今回も会話回、しかもある意味重要な回となっています。
そしてこれを投稿した後暫くはまた更新が空きますが、皆様どうか失踪したとか思わないで下さい。
では、本編へどうぞ。
蓮子がブライトから本名や目的の一部などを聞き出してから2時間程後の11時40分、昼食の支度が終わった為咲夜達に食堂へ来る様に言われた為蓮子達は食堂へと向かう。
因みにブライトもレミリアの好意(と言う名の威圧)でブロントさんに連れられまだフラつきながら食堂へと向かっている。
「……アンタ、本当に大丈夫なの?」
「まだフラついてるみたいだけど、またいきなり倒れたりしないわよね?」
「身体を動かせる程度には休んだ、明日になれば完全回復するだろう。
心配……いや、詮索は不要だ」
「このバカ幼馴染、いきなりぶっ倒れた後の病み上がりのくせに強がって……」
蓮子はブライトが未だ体調が優れない様子に本当に大丈夫なのかとメリーと共に気になってしまっていたが、当の本人は詮索は不要だと強がり少しフラつきながらも何時もの仏頂面で蓮子達に視線を返していた。
魔理沙はそんな状態のブライトにボソッと嫌味を零し、矢張りと言うべきか全員ギクシャクとした雰囲気を話し合いの後でも払拭し切れていなかった。
麟は菫子とブロントさんに視線を送るも、2人もお手上げとしてこの状態をどうにかする手段も話題も無かった。
そして食堂へと辿り着き、咲夜がドアを開けると既にレミリアとフラン達が席へ着いており、更に視線をテーブルの左へと向けると何と霊華やアリスまで其処に居た。
「あれ、アリスもお呼ばれしたの?」
「ええ、事情とかは魔理沙やパチュリーから聞いたわ。
蓮子、メリー、ごめんなさい、肝心な時に一緒に居なくて」
「ううん、アリスにも心配掛けたみたいだから寧ろ私の方こそごめんなさい。
それとありがとう、アリスも私の事心配する位想ってくれて」
「当然よ、友人なんだから。
それと…………ブライト、私は貴方の事は許さないし今後も許す気は無いわ。
けど蓮子とメリーの事で今回尽力したとも聞いたわ…………一応、2人の友人として礼は言うわ」
蓮子とメリーはアリスと言葉を交わし、アリスもまた今回の件を聞き2人を心配し、また無事に凌いだと聞き胸を撫で下ろしていたらしくメリーは謝罪と礼を言い、アリスもまた肝心な時……真夜中の2時の一件で一緒に居なかった事を謝罪した。
そしてブライトに睨み付け、敵意を見せ許す気は無いとした上で今回の件での行動に礼を言い、ブライトも無言で頭を少し下げ、また許される気も無いと言う雰囲気を醸し出していた。
そして全員テーブルに着き、一先ず食事の為微妙な雰囲気を押さえながら昼食を摂り始める。
尚、ブライトは自主的にテーブルの一番端へと行き其処で1人料理に手を付けている。
「……咲夜」
「はい『キィン』」
するとレミリアが咲夜に一言入れると、メイド長は時を止めて何とブライトを魔理沙の目の前の席に移動させてしまう。
「……何の真似か?」
「私達が優雅に食事をしているのに1人が隅っこで細々と食事をするなど鬱陶しくて敵わん、よって貴様も我らの近くで食事をせよ。
貴様も形式上は紅魔館の客人なのだからなぁ、少なくとも今は」
レミリアは良い笑みを浮かべながら1人で食事をするブライトを鬱陶しいと言い、表向きは客人として、その真意は明らかに蓮子達にやって来た事への仕返しとして一緒に食事をせよと命じ、ブライトは一つ溜め息を吐きながら食事を再開する。
「…………そう言えば、聞きそびれたけどアンタ私達の世界に来て私らをこの幻想郷に突き落としたわよね?
結界で隔離されて且つ時間軸が違うのにどうやって来たのよ実際の所?
なんか結界に穴を開けたとかなんとか話があったみたいだけど」
すると蓮子が話題作りの為にどうやって自分達が居た未来の世界に来たのかとブライトに問い質す。
メリーもそう言えばといった感じに左手の人差し指でブライトを指しながら見る。
するとブライトはああと言いながら口を開く。
「そう言えば聞かれなかったので言わなかったな。
結界ならメサイアの力で無理矢理こじ開け、その上で外の世界への通り道に細工を施しお前達が居る時間軸の外の世界に無理やり繋げたんだ。
お陰で先代巫女の霊華殿から不眠不休の結界の修復、調整や細工を施した道の修正等で美容悪化やストレス等への賠償金を支払えと迫られ払ったがな……そう、霊華殿が結界の調整場から幻想郷に戻り、俺が会いに行った瞬間にな」
「当たり前でしょうよ、あんな歪な穴を作った上に道まで滅茶苦茶にしたんだから変な影響が無い様にする為に修復、修正したのに苦労したんだから。
坊やには私のお肌とかのケア代やら何やらを支払う義務があるわよ全く。
しかもそれをしれっと夜中私に言って安眠妨害や不眠不休の作業をさせたのだから、この拳で奥歯をガタガタにされないだけマシと思いなさいよこの大馬鹿坊や!」
どうやらブライトはメサイアの先導者としての力で結界を無理矢理こじ開け、更に未来の外の世界、蓮子達が居た世界へ行く為に色々細工をし、霊華が結界の修復や施した細工の修正などをさせられたらしく、魔理沙やアリスは霊華に迷惑を掛けるとはバカな真似をと思いつつ、良く殴られずに済んだものだと運が良いとも考えていた。
そんな迷惑者のブライトはまだ口を開く。
「だがそのお陰で俺は俺の使命を果たし、目的も果たせられる者達に出会った、故に反省も何も無い。
後は運命の修正力に邪魔を入れられない内に幻想郷へと誘い、そして強き意志と力を付けて貰う、これが今に至る俺の考えであり最短且つ最善の道だと思った。
そしてあの時点……俺が宇佐見蓮子やマエリベリー・ハーンに出会った時点で、異変を企てる者達とは別に、2人に接触して自らの勢力下に取り込もうとする輩が居た事も確認出来たと意図しない収穫もあった」
ブライトは蓮子とメリーと言う自らの使命や目的を果たす為の戦力2人に出会えた事を現在までの事を省みても反省も無いとし、そしてそれらが最短、最善の道だとし完全に自身の考えに間違いは無いと蓮子達の反感を買う考えであると話し、蓮子とメリー達、魔理沙やアリス、レミリア達もジッとブライトを見て矢張り許す気は無いしブライト自身も許される気は無いと感じその考えに同調は現時点で不可能だと思っていた。
が、ブライトは更に自身が蓮子達に出会った時点で自身や異変を企てる者たちとは別に蓮子達と接触しようとする勢力が居たと話し、蓮子とメリー、魔理沙達は驚いていた。
「はぁ!?
2人が外の世界、しかも未来に居る内に2人に接触しようとした連中が居たのか⁉︎」
「ああ、しかもご丁寧に幻想郷から外へ出た形跡を残さない様にしながらな。
宇佐見蓮子達の世界にファイカを持って行かなかった為、ファイトをした記録も残らないからそいつらを何が目的だと事情聴取しようにも証拠も無いから泳がさざるを得ないと言うこちらの不手際もあったが、あの時点で撃退しなければ今頃宇佐見蓮子達はその勢力下に居て、今の様な自由な事は出来てない筈だ」
「ほう……」
どうやらその勢力は幻想郷内に居て、外の世界へと出て蓮子とメリーに接触しようとしてブライトに撃退され幻想郷に追い返したと当本人は話す。
その時ファイカを持ち出して居なかった為外の世界でファイトをした記録も無く今もその勢力は泳がせざるを得ないと言う不手際もあったと話し、逆を言えば今もその勢力は何のお咎めも無く悠々と過ごしていると言う事になっていた。
「その勢力って一体どこな訳だブライト?
これは俺の考えなんだが、蓮子とメリーを勢力下に取り込もうと動いた連中は何のペナルティを受けてないなら今もそれを止めない、蓮子達がこちらに居ると知ればまた接触しようとするだろうと言うのは確定的に明らか。
俺達もそれを警戒しないとならないから早くそれを教えるべきそうすべき、先代巫女のメガトンパンチを受けたくないならそうすべき(戦慄)「ほうほうブロント君は私の事を筋肉バカって思ってた訳か、へぇー、ふぅーん」おいィィィィィィ⁉︎
何でそうなる訳誰だって俺が話し中に右手をポキポキしていたらそう思うだろうと言う第三者の中立的な視点から話しただけで俺は霊華をそんな風には思ってないと言う意見‼︎」
ブロントさんはその勢力が蓮子達が幻想郷に居ると知ればまた接触しようとするだろうと考え、それが何処なのかと霊華に余計な火の粉を飛ばしてとばっちりを受けつつブライトへと聞く。
魔理沙や麟が霊華を押さえる中ブライト自身口を開く。
「そうだな、此処を離れる際に言おうと思ったが今話しても変わらないな。
その勢力は…………人の欲を聞き、道教を人々へと教え説く聖徳太子、『豊聡耳神子』が率い、現在ではヴァンガードファイトの鍛錬、精神鍛錬、肉体鍛錬などを日常的に執り行い一流ファイターを輩出する紅魔館、地霊殿などと並ぶ巨大支部と化したあの『神霊廟』だ」
ブライトは紅魔館や地霊殿と並び、聖徳太子と外の世界で謳われた者が率いる勢力……神霊廟が蓮子とメリーに接触しようとした者達だと話し、紅魔館の面々や魔理沙、ブロントさん達を驚かせた。
「神霊廟……豊聡耳神子が蓮子達を……」
「ねえ、神霊廟って?」
「アイツも言った様に幻想郷に道教を広めて、更にヴァンガードファイト普及協会の支部としても紅魔館や地霊殿と並ぶ巨大勢力になってる連中だよ。
そして、今年のファンタズムカップ本選の主催支部でもあるんだ」
『……ええ⁉︎』
メリーが神霊廟とは何かと聞き、蓮子も魔理沙に視線を合わせてそれが何なのかと思い、魔理沙は2人に神霊廟とは何かを話し始める。
更に2人にも関係があるヴァンガードファイトファンタズムカップ本選の主催支部でもあると話し、2人を驚かせた。
一方その頃、同時刻の神霊廟。
現在では道教の修行のみならずヴァンガードファイトの設備まで置かれ、肉体的鍛錬や精神的鍛錬と共にヴァンガードの鍛錬を積み、一流のファイターとなるべく日々修行の掛け声が絶えない強大な普及協会支部の一つとなっていた。
その客間の一角、支部長であり神霊廟を治める、外の世界ではその昔聖徳太子として名を馳せた『豊聡耳神子』は、深々とローブを纏い、顔を見せない客人を持て成していた所であった。
「ははは、まさか彼女の右手たる君が直接此処へ来るとは思わなんだよ。
どうやら君達は余程『アレ』にご執心の様だ」
「分かっているなら話が早いわ、あんた達が確保した例の物、私達に渡しなさい。
アレはあんた達の手に余る物、ましてやあんたではアレを覚醒させるには至れない。
至ったとしても命を削り、その身を滅ぼす。
アレを何のデメリットも無く覚醒させられるのはこの世界であの人だけ……あんたもそれは分かってる筈よ。
ならば……」
どうやらローブを纏う者は神子が持つ物を渡す様に要求しに来たらしく、またこのローブを纏う者とその上に居る者こそが、幻想郷で秘密裏に進められている計画を企てた者らしく、神子が持つ物がその計画に必要だと話す。
「くどいよ、君達の計画にはアレが必要不可欠なのも分かるが、こちらとしては君達の計画は気に食わないし我が覇道を成す為にもアレは必要不可欠だ。
よって君達にはアレは渡さない、実力で奪ってみせよ。
それと、私の身を滅ぼすと言ったな?
侮るな、確かに彼女と比べればアレを覚醒させるに必要な時空を超越するイメージ……『ストライドフォース』は劣り、この身もアレを覚醒させる為の器と成してない。
だがそれでも我が覇道を成すその時まで私は死なん、必ずやアレを全て我が手にし、覚醒させ我が覇道を成そう!」
しかし神子との交渉は平行線を辿り、また神子も何らかの目的があるらしく、神霊廟と異変の計画を企てる物達は協力下には無く、寧ろ敵対的な雰囲気を醸し出していた。
神子の強き意志を口にしてから少しの間沈黙が流れ、それをローブを纏う者が席を立つ事で破る。
「……あんたの意思は変わらないって訳ね。
まあ良いわ、今はファンタズムカップの時期、せめてそれが終わるまではあの人も猶予を与える気だから待ってあげるわ。
それまでにその頑固な意志を変えてあの人の計画に協力する様になさい。
そしたらあんたの覇道とやらもあの人の悲願達成って形で叶えてやるわ。
でなければあんた達を叩き潰してやるわ」
「それこそ愚問だな、我が覇道は自らの手で達成してからこそ意味がある、君達の計画に懇ろとなって叶えても意味は無い!
故にファンタズムカップが終わろうともアレ……『ディペンドカード』は渡さんよ。
もう一度言おう、ディペンドカードを欲するなら実力で我が手より奪ってみせよ‼︎
この様な茶番を興じるよりも余程そなたらしいぞ。
そして、そなたらの計画の成就は我らがさせん、彼女の右腕たる少女よ!!」
ローブを纏う者は自らの上に居る者……神子が言うには女性がファンタズムカップが終わるまでは待つと言い、自分もそれまでは待ってやると言い去ろうとするが、神子は間髪入れず自分の意思を変える気は無いとし、この目の前の者達に自分達が持つ物……『ディペンドカード』と言う物は渡さない、計画成就を阻止すると高らかに宣言し、また実力で奪う様にも叫ぶ。
それを聞きローブを纏う者は何を思ったのか表情が見えない為分からないが、明らかに心良い物では無いのだとその背中から醸し出す殺気が示していた。
そして客間からローブを纏う者は去り、それとすれ違いながら神子の部下である『物部布都』と『蘇我屠自古』が客間へと入って来る。
「太子様、今の奴は」
「彼女の右手たるあの子だよ。
全く、ディペンドカードを欲するなら実力で奪えば良い物を、あの子の慣れぬ交渉で得ようとするとはな」
「それだけ彼奴らも計画が露呈するのは避けたいのでしょうな。
……あ、太子様、たった今神霊廟支部で開かれていたファンタズムカップ予選が我や屠自古のチームの優勝により終了致しました!
残るは地底、ヴァナ地域の予選のみとなりました!」
布都と屠自古は神子に今すれ違った者を念の為聞くと、2人の予想通り異変の首謀者の右手である子だった。
実力行使せず交渉と言うやや臆病とした行動も計画露呈を避ける為と考察しつつ、布都は自分のチームが予選優勝し、残るはヴァナ地域と地底の予選のみと報告する。
それを聞き神子は当然だと思いつつ頷き、その次に屠自古の報告を聞く。
「次にディペンドカードの覚醒状況ですが、矢張り予選でのファイトで集まった我々や一般ファイター達のストライドフォースを注いでもうんともすんとも言わないと研究チームが嘆いておりました。
無論弱音を吐いた者には精神鍛錬と肉体鍛錬を課しました」
「うむ……矢張りただファイトしただけで集まったストライドフォースではダメか。
となれば予定通りファンタズムカップ本選でファイター達が死力を尽くし、純度を高めたストライドフォースを注ぎ込み、それから直接私のストライドフォースを注ぎ覚醒させるのが一番か」
「はい、恐らくは……『準特異点』である太子様が御身に負担をなるべく掛けずにディペンドカードを覚醒させるならそれが最善かと」
屠自古の報告でディペンドカードは覚醒する気配が無いと聞いた神子は研究チームとの見解で示した純度を高めたストライドフォースを注ぎ込み、そこに自らのストライドフォースも込めて覚醒させるのがベストだと判断し、屠自古も同じ意見だとして報告書のページを捲る。
すると布都が申し訳無さそうに口を開き始める。
「申し訳ありません太子様、我が独断先行で『特異点候補』を確保しようと未来の外の世界へ先走ったばかりに候補者を確保出来ず、あまつさえ最近になり八雲藍会長代行からの辞令により判明した彼奴……我を撃退したメサイアの先導者なる者となりしブライトに、我らの動向を知られる事と」
「その件は既に罰を与え、貴女は罰を全うした。
もう気にしてはいないわ。
それに、メサイアの先導者なるものとなった彼は、彼の口から出た通り彼女の手の者では無かった。
が、第3の勢力として我々の邪魔をするなら正面から叩き潰すのみよ。
布都、貴女は変わらずファンタズムカップで死力を尽くし、ディペンドカードを覚醒に足るストライドフォース生成に勤しみなさい。
それが貴女の使命よ「……ははっ‼︎」さて屠自古、報告を続けなさい」
布都はどうやら外の世界へ、しかも未来の外の世界へ独断先行し、それをブライトに撃退されてしまい『特異点候補』なる者を確保出来なかったらしく、それを謝罪するも神子は既に気にしていなくブライトが邪魔者なら叩き潰し、布都には使命を全うせよと命じ布都もその恩赦に報いるべく頭を下げる。
その話が終わり屠自古は報告を続ける。
「次に諜報チームのブライトの監視、及び情報入手ですが、相変わらず彼の詳細なデータは普及協会会長ですら閲覧不可になる
つまりこちらは依然変わりなくです。
それから追加で諜報チームが各予選の優勝、本選へと駒を進めたチームのメンバー、使用クラン等のプロフィールを入手しましたが……こちらに気になる名がありました」
「ほう?」
次の報告は諜報チームからでブライトの監視、各予選優勝チームのプロフィールの情報であり、屠自古はその優勝チームのプロフィールの中に気になる名があったとし、布都も頭を縦に振りながら重要な情報だと言う雰囲気を神子に感じさせる。
「その気になる名は妖怪の山予選優勝チーム、チームファンタズマと言うチームにありました。
このチームはあの英雄の1人であるブロントさんと冴月麟、更に問題児の宇佐見菫子が参加しており個人的にも気になるチームとなっています」
「ほう、あのブロント殿達が。
ファンタズムカップ本選は良き試合を生みそうだな……それで気になる名とは?
まさかブロント殿ではあるまい?」
屠自古はチームファンタズマが妖怪の山予選を優勝し、其処にブロントさん達が参加している為個人的にも気になるチームであると話し、神子も本選が良き物になると思っていた。
それと同時に気になる名……本題を話す様に促し、静かにそれを聞こうとした。
「はっ、その気になる名は2名…………宇佐見蓮子とマエリベリー・ハーンです」
「……何?」
「我もその名を見て驚きました‼︎
未来で確保出来なかった『特異点候補』が現代の幻想郷に居る訳が無いと!
しかし……プリントアウトした両名の容姿は正にそのまま、本当に『特異点候補』の2名でした‼︎」
屠自古の口から蓮子とメリーの名を聞き、神子も驚いた様子を見せ、布都も最初は信じられなかったとしながらも容姿がその2人であった為驚いたと話す。
そして屠自古が報告書を手渡し、其処にプリントアウトされてる蓮子とメリーの画像を見て神子はこの自分達が求めた者達と同じ名を持つ少女達がターゲット……ディペンドカードを覚醒させる力を持つ候補者、『特異点候補』の2人だと確信する。
そして未来の外の世界にブライトが現れたのも2人を誰よりも先に確保する為だったとも神子は頭の中で確信する。
「……ふ、ふふふ、これは天啓か。
一度は布都の独断先行とブライトの妨害で失敗した『特異点候補』の確保、そのチャンスがまた巡って来るとは」
「しかし彼女達は紅魔館支部所属……レミリア・スカーレットの勢力下にあります。
改めて確保するとなれば紅魔を敵に回しかねませんが?」
「障害の一つや二つは世の常、それに両名の確保する手段など強硬策を含め幾らでもある。
ならば此処は彼女らの力を見極めるとしようでは無いか。
彼女達の何方か、或いは両方が真の『特異点』であるか否か、な」
屠自古の懸念を他所に神子は策は幾らでもあるとし、現段階では蓮子とメリーの力を見極めると言い不敵な笑みを浮かべる。
ディペンドカード……世界の理を変え得る力を秘めた特別なカード、それらを覚醒させ、またヴァンガードのユニットをこの世界に実体化させる力を持つ者、『特異点』であるかを。
世界は動き出していた、蓮子とメリーの知らぬ場所でゆっくり、しかし確実に。
そして其れにより生じる波は、近い将来必ず彼女達を巻き込み渦を巻いて行く事になると、か弱い少女達は未だ知らなかった……。
此処までの閲覧ありがとうございました。
今回の話の重要なポイントは神霊廟と異変を計画する者は敵対(?)している、太子様達は蓮子達の確保を目的としていたが失敗、神霊廟自体も何か企てるなどです。
そしてファンタズムカップ本選主催と言う事は、蓮子達とぶつかり合う可能性が高いです。
それから蓮子とメリーが神霊廟の持つ物などを詳細に知るのは少しだけ先になります……。
次回もよろしくお願い致します、よろしければ感想、指摘などをお願い致します。
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