やはり俺の高校生活は間違っている   作:のらネコ

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どうも、のらネコです。最近毎日更新できてなくてすいません。学生は勉学が本業ですから・・・すいません、言い訳しました。それでもなんとか書いていきたいと思います。卒業までの大まかなシナリオはもう決まっているので、あとは書く時間さえあればいつでも完結させられるんですよ実は!え?その更新速度じゃ信用ならん?そういうと思いましたので、今日は2つ投稿します!


それから彼彼女らは

6月19日。

 

昨日、由比ヶ浜の誕生日会をやった。去年と同じく、カラオケで。メンバーは、由比ヶ浜、雪ノ下、小町、早弓と最後に俺の5人。材木座は「我が唯一の戦友である八幡の誘いを断るなど無礼の極みであるが、我の右手が今こそ筆を振るう時だと唸っているぅ!!!」と。ようするに、小説を書きたいから行かないと。戸塚も部活と予備校で忙しいから来れなかった。去年より人数が減ったしまったし、男子率が最低まで落ち込んだうえに女子追加というどこのリトくんだよ状態で行われた誕生日会は、俺にとっては自分の誕生日より疲れた一日となった。もっとも、俺の誕生日なんていつもと変わらない夏休みの一日でしかないんだけどな。

そんなことを考えながらマッ缶を啜り、一息ついて勉強を再開する。俺の志望は私立文系だから、文系科目の得意な俺にはさほど焦る必要がないのはわかっているのだが、やはりこの年になると勉強していないとなんか落ち着かないのだ。

 

「焦りながら勉強しても頭に入らねえしな・・・」

 

誰にでもなくただ独り、そう呟く。あ、ネットにって意味じゃないぞ?その前にTwitterとかフォロワーいないし。そもそもやってないし。

 

「ちょっと休憩挟んで息抜きしないとなぁ。あ、SAOでもやるか。」

 

ボッチは独り言が多いのだ。だって、誰かに話しかけても反応してくれないから、必然的に話しかける相手が自分しかいなくなるからだ。

そんなリア充から見れば悲しいと思われるであろう理論をでっち上げながら、俺はvitaちゃんを手にとる。

 

「あ、そういえば早弓もこれやってるっていってたな。ちょっと誘ってみるか。」

 

これというのは、去年の10月?だったかに発売された、

《ソードアート・オンラインーホロウ・リアリゼーション》

というゲームのこと。確か3月にSAOとAWがコラボした《千年の黄昏》とかいうのもあったっけな。いや、今はDLCストーリーのためにHRやるか。

それから早弓に連絡を取る。

『ちょっと息抜きにHRやろうと思うんだが、もしよかったら一緒にやらないか☆』

ん?やらないかの後に星がついてた?それはホモにしか見えないフォントでして・・・

するとすぐに早弓から返信がきた。打つのはやくね?やっぱり女子ってそういうの早いの?

『通話?』

あ、そりゃ早ぇわ。だって4文字だろ?てか単語で会話するとか俺かよ・・・

『そっちのほうがやりやすいと思う。』

それから返信まで少し時間が空いて、

『ごめん、今はちょっと・・・また今度ね。』

『いや、こっちこそ急に誘って悪かった。すまん。』

ふぅ。やっぱり俺相手だとこうなるか。こうなることは分かってた。けど、少し親しくなったと思ってたやつに拒否されると、別に期待してたわけじゃないが、まぁ心にくるものがあるね。

それからしばらくして、

『せっかく誘ってくれたのに断っちゃってゴメンね。通話するとき、耳元で男性の声が聞こえるのがちょっとまだ怖くて・・・。』

ああ、そうか。まだそんなに良くなってないんだな。もう少し症状を緩和させられるように工夫する必要性がありそうだな。明日少し試してみるか・・・そのためにはまずは俺自身と戦わなきゃな。

 

     ***

6月20日。

 

「よう、早弓。おはようさん。」

 

朝、偶々遭遇した早弓に、今までの俺じゃ想像つかないくらいに努めて明るく挨拶した。むこうは「えっ!?」みたいな顔してたけど。そんでそのまま逃げるように足早に去っていった。

失敗したな。今の反省点は・・・

と俺は1人、考えながら教室へ向かう。そう、お気づきの方もいらっしゃるでしょう。今のが、早弓の症状を緩和させるための作戦、『まずはボーイズとフレンドリーになってみる!!』だ。なんか今一瞬頭に、両手をぐるぐるしながら覚えたてのビジネス用語使って話す意識高い系の会長が浮かんだような浮かばせたくないような・・・

以前も話したと思うが、恐怖症を緩和・克服させるには、その恐怖の根底にある原因の認識を改めさせる必要がある。ということは、だ。早弓が男子に恐怖を抱いているのであれば、男子は別に早弓が思っているほど怖い存在ではないと、認識させ直さなきゃいけない。

そこで俺が思い付いたのは、早弓のトラウマの地雷を踏むことなく出来るであろう、この作戦なのだ。まぁ、これが失敗したらもう終わりの始まりなんだけどな。そんな訳で、俺は昨夜、自分自身との戦いを経て、こんな恥ずかしいことをしている。

ちなみに由比ヶ浜は、早弓に恋をさせて恐怖症を克服させようと1人で奮闘している。やっぱりあいつ頭ん中ピンクだな。なお、苦戦を強いられている模様。

雪ノ下は、その恐怖症の原因を探っている。直接聞く以外の方法でな。この前あいつが直接聞こうとしたから無理矢理止めたんだが、さすがに大丈夫だよな・・・?

まぁ、各員の健闘を祈ろう。

そういえば、さっき早弓の隣にもう1人女子がいたよな?あれがこの前早弓の言ってた『結城さん』なのか?その可能性が高そうだが。今度会って少し話をしてみるか。早弓について、何か聞けることがあればいいんだけどな。

 

 

     ***

 

「なあ、少しいいか?」

 

俺が声を掛けたのは、今朝言っていた、『結城さん』だ。なんというか、怖いイメージが・・・それこそ、会ったばかりの頃の雪ノ下のような冷たい刃物のような冷気と鋭さを持っていそうだな~というのが一般論だろう。だが、本当はこいつは誰よりも早弓を理解しようとしていて、また早弓も結城を理解しようとしている、『本物』の仲なのだろう、と俺は感じた。今朝下駄箱で会ったときの早弓を見つめる暖かい眼差し。あれは多分そういうことだ。

 

結城「なんでしょうか?」

 

振り返りながらそう答えた彼女はとても美しく、どっかのご令嬢のようだった。県議会議員のご令嬢とは違うな。どことなく育ちの良さを感じる。誰だよ、冷たい刃物とか言ったやつ。俺でした。

 

比企谷「ちょっと早弓に関して聞きたいことがある。立ち話もなんだし、そこでいいか?昼もまだ食ってないしな。」

 

そう、今は昼休み。俺がいつも通りに購買に行くと、なんか見覚えのある後ろ姿を見つけたもんで、声を掛けて、注文を買ってくるという社畜っぷりを見せつけたら、ありがとうと言って去っていこうとした。そこで、『あ、こいつ今朝のやつじゃねえか』と思いだし、今に至る。

 

結城「そう。実弥に。で、何が聞きたいのですか?」

(この男、今朝実弥に話しかけていたやつ。もしかして実弥を狙っているのか・・・?だとしたら実弥が過去のトラウマをまた味わうことになってしまう・・・)

 

比企谷「ああ。それより、お前、どのくらい前から早弓と友人なんだ?」

 

結城「中学3年からです。」

(やはりこいつは実弥のことを狙っている可能性がある。気を付けなければ・・・)

 

比企谷「中3か。そのとき、早弓に親しい友人とかいたか?」

 

恐らく、あれだけ重度の恐怖症を抱えていれば、それに気づく人もでてくるはずだ。もしかしたらそこで親しくなった女子の友人ならいるかもしれない。それに、恐怖症を発症したのがいつかわからない以上、結城が発症したことについて関わっていると断言することはできない。

 

結城「いいえ、実弥は中学の頃はクラスの人気者でした。親しい友人なら多かったのではないでしょうか。」

(中学のころの友人についてなど聞いてどうするのだろうか・・・)

 

ということは、中学3年までは人気者、ということはまだ発症していなかった可能性が高いな。となるとこいつと友人になったことがきっかけで人気者じゃなくなった、あるいはなんらかの出来事があって、こいつと友人になった。の2通りと推測できる。まぁ、陰キャラと仲良くしたらカースト下落なんて話はざらにあるからな。けど、恐らくこいつは陰にいるかもしれないが、陰キャラではないな。どちらかというと、雪ノ下のような完璧属性持ちだろう。なら1人でいることはあっても、独りでいるようなことにはならないはずだ。それに人当たりも悪くない。だったら、こいつと仲良くしてカースト下落はほぼありえないと考えてもよさそうだな。まあ、今と3年前が全く同じとは限らないのは、俺を含めてそうなんだけどな。んじゃあ残る可能性としては・・・

 

比企谷「なぁ、お前が早弓と友人になったきっかけを教えてくれないか?」

 

そうだ。親しい友人が沢山いた当時の早弓なら、わざわざこいつと友人にならなくてもどうにかなっていたはずだ。そこには何か、触れてはいけないであろうことが隠されている。

 

結城「その前に。あなたは実弥の何なんですか?彼氏様ですか?婚約者様ですか?クラスメイトくらいの関係のあなたに話す義理はないと思うのですが。」

(なんだこの男、実弥の友達事情を聞いたと思えば、私と実弥の関係まで聞いてくるなんて・・・もしかしてこの男は実弥のアレについて知っているのか?)

 

おっと、この反応は何かを隠しているな。仮にその隠していることを恐怖症発症事件としよう。そうだとすると、完全に辻褄があう。早弓が人気者から下落した理由、早弓がこいつと仲良くなったのは、こいつの性格と事件のことを考えれば合致する。

これらについて聞き出したい・・・んだがシンデレラはもうお時間のようだ。鐘が鳴るから今日はここで切り上げるか。

 

比企谷「そうかもな。でもまだ聞きたいことがあるから、時間だし放課後聞かせてくれないか?それと、そのことについて早弓に話してもいいか聞いてきてくれ。比企谷って言えば多分分かると思う。」

 

よし、カマはかけたし、それで本人の了承も得られればあの原因が遂にわかるはずだ。もっとも、こいつが関係してるとは今の段階では確定することはできない。だが可能性は高い。俺はそこにかけるしかないみたいだな。

 

結城(やはりこの男、比企谷という男、実弥のアレについて知っているのか。でもアレのことは私しか知らないはず。だとすれば実弥本人が明かしたことになる。ならばこいつは信用に値するのかもしれないな。放課後、行ってみるか。)

 

そうして俺は結城に背を向け、教室に向かって歩き出す。と、襟首を捕まれてその歩みを止められた。

 

比企谷「お、お前、いきなり何すんだよ・・・」

 

結城「放課後、どこで話すか決めていませんでしたね・・・どこにしますか・・・?」

 

結城は肩で息をしながら俺に問うてくる。てかこいつ体力ないのかよ、7~8mだぞ、ここまで。

ほんとに雪ノ下ソックリだな。本物と違って優しいけど。ユキノシタ「クシュンッ!!」

 

比企谷「じゃ、じゃあここで。」

 

最後に結城は「わかりました」とだけ言い、去っていった。場所を聞いてきたということはちゃんと来てくれるということでいいのかな?ちょっと不安だな。別に告白するつもりとかじゃないから素直に来てくれないと困るんだけどな。

そういって俺も見えない背中を追うようにして自分の教室に戻った。放課後が待ち遠しいぜ!




どうでしたか。勉強のために他の方の作品も拝見させていただいてるのですが、その中に雪乃が八幡のことを「お兄様!」って呼ぶのがありまして・・・それで魔法科高校の劣等生とのクロスオーバーを考えたりと・・・まず第1作完結してからにしろって感じですね、ほどほどにそっちも書いていきたいと思います。

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