IS×ACE COMBAT X ≪転入生はエースパイロット≫ 作:初月
あと今後この回は修正が入るかも。
第10話 アレンフォートの空
私、いや俺は夏休みに入ってすぐにノースポイントのアレンフォート空軍基地への出頭を命じられた。
作戦については各員集合次第ブリーフィングで話すとのこと。
多分フェンリアの件なのだろう。
だが問題は次だ。
"今回の作戦はISAF、オーレリア、オーシアの合同作戦とする"と書いてあったのだ。
超大国2+中小国1という謎編成なのである。多分ISAFは自らの領土内だからで、オーレリアに関しては情報流出によって作られてしまった兵器の撃破かナバロ追撃だろう。
と思ったのだが兵器の件なら情報提供でいいだろう。
…それにオーレリアは金と支援さえちらつかせれば喰らいつかざるを得ない状況だ。
そしてもっと謎なのはオーシアだ。
一体何がしたいんだ?
恩でも売って見返りをもとめたりでもするのか?
まあいいや。そこら辺はブリーフィングでわかるだろう。
それに3番目の記載ということから察するに戦力的にもそこまで多くないのだろう。
そんなことを考えているとアレンフォート空軍基地が見えてきた。
<<こちらオーレリア空軍第1航空師団201戦闘航空隊隊長のグリフィス1だ。着陸許可を求む>>
―――実はIS学園に行っている間に部隊再編が行われたのだ。その結果第一航空師団201戦闘航空隊隊長になった。
配備されるのはF-35Aだと聞いた。
久しぶりのステルス機だ・・・フフフ。
ちなみに受け渡しは今日。ここアレンフォートで行うと聞いている。
楽しみだなぁ…。
<<こちらはアレンフォート空軍基地。IFF確認、着陸を許可する>>
その無線を聞き一応上空とレーダーを確認する。
降りるときを襲われたら反撃は実質不可能だからな。
見た感じ上空には哨戒中と思われるF-15Eしかいない。どうやら俺が最後だったようだ。
かなり近いのに俺が最後か…。
まあいいや。そこまで気にすることじゃないし降りよう。
<<こちらグリフィス1、着陸誘導を頼む>>
<<了解、着陸誘導を開始する>>
じゃあ降りるか。
しかしこんなに燃料が余る出撃なんて久しぶりだな。
降りようとしたとき無線が突然入ってきた。
<<緊急事態発生!緊急事態発生!>>
ノースポイントのAWACSだろうか?スカイアイからとなっている。
<<こちらグリフィス1、何があった?>>
<<アレンフォート空軍基地へ向け飛行中の攻撃機をレーダーで捕捉した!地上にいる各機スクランブルに入れ!>>
何だと!敵に先手を打たれたのか!
まあいい、迎撃だ。
というか守らないと俺のF-35がやられちまう!
<<スカイアイより各機へ、敵機方位230、高度8000、距離4000。数8>>
<<グリフィス1、了解。迎撃へ向かう>>
そう言い終えると飛行場から戦闘機が上がってきた。
先頭はF-22が8機とRafaleMが4機、そしてF-35が1機か。
後続はいるようだが機種確認までできるほどの余裕はないな。
敵機はもうXMAAの射程内だしな。
<<グリフィス1、FOX3!FOX3!>>
敵機は・・・Su-27が4機とB-52が4機か。
爆撃機は後ろにつけば撃てばあたるからロックオンしたのはSu-27である。
Su-27だと・・・避けられるかもな。
予想通り1機は避けた。
だが他の3機には当たった。結構上出来だな。
<<メビウス1、エンゲージ>>
戦闘機を落としたところで上がってきた部隊が爆撃機にXMAAを放ったようだ。
あれ?メビウス1って前に模擬空戦したあの人じゃないか!
あんな奴が味方なら心強いな。
<<グリフィス1よりメビウス1、また会ったな>>
<<おお!お前か。早い再開だったな>>
雑談が始まりそうになったがスカイアイが止める
<<今は任務中だ、私語を慎め>>
すっかり忘れていた。
おかげで俺ら他の友軍機から笑われてるぜ…。
俺は笑いから逃げたくなってXMAAを回避したSu-27を追いかけた。
減速旋回して敵の後ろ側につきそこから機銃を撃ちながらピッタりくっつくのがいつもの戦法なのだが、どうやらSu-27のパイロットは相当な新人らしい。
なぜならこっちが後ろについてから慌ててロールをして、短距離汎用ミサイルの射程に自ら入ってきたからだ。
おかげで楽に落とせた。
俺がSu-27を狩り、敵第一波が全滅するとまた無線が入る
<<敵機捕捉。方位230、高度7500、距離2000。数12>>
どうやら第二波のようだ。
敵機はF-15Cが4、F-5が2、B-52が6か。
…F-5の奴らは多分エースだな。厄介な護衛だ。
正直巡航飛行と空戦で疲れてきたのでこれはメビウスに押し付けよう。
<<俺が爆撃機を叩くから援護を頼む>>
そういうと俺はまずすれ違いざまに短距離汎用ミサイルと機銃をB-52へ向け叩き込む。
<<グリフィス1、ナイスキル!>>
どうやら落とせたようだ。
無線で撃墜を確認すると減速旋回を行いB-52の後ろへつく。
そこで俺はXMAAを発射。
戦闘機隊はもうメビウス1らの餌食になったようでF-22やRafaleMがB-52へ下方から一撃離脱を行った。
だがこれでは落ちない。
まあ一撃離脱で落ちなくても俺が撃ったXMAAにとどめを刺されたが。
敵第二波全滅を確認すると無線が入った。
<<敵の全滅を確認、全機帰還せよ>>
そこで一安心し燃料計を見るともう不味い域に達していた。
<<こちらグリフィス1、燃料が不味いので早く降ろさしてくれ>>
<<了解した>>
そういうと俺は着陸コースへと向かった。
◇
「あ、貴女がグリフィス1ですね」
格納庫で機体から降りた私が整備士に真っ先にかけられた言葉だ。
「ああ、そうだがなにかあったのか?」
「いえ、機体の受け渡しの件です」
それか。早く行きたいが…すこし休んでからにしよう。
「あとでもいいか?」
この質問に整備士がはいと答えそうになったときにユジーンが答えた。ユジーンも来てたのか
「敵に先手を打たれてしまったために作戦が早くなりそうなんです。できるだけ早くお願いします」
さっきの攻撃は結構影響を与えるものだったんだな。
それなら疲れてはいるが大したものじゃないし…さっさと受け取るか。
「分かった。今すぐ行こう」
「それではこちらへ」
そういうと整備士はRafaleを置いた格納庫の中に置いてあったF-35へと向かった。
どうやらここはオーレリア空軍の派遣部隊が使用している格納庫のようだ。
そしてF-35の前でここまで連れてきた整備士がどこかで見たことのある整備主任へと案内が移った。
…こいつ確か首都近郊の空軍基地で整備士やってた奴だ。何故だか悪い印象を持ったんだよな。
なんでだっけ?
「やあ、久しぶりだね。グリフィス1」
「5年ぶりですね」
「そうだね」
そこから軽い挨拶を交わすと降りてきたグリフィス5のほうへと向かった。
「久しぶりだなグリフィス5」
「相変わらず俺のことを名前で呼ばないな。
それよりあいつのことを本当に忘れたのか?」
笑いながら返された。
「グリスウォールの近くで見た気がするんだが…」
「ハハッ、あいつはお前に惚れてたやつだよ」
「な、ななんだって!」
…厄介なことになったな。
クソッ、なんでこいつが来てるんだ…。
多分異常に俺があわてていたのだろう
グリフィス5を見ると笑いを必至でこらえているようだった。
そして奴を見ると…何のアプローチもとってこない。
その時俺は気づいた。
グリフィス5の奴が俺をはめたということに。
…あの野郎、絶対ただじゃおかねぇ。
その後に「隊長!さっきのは嘘だ!」と喚きながらグリフィス1に引きずられるグリフィス5の姿が多数目撃された。
グリフィス5の行方を知る者はいない…。
2/9 一部修正
2015/08/01 一部改稿