IS×ACE COMBAT X ≪転入生はエースパイロット≫ 作:初月
というわけでそういうのがダメなかたは見ないほうがいいかもしれません。
自己満足というよりはISの出ない話を書きたかっただけかも?
2023年5月。
モンテブリーズ近郊の空軍基地のブリーフィングルームにたった6名の戦闘機乗りがいた。
まだブリーフィングは始まっていないのでざわざわしている。
…根も葉もないことを言ってしまえば暇を持て余しているだけである。
「なあ、南十字星。最近要撃とかはどんな感じなんだ?」
と聞いてくるのはアクィラ1。
ファルコ1の次に腕が良いといわれているパイロットで、
「前ほどじゃないけど週2のペースであるね」
と答えたのが南十字星ことグリフィス1。つまりは私だね。
「おかげで教官になれた奴らが羨ましいよ」
とぼやいたのが私の僚機を務めるグリフィス5だ。
「そのうち回ってくるんだからいいでしょ。グリフィス5」
「いや、もう待てない。いっそのことユジーンを脅して無理やり…」
そして暴走しかけたグリフィス5に
「やめといたほうがいいと思います」
と忠告したのはアクィラ1の新しい僚機である新生アクィラ2(女性)である。
背は私より少し高いくらいなので小さいほうに入るだろう。
「そういえば今回はどんな任務なんだ?」
ふとさっきから気になっていたことを口にした。
「さあ?そういえば新型機を開発したって噂を聞いたぞ」
「じゃあ試験飛行か…。懐かしいな」
そのまま俺が戦争前の試験飛行のことを思いだし、そしてその時のメンバーを思い出して暗い気分に陥りかけたころアクィラ1が口を開いた。
「じゃあ俺らも試験飛行するのか?」
そう聞かれたのでふと前に行った試験飛行を思い出した。
確か試験機と観測機、それに護衛機がいたはずだ。
試験機は多分経験者である俺で、観測ならユジーンがやってくれるだろう。
「アクィラ隊は護衛か観測じゃないか?」
「そうか。なら新人つれてても安心だな」
その発言とともに新生アクィラ2のほうを見ると緊張しているのが感じられた。
あの緊張具合はなんだか―――
「もしかして、彼女今日が初陣?」
―――初陣という感じがした。
「いや、これでも3回目だ」
…随分と緊張してんじゃねーか。これならアクィラ1が心配になるのもよくわかるってくらいに。
普通ならもう慣れ始めてくる頃なんだが…。
「もしかして、初陣で何かあった?」
そう聞くと、アクィラ1の反応が変わった。
…なにか、あったんだな。
一瞬いうのを躊躇ったがアクィラ1は言葉を続ける。
「やられはしなかったがベイルアウトする経験を初陣でやっちまったんだ」
「そりゃ災難だったな。でも初陣で被弾後ベイルアウトの判断ができるくらいに余裕があったなら今後に大きなきたいがもてるぞ!
喜べ!アクィラ1!」
色々気にせず有望株が見つかったことで俺はかなり喜んだ。
だが俺はあることに気づく。
たった6人しか居ない部屋でこんなに喜んだら間違いなく有望株(アクィラ2)さんに聞こえているということに。
冷静さを失うって怖いなと痛感し、静かにしているとユジーンが入ってきてブリーフィングが始まった。
◇
ブリーフィングが終わり、パイロットスーツに着替えた俺たちは歩きながらハンガーへと向かっていた。
…さっきの俺の発言以降さらに落ち着かない様子になってしまった新人らとともに。
さっきの発言、完全に失言だったな。
まあ安心なのはうかれている様子ではないので希望が潰えていないということだろう。
ちなみに今回私が乗る機体はRafale F。
Rafale G(番外編3参照)の改良?版だ。
正確に言うと中央パイロンにEMLを、主翼パイロンにはLASM、XMAA、SODの中から選択したものを装備でき、サイドワンダーを4連発射できるように改良したうえで、色々そぎ落としたり付け加えたりした結果F-22の2/3ぐらいの値段で作れるように抑えた機体だ。
あとグリフィス5はXFA-24の改良型に乗るらしいがそちらは詳しい説明を受けていないのでよくわからない。
G型より遥かに使いやすくなっているだろう。
多分…。
そんななかアクィラ1に声をかけられた。
「どうしたアクィラ1?」
「いやぁ、さっきのお前の言葉のあとから新人がいつも異常に緊張しているんだが…」
そう言われて再度新人の緊張具合を確認する。
「まあ飛行に支障はないだろ。空戦になったら…退避させたほうがいいかもな」
「それ任務に支障ありってことじゃぁ…」
「そうだけど替えの人材は無いから無理。あ、でもユジーンなら…どうだろうなぁ…」
任務に支障が出ると言っても欠員の時点で既に…でも飛ばすのはもっと危ないかもしれないが…どうしよう。
だけど飛ばさないのも精神的に不安定になっている彼女の心に傷をつけてしまうかもしれない。
そのまま思考は堂々巡りし、結局
「心配だが…南十字星なら守れるだろ?な!」
という感じで結局アクィラ1に押し切られてしまった。
心配だけど経験は積ませたいみたいだね。
地上で見るよりは空から見たほうが分かりやすいからかな?
まあもしものときは守りきってみせよう。
…まだ乗ったことの無い新型機で、だが。
◇
特にトラブルは起きずに試験飛行は終わりを迎えようとしていた。
しいて言うならば模擬空戦の相手がファルコ隊だったおかげで機体を壊さないように気を使わなければいけなかったというところだろう。
Rafale Fは機動性安定性ともに良好といえる物で、主力戦闘攻撃機と成りうるだろう。
問題としてはEMLとその他特殊兵装を同時に使うのが少々きついというくらいだな。
XFA-24の改良型のほうは無線で聞いてみたら機動性がかなり上がりはしたが安定性が最悪だったようだ。
対地攻撃を考えなければ使えなくもないもの…であると思いたい。
でもApalisは対地攻撃に使う武装をかなりつめる機体だったはず…。
そんなことを考えながら空中給油の試験を済ませた。
こちらは特に問題無し。
そして補給を終わらせて俺らが基地へと機首を向けたとき、ユジーンより無線が入った。
<<所属不明のF-16C4機がそちらへ向かっています!迎撃してください!>>
そうか。
残念だけど俺たちは交戦せず…ってあれ?
別に交戦は禁止されてないのかな?
そういえば搭載しているのは実弾だったし、この機体に今のところ異常は感じられない。
なら―――
<<了解。グリフィス1
―――大胆にいかせてもらおうじゃないか。
◇
結果で言えば発見から35秒で敵機を全て撃墜することに成功した。
全機が非常にきれいなヘッドオンで瞬く間に敵機を撃墜したのだ。
おかげで今は撃墜ポイントの確認や脱出した敵パイロットがいるのかとかを確認している。
パラシュートは4つ。全員脱出できたようだ。
そのことをオープン無線で報告したあとに今回の先頭に関して少々思い返していた。
ファルコ隊は既に降りていたので飛んでこなかったから丁度一人一機撃墜したことになる。
正直アクィラ2はまだ撃墜は出来ないと思っていたがやっぱり素質はあるんだね。
こういうときはちゃんと賞賛の言葉を送ろうじゃないか。
<<グリフィス1よりアクィラ2、ナイスキル!初撃墜おめでとう!>>
そして賞賛の言葉に
<<あ、ありがとうございます>>
と無線で返したアクィラ2は緊張していながらも少し嬉しそうではあった。
罪悪感を抱いていないのは脱出を確認できたからかもしれない。
彼女がきれいな心を残したまま立派なパイロットとなることを願っていたのであった。
ちなみに
<<帰った後はアクィラ2初撃墜のお祝いだ!>>
そういうアクィラ1と
<<やった!>>
と喜ぶアクィラ2の影で
<<後席の俺たちのことを忘れてないか?>>
と突っ込むアクィラ隊の後席たちが居たのだが、
「完全に忘れてました。すみません」
と無線を切った状態で俺は謝ったのだった。
単座だとどうも後席の存在を忘れがちだな。
またあいつとF-15Eあたりで空に上がろうかな。
そんなことを思いながら基地へと戻っていった。
明日は休みだから今日は飲み明かそう。
成長物語を書くのって難しい