IS×ACE COMBAT X ≪転入生はエースパイロット≫   作:初月

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閑話的な何か。伏線があるかも。

4/4 一部再編

2015/08/01 一部改稿


第14話 可能性

俺らはIS学園に燃料補給で降りた。

 

だがそこで俺はある問題に気付く。

 

 

どこかからIS学園の生徒等に見られてたら不味いということだ。

 

見つかれば任務(休暇)終了となるだろう。

 

まあ空に戻れる以上終わっても良いと思うことすらあるのだがIS学園には色々注意しなければいけない諜報屋が居るとも聞いた。

俺がグリフィス1であるとバレるのは不味い。

コックピットに籠るのもいいけどそうすると味方に勘ぐられるし、それに燃料を積みきるまでは時間がかなりある。

 

どうしようかなぁ…。

 

ちなみに味方は俺がISの操縦を習っていることは知っているが、IS学園の生徒となっていることは知らない。

 

そういえばここって基地兼IS学園生用空港だったような…。

 

でももうエプロンに入ってるし…この際気にしたら負けだ!

 

そうやけになって私はF-35から降りた。

 

 

そこで早速来たのは千冬さん。突然20機弱の軍用機が下りてきたのだからしょうがないのだろうか?

 

実際千冬さんはユジーンに

「これは一体何事ですか?」

と聞いている。

 

オーレリア軍がノースポイントにいることやノースポイントの国防軍といることも珍しくは無いのだが、煙を吹いてるのが混じってた上にここはIS学園との共同管理だからしょうがないのだろう。

 

随分と困っているようだ。

でも俺も困りたくないし気にしないで行こうか。

 

オーレリアとISAF、そしてオーシアの共闘の件はまだ当事者しか知らない。

 

ここまで大規模な作戦が極秘裏に展開された事実が知られれば大問題となることだろう。

 

まあここにいるのはノースポイントとオーレリアの昔から仲が良い国として一部に有名な組み合わせだ。

問題は無い。

 

とか考えていると千冬さんに声をかけられた。

 

「メアリー、事情を説明してはもらえないか?」

 

どうやらはぐらかされたらしい。ユジーンは上手く嘘をつけないからしょうがない、のかな。

生憎公式作戦ではないので私は嘘を伝えることにした。

 

「演習中にトラブルが発生しただけです」

 

「じゃあなぜ彼ははぐらかしたんだ?」

 

痛いところを突かれる。

だがここで間を開けるのは相手に嘘と伝えるようなもの。

 

咄嗟に更なる嘘を吐いた。

 

「緊急着陸のドッキリもとい訓練ですよ。たまに無報告で始めて錬度を確認するんです」

 

「では何故オーレリアが訓練に協力した?」

 

「外国のほうがリアリティーが出るでしょう」

 

ここまでいうと千冬さんはむすっとしてしまった。

ブリュンヒルデの称号を持つ人だから何かを察したのだろう。

 

でも彼女は知るべきではない。

 

―――"公式にはまだ世界は平和のうちにある"ということを。

 

 

…ラーズグリーズの記事を投稿してたジュネットならこの事実を勘ぐってしまいそうだ。

 

まあそれはどうにかなるだろう。寧ろどうにかしないと不味い。

それより今は見学に来たIS乗りへの対応。

 

そう決めた俺は周囲を見回しファルコ1らを探した。

 

エプロンに居ないということは格納庫か?

 

…あ、F-35格納庫に入れなきゃ。

 

 

この後グリフィス1がファルコ1らに笑われたのは言うまでもない。

ちなみに整備員の怒りの「みんな揃ってこんなに無茶しやがって」という怒りもぶつけられた。

 

精神的に少し来るものを含む口撃にどうにか耐えていると、国家を超えた搭乗員の雑談が俺のF-35の前で始まった。

 

「亡国機業ってどうなると思う?」

 

「さあ?ただオーシア情報部に本拠地掴まれたら終わりだろうね」

 

とこんな感じ。雑談とはいえども軍関係者でもない限り知らない情報も紛れている。

 

「そういや今回使った対IS戦術はどうするんだ?」

 

「教本にでも乗るんじゃないか?でもあれ連携が取れて錬度が高くないと無理だぞ」

 

「なんでだ?」

 

「ミサイルの発射タイミングと機銃の発射タイミングを見誤ると間違いなく逃げられる」

 

ちなみにお互い実名どころかコールサインすら知らない人と話している人が大半だ。

まあ大半の整備士は整備士同士、パイロットはパイロット同士である程度知っているが。

 

「つまりはトップエース専用戦術か。でも化け物級になってくると単機で相手出来そうだけどな」

 

そんなF-15E乗り(前席)の発言に"化け物級"のエースが反論する。

 

「やってみなきゃ分かんないけど流石に単機で挑みに行く勇気は無いな」

 

と俺。それにメビウス1が付け加える

 

「丁度いい高性能機体があればやれなくはないがやる気にはならん」

 

その発言を聞いたパイロットの一部が少し引いた。

だがここに横槍を入れる人が一人。ファルコ1だ。

 

「でもISって制約無しに近い超機動と耐久さえどうにかすれば勝てるんじゃないか?」

 

確かにそうだ。が、それが分かっていても出来る奴らは少ない。

同じことを誰かが言う。

 

「確かにそうだけどそれを克服できる奴らといったら極少数だ」

 

「でもそのごく少数の数はISの数と比べてどうなんだ?」

 

良く考えたらISもたかが467機程度だ。どうにかなる数なんじゃないだろうか?

そのことについて考えているのか皆が黙った。

 

だが俺はこの議論を吹き飛ばすようなことを思いつく。

 

「SWBMやショックカノンを使えばISなんて一撃なんじゃないか?」

 

「確かにな。じゃあなんで世界は女性優位になんかなったんだ?」

 

「ISは汎用としては最強なんだろう。それにデカブツのほぼ全部に言えることだが国を挙げて存在が隠されている場合が多いだろ」

 

「国は自分ら男の利権じゃなく世界平和を望んだか」

 

「いいことじゃないか。まあ世の中の何も知らない男性たちは気の毒といったところだろうか」

 

つまりは大量破壊兵器を闇に葬りさり、世界で再び戦争が起きることを避けようとしたということだ。

だが、ISを利用した武装集団が出てきた以上また日の光を当てるのだろうか?

 

その結果起こる破滅も想像できるが使わなければベテランやエースを失うことになりかねない。

どう動くかは神のみぞ知るということなんだろうか。

 

そこまで言うと管制官勢もやってきた。

 

「ISに対抗する戦術を練るとは…流石トップエース達だな」

 

その発言を聞くとF-15E乗り達が顔をしかめる。

だがスカイアイがフォローした。

 

「お前たちは"大陸戦争で戦線を支えたもう一つの部隊"なんだから少しくらい自信を持て」

 

「でも俺らはまだキルレート200を超えてませんよ」

 

僻んだ声でそう言った。

でもスカイアイはめげずにフォローを続けた。

 

「メビウス1と張り合えたのにか?」

 

これには搭乗員全員が驚いた。

手合せを申し出る者すらいる始末だ。

 

だがF-15E乗りは自ら反論する。

 

「全員で挑んだからですよ。そういえばSWBM攻撃後のベイルアウトは?」

 

「損傷大で高度を落としたF-15Eが4名脱出したのを確認した。多分シグマ隊の奴らだ

救助に輸送ヘリを何機か向かわせてある」

 

「なら安心です」

 

そうつぶやくとシグマ隊の隊長と思われる人は自らの愛機のところへと戻って行った。

 

あのF-15E乗りもといシグマ隊がそんなに強い部隊だったとは…。オーレリアで言うファルコ隊と同じ立ち位置なのだろうか?

 

そのうち模擬空戦でもしてみたいものである。

 

そんなことを考えていたらとんでもない提案をしたやつが居た。

勿論ファルコ1だ。

 

「メビウス隊とファルコ・グリフィス隊連合で模擬空戦でもしないか?」

 

数的不利でメビウス隊と戦えとか無茶ブリにもほどがある。

そう言おうとしたのだがグリフィス5とメビウス8に邪魔された。

 

「「いいんじゃないか?それ」」

 

と言われてしまったのだ。

正直メビウス1と戦ったりアラクネ戦においての連携をみると追加でアクイラ隊を連れてこなければ勝機は少ないと思う。

 

しかし模擬空戦の話は直後の管制官らの全力の制止でつぶれたのであった。

 

そのとき俺が安堵したのはメビウス1だけが気づいたようだ。

…それにしてもなんだかメビウス1には親しみ易さを感じる。まるで知り合いのような―――

 

そこまで考えたときに呼び出しがかかった。

燃料補給及び整備が終わったようだ。

 

そこまでわかると俺らはアレンフォートへと飛んでいった。


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