上がってしまったんだっけな?

 

正直ここ最近階級は忘れていた。オーレリア戦争のときは大尉だったっけ?

そういえばあのときから上官はいなかったなぁ、とか感傷に浸っていると

 

「メアリー。どうかしたか?」

 

と聞かれてしまったのだった。感傷に浸るのは後にしよう。

そういえばこっちも気になることがあったんだった。危うく忘れるところだったぜ。

 

「そういえば今晩どこで過ごせばいいんでしょうか?」

 

野宿とかでもいいけど出来ればベッドで寝たい。

だがその期待は間も無く裏切られた。

 

「生憎空室が無くてな。今日はここで寝てもらうことになるだろう」

 

「なんだって!?そいつは酷い話だな」

 

あまりの衝撃に思ったことが口に出た。

 

「突然の話だったんだからしょうがないだろう。

それにこの部屋の中での話が外に漏れることはない。むしろこの部屋のほうが都合が良い筈だ」

 

織斑先生はそう言い残して応接室を後にした。もちろんプレートは使用中のままにしておいてある。

 

 

 ◇

 

次の日

 

 

ふと起きると自分がソファーで寝ていたことに気が付く。

 

そういえばここに押し込まれたのだった。酷い話だ。

ため息をつきあたりを見回す。

 

そのときふと見えた時計には午前4:50分の表示が…。

昨日昼寝したとはいえ早く起き過ぎじゃなかろうか。

 

まあいい。気分転換にシャワーを浴びに行こう。

今のうちに行ってしまおう。

 

 

シャワーのあとも荷物の整理や確認、格納庫を訪問したりしてやっと6時になった。そろそろ千冬さんと会って説明を受けなければいけないな。

 

 

この数分後、事情を察してかそれとも日常なのかはっきりはしないが早起きしてきた千冬さん…織斑先生と呼ばなきゃいけないんだったな、と遭遇し説明を受けた。

 

割愛するけどまとめれば

 

・俺、これからは私は本名で転入したということ

・クラスは織斑先生が担任の1年1組だということ

・寝室に関しては放課後職員室にてはなす

 

ということだ。

 

これで結構さばを読んだ経験したことのない学園生活の始まりだ!私は高等学校からパイロット養成学校に入っていたので女性と共に過ごす学校生活は送ったことがなかった。それに、筋がいいとのことで高校を卒業するころにはオーブリー基地に配備され、そしてクジで隊長になってしまったのだ。

 

 

でももうあの生活は戻ってこない…。

 

 

 

また感傷に浸ってしまった。護衛任務中の会話以降感傷に浸ることがおおくなっているな…。

そんな自分にため息をついた。

 

 

 ◇

 

色々やっていたらもうHRが始まる時間になっていた。

 

どうやら私以外にも転校生がいたらしい。見た感じ軍人、いや本当に軍人なのだろう。

織斑先生のことを教官と呼んでいたしな。

 

ただ結構な堅物のようにも見えたので声はかけていない。

 

まずその堅物軍人さんが紹介されるようだ。

 

確か…今紹介しているのは副担任の山田先生…だったっけ?

 

「ええと…今日も嬉しいおしらせがあります…また一人、クラスにお友達が増えました」

 

クラスのどよめきや発言から察するに2日連続で転校生が来ているようだ

 

「ドイツから来た転校生の、ラウラ・ボーデヴィッヒさんです」

 

どよめきが千冬さ・・・織斑先生に治められラウラさんは言われた通り紹介をはじめた。

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」

 

「ええと…以上ですか?」

 

あまりの短さに副担任(まだ話してはいない)の山田先生が驚いていた。

 

「以上だ」

 

このときに確信した。間違いなくこいつは堅物だ。

まあいいや、堅物がいてもいいだろう。

 

そのあとビンタとか色々聞こえてきたけど気にしないことにした。

思春期の女子は扱い辛いという話はファルコ1からよく聞かされているからな。

 

「では転校生はもう一人いるので…入ってきてください」

 

私の番のようだ。口調、どうしようかな?

男口調のままで言ったら堅物キャラとして扱われそうだな。

 

だからちょっと猫をかぶることにした。

といっても社交会の時とかにつかうやつだ。

 

「私はオーレリアから来たのメアリー・オーブリーです。これからよろしくお願いします」

 

噂で聞いたところ昨日来た転校生に対して黄色い歓声が湧きあがっていたそうだがお…私には反応は別になかったから問題は無し。だよな?

 

とにかく今日からはこのクラスの一員として頑張るぞ!

 

出来れば平凡なクラスメイトとして生活していきたい。

 

そう思いつつ席を目指した。

 

自己紹介?それはさっきすませただろ。




グリフィス1の設定を上げときます

本名:メアリー・オーブリー
年齢:26
階級:オーレリア空軍少将
身長:155cm

備考
 髪は茶色のオーレリア人と日本人のハーフ。オーレリア戦争で家族と家を失っており親類は行方不明の父親のみである。
 体型はスレンダーなマッチョを想定。胸は無いが本人は何一つ気にしていない。
 オーレリア空軍の親しい者と会う時あるいは全力を出して戦っている時には一人称が俺になる。それ以外の時の一人称は私。

顔については未設定。まあ平均よりはいいんじゃねってくらいです。

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