「ええと、それじゃあ文化祭実行委員を決めたいと思います。
男女各一名ずつです。まず、男子で立候補してくれる方いますか・・・?」
シ~ン・・・
いやシ~ンじゃないよ誰か手を挙げてくれよそうじゃなきゃほら委員長が俺のことを見つめてくる・・・!そんなに見つめられたら八幡恥ずかちぃ・・・
とかやってて今自分で「あ、恥ずかしいわこれ」と思いましたまる
「え~と・・・じゃ、じゃあ去年もやってくれたしヒキタニくん・・・」
ほらきた。と思ったけど俺はヒキタニくんじゃないのでじっとします。
「比企谷・・・」
やめろ葉山ぁぁぁぁぁぁぁぁ!
委員長に俺の名前を教えるなぁぁぁぁぁぁぁ!
「あっ、えっと、比企谷くん・・・?」
「アッハイ」
ということで男子の実行委員が決まりました。
問題は女子です。去年へまをした相模、そして相模の話を聞いて俺を悪人だと思い込んでる女子は俺が委員になった時点で望みはない。
「あ、じゃあ私やりま~す。」(ドヤァ
ドヤ顔でこっち向くな早弓、前を向け前を。
「えっと、じゃあ今年の文実はひきt・・・比企谷くんと早弓さんで決まりでいいですか・・・?」
「いいんじゃない?」
ここで女王様の許可が下りた。
どういう意味かわかるよな?反論は許されないということだ。
そんなわけで順調(?)に委員が決まり、ほかの委員も次々と決められていく。
このとき俺は由比ヶ浜のどうしたらいい?という表情を見たことを忘れようとした。
――――
「文実なっちゃった。」
なっちゃったじゃねえよあんたは立候補だろうが。
「そうだな、改めてよろしくな。」
やっぱり由比ヶ浜の表情が忘れられない。実はあいつも文実やりたかったんじゃないだろうか。去年は奉仕部のなかであいつだけ文実じゃなかったし、今年も文実にならないと去年と同じようになってしまう、そんなような気がしてるんじゃないだろうか。
じゃあ今回は由比ヶ浜に依頼しておくか、「手伝ってくれ」って。
「ねぇ、聞いてる・・・?」
ああ、聞いてたぞ。で、なんて?
もう、聞いてないんじゃん
「で、どうするの?結衣ちゃん。」
やっぱり気付くか。
「去年から考えて、ゆいちゃんがやろうとしても三浦さんが止めるだろうし、私と結衣ちゃん以外はやろうとしないだろうし。」
「だったら私しかいないでしょ?」
そこまで考えてたのか。こいつアホっ子に見えて実は頭いいからな、そこは小町と違うところ。
小町(ハクシュンッ!!
「で、考えたんだけど、私の案としては、部活は休止だから、」
「由比ヶ浜自身に依頼として手伝ってもらう、だろ?」
「そう!もしかして同じこと考えてた?」
そうかもな。
早速そのことを伝えるか。
悩みの種は早めに消化したほうが仕事がはかどるからな。
――――
「なあ由比ヶ浜。話があるんだ。
落ち着いて聞いてくれ。」
「う、うん。」
(みやっちと二人で話があるってことはそういうことだよね、みやっちやけに笑顔だし・・・)
「お前のことだから何か勘違いしてるかもしれないから先に言っておくぞ、これはお前に関する依頼についての話だ。」
「依頼・・・?」
「ああ、去年、雪ノ下が相模に対して受けた依頼と同じように、由比ヶ浜自身に対しての俺らからの依頼だ。」
「ヒッキーと、みやっちからの、依頼・・・」
「去年を思い出してくれるとわかりやすいと思うが、もしダメ委員長になって仕事が足りない、なんてことになるのは嫌だからな、予め由比ヶ浜にも手伝ってもらおうかと。そうすれば、奉仕部としては休止になるがメンバー全員で過ごせると思ってな。もちろん、クラスのほうの仕事が忙しい時とかはこれなくても大丈夫だから。あと、もちろん断ってくれても構わないぞ。それは由比ヶ浜の判断にまかs・・・」
「来るなって言われても行くからねっ!」
「そうか、それじゃ、よろしくな。」
「ヒッキー変わったね。前なら全部一人でやるって感じでほかの人の手とか借りなさそうだったのに。」
「まあ、状況が状況だし事情が事情だしで、今俺らにとって最善の選択になれば、どっちの方法だろうが使う、それだけだ。でも、確かに視野は広がったかもな。」
お前らのおかげで。