IS×ACE COMBAT X ≪転入生はエースパイロット≫ 作:初月
でも消さない。
戦争が終わってから1年くらいたったころ。
私は兵器開発部の研究所に来ていた。
理由は私のRafaleへどんなカスタムをするのか?と新型機の性能はどんなのがいいかといういたって普通な理由とちょっと変な機体が出来たから意見をくれという特殊な理由だった。
え?カスタムをなんで研究所でするのかって?
それは数日前格納庫で
「戦闘機に空中管制機能つけたらどうなるんだろう」
と冗談半分で言ってしまったからだ。
ほんの冗談に過ぎなかったのだがこの発言、ただせさえ人材不足なオーレリアの切り札になるかもしれないとどんどん話が大きくなりいつの間にか試験機を作ることにまでなってしまった。
そこで呼び出されるのは原案を出した私になったわけなんだが・・・。
「なに・・・これ・・・」
目の前の試作機を見て絶句した。
試験飛行をしたファルコ1曰く「扱いづらいがうまく使えばフェンリアなんて余裕で落とせる」機体だそうだ。
だが形はかなり変なものである。というかよく飛んだなとか思ってしまうレベルだった。
X-02を元に作られた可変する主翼、カナード、尾翼。
Su-37から得た3次元偏向ノズルエンジン。
F-22より少しは劣るが高いステルス性。
極め付けには機体上部に張り付けられた大型索敵レーダーと機体下部に設置されたショックカノン搭載可能なパイロンである。
これがフェンリア2機分くらいの大きさを持つ機体に取り付けられていた。
あまりにもとんでもない物だったので気絶しかけた。
そこで正気を保つためにあることを開発班の一人に質問した。
「予算は大丈夫なのか・・・?」
帰ってきた答えは衝撃とかの域を超えていた。
開発班員A「グレイプニルよりは安く済みましたよ」
私はただ絶句するしかなかった。そのあと飛びかけの意識で正確な数値で聞いたがその金額を聞いて倒れかけてしまった。
値段は・・・大体現代戦装備の戦艦が1隻くらいと思ってもらえればいい。
航空機にかける値段じゃない。
これはあとで聞いたことだが、設計班が色々載せられることに気づいてレールガンやショックカノン、戦略レーザーやECM防御など色々特殊兵装として追加したせいらしい。
ちなみに特殊兵装は一つしか積めないというところは他の機体と変わらないようだ。
でもそれを作り上げる奴らにも問題があると思う。
武装の値段を引けばAWACS並で収まるようだ。
航続距離は巡航時4000km、最高速度はマッハ1.8とのこと。こっちはふつうかな?
私は純粋に思ったことを口にしていた。
「これ戦闘攻撃機として使えばかなりの高性能機になるんじゃない?」
開発員A「なら愛称とか考えてくださいよ!」
それから1時間ほど話し合った。
その結果、この機体は
戦闘攻撃機型・・・AF-XFA-1 Elva
電子戦機型・・・AF-XEA-1 Elva
になった。
Elvaは開発員の「これグレイプニル並の強さがあるのでは」という発言からあれの墓場となった都市、サンタエルバからとった。
新型機関係の話はこれで済んだので私の機体のカスタムについての話となった。
私があらかじめ考えていた要求は、速度・機動性・装甲をどれも上げてほしいということだ。
最初から分かっているがこんなの普通のところに出したら間違いなく即座に断られる。が、今回はM.B.S.R.の設計から製造、配備までを二か月以内ですませたモンテブリーズの研究者が相手だ。
遠慮なんて言葉はなかった。むしろ遠慮なんかしたらただの侮辱だ。
だが相手の答えは予想の斜め上を行った。
開発班員A「その程度でいいんですか?」
少し驚いた。少しで済んだのはさっき変態すぎる試作機を見たせいだろう。
そのときふと思ったことがあったのでそのまま言ってみた。
「じゃああとはレーザーとかレールガンを搭載できるようにして。あと私の愛機を改造するんじゃなくて新造したRafaleを改造して。正直今の愛機のRafaleはすでに軽いカスタムはしてあるし結構慣れてるからね」
無茶な要求をしてみたが相手はすんなり受け入れてくれた。流石はモンテブリーズの奴らだ。
すんなりだったのでさらに追加注文することにした。
「できればF-22のステルスが看破できるくらいのレーダーも乗っけといて。ただしそれによる性能の低下は許さないよ」
それも受け入れた。
数週間後に私のところに来たRafaleはなんか違うものになっていた。
その名も
-----Rafale Gryphus
垂直尾翼に小さく記されていた。
そのあと各種試験を行い、テスト飛行で空戦も行った。
恐ろしいことだが空戦性能としてはF-22複数と互角に戦えるレベルだった。もちろんレーザーとかを載せてはいない。
何てものを作る奴らだ・・・。
注文の斜め上をいきやがったぞ・・・。
その後この機体はRafale Gとして正規採用されてしまったのだった。
とか落ちがつけば笑い話になるのだが改造費が高くて正規採用とまではいかなかった。私が知っているのは予備機として10機ほど生産されたってことぐらいだ。
まあその予備機に乗る連中は大体想像がつくんだけどね。
Rafale Gryphus
空中管制機もしくは友軍機との連携により敵ステルス戦闘機を探知することが可能。
特殊兵装は
・戦術レーザー1門(照射回数に制限あり)
・小型レールガン2基(一門につき10発が限界)
・長距離空対空ミサイル(普通のXLAA)
・長距離対艦ミサイル(普通のLASM)
・長距離衝撃波弾頭ミサイル(LSWM)
・QAAM
など
となっている。搭載できるのはこの中の一つのみ。
レーザーやレールガンを搭載しているときは機動性などの性能が低下する。
AIM-9などは常時搭載している。
固定兵装
・20mmガトリング機関砲
機動性的にはSu-37に近い面がある一方である操作をできるようにしたことで安定性も高い。
ただここまでの廃スペック化の反動としてコストと生産性が犠牲になった。
参考値として生産性を挙げると通常ラインなら一年に5機生産が限界である。
AF-XFA-1
フェンリア強化版。一言でいえばそれで済んでしまう機体。
空中管制が可能で色々な機体の組み合わせにより大型だが戦闘機並の機動性を確保した。しかし操縦は難しいものとなっている。
特殊兵装の組み合わせによってはグレイプニルを上回る性能を発揮する。
また軽いステルス性を有する。
特殊兵装および固定兵装だがまだ決定していない。
値段は恐ろしいこととなっているが使用法はアメリカでのB-2の運用に近くなるので問題とはされていない。
と設定的なものを書いてはみたけど出番はないと思います。
発想が多分エスコン世界で第六世代に相当してるADF-1とかCFA-44とかフェンリアとかを越えかけてるんで技術的に最終話までに間に合うことはないでしょう。