やはり俺の高校生活は間違っている   作:のらネコ

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どうも、のらネコです。最近携帯アプリのファンキルにはまってしまい、執筆の時間が取られてしまっています...戒めなければ...
 それでは、第7話目、彼女の恩返し。どうぞ。


彼女の恩返し

早弓の、『男性恐怖症』の原因についての話を平塚先生に遮られ、ものすごく気になるまま帰宅。

今朝は小町に対して冷たく当たってしまったな。怒っているだろうか。多分怒ってるな。小町には黙れとしか言われなかったが、あれは恐らく「お兄ちゃんが思っているほど奉仕部はすぐに崩壊したりしないよ。だから別に大丈夫だよ。」って意味だったんだろうな。いや、でもそこまで深読みできねえよ。とりあえず、冷たく当たってしまったのは事実だから、謝って、それで和解してもらおう。

ガチャ

 

比企谷「たで~ま~」

 

シーーーーン

やはり小町は怒っているな...さっきだって何も連絡よこさずに帰ってたもんな。

 

比企谷「小町、いるk...

 

俺は目の前の光景を見て絶句した。なぜなら、さっきまで奉仕部で一緒だった早弓が家にいたからだ。小町からの連絡待ちで少し帰るのが遅くなったとはいえ、そこまで遅れた訳ではないはずだ。多分、10分そこらだ。しかし俺が驚いたのはそれだけじゃない。マイエンジェルシスター小町じゃなくて早弓が料理しているのだ。え?小町は?あとなんで早弓は普通に家にいんの?

 

小町「あ、お兄ちゃん帰ってきてたんだ。おかえり。」

 

おお、小町か。っておい、お前これはどういうことだ。別に怒っているような感じはしなかったが、家帰ってきたら最愛の妹がいない上に、それを埋めるかのように同じクラスの女子がいて料理してるって...お兄ちゃん家間違えたかと思ったよ!いろいろ問い詰めたいのを押さえて、一番重要であろうことをまず最初に聞く。

 

比企谷「小町、なんで早弓がうちにいるんだ?あとなんで飯作ってんの?」

 

小町「?だって、実弥さんの依頼って、こういうことでしょ?」

 

何を言ってるのこの子!?いや、早弓の依頼ってお嫁入りの練習とかじゃないからね?

 

比企谷「これのどこが早弓の依頼に関係してるんだ?」

 

小町「だって実弥さんの依頼って、本を持ち主に返すのと、そのお礼をするのと、男性恐怖症の克服でしょ?全部できるよ!」

 

確かに...本を返せるし、お礼は晩飯か?男性恐怖症の克服っても...もし俺が何か早弓にとってトラウマの原因になっている行動をしてしまった場合、依頼の遂行どころの話ではなくなる可能性がある...それについて小町氏はどうお考えなのだろうか。ちょっくら聞いてみるか。

 

比企谷「小町、もし俺が早弓の地雷踏んだらどうするんだ?そうなれば悪化する可能性だって考えられるし、これが最善の策だとは考えられないぞ?」

 

小町「でも、実弥さんのそれは暴力とかがトリガーになって発症したんでしょ?大丈夫、お兄ちゃんはそういうことする人じゃないって小町信じてる!あ、今の小町的に超ポイント高い!」

 

おお...小町よ...いや天使よ!愛してるぜ!

 

小町「まぁ、それはお兄ちゃんがヘタレなお陰なんだけどね。」

 

はい、前言撤回。やっぱり小町は小町でした。そして小町の策略で今日、早弓はうちに泊まっていくことに。おい、いくら小町の友達とはいえ、俺だっているんだぜ?クラスメイトだけど、そこまで親しくない男子高校生の家に泊まるって...おい早弓、お前んちの親どうなってんだ...

 

     ***

 

それから小町と和解し、早弓に本を返して貰った。本を返してもらうときも前ほどキョドってはいなかったし、意外と早く克服できるようになるんじゃないか?と思い、今日は眠りに就いた。明日は土曜...溜まったアニメ見るから早く起きなきゃ...

そういえば、本を返してもらうとき、俺の方を見て、「やっぱりあの瞳...」などと呟いていたな。そんなに俺の目って腐ってるか?最近そうでもなくなってきたと思ったんだがな...

 

 

 

 

 

     ***

 

 

「ひ、比企谷くん。朝ですよ。お、起きてください~...」

 

聞き覚えのある声に起こされた。かといって、聞きなれている声ではないし、そもそも俺を『比企谷くん』と呼ぶものはそう多くない。雪ノ下と、雪ノ下さんと、城廻先輩と...それぐらいか。

そう思って目を開けると、予想は全て外れていた。うん。早弓だよね、昨日泊まってくって言ってたもんね、わかってたよこうなることくらい...ただ、ちょっと気になる。

 

比企谷「早弓、お前俺に話しかけたりして、その、大丈夫なのか?」

 

実弥「は、はい。昨日小町さんに、比企谷さんはそんなことしない人だって、教わりましたから。」

 

小町...一体こいつに何を吹き込んだんだ...まぁ、信頼してくれているということでいいだろう。せいぜいその信頼を裏切らないよう、頑張らなきゃな。

 

比企谷「それより、わざわざ起こしに来たってことは何か用があるんじゃないのか?」

 

実弥「あ!そうでした!えっと、今日、これから、一緒に、その...デート...しませんか...?」

 

ん?俺の聞き間違いかな?今、小声でデートって聞こえたんだが...てか、昨日までまともに話せなかったくらいなのに、なんでそんなことになってんの?まじで何吹き込んだの?

 

     ***

 

俺は今、クラスメイトの女子と妹に連れられ、ららぽに来ている。なんでかって?事情を説明しよう。それは...本を貸してくれたお礼と男性恐怖症の克服のため、2人で買い物に行ってこい、とのことだ。なぜか早弓は俺に信頼を寄せていて、一緒に歩くくらいなら大丈夫、と言っていた。ただ、何があるか分からないから。と言って後ろに小町を侍らせている。

そんな2人が向かった先は、書店。初デートが書店ってどうなの、だって?しょうがないだろ、お互いの趣味、まだ知らないんだから...あ、でも、SAOの小説が読みたかったってことは、アニメとか好きだったりするのか?

 

比企谷「早弓は、普段何読むんだ?」

 

実弥「わ、私は...ラノベですかね...アニメとか、す、好きなので...」

 

比企谷「おお、そうなのか。実は俺も意外とそういうのが好きでな。何かオススメとかあれば、教えてくれるか?」

 

恐怖症の克服には、その根元の認識を改めることが必要になる。よって、俺は会話を繋げる必要がある...

 

実弥「えっと...もうすでに知ってるものもあると思いますが...私的には...

 

 

 

 

その後、早弓とかなり喋った。そのなかで、2人ともSAOのゲーム、《ホロウリアリゼーション》を持っていることが分かった。それで一緒にやるために、連絡先を交換し、LINEの《友だち》の欄にまた1人、追加された。早弓のほうは、男子の連絡先は俺が初めてだったらしい。

それからまた少し話し、その後、それぞれの帰路についた。

 

明日、このことを雪ノ下らになんて報告すればいいのやら。




はい、実弥と八幡の初デートでした。実弥がなんでそんなにいきなり八幡を信頼するようになったかって?それはみなさんのご想像の小町に任せます。作者はご都合主義者なので、悪しからず。

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