それでは!どうぞ!
《八幡 side》
時は少し遡り、由比ヶ浜が俺にみやっちなるものとの関係について聞いてきた日の放課後のことだ。いつも落ち着かない由比ヶ浜が、いつもに増して落ち着きがない。3年になってからは、大学受験のこともあるので、部室で俺と雪ノ下は勉強している。そんな教室で、目の端でこっちをちらちら見てくるやつがいたらどう思うだろうか。もちろん、鬱陶しいのだ。言いたいことがあるならはやく言えよっ!ってツッコみたいくらいに。そしてこれがもう20分も続いている現状。何だろう。いい加減無視するのも限界が来たので、何かあるのか聞こうと、由比ヶ浜の方を向いた瞬間...
ガラガラ
一色「しっつれいしまぁ~す!」
雪ノ下「一色さん、私たちは勉強をしているのだからもう少し気を遣ってもらえると嬉しいのだけれど。」
一色「ああーすいませーん。」
一色が来たということは、俺は今日も社畜として駆り出されるのだろう。そう思って参考書を閉じて立ち上がろうとすると、
一色「ん、今日は先輩じゃないんでいいです。あ、もしかして意外と私とするの楽しみでした?でも今日はお呼びじゃないで~す!」ニヤニヤ
コイツ、ウゼェ...てかアイツ、私とって言ってたけど、実際仕事してるの俺だし。もう手伝ってやらねぇぞおい。
比企谷「んで、何の用なんだ?」
一色「お?気になりますかぁ?でも大丈夫です、先輩が使い物にならなくなったから戦力外通告しに来たとかそういうわけじゃないんで。今日私が用があるのは結衣先輩にです!」
もうその発想がでてくるだけで怖ぇよ...
由比ヶ浜「え?あたし?ゆきのんじゃなくて?あたし全然仕事できないよ?」
一色「いえ、今日は仕事の手伝いじゃなくて、ただの私用できただけなので。それに結衣先輩に仕事頼むくらいなら自分でやったほうが早いですし。」
由比ヶ浜「ええっ!ちょっとそれヒドくない!?かなり傷付いたんだけど!」
比企谷「いや、さっきお前自分で仕事できないって言ってたじゃねえか。俺もそう思うけど。」
由比ヶ浜「あ、そっか。ってヒッキーヒドっ!さいてー!タヒね!」
比企谷「あ?そうやって命に関わることを軽く言うな。もしその一言で本当に死んだらどうすんだよ。次言ったらぶっ殺すぞ?」
由比ヶ浜「そうだよね、ごめn...ってヒッキーも今言ったじゃん!」
「「アハハハハ!!!」」
由比ヶ浜「このやりとりって確か去年もやったよね。変わってないな~」
比企谷「というか、お前、一色に呼び出されてたろ。」
由比ヶ浜「いろはちゃん...?あっ!ごめんいろはちゃん!忘れてた!」
一色「この短時間で忘れるってどうなんですかね...まぁいいです。とりあえず行きましょ。」
結局一色も奉仕部に居座り続けてるよな。最近は小町もちょくちょく顔出すようになったし。お互いに軽口叩けるくらいの関係にはなれたってことかな。これも1年前の俺からじゃ想像もつかないだろうな。ほんと、居心地の良い場所を見つけたもんだ。第2のベストプレイスだな。
***
10分くらいして由比ヶ浜が帰ってきた。なんか複雑な表情をしてるな。さては一色に何かされたな?まあいいや。あいつらのことならほっといても大丈夫だろうし。
雪ノ下「今日はこのへんにしましょう。私は鍵を返してくるから。それでは。」
由比ヶ浜「バイバイ、ゆきのん!あとヒッキーも!」
俺はあくまでもついでってか。でもおかしい...いつもは抱きついてでも雪ノ下と一緒に帰ろうとする由比ヶ浜が今日はそれが全くなかった...どういった心境の変化だそうか...
***
ということがあって今日に至る。うん、やはり由比ヶ浜の青春ラブコメはまちがっている。いや、間違っちゃいないんだけどな、いつもと違う。別にいつも由比ヶ浜見てるから違うなって思ったとかそういうんじゃないから!メロンに目がいったりとかしてないから!ハチマンウソツカナイ
まあいいや、仮に問い質すとしても放課後でいいしな。今は授業に集中しないt...あ、数学だ。別にいいや。
時は移ろいで放課後、奉仕部にて。なぜか由比ヶ浜が遅れてくるらしいので、雪ノ下と2人っきりで勉強をしている。とはいえ、テーブルの端と端だけどな!
ガラガラガラ
由比ヶ浜「ゆきのん!依頼人連れてきたよ!」
お前がその台詞言うと『連行してきた』に聞こえるのは気のせいだろうか気のせいですねすいません...
雪ノ下「その依頼というのはどんな内容なのかしら?」
実弥「えと、3年の早弓 実弥です。依頼の内容は、とある男子に本をただでいただいてしまって、そのままお礼が出来ていないので、お礼をするにはどんなのが効果的か。それと...聞いても笑わないでくださいよ?ふぅ...わ、私の2つ目の依頼は、私の男性恐怖症の克服を手伝ってほしい、ですっ!」
実弥(はっ!?あの瞳...前に見たのと同じだ...そんな...彼はこんなに近くに前からいたなんて...それも悪名高きヒキタニくんだったなんて...噂の影響力ってスゴいなぁ...見ず知らずの人を酷い人だと勝手に思わせるんだから...)
あの早弓ってやつ、この前映画の後、喫茶店でいきなり向かいに座ってきた女だよな...?まさか同じ高校だったとは...あ、そうだ。あとで本返してもらおうか。
実弥「それと............」
早弓はそのまま雪ノ下に近づき、耳打ちで何かを伝えているようだ。
雪ノ下「ええ、私でよければ、その依頼。受けさせてもらうわ。」
やけに納得した表情で雪ノ下が依頼を受ける。嫌な予感...
比企谷「俺は礼とかしたことないから分からんし、紹介する友人もいないから今回は不参加で。」
雪ノ下「そうね、比企谷くんにはできることが無さそうですものね。」
そうですよ!俺にはそれほど親しい友人がいるわけじゃないし、男子が怖いって言ってる女子に無理矢理男子を会わせるだなんて出来ないからな。こまt...早弓に嫌な顔をさせたくないし。似てるから間違っちゃったぜ。テヘ
あ、戸塚は?あいつ男の娘だろ?ならセーフじゃね?
比企谷「なら、その男性恐怖症の克服にうってつけの人を紹介しよう。戸塚ならいいと思うぞ?あいつなら多分、勘違いして告白するーだなんてことは起きないだろうし。」
それに、一応奉仕部と関わりがあるからな。話つけやすいってのもあるしな。
由比ヶ浜「ヒッキーは、そういうの勘違いしないよね...?」
比企谷「ああ、俺はそういう勘違いは中学のときに卒業したからな。」
実弥(彼は勘違いしない…そっか…じゃあこの前のも本当に、普段の優しさなんだ…そう思うと余計『あのお姉さん』に似てる気がするなぁ…)
小町「これだからうちのごみいちゃんは...」
比企谷「なっ!小町、いつの間に!?」
小町「早弓さんの依頼聞いてるときからだよ。」
小町...お前いつからステルスヒッキー使えるようになったんだ...!?
由比ヶ浜「で、小町ちゃんはどう思う?」
小町「小町は全然いいと思いますよ~」(多分この早弓さんの言ってる男子ってお兄ちゃんの事だよね?結衣さんがさっきからすごいお兄ちゃんのこと気にしてるし...)
おい小町!それ絶対相手勘違いして黒歴史増えるだけだぞ!やめたげて!
雪ノ下「では、比企谷くんは不参加ということで、自宅待機でいいわ。この依頼は私たちだけでどうにかしてみせるわ。それと、そうね。戸塚くんには一度話してみましょうか。」
実弥「あのぉ~...もう、一回戸塚くんには試してみたんですけど...どうしても女の子としか思えなくて、効果が薄いというか...」
由比ヶ浜「じゃあ他の人を探さなきゃだね!他に誰がいいかなぁ~」
比企谷「いや、戸塚くらいで最低ラインだろ。それ以外の奴等ならどうなるかまるで見当がつかん。2つ目のは別に受けなくてもいいんじゃないのか?最低限話せればどうにかなるだろ。」
俺なんて全然他人と喋らなくてもどうにかなってきた、いや、どうにかしてきたからな。その辺は本人次第ってとこだな。
由比ヶ浜「いいの!あたしはみやっちの手伝いがしたいの!ヒッキーは不参加なんだから黙ってて!」
由比ヶ浜はなぜそんなに早弓の依頼にこだわるのだろうか。最悪、誰かの勘違いを招いて状態が悪化、なんてことになったらシャレにならんぞ。あと、俺は黙ってろってどういう意味だよ...こっちは何もできないなりに妥協案考えてるってのに。また意見の決別か...
これは...一色の選挙の時の二の舞になるんじゃないか...?どうするべきか...小町は一体どんな意味を持ってこの依頼を了承したのだろうか...取り返しのつかないことになる前に一度聞いてみるか...
***
比企谷宅にて
比企谷「なあ小町、さっきなんで依頼を受けたんだ?良い方向に向かう可能性が見出だせないんだが。」
小町「ほんとごみいちゃんだなぁ。とにかく黙ってお兄ちゃんは見てればいいの!」
は?黙ってってなんだよ。腐っても俺は奉仕部の正規部員なのに、なぜ俺の意見は、誰も受け入れない以前に耳を傾けないのだろうか。そして雪ノ下と由比ヶ浜が張り切っているときはあまりいい方向に進まないことが多い...これは去年のうちに学習したからな。さて、どうしたものか...小町は使えないし、雪ノ下たちは話を聞かないし...1人でどうにかするしかないか...
そういって俺はベッドに身を沈めた。
はて、前回の指摘を直せたでしょうか。まだまだ未熟者で、足りないことが多いと思いますが、どうぞよろしくお願いします。それでは次話で!
訂正後です。かなり話が最初と比べ変わってしまいました…