秘封先導鉄   作:”蒼龍”

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第8話です。
うん、今回は文字数が5000未満で切り上げられたぞ!
………しかしヴァンガードファイト成分は申し訳程度になったそうな。



第8話「初めてのクエスト受注」

蓮子達が幻想入りしてから既に2日が経過した。

取り敢えず二人は魔理沙の家に引き取られ、今日も今日とてヴァンガードファイトをしていた。

 

「『時空竜 ミステリーフレア・ドラゴン』でアタック!「ぬぐぐ………ま、まあミステリーフレアのスキルが発動する訳無いしノーガード!」

トリプルドライブ………トリガーが無かったけど、ミステリーフレアのスキルを発動!

山札の上から4枚を公開して、それが全て異なるグレードのユニットならCB(カウンターブラスト)(4)を払って追加ターンを得るわ!

1枚目『ラッキーポット・ドラコキッド』グレード0、2枚目『スチームファイター アンバー』グレード2、3枚目『引っ込み思案のギアレイヴン』グレード1、4枚目!『クロノジェット・ドラゴン』

グレード3、条件達成なので追加ターンを得たわ‼︎「うそーん⁉︎」

そして私のターン、今こそ示せ、我が望む真の世界を!

ストライド・ジェネレーション、『時空竜 ミステリーフレア・ドラゴン』‼︎

アタックしてトリプルドライブ………クリティカルトリガーゲットよ‼︎」

 

「ぬがぁぁぁ、負けたぁぁぁぁぁぁ!!?」

 

どうやらこのファイトは、明らかに発動し辛いミステリーフレアのスキルを発動させたメリーが勝利し、ロマン砲に負けた蓮子はかなり悔しがりテーブルに突っ伏していた。

 

「あははは、お前ら本当に仲が良いな!」

 

「あ、魔理沙。

キノコ採取はもう終わったの?」

 

「ああ、これで今日はキノコスープが夕食だぜ」

 

すると魔理沙が帰宅し、収穫であるキノコを蓮子達に見せて夕食の話をし、そのキノコを保管庫に置きテーブルに座り、二人と会話し出す。

 

「そういや二人共、幻想入りしてから時間が少し経ってヴァンガードに慣れた頃だし、そろそろ『クエスト』を受けたくないか?」

 

『クエスト?』

 

魔理沙が唐突に『クエスト』と言う言葉を出し、蓮子達は頭に?を3つ程浮かべ、魔理沙から詳細を聞き出す。

どうやら幻想郷では『ヴァンガードファイト普及協会』の会員になるとクエストと言う依頼を受け、困っている人やデッキのテストプレイなどを解決し、会員レベルの証であるグレードを上げていき、公式で定められた大きな大会の予選などに参加する資格を得るらしい事が分かる。

しかも会員になればよりヴァンガードにのめり込める様に公共施設の利用が出来る様になるなどの良い事づくめで、年会費や参加費は一切掛からないと非常に良心的な制度の為、幻想郷の住人は既に大半が会員、又は普及協会の職員になっているらしい。

 

「へぇ〜、普及協会ねぇ〜………メリーさんメリーさん、これは中々………」

 

「面白そうね、参加してみる?」

 

「モチ‼︎」

 

二人は魔理沙の話に興味が湧き、ヴァンガードファイト普及協会の会員にノリノリでなる事に決定し、それを見ていた魔理沙はこの2日で二人のふざけるノリなどが大体分かり、それに対してはツッコミを入れない様になっていた(蓮子のボケもメリー持ち)。

 

「んじゃ、早速普及協会指定の支部に向かうんだが、此処から近い場所には2つ支部があるんだ。

一つは『命蓮寺支部』、もう一つは咲夜が所属する紅魔館支部だ。

で、どっちに向かうんだ?」

 

「2つも支部があるんだ………うーむ、やっぱりティーチングしてくれた咲夜が居る紅魔館支部かな?」

 

「そうね、やっぱり知り合いが居る場所には行きたいわよね」

 

すると魔理沙は地図を出し、現在地である魔理沙の家の近くに2つの支部がある事を蓮子達に教え、二人は少し考えて咲夜の居る紅魔館支部に向かう事にし、魔理沙もそれを聞いて早速紅魔館支部に向かい始めた。

道中、妖怪に遭遇するも比較的温厚な妖怪だった為か、又は魔理沙が居た為か特に襲われず魔理沙と居ない時は迷子にならない様にと忠告されたのみで終わる。

そして一行は『霧の湖(断じてアトリーム製の霧では無い)』に佇む紅い館、『紅魔館』の正面入り口たる門の前まで辿り着いた。

その門の横には華人服とチャイナドレスを足して2で割った様な服を着た赤いストレートロングヘアーの女性が立っており、一行を見掛けると声を掛けて来る。

 

「ああ、魔理沙。

そちらのお連れ二人は何方でしょうか?」

 

「よう『美鈴(メイリン)』。

この二人は外来人で、私の家で世話してる宇佐見蓮子とマエリベリー・ハーン、メリーだせ。

蓮子、メリー、こいつは『(ホン・)美鈴(メイリン)』、この紅魔館の門番をしてる奴でな、これから紅魔館支部の世話になるんだからちゃんと挨拶をしろよな?」

 

どうやら女性の名は美鈴(メイリン)と言うらしく、その佇まいからは武術家として洗練された雰囲気を醸し出しており、かなりの手練れであると言う事を二人は理解した。

その美鈴(メイリン)も、二人が咲夜が言っていた『ブラスター・ブレード』や双闘(レギオン)を駆使する少女と、未知のクラン〈ギアクロニクル〉を使う少女の二人組だと気付き、待っていたと言わんばかりに歓迎ムードの雰囲気で蓮子達に話し掛けて来る。

 

「ああ〜、貴女達が咲夜さんの言ってた方達ですか!

そうですかそうですか、お二人が此方に来たと言う事は普及協会紅魔館支部で入会登録をしてくれるのですね!

改めましてようこそ紅魔館へ、私は(ホン・)美鈴(メイリン)と言います」

 

「あのメイドさんから話を聞いてたの………じゃあ改めて、私は頭脳明晰スポーツ万能才色兼備が服着て歩くパーフェクト美少女、宇佐見蓮子ちゃんよ‼︎」

 

「あ〜、この何かウザい挨拶する友人の戯言は軽く流して下さい「シドいよメリーさん⁉︎」お黙蓮子。

え〜と、改めて初めまして、私はマエリベリー・ハーン。

蓮子とは秘封倶楽部と言うサークルで活動する一応親友です。

気軽にメリーと呼んで下さい」

 

「はい、蓮子さんとメリーさんですね。

いや〜お二人はかなり個性的ですね〜。

え〜、では改めて中に入って情報登録をお願いします」

 

三人は軽く会話を交わした後、美鈴(メイリン)は門を開けて魔理沙と蓮子達を中に入れ、蓮子達に一礼をして再び門を閉じる。

それから門を潜って中庭と正面玄関の中間地点まで歩いてると、いきなり咲夜が正面玄関前に突如現れ、蓮子達は気付いた瞬間には既に彼女が視界に入って居た事に驚き足を止める。

 

「うわっ、2日前にメリーとファイトしたメイドさんがいきなり現れた⁉︎」

 

「二人共、家に泊めさせ始めた夜に言っただろ?

私ら幻想郷の住人の中には『程度の能力』を持った奴が居るってな。

咲夜の場合は『時間を操る程度の能力』を持っていて、時間停止とかが出来るんだぜ」

 

「そ、そうなんだ……」

 

魔理沙が咲夜がいきなり現れた事について二人に説明していると、咲夜が歩いて来て一行に話し掛けて来る。

 

「ふふ、どうやら紅魔館支部で入会手続きをしに来たのね。

手続きをする場所案内するから付いて来て下さいな。

魔理沙も付き添いで、ね」

 

「分かってるって」

 

『え〜と、失礼します』

 

そうして一行は咲夜の案内で紅魔館の中に入り、エントランスを抜けて入会手続きを行う部屋に向かう。

因みに館の中が外から見た以上に広く、その理由を咲夜に聞くと彼女の能力は空間にも作用しているらしく、それにより空間を広げているらしい。

そんなこんなで歩いて少し経ち、地下の大図書館に入ると其処に薄紫のゆったりとした服を着て、ドアキャップに似た帽子を被る紫色のロングヘアーが特徴な少女がテーブルに座り、悪魔を思わせる黒い羽と司書服を思わせる黒服を着た赤いロングヘアーの少女がその横に立っていた。

 

「パチュリー様、普及協会に入会手続きをする方を二名案内して参りました」

 

「ご苦労様。

貴女達、私の目の前に座りなさい」

 

『あ、はい』

 

するとパチュリーと呼ばれた少女(後から魔理沙に『パチュリー・ノーレッジ』と言うフルネームを教えられる)に対面席に座る様に促され、その横に立っていた女性(此方も後から『小悪魔』と教えられる)が蓮子とメリーに書類を渡し、それに名前などの記入事項などを書いて少し時間が経過すると次に特殊なカードケースらしき物が出される。

 

「あの、これは?」

 

「これは『ファイターズカード』、略してファイカよ。

このカードケースには様々な機能があって、個人情報などもこれに記録される普及協会に入会した証よ。

これさえあれば普及協会からのサポートが受けられるし、ショップなどで配信されるクエストを受ける事が可能になるのだけど、詳しい詳細はこの書類に書かれているからしっかりとチェックしなさい。

………さて、長話はしたくないでしょう?

早速受け取ったファイカをこの簡易モニターに翳しなさい。

それで登録完了よ」

 

ファイカを渡され、一旦それを簡易モニターに翳すと『読み込み中』の文字が表示され、暫くすると『読み込み完了、ヴァンガードファイト普及協会にようこそ』と表示され、ファイカの方にも新しくアカウントとクエストとチームメイトの項目が表示される様になり、二人はアカウントを押してみると二人の名とグレードが表示される。

 

「登録完了、ようこそヴァンガードファイト普及協会紅魔館支部に」

 

この言葉と共に二人は正式に普及協会に入会した事となり、これで漸く公式大会にも参加出来る目処が立ったのである。

それから、二人は地下図書館から出て再びエントランスホールに戻ると、咲夜が大型モニターの前に立ち二人に説明を開始する。

 

「さて、早速クエストを受ける為の説明をさせて貰うわね。

このモニターにあるタッチパネルのクエストと言う項目を押すと、画面に幾つかクエストが表示されるのでそれをタッチパネルで操作して選んで、タッチパネルにファイカを翳せばクエスト受注が完了するわ。

因みにクエストはチームメイトが一緒に受けて、片方が完了するとチームメイトにも協力したと言う証でグレードポイントが半分貰えるわ」

 

「ほうほう………幻想郷と言う割には近代的な物も多いわね」

 

「主に河童達の所為だぜ」

 

蓮子とメリーは咲夜からの説明を受けて、早速タッチパネルを操作してチームメイトの項目を選び、互いの名を入力してファイカをパネルに翳すと『チーム登録完了』と表示され、更にクエストを選ぶとモニターに幾つもクエストが表示され、クエストにはグレード〜からと指定された物があるのも分かり、今の自分達はグレード0なので簡単なクエストしか受けられない様になっていた。

するとクエスト内に『僕のカードを探してください』と言う物があり、二人はそれを受ける事にした。

 

「よし、それじゃあ早速行くわよメリー!」

 

「OK蓮子、私達でパパッとクエストを終わらせるわよ!」

 

「よっし、私もついでに様子を見に行くぜ!」

 

二人はクエストを受注し、そのまま待ち合わせ場所に向かい始める。

ついでに魔理沙も同じクエストを受けて二人について行き、二人がちゃんと初クエストを最後までやれるかを見届けに行く。

そんなこんなで幻想郷に来てから3日目、漸く二人は幻想郷のヴァンガライフを謳歌し始めたのである。

果たしてこの先に何があるのかは二人にも分からないが二人は互いが側に居ればどんな苦難も乗り越えられると考え、このヴァンガライフの道を歩むのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「因みに魔理沙のグレードって何なの?」

 

「私か?

ふっふっふ、私のグレードはな………特別仕様の『シルバー』だぜ‼︎」

 

『と、特別仕様⁉︎』

 

その道中で魔理沙のグレードに関して盛り上がり無かったりがあったのはまた別の話である

 




さて、ファイカの話がありましたので少々。
ファイカはグレードが上がる度に表面の色が変わります。
例えばグレード0なら白、グレード1なら黒……と。
そして魔理沙のファイカは特別仕様のシルバーで、他にも特別仕様にはゴールド、プラチナとあります。
ヴァンガードを見てる方なら特別仕様と言うのが何なのかはもう分かってますね?
で、以下がグレード2以降の色になります。
グレード2:茶
グレード3:緑
グレード4:紫
グレード5:紺
グレード6:群青
グレード7:青
グレード8:赤
グレード9:橙
グレード10:黄
こんな感じです。
さて、次回はクエストを受注した二人ですが其処に難敵(?)が……?
次回もよろしくお願いします。

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