やはり俺の高校生活は間違っている   作:のらネコ

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彼と彼女の進展

『比企谷くん

 

 雪ノ下さんから話は聞いたよ。いろいろあったんだね。お疲れ様。

 ところで私からひとつ提案なんだけど、今度の土曜日、息抜きも兼ねて二人で買い物に行かない?

 

 

 突然でごめんね?』

 

よし、こんな感じでいいのかな・・

 

夏休みも終わりかけの八月第四週。夏期講習やらなんやらでほとんどの時間を勉強に費やし、塾以外にろくに外へも出かけていなかったため、いろいろと溜まっている。ヘンな意味じゃなくてね。

 

今週の土曜日・・・まであと三日。

大丈夫かな?太ってないかな?ここ最近塾に行くのも電車だし、それ以外は出かけてないし・・・

 

不安だからちょっとだけガマンしよ。

 

 

 

 

――――土曜日―――

 

≪八幡side≫

 

「おはよう比企谷くん。久しぶりだね。」

 

「お、おう早弓。確かに久しぶりな気がするな。この前の夏期講習以来だっけか?」

 

「そうだね、比企谷くんのことだから干からびちゃったんじゃないかって心配したよ~」

 

 

最近、といっても夏休みに入ってからだが、早弓は俺としゃべるときにどもったりしなくなった。塾でたまたま同じ講習のとき、隣に座ってきたり。そのあとサイゼで昼を一緒に食ったり。そのときの周りの男子の視線が痛かったのは言うまでもない。

 

「その服装、涼しそうで似合ってるぞ。」

 

「えっ?あっあっあありがとう!」

(比企谷くんのこの唐突な天然ジゴロみたいなのどうにかならないかなぁ・・・心臓がいくつあっても足りないよ・・・)

 

服装について褒めないと今後小町が口をきいてくれなくなるのでしっかりと褒めておく。

 

こうしてみてみると慌ててる早弓もなかなかかわいいんだな。

 

ん?誰だ今かわいいとか言ったやつ。俺はそんなこと言わんぞ。いや知らんけど。

 

「ぐぅぅぅ~~~」

 

誰かの腹の虫が鳴いている。言わずもがな隣にいる早弓なんだけどな。朝食ってきてないのか?

 

「俺朝飯食ってないから先に飯行きたいんだが、いいか?」

 

「え?わわたしは全然それでかまわないよ」

 

「そうか、さっきの誰かさんのお腹の虫の鳴き声聞いてたら少し腹が減ってな。」

 

「も、もう!からかわないでよ!」

 

「はいはい。んじゃ、どこか希望はあるか?」

 

「う~ん、私サイゼ行きたい。」

 

珍しく早弓と意見が一致。いや、早弓とはかなり意見が合うほうなんだがな、いかんせんほかの二人や後輩の誰かさんはご希望が高いもんで。

 

「それじゃあサイゼで決まりだな。」

 

「比企谷くんはサイゼなんかでよかったの?」

 

「何言ってんだ、俺は学生の味方・サイゼを愛してるんだぞ?サイゼへの愛についてなら動画一本、いや五本分くらい語れる自信があるからな。」

 

「い、いやさすがにそれは愛しすぎじゃないかな?」

 

こういうところで早弓とは少し意見が合わなかったりする。実を言うと今までこの手の意見について誰にも共感された覚えがない。

ざいなんとかくん・・・?知らない子ですねぇ・・・

 

 

 

というわけでサイゼに来た。まぁいつも通りだし別に書かなくてもいいよね、割愛ィ!

 

 

 

会計のところでどっちが出すか少し揉めたが、いやもちろんどっちも「自分が出す」って言って聞かなかっただけだぞ?早弓に会計を支払わせてしまった。

 

「今日のデートに付き合ってもらうんだから、ね?」

 

そんなことをレジの店員の前で大声で言われてしまっては、さすがにこれ以上食い下がるのは相手に失礼だと考え、抵抗するのをやめた。

おい、そこの店員、生温かい目でこっちを見るな!悲しくなるだろ・・・


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