IS×ACE COMBAT X ≪転入生はエースパイロット≫ 作:初月
俺は結局ISの発進を防げなかった。
そして味方に損害を出した。
だから、俺はこの蜘蛛みたいなISを叩き落とす。
その後の俺の行動は速かった。
まずガトリングの雨をアフターバーナーを吹かしながらのバレルロールで回避したあと積んできていたQAAMを発射、そのすぐ後に急旋回してガトリングの射程から逃げた。
その後敵性ISは別の友軍機―――リボンらしきエンブレムだったから多分メビウス隊―――の誰かに喰らいついた。
そのまま遠くまでいったので俺は再攻撃の態勢を整えた。
直後オーシア海軍の潜水艦N-11からオープン無線が入る。
<<アンノウンのデータが本国から転送されてきた!全機確認してくれ>>
…データを見ると対ISに特化しているようだな。
でもなんでオーシアがこんな情報を持っているんだ?
まあ情報戦は専門の奴らに任せておこう。
<<スカイアイより全軍へ通達!これよりアンノウンをアラクネと呼称する。
クラックスは電子支援を、指揮はスカイアイが行う>>
クラックス出番少なかったな。
しかしAWACSが2機いると色々面倒だな。
<<それではメビウス、グリフィス、ファルコの3隊はIS攻撃を、それ以外はXB-340攻撃を敢行せよ>>
IS攻撃隊は腕のいい奴らをかき集めた感じな編成だな。
まあそうでもなきゃ勝てないけど。
さてどうやって勝つのか・・・。
考えていたら早急に無線が入った。
<<メビウス3よりIS攻撃隊へ、格闘性能は向こうが上だから一撃離脱戦法をとるのはどうでしょう?>>
一撃離脱、か。F-104でF-15を落としたときにも使われたというし連携して追撃させないように出来ればかなり有利だ。
一撃離脱で行こうと決めた俺は無線を開く。
<<今のところ連携さえできれば最高の戦法だろうな>>
<<よし、決まりだ!メビウス隊、交戦!>>
そういうと散開し、多方向から一撃離脱を仕掛けた。
勿論同じタイミングで突っ込んだりはしていない。
…惚れ惚れする連携じゃないか。負けたくはないが…多分負けている。
非常に悔しいが、事実だろう。
どういう経験を積めばメビウス隊並の連携が取れるようになるか考えていると
<<ファルコ1より各機、遅れるな!>>
との無線が入った。
その無線で攻撃のことを思い出した俺は目標後方20°付近からダウンピッチ70°で降下を始めた。
そこそこ余裕があったのでメビウス隊の攻撃を見ていたのだが、進行方向を変えずに180°スピンをしながら機銃を撃つなどといった常識を軽く超える機動を行っていた。しかも失速してない。
何か特別なカスタムでもしているのだろうか?
それにフラットスピンで失速してないなんて未だ輸出がほとんどされていないPFA-KAの試験映像でしか見てないのだが…戦闘で使えるものだったということに驚きだ。むしろメビウス隊だからこそ使えるのか?
…本国に帰ったらアクイラ1にでも相手してもらいながら練習しようかな。
色々考えていると近くからミサイル発射音が聞こえた。
レーダーで見たところファルコ1が撃ったらしい。
そこで俺は援護できるように敵の未来予測位置へと汎用ミサイルを発射した。
発射した直後には機関砲の射程内にも入ったので、アラクネ前方に弾幕を張る。
さらにどういうことなのか察したファルコ2~3やグリフィス5、メビウス隊が敵の周辺へ弾幕を張った。
おかげで回避に一瞬の躊躇いが生じたようで、ファルコ1が近距離で放った中距離ミサイル4発と俺の撃った汎用ミサイル2発が全弾命中したようだ。
脚を数本失ったようだが墜ちていないところを見ると流石ISというべきだろうか?
でも、戦意は奪えたようなのか急降下し逃げ始めた。
離脱時にこちらを撃ってこないところを見る限り武装がやられたのだろう。
そこで俺らは戦闘機がISを落とすチャンスだと思い追撃を仕掛けようとしたがクラックスから止めが入った。
<<味方がXB-340攻撃に苦戦しています!直ちに救援に向かってください>>
とのことだ。
本当に昔からユジーンは変わらないなぁ・・・。
オーレリア戦争でのユジーンを思い出しながらXB-340へと向かっていったのだが、生憎F-35の足は大して早くはない。
おかげで俺はミサイルの射程外からメビウス隊の容赦ないミサイル攻撃で止めを刺されたXB-340が黒煙を吐きながら落ちていくのを見ているだけだった。
そして
<<作戦終了。各機基地へ帰還せよ>>
という無線で作戦の幕は閉じた。
そういえば衝撃波弾道ミサイルの爆発を感じなかったが積んでいなかったのだろうか?
―――そう思ったとき、空を衝撃波が覆った。
衝撃波で頭を揺らされ一瞬意識を失いかけた私は吐き気を抑えながら無線を開けた。
<<グリフィス1より味方機へ、生きているものは応答して!>>
そういうとメビウス隊とファルコ隊やグリフィス5、それとノースポイント空軍の数機が応答した。
空中管制機も勿論応答する。
直後レーダーを確認したスカイアイが無線で残存機を言った。
その声はどこか暗いものだった。
<<味方機残存16、被害率60%だ>>
状況は分かっていたが流石に空気が重くなった。
一瞬で16機落ちたのだ。しかもそれはベテランとか精鋭とか言われる人たちである。
それにISAFから参加している者からすれば墜ちたのは昨日まで笑い合っていた同僚という場合もあるだろう。
実際仲間が居なくなる悲しさはおれ自身も体感しているからな。
そんなことを考えて、自分のことを棚に上げていた俺だったのだが少し不味いことに気が付いた。
燃料がアレンフォートまで持ちそうにないのだ。
精々持ってIS学園になるだろう。
俺はその事を本作戦でXB-340攻撃以外の指揮を務めているスカイアイに報告した。
<<燃料がIS学園までしか持ちそうにない。空中給油機を回してくれないか?>>
<<あらかじめ用意していたのだが先ほどの攻撃で機器に異常が出たらしく補給ができない。
グリフィス1はIS学園飛行場で燃料補給後アレンフォートへ向かえ。貴機が到着し次第デブリーフィングを始める>>
俺だけ別行動になるのかと思っているとメビウス1の無線も入った。
<<当機もアレンフォートまでは燃料が持ちそうにない。いっそのことIS学園飛行場でデブリーフィングをするのはどうだ?>>
後半は多分冗談だろう。でもこの調子だとIS攻撃隊はほとんど燃料不足になっていそうだからいいのだろうか?
そう思ったが数秒後スカイアイは
<<予定変更、各機一旦IS学園飛行場で給油してからアレンフォート飛行場へ向かえ>>
と言った。
至って普通の対応なのだが俺としてはなんだか残念だった。
あぁ、IS学園のフカフカなベッドで早く寝たい…。
そう思いながらIS学園へと向かっていった。
XB-340討伐は今回で終わりです。
それにしても超兵器との空戦が書き辛かったというのが投稿者の感想ですね。
なのでこれから少しずつ修正していきたいと思います。