IS×ACE COMBAT X ≪転入生はエースパイロット≫   作:初月

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第16話 ブリーフィング

旅館のとある一室。

 

暗くされた部屋のスクリーンに様々な情報が展開されていく。

ソフトが違うからなんだろうが随分とオーレリアのものとは違うようだ。

 

まあ軍は信頼性を結構大事にしているからこんなハイテクブリーフィングを見るにはあと何年か待たなければいけないだろう。

 

 

色々考えているとスクリーンにいくつかウィンドウがでて、ブリーフィングが始まった。

 

 

「二時間前、ハワイ沖で試験稼働にあったオーシア、イスラエル共同開発にあった第三世代のIS。

"シルバリオ ゴスペル"通称"福音"が制御下を離れて暴走、監視空域より離脱したとの報告があった」

 

試験機の暴走ね。初陣である博士の妹と博士がいることだし…仕組まれたものみたいに思えてこなくもない。

 

ただ戦闘に雑念は無用だ。

雑念を抱き散っていく奴らをこの目で見てきたんだ…。

まあ雑念を抱いている者はあまりいないようだから別にいいか。

 

それに裏を考えるのは別に今じゃなくてもいいだろう。

 

「その後衛星による追跡の結果福音はここから2km先の空域を通過することが分かった。

時間にして50分後、学園上層部からの通達により我々がこの事態に対処することとなった。

教員は学園の訓練機を使用して空域及び海域の封鎖を行う」

 

そういうとスクリーンに空域を駆け抜ける福音と作戦のために海上封鎖を行なう教員機がマップに表示された。

やっぱりこういうところには凝るんだな。

 

「よって本作戦の要は専用機持ちに担当してもらう」

 

…やっぱりこれは仕組まれてるだろ。

交渉事に専用機持ちを出せないのは分かるが攻撃隊全員が専用機持ちというのは少々おかしい。

 

まさかこれも博士への報酬とやらに入るのだろうか?

 

そこまで考えたとき私と同じく驚いたのか一夏が

「は、はい!?」

と裏返った声で言った。

現実逃避も含んでいるんだろうとか思っていたらラウラが

 

「つまり暴走したISを我々が止めるということだ」

 

と簡潔に説明してくれた。

流石は私の相棒だ。

 

だが一夏はそれに

「マジ!?」

と驚きながら返しやがった。

 

一般人だったのならそれでもいいのだが専用機持ちなのだからその自覚くらい持ちなさい。

まあつい最近まで一般人だったのだからしょうがないのかな?

とか思ってるとリンさんに

 

「一々驚かないの」

 

という至極真っ当なつっこみを入れられたようだ。

 

そして場が落ち着いたのを確認して千冬さんは

「それでは作戦会議を始める!意見があるものは挙手するように」

と発言した。

 

すると即座にセシリアさんが

「はい!目標ISの詳細なスペックデータを要求します」

といった。

 

いい質問だな。

敵の性能は戦術に大きくかかわってくる。

 

「ふむ、だが決して口外するな。情報が漏洩した場合諸君には査問委員会による裁判と最低でも2年の監視がつけられる」

 

もはや軍だな。まあ実際に戦略兵器になりかねない物だから至極真っ当か。

そんなことは分かっているのでセシリアさんも即座に

「了解しました」

と返答したのであった。

 

すると銀の福音についての情報が送信された。

バックご苦労さんです。

 

で、パッと見で高機動・広域殲滅型だということは分かった。

しかしそんなものに福音をつけるなんてネーミングセンスがないな。

 

それとも昔からよくある偽装か?

まあそんなことは後ででいいや。

 

そしてほかの専用機持ちの方へ目を向けるとどうやらこれに対する作戦を話し合っているようだった。

 

そして格闘性能が不確定だということに気が付いたラウラが千冬さんに偵察の是非を聞いた。

が、あまりにも目標が早すぎるため却下されてしまった。

 

そして結果として出てくるのは"一撃必殺"。

つまりは失敗が許されない上に一回で破壊しなければならないということのようだ。

 

それが出来るのは白式にある零落白夜だが一夏を出すのは精神面的に危険な気がする。

ふむ・・・どうしたことか。

 

 

そして一夏の輸送手段についての話し合いになったとき、

―――天井裏から博士が下りてきた。

 

もう少し精神面に優しい登場をしてくれないのだろうか?

 

 

千冬さんも呆れて頭に手を当ててるよ。

 

「ちーちゃん!ちーちゃん!もっといい作戦が私の頭のなかにナウプリンティング~!」

 

「出ていけ」

おかげでかなり冷たい対応である。

だが博士は懲りずに

「聞いて!聞いて!」

といいながら千冬さんを揺さぶりだした。

…こんな人が知り合いだったら頭が痛くなりそう。

 

だが次の発言で千冬さんの態度が一変した。

 

「ここは断然赤椿の出番なんだよ~」

と言い放ったのだ。

 

これには皆も驚いていたようだ。

 

まあそりゃそうなんだろうけどいくらなんでも博士、本気出し過ぎだろ。俗に言うシスコンってやつかな?

 

 

 

で、面倒だから詳細を省略するが話し合いの結果攻撃隊は篠ノ之さんと一夏になったのであった。

 

 

 

ここから先はブリーフィング後のこと。

 

 

「千冬さん、失敗したらどうするんですか?」

 

「そもそも失敗は許されない、だが確かにそれも検討すべきだったな。

何故質問の時に言わなかった?」

 

「完全に質問のタイミングを見失いました」

 

そういうと罰が悪そうに

「…まあ、そうだな」

と答えた。やはり博士乱入のことを悪く思っているようだ。

まあ博士だからしょうがないだろう。

 

「でだ、メアリー。日本には言いだしっぺの法則というものがあってだな」

と千冬さん迫られる。

あ、俺にやれってことだな。

そう思い、準備も済ませておいたので二つ返事で了解した。

 

そのあと軽く段取りを話し合った結果俺は一夏たちより少し早く出て戦域近辺にて待機することとなった。

 

…頑張ればマッハ3近くまで出して一夏たちより後にでて一夏たちより早くつくことも可能だったが初めてやることはすべきではないという千冬さんの判断である。

 

ちなみに救助隊のことを言ったとき千冬さんの表情が少し暗くなったので一夏と篠之野さんのことが心配だということを実感した。

やはり千冬さんも錬度に不安を感じているのだろう。

 

そう思うとなんだか今回の作戦が不安になってきた。

 

最悪の場合は単機で福音と交戦するはめになるかもしれない。

まあセントリー島要塞での空中戦と比べれば相手が見える分ましだろう。




ナターシャさんは出しますが、基本はアニメ版を優先させます。

12/20 後半部分に加筆しました。

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