八月も終わり、また面倒な学校生活が始まる。
今日も九月末にある学力考査試験に向け、授業が終わった後も勉強する。
勉強しすぎてもう働けないまである。
そうか、やはり俺は専業主夫になるしかないみたいだな。
最近、放課後は奉仕部のメンバーと一緒に過ごすことが多い。あとプラスアルファで早弓も。
いつもは奉仕部室かサイゼで勉強していて、時々戸塚が来てくれることがある。
もう戸塚がいるだけで八幡いくらでも勉強できちゃう。戸塚のためなら働くことも厭わないよ・・・!
今日は戸塚がいないので完全にオフモード。
「比企谷くん、数学の時間、珍しく起きてたね。何かずっと書いてなかった?」
え、こいつなんで俺の挙動把握してんの?
「確かに!ヒッキーずっと真剣な顔で何か書いてた!」
「不審谷くん、何か心当たりがあるのであれば潔く自首することをおすすめするわ。」
なんてやつらだ。俺への信用ゼロかよ。
さすがにネタだってことくらいはわかるけどな、疑われっぱなしだと勉強にも集中できないしな。
「これを描いてた。」
俺は一冊のノートに描かれた絵を見せる。
「さすがだね、比企谷くん。」
「え・・・?これヒッキーが描いたの・・・?」
「・・・。」
見せたのは小町をデフォルメにして描いてみたものだ。
え、なんでみなさん早弓を見つめるんですか?
あっ(察し)
「いやっこっこれは小町を描いたんだぞっ?」
「どうしてそんなに慌てているのかしらね。何かやましいことでもあったのかしら?」
「やっぱり、ヒッキーはそうだったんだね・・」
「ま、まぁ、似てるからしょうがないよね・・・」
(私だったならそれはそれで嬉しかったんだけどなぁ・・・)
その後、雪ノ下さんが悔しそうな表情で、パンさんの絵を本気で書いてくれました。
とてもうまかったです。
また、口論の結果、俺が描いたやつにはもう一人同じようなキャラを追加して小町と早弓の二人の絵にさせられました。
おかげで全く勉強してません。センター落ちたらあいつらのせいだからな。
八幡、ゆるさないんだからねっ!
ちなみに今日は小町はかわ、かわ・・・。かわなんとかさんの弟と塾に行っている。
――――
帰ろうと思い、鍵を外し自転車にまたがる。
何か違和感を感じ、自転車を見てみる。特に異変は無し、か。
まあいい、気のせいだろう。そう思いペダルを漕ぐと明らかな違和感が。
ペダルが、重い。いつも以上に。
空気でも抜けてるのか?
プシューー
タイヤが柔らかい。空気が抜けている・・・?
あ。
タイヤに切れ目が入ってますねぇ・・・
嫌がらせかなんかですかね?しょうがない、このまま乗って帰るしかないな。
「比企谷くん、どうしたの?」
うわっ!
びっくりさせるなよ早弓・・・
「いや、ちょっとパンクしたみたいでな。」
「えぇっ!?それは大変だね!どうしよっか・・・」
「わ、私の自転車乗ってく?」
「い、いや、さすがにそれは遠慮しておくぞ・・・」
「で、でも、歩いて帰ったらものすごく時間かかるよね?」
「それはそうだが・・・でもこうなってしまったらしょうがないし、幸い明後日は休みだしな、修理に出せば大丈夫だろ。」
「よし、じゃあ一緒に帰ろっか。」
「おう、じゃあnっておい!なんでそうなるんだよ!」
「だって、比企谷くんと一番家が近いの私だし・・・ね?比企谷くんは乗ってるだけでいいから!ね・・・?」
小町からの敗戦のお知らせ(メール)により、早弓の自転車に乗って二人で帰ることに。
だが、さすがに漕ぐのだけは俺がやると言い張った。後ろから女子にくっつくだなんてそのあと何が起こるかわからんからな。
そんなわけで早弓を早弓宅で降ろし、俺は早弓の自転車で自宅まで向かう。明日も学校なので明日は朝早弓の家に寄って早弓を後ろに乗せて登校しなければならない。
なんていやがらせをしてくれたんだあいつは。誰がやったか知らんけど。