やはり俺の高校生活は間違っている   作:のらネコ

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どうも、のらネコです。お久しぶりです。はい、みなさんの言いたいことはわかります…長い期間空いてすみませんでした。それについて言い訳させてください。
PCがぶっ壊れ、携帯のほうからログインできなくなり、四方八方、いや十六方くらい塞がれました。ですが、また今日から投稿していきたいと思います。投稿できない間ずっとメモ帳に書き溜めておいたので!それではどぞ!


伏線は忘れた頃にやってくる

時は1学期最終週の水曜日。明日は終業式で、その次から夏休み。っていっても夏期講習やらなんやらで忙しいんだけどね。

比企谷くんと会えるのも今日が最後か…なんだかんだ言って比企谷くんと会うのを楽しみにしてる私がいる。

あ、噂をすればすぐそこに…‼︎

 

「おはよっ!」

 

後ろからヒョコっと顔をだして比企谷くんの前にでる…

はずだった。

 

「おお!おはよう!」

 

いや誰だコイツ。こんなやつ私は知らんぞ。なんだこのアホ毛みたいの寝癖かよっ!だらしないなおい!

 

 

ってそんなことよりも重要なのは、

『私から男子に声をかけてしまった』

ということであって。私はまぁ、その場に立ち尽くしたよね…

 

 

「おい、早弓、こんなとこで何突っ立ってんだ。」

 

「きゃっ⁉︎」

 

びっくりして私はそのまま重力に逆らえず下に引っ張られる。アニメみたいに彼が抱きかかえてくれるわけもなく、私は廊下にコケた。いや恥ずかしい…

 

カァァァ///

 

比企谷くんがまたリンゴ病発症してる…あっ、あっち向いた。

 

「そ、その。見えてるぞ。」

 

見えt…

カァァァ///

彼の一言で私もリンゴ病を発症。なに?彼は病原体か何かなの?もしかして比企谷菌(ごめんなさい調子に乗りましたすいません。

 

どうしよ、転んだせいで比企谷くんにパンツ見られた…もう!こんな展開、どこのリトくんだよっ!でもよかった!今日のパンツはキャラクターのやつじゃない!水色と白の縞パン!

 

って私はさっきから何をしてるんだ?自分で自分を見失っちゃったよ…

 

「ご、ごめんね?ちょっとぼーっとしてた。」

 

「あ、いや。こっちこそすまん。」

 

そんなハプニングのせいでせっかくの比企谷くんタイムを無駄にしてしまい、私の気分は不調のまま夏休みを迎えた。

 

***

 

《八幡side》

 

「なんだ?急に呼び出して。」

 

終業式の日の放課後、俺は雪ノ下に呼び出されて部室にきていた。

 

「少し長くなるかもしれないから、そこにかけてもらって構わないわ。」

 

雪ノ下はそう言って俺に着席を促す。なんだ?椅子に縛り付けて放置でもするのか?

 

「比企谷くん。突然なんだけども、もし私が、今学期でこの学校を辞め、海外の大学に編入したとしたら、あなたはどう思うのかしら?」

 

「可能性の話をしたところで意味はないだろ。」

 

俺がそう言うと雪ノ下はクスッと小さな笑みを作り、

 

「あなたは最初からそうだったわね。でも、それが本当になる可能性だって、完全に否定できるものではないのよ?」

 

と言いながら近付いてくる。その様子は、どこか儚さを孕んでいた。

 

「まぁ確かに、お前の場合ならそれはありえるかもな。だが、もしそうだとしても、俺はなんとも思わないんじゃないか?素直に応援すると思うぞ。」

 

だからつい、『応援』だなんてクサいフレーズを使ってしまった。きっと雪ノ下は、何かしら自分の夢を見つけ、それに向けて頑張っていくのだろう。けれどそのどこかに雪ノ下を不安にさせる要素がある。だからこんなにも儚さそうに見えるのだ。

 

 

その時の俺は、そうだと思っていたんだがな。

 

***

 

ときは移ろいで夏休み開始から3日。いつものように机に向かっていた俺に一本の連絡が入る。

多分平塚先生だろうし、でなくていいか。

そう思ったが、結局は小町を使ってでも連絡しようとしてくるからここは素直にでようか、いやでも今は勉強をしていることを理由に断れるのではないか…

 

「おにーちゃん!陽乃さんから電話!」

 

なっ⁉︎もしかしてさっきのは平塚先生からじゃなくて雪ノ下さんからだったのか⁉︎だとしたら魔王に殺される…っ!

即行で小町から携帯を受け取り努めて明るい声音で電話にでる。

 

「もしもしっ!比企谷くんっ?急ぎの用事があるからっ、ちょっと今からドーナツ屋までこれるっ⁉︎」

 

雪ノ下さんにしては珍しく緊迫した状況のようで、俺はいつものように言い訳するわけにもいかなくなって簡単な身支度を済ませて家をでた。

 

「ああ!比企谷来てくれたんだっ!よかったっ!」

 

そんなカウンターから振り返りながら嬉しそうな顔で俺に話しかけないで…他の客からの視線の温度が一気に下がってるから。

 

俺は雪ノ下さんに「ども」と軽く挨拶すると、いきなり本題を持ち出して来た。

 

「呼んだのは他でも無い、雪乃ちゃんのことなんだけどっ、比企谷くんは何か雪乃ちゃんから聞いてるっ?」

 

雪ノ下?あいつがなんか言ってたっけ?1番最近の話なら海外編入の話をされたよな。

まだ息が整っていないのか、肩を上下させながら問うてくる。

呼吸に合わせて揺れる2つのメロンに視線が行かないように注意しながら俺は答えた。

 

「確か、海外に行くみたいなことを遠回しに言っていたような言ってなかったような…」

 

「そこまでは知ってるんだ!なら話は早いね。実は、雪乃ちゃん。お母さんの意志で海外の大学に編入することになっちゃったの。当然雪乃ちゃんはそれに反対したんだけど、それが悪い方向に転んでお母さんが怒っちゃってね…雪乃ちゃんが海外に行かないんだったら私をお見合いで結婚させるって。でも雪乃ちゃんとは最近やっと仲良くなれたばかりだから、きっと雪乃ちゃんはそんなことしたら私に嫌われると思ってるんだと思う。けど、私は別にそんなのはどうでもいい。姉として、雪乃ちゃんには幸せに、望む方に進んで欲しいと思ってる。だから、」

 

この先に何を言われるかは想像がついていた。きっと、自分を結婚させて雪ノ下を日本に残らせる気だろう。だからこそ。だからこそ、そう返事しなくてはいけなかったと俺は思い、その言葉を口にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そっか…この依頼は受け入れられないんだね…そうだよね、家庭の事情だもんね。勝手に巻き込んでごめんね。もう今日のことは無かったことにして…もう忘れて。」

 

そう言って雪ノ下さんは寂しい背中を俺に向けて去っていった。

 

《陽乃side》

 

(そっか、私は比企谷くんならなんとかできるかもって、勝手に思い込んでたんだ…今までのことは全部1人でやってきたくせに、こんな肝心なところで他人の手を借りるなんて、カッコ悪いよね。)

 

もう、私は弱くなんかない。お母さんの言いなりになんてならない。今なら、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『闘える』


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