IS×ACE COMBAT X ≪転入生はエースパイロット≫   作:初月

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番外編2 - Gryphus Squadron - 白騎士事件の日 後編

≪グリフィス1、エンゲージ!≫

 

その一言から28対30の空戦が始まった。

 

機種はオーレリア航空部隊がRafale M、レサス空軍の追撃隊が高速のF-15Cだった。

 

対する敵機はF-35とF/A-18Eの混成部隊であった。

 

そこまでの確認を終えるとF-35に対しXMAAを放った。

 

そのとき空母から無線が入る。

 

空母 ≪敵航空部隊に陸上機はいるか?≫

 

意図は不明だったが私は正直に答えた。

 

≪すべて艦載機のようだ。ただF-35は陸上機型が紛れているかもしれない≫

 

空母は即座に命令を出した。

 

空母 ≪こちらは空母グリスウォール、オーレリア海軍の各艦に次ぐ。レサスのクーデター軍艦隊が領海侵入してきた場合は無条件で破壊せよ≫

 

うわ・・・結構むごいこと言うねこの艦長。無警告撃破はいただけないな。

 

そんなことを思っていると

 

グリフィス5 ≪グリスウォールに報告だが追撃部隊が誤進入してくる可能性がある。警告は入れろ≫

 

代弁してくれる人がいた。

 

この無線を聞いている間に私は撃墜数を3機増やしていた。

 

 

ここからの光景は壮絶の一言に尽きるものだった。

 

まずオーレリア軍の航空隊がヘッドオンでミサイル発射。大体敵一機に付き2発から3発飛んでいった。

 

さらにそれに反撃して敵もミサイルを一斉発射。パッと見200発のミサイルが飛び交う光景なんてそうそう見られるものじゃない。

 

回避機動をとったりで結構編隊が乱れるも距離が縮まったころには正面向き合っての機銃の撃ちあいが始まった。ここで私は味方の機動をみることにした。

 

ヘッドオンの際、敵とすれ違う少し前に旋回をかければ後ろが早くとれるのだ。

 

失敗すれば敵の前に出てしまう危険な技だからこそタイミングが読めなければ使わない。

 

つまり何人ベテランが居るのか見てみたくなったってわけだ。

 

そしてすれ違う時、旋回を仕掛けたのは私たちを含めて12機。

 

さらにヘッドオンだけで撃墜したのが2機だ。

 

これなら頼れると思った私は急旋回で敵の後ろに付きミサイルを発射しながら機銃の圏内におびき寄せていった。

 

そしてハンター隊が飛び込んできた。

 

彼らも飛び込んできた際に追いかけることに夢中になっていた何機かを落とすあたり腕が立つやつらのようだ。

 

おびき寄せていたら前に敵機が集まってきたのでミサイルを叩き込んだ。

 

そのうち一機が後ろからのミサイルを避けた。それが気になった私はそいつに追撃を仕掛ける。

 

? ≪おい!あれはネメシスじゃないか?≫

 

アレ?今まで気づいていなかったのか。

 

てことは案外錬度が高い部隊じゃないのかもしれない。

 

そう思った直後

 

友軍機 ≪エンジンがやられた!脱出する!≫

 

友軍機の悲鳴が聞こえてきた。

 

やはり私が追いかけているやつはエースらしい。

 

 

ただそいつのミスは友軍機を機銃で落としたために後ろに気づかなかったこと。

 

次の敵を探すつもりでうろつき始めたであろうやつに機銃を撃った。

 

 

あえて機銃にしたのは気づかれないためだ。

 

そしてミサイルを撃った。

 

≪グリフィス1、FOX2!FOX2!≫

 

やつは一発は避けたが二発目は避け切れずに機体に直撃した。そしてパラシュートが出て木の葉のように海上へと落ちて行った。

 

久しぶりのエースだったので落ちたと思われる座標を空母へ送信した。あとで話でもしたいな。

 

 

私がそのエースを落とすころには戦闘が終わっていた。ヘッドオンとそのあとのカウンターで結構な数が落ちたようだ。

 

このとき私は思った。

 

味方が多いのはいいことだと。

 

 

 

直後に無線が入った。

 

クラックス ≪レーダーにレサス艦出現。攻撃を確認しましたので直ちに撃沈してください≫

 

まだ続くのね・・・。

 

そう思いながら着艦した。

 

でも軍人だからしょうがないかという半ばあきらめのような気持ちでおしのけた。

 

 

 

 

一日に3回飛ぶのは流石に辛い。でも艦隊攻撃に加わった。

 

 

もちろん護衛の役割ではない。落ちかけたやつが一日に3回も戦闘機動をやらかしたらそれはもはやただのチートだ。

 

甲板要員の錬度が高いのか兵器の換装が早く終わった。

 

もう少し休みたいなとかいう気持ちを置いてまた空にあがった。

 

 

 

ここからが結構な地獄だった。

 

発艦したあと攻撃隊は高度3000mにて集合、その後低空を駆け抜けるベテランと高空を駆け抜ける新兵に分かれたのが問題だったのかもしれない。

 

 

低空部隊はミサイルにロックされる心配がないためかなり近距離から撃てるが新兵はそうではない。

 

だから新兵部隊がまず撃った。

 

 

でも遠距離からでは迎撃されていしまうのだ。中々当るものじゃない。

 

だから機銃座とかそこらへんを片付けるくらいのことにしかなっていなかった。

 

 

でもここまでは問題ではなかった。

 

問題なのは新兵集団が帰ってしまったことだった。

 

 

 

そこに迎撃機が襲来した。

 

 

 

火を噴きあげる友軍機・・・とはいかなかった。

 

私たちが早いタイミングで対艦ミサイルを撃ち、護衛に回ったからだ。

 

 

でも混戦は免れなかった。

 

まず機銃で先遣隊を落としたのはいいが、近づきすぎていたのでまともに高度があげられない。

あげたところでミサイルの餌食である。

 

僚機がつぶやく。

 

グリフィス5 ≪クソッ・・・!なんてやりずらい護衛任務だ!≫

 

≪それでも守んなきゃ!≫

 

誰でもわかっていることを言った。ここで悪態をつくのは攻撃隊に悪い。

 

 

でも私は前言撤回といいたくなった。

 

 

 

レーダーを見ると迎撃機が30機以上映っていたからだ。

 

 

 

 

でもそのころに攻撃が終わった。

 

戦果は空母小破、イージス艦が大破でその他もろもろも小破以上にはなっているようだ。沈没は4隻かな?

 

私は迎撃機を友軍機に任せて弾幕を避けながら空母へと向かった。弾幕は攻撃で弱体化していたのでギリギリ通れるくらいの隙間があった。

 

 

僚機から

 

グリフィス5 ≪おい!何をしに行くつもりだ!≫

 

と聞かれたので

 

≪甲板の機体をぶっ壊してくる≫

 

と答えた。

 

弾幕に飛び込むのは自殺行為だとしっているからみんなから止められたけど来たんだよね。

 

 

薄くなっていた弾幕を抜け空母と発進準備中の戦闘機がみえたので少し高度を上げて上から撃った。

これが近くにあった弾薬か燃料に引火したらしく10秒後に大爆発が見えた。

 

そのあとの離脱方向へは護衛艦船が居なかったので帰りは楽d・・・燃料がマズいな。しかも高度を上げられないと来た。

 

人生で初めて死ぬかもしれないという思考が出てきた。

 

 

空母の甲板を破壊したから迎撃機は来ないがVLSは破壊できていない。つまり対空ミサイルは飛び放題。そして俺は今戦闘機動でもしようものなら2,3分で燃料がなくなって人生終了だろう。

 

 

結局低空を這いずり回るはめになった。

 

空母グリスウォール護衛群が対艦攻撃のために敵艦隊へ接近していたことが私にとって功をそうしたようだ。

 

だって着艦したあと燃料計を見たら0だったし。

 

 

私はこんなスリリング体験のせいで白騎士事件のことはあんまり印象深くは覚えていないのだ。

 

クラックスからあの事件の深刻さとかいわれて勲章までもらったけど正直評価するなら対レサスクーデター軍戦にしてくれよと内心願ったものだ。

 

 

ちなみにクーデター軍は損傷を受け、レサス正規軍に降伏したらしい。

なんかレサスでも内戦終結の立役者的に扱われているそうだ。

 

 

 

空母グリスウォールと航空隊の連中、今何してるんだろうなぁ・・・。




これから投稿ペースは落ちると思いますが了承願います。

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