IS×ACE COMBAT X ≪転入生はエースパイロット≫   作:初月

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ラウラと仲がいいって設定生かせてないけど・・・日常回書くのがきつい・・・。


第19話 慣れない仕事は終わるのか?

レーダーに出た"unknown"の反応、それを見て咄嗟に俺は身構える。

戦場においてわからないものほど怖いものはないのだ。

 

事実オーレリア戦争においてもグレイプニルがサンタエルバの戦いではじめて使った衝撃波砲はその特性を見出すためにいくつかの部隊が全滅することになってしまった。

 

だがISであったことが有利に働いた。

 

IS同士であれば相手のコアを識別すれば誰が乗っているのかまでは大体わかる。

つまりは高性能な識別信号を持っているのだ。

 

それにより「unknown」は「白式」との表示に変わる。

レーダー波の反射が変わっていたということは二次移行でもしたのだろうか?

 

まあ二次以降とかの話は終わってからにしようか。

空中戦に集中しないと光弾を食らってしまいそうだ。

 

実際今もバレルロールを繰り返したりブレイクしたりしてはいるのだが光弾の弾幕からは抜けられていない。所詮AIとはいえ人間に近いと言われるだけはあるということだろうか。

 

とにかく今は近接攻撃しかできない白式ものでもいいから援護を受けられるようにしなければと思った瞬間福音に着弾と思われる爆発が発生した。

今いるISは俺のやつと一夏の白式(二次以降済み)だけだから白式からだろうか。

 

射撃ユニットが増えたと考えるとレーダーだけではわからなかったのも頷ける。

よし!誤射が少々心配だが援護を頼もう。

そう思いプライベートチャンネルを一夏につなげた。

 

<<こちらg…メアリー、援護して!>>

 

ちなみに拒否されたくないときは返答まで聞かないのが私流ね。

 

まあ今は返答を聞いている場合ではないんだけど。

相変わらず光弾の弾幕は止まずに俺の近くを通り抜けて海面で爆発している。

 

弾切れを起こさないなんて恐怖の代物じゃないか。

 

ISの怖さは装弾数と連射性にもあるのかもしれないと思い始めたそのとき

福音が墜落した。

正確に言うと量子変換されて搭乗者は一夏が回収したって感じなんだけどね。

 

それにしても瀕死状態ですら弾幕を張り続けられる機体か…。

 

とにかくGAU-8弾幕は結構凶悪だったようだ。

ということでいいのかな?

 

さっきまでの苦戦が嘘のようにあっさりと落ちてしまったので空で旋回していると一夏が操縦者らしき人を抱えて俺に通信してきた。

 

<<ほかの皆は?>>

 

<<ラウラが連れて帰ったよ。今はぐっすりと休んでるんじゃないかな>>

淡々と答える。

今頃痛みが戻ってきた上にまだ特性とかを掴みきれていないISで性能で勝る機体に対し空中戦を行ったので正直またゆったりと休みたいと思ってるので早く帰りたいのだ。

 

…千冬さんというラスボスを越えていかなければいけない気がするのだが気にしないことにしよう。

気にしてたら気力が持ちそうにないしね。

 

<<なぁ、メアリー。終わったんだよな>>

 

不意に一夏が話しかける。

終わりがあっけなかったからまだ終わった気がしてないんだろう。

 

そしてレーダーに映る反応、こいつをやり過ごしてからじゃないと帰れそうにないかもしれない。

 

<<多分終わったんだろうね。でも私は少しここに残るよ>>

 

謎の高速飛翔物体を目視するために残ることにした。

でもレーダーとかに疎い一夏なら気づかないだろう。

 

<<そうか、じゃあ俺はこの人のこともあるし先に帰ってるな>>

 

そういって一夏は飛び去った。

 

 

そしてその16秒後、グリフィス1の横を弾丸が飛びぬけた。

 

 

 ◇

 

私はあいつのことを信頼していた。

だが同時に怪しさも感じたのだ。

 

メアリーは攻撃的なISに乗っておきながらあまり派手な攻撃をしないのだ。

そして戦闘中のメアリーの冷静さは一般的な軍人を凌駕している場合すらある。

さらにドイツ軍からは一夏だけではなくメアリーを監視しておけという司令が降りていた。

明らかに一般人ではないと思わせるだけの事実は重なっている。

 

だから調べて・・・結果は黒だった。

 

現在の所属のところに関してはオーレリア軍の最高機密に匹敵する防御があったせいで分からなかったが軍属という事実だけは確実だ。

 

無茶苦茶な事情を並べてでも無理やり人を送り込んだオーレリアに失望すると同時に、

世界初の男性操縦者である一夏の周辺から危険は排除しておきたい。

 

そう思って私は再度戦場へと向かい、

          ―――あいつを、相棒を撃った。

 

 ◇

 

レーダーと衛星で飛来するISを捕捉していたがラウラだったとはね。

そして突然の攻撃には驚いた。

しかし数秒で攻撃を受けた理由を悟る。

 

俺の所属が遂にばれたのだ。

 

それくらいしかあいつが攻撃してくれる理由なんて無いだろう。

さらにあいつはそれを知ることができる環境下にいたはずだ。

ISを持っている軍人という時点でかなりの立場にいるのは確定しているんだし。

 

おかげでIS学園に来た時に千冬さんが言っていた秘策とやらを使ってもらうしかない状況になったわけだが今ラウラはジャミングをしてここの状況をごまかしているようだ。

しかも素人じゃ分からないような高性能なものを使ってだ。

多分ベルカ事変のときに用いられていたタイプのものだろう。

 

どこから手に入れたのかは気になるけどそれを考えるのは後。

今は現状の打破だ。

 

なんて危ない状況なのかと思うと同時に残弾が減ってきている状況で交戦すべきかどうか迷った。

でも撤退する場所もないことに気づく。

 

逃げようとした場合まず千冬さんに情報を流してくれれば問題はないのだが今ラウラは専用機持ちとも仲がいいから運が悪ければこんなコンディションで多対1っていう状態に…なんか懐かしさを感じた自分を殴りたい。

 

とにかく多対1は嫌なのでECCMをするタイミングを窺いながら交戦することにした。

 

まずはレールガンによるロングレンジ攻撃をかわしつつTLSで反撃を行う。

だがあまりいい成果は上がらなかったようでかなりの速さで突っ込みながらプラズマの刃をかざしてきた。

 

典型的な一撃離脱だったから引き付けてから急制動を行って回避し、その後M61A1をレールガンへむけて撃った。

ただカウンターも想定されていたようでレールガンへの直撃を回避され、反転してきたラウラ機はワイヤーブレードを放ってきた。

 

これで拘束し、レールガンで避けられない相手を狙撃するというそこそこエグい運用法だがこれには一つ欠点がある。

ワイヤーブレードを切られると乱戦において速射性の無いレールガンが使えないため火力不足に陥るのだ。

 

というわけなのでTLSを使い一気に全てのワイヤーブレードを切った。

戦闘機相手ではある程度の時間当てなければならないので使いにくいともいえるがただのワイヤー相手なら一回当てれば切れるのでかなり楽だった。

 

たださらなる問題が発生する。

 

AICのおかげで1対1では当てられないのだ。

一方向からの攻撃ならまず止められてしまう。置きミサイルでもしない限り無理だろ…っとその手があったな。

 

しかし思いついたはいいがミサイルはQAAM2発と衝撃波弾頭を積んだものが4発のみ。

衝撃波弾頭ミサイルは効果範囲が広すぎて使えない。

…置きミサイルは得意じゃないのに最大1発しか外せない状況じゃないか。

 

でもこれ以外に手は無いので、気づかれないようさり気無く投下する。

 

おかげで機動に乱れがでてレールガンの衝撃波で少しシールドエネルギーと右のTLS及びQAAM発射機の一部を削られた。

いやはや、ストーンヘンジみたいな弾頭じゃ無くてよかったぜ。

 

だけどTLSを一基失ったのはかなり大きな損失だ。

レールガン破壊を行うときに瞬時に壊せなくなってしまった。

 

そんなことを考えながらM61を引き撃ちしていると先ほど落としたQAAMがラウラ機の後方に直撃した。

 

突然の爆発と衝撃に驚いたのかラウラの機動が鈍くなったところに色々叩き込んでは見たがまだ撃墜はできなかった。

流石は戦術兵器最強のIS、打たれ強いな。

 

<<さすがは軍人。だけど詰めが甘いな>>

プライベートチャンネルでラウラにそう告げると、低空へ降下し機動の鈍ったラウラ機をPICマニュアル操作でエンジンを全開にすると出せる捨て身の加速で引き離し一気に戦域を離脱した。

 

この状態はかなり操縦が面倒ではあるが低空ならそのまま着陸することも可能…だと思いたい。

その点が心配になった俺は仰向けになり背中の装備で衝撃を吸収するようにしながら着陸した。

 

かなりの速さで降着したために土煙は上げてしまったがそこそこ静かに降りれたのであの空戦のことがバレることはないだろう。

 

 

さて、この後は千冬さんというラスボスを回避しなければいけないのだがどうすればいいのやら…。




まだまだこの物語は終わりません(多分)。

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