秘封先導鉄   作:”蒼龍”

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皆様お待たせしました、第88話目更新です。
この話を作ってる時にヴァンガード公式がまさかのだった為リアタイで驚いたのは此処だけの話です。
さて、今回で蓮子と修正力のファイト回は終わりです。
ファイトの行方は如何に……本編へどうぞ。


第88話「折れない心、堕ちぬ希望」

蓮子は完全に訳が分からず、乾いた声が喉から出てしまっていた。

一体何故?

何が起きた?

目の前の相手は何をした?

そんな考えが頭の中をグルグルと回り、蓮子の思考を停滞させていた。

その間にも修正力は意気揚々と手札のカードを手の上で何度も回し、、笑っていた。

 

「ふふふ、本当に無駄な足掻きでしたね……息巻いて私を追い立てていたと思わされていたその実、私の掌の上で踊っていたに過ぎないのです。

そう、貴女はただの道化、誰も見ていない舞台で1人寂しく虚しく踊り、倒れ行くだけの道化……如何に足掻いたとて何も変わらない、何も変えられない哀れで悲しき存在です。

さて、この喜劇にも幕を下ろしましょうか。

私の勝利と言う定められた結末で……ファイナルターン!

Gゾーン解放、終焉の時来たれり、出でよ、この劇に幕を下ろせし竜。

超越せよ、『時空竜 ラグナクロック・ドラゴン』!

クロノジェットのスキルで、ガルハールをデッキボトムへ。

ギアウルフとギアホークはパワー+3000と+5000。

『スチームファイター ウルニギン』をコール」

 

蓮子:ダメージ:4/5(ガルハールのスキルでCC

(カウンターチャージ発生) 手札:6(非公開手札2)

 

時空竜 ラグナクロック・ドラゴン:P15000+11000=26000、C1

ギアウルフ:P7000+3000=10000

ギアホーク:P4000+5000=9000

スチームファイター ウルニギン:P7000、C1

 

修正力は蓮子に対して道化、無駄な足掻き、

何も変わらない、何も変えられないと言う言葉を投げ付け、この状況が何なのかと理解させて行きこのファイト自体が茶番劇、自分の抵抗が無駄であるとその心に刻む。

そして、ラグナクロック・ドラゴンを繰り出し確実にそのアタックは通すと言う意思を掲示し、蓮子の足はカタカタと震え始め、だがまだ立っていた。

まるで未だ、否、こんな状況になっても諦めていない、諦め切れないと、心が折れ掛けてもまだ抵抗する気でいたのだ。

それを見た修正力は乾いた笑みを浮かべ、ラグナクロックに手を掛けた。

 

「諦めなさい、このアタックは貴女には防げない。

ラグナクロックでアルフレッド・エクシヴをアタック。

スキル発動、CB(カウンターブラスト)(1)Gペルソナブラストで同名カードを表向きにし、このアタックはグレード0では防げず、またGゾーンの表のカードが2枚以上ならクリティカル+1。

念の為聞きますが、防ぎますか?「…………(ノー)……(ガー、ド)……」

そうですよね、トリプルドライブ『メーザーギア・ドラゴン』『スモークギア・ドラゴン』『スチームブレス・ドラゴン』ええ呆気無い、最期は矢張り呆気無さ過ぎる…………本当に、つまらない喜劇でしたね」

 

ラグナクロックVSエクシヴ:26000+7000、グレード0ガード不可VS11000=ヒット

トリプルドライブ『メーザーギア・ドラゴン』『スモークギア・ドラゴン』『スチームブレス・ドラゴン』

 

しかし、ラグナクロックのクリティカル2のアタックは無情にもヒットし、闇に飲まれたイメージ世界で友を探し求めた騎士王に憑依した少女は終焉の時を刻む竜の放ったブレスを受け、爆発に飲まれてしまった。

現実視点でも蓮子は膝をつき、その瞳の光は失われ、涙が零れ落ちながら崩れた。

その悲痛な光景を目の当たりにした麟は目を閉ざし、他の面々も絶句し、声が全く出て来なかった。

……ただ1人だけ、手を強く握り締め歯切りをしていたが。

 

「さあ、ダメージチェックして終わらせなさい。

これで漸く運命の流れは平常に戻り在るべき姿へとなる……私の役目も終わる。

今回は想定外の事態の連続でしたが、結局はただの回り道でしか無かった。

貴女も、貴方も、無駄な努力をして来ましたね、お疲れ様です」

 

「……(終わるの……何もかもが……たった1人の親友を救えず、ただ終わるだけ…………ああ、このダメージチェックを引いたら、全てが終わる……………………まぁ、いいか………………全部、無駄だったんだから…………)ダメージ…………チェック…………」

 

修正力は蓮子と、『シャドウ』に無駄な努力

を労い、ただ空を見上げ最早全てが終わったと確信していた。

蓮子もただ1人の親友、マエリベリー・ハーンを救えずただ終わるだけのこのファイトに、完全に心が折れ切り始め、諦念のままフラフラと立ち、ダメージチェックに入り始めた。

その瞳に光は映らなく、ただただ全てが終わり行くだけであった…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本当にそれで良いのか、宇佐見蓮子!」

 

「……えっ?」

 

しかし、そんな蓮子にこんな状況になっても未だ問い掛けて来る者が居た。

それは、蓮子の中でぶっ飛ばしたいランキング未だ1位であり、自分や親友を幻想郷へと連れて行き、数々のトラブルの元凶でもあり、そして……何故か、完全に憎み切る事が出来ずに居た人物、『シャドウ』その人だった。

 

「お、おもえ……」

 

「お前は本当にそれで良いのか?

このファイトは一体何の為にやっていた、誰の為に諦めず此処までやって来た!」

 

「何の……誰の、為……」

 

「貴方、この状況を見て分かりませんか?

もう全て終わったので「貴様には聞いていない、黙ってろ‼︎」っ…………」

 

魔理沙やブロントさん達が、この状況下で1番初めにこの『シャドウ』、蓮子とメリーの敵である筈の者が声を掛けて来た事に驚き、修正力も全て終わったと呆れ顔で言おうとしたがそれを黙らせ、蓮子の答えを待つ。

1分、10分、或いは1時間か、体感的にそれ程長い時が流れたのかと錯覚さえする静寂の時、風が吹き、霊華の結界内にもその音がただ辺りを支配し、全てが静寂に呑まれていた……そんな中で、蓮子は微かな声で答えを出す。

 

「…………メリーの、為よ……」

 

「ならお前は、その親友を諦め全てが終わったと投げ出すのか?

此処までやった意味を全て露と消えさせ、このまま自分の殻に閉じ籠り親友を、お前達2人の繋がりを、これが運命だったと言い訳して諦めるのか⁉︎

答えろ宇佐見蓮子、お前は本当にこのまま諦めてしまうのか‼︎」

 

蓮子の答えを聞いた『シャドウ』は必死な態度で蓮子の心に問い掛ける、このまま諦めてしまうのか、運命と言い訳するのか、2人の繋がりを断たれてしまう、それで本当に良いのかと。

この『シャドウ』の問いは本来なら御門違い、誰の所為で蓮子がこうなっているのか、そう考えるとマッチポンプにしか見えなかった。

だが、誰もそれを指摘せず黙って聞いていた。

この青年がこんなにも必死になり、誰かに問い掛けるなど……今までの見せて来た態度からは考えられない姿であり、魔理沙やブロントさんはそれを見せる時はどんな時なのか知っていた。

故に修正力以外誰一人としてその声を止めようとはしなかった。

そんな『シャドウ』の問いに蓮子は涙が溢れ出し、ファイトテーブルを濡らしながらその瞳の光が再び戻り始めていた。

自分が何の為に戦っていたか、何をどうしたいのか、改めて思い出し心の火が再び灯ったのだ。

 

「……諦められる訳無いじゃない……メリーは私のたった1人の親友なのよ!

魔理沙でも、ブロントさんでも、麟でも、誰もその代わりにはなり得ない、たった1人の、私の大切な親友なのよ……‼︎」

 

「なら諦めるな!

最後まで戦い続けろ、其処に答えはある!

お前の親友をその手で掴むか離してしまうのか、そのカードに答えが!

なら掴め、お前は、お前達は、たった2人の親友で、秘封倶楽部の宇佐見蓮子とマエリベリー・ハーンだろう‼︎

その手で、2人の未来を掴め‼︎」

 

「……っ‼︎

ダメージ、チェック!!!『探索者(シーカー) ラヴィング・ヒーラー』『治』

ヒールトリガー、ダメージ回復……‼︎」

 

ダメージチェック『探索者(シーカー) ラヴィング・ヒーラー』『治』

蓮子:ダメージ:6→5

アルフレッド・エクシヴ:P11000+5000=16000

 

『シャドウ』の必死な言葉に蓮子は動かされたのか、強い瞳を再び取り戻し涙を拭き、ダメージチェックに入る。

すると捲れたのはラヴィング・ヒーラー、ヒールトリガーであった。

これでまだファイトは分からなくなった……が、未だダメージチェックが1回残っている、この1回が全てを決する、そんなダメージチェックが。

 

「まだ諦めないとは……」

 

「……アンタなんかに諭されるなんて、この超絶美少女で、成績優秀でスポーツ万能、才色兼備で完璧過ぎる宇佐見蓮子様の一生の不覚よ!

あーイライラする、何で私は弱気になってたのよ、まだ全部終わってないのに‼︎」

 

すると蓮子は何時もの調子を取り戻したのか饒舌になり、『シャドウ』なんかに諭された事が一生の不覚、恥として頭を掻き毟り唸っていた。

それを見たブロントさんや麟、魔理沙達は不思議と笑みが零れ、静寂の空間に笑い声が響き始めていた。

 

「クッ、ハハハ、そうだな、お前はそんな調子が何時も通りで違和感無いなと関心が鬼なったぞ蓮子!」

 

「はい……うふふ、本当に貴女は不思議な人ですよね」

 

「全くだ、お前みたいな変わりもんは余り見ないぜ!」

 

「いや〜我が姪っ子がこんなにも素晴らしい後継者となるとは…………あ、不思議と涙出て来た」

 

「貴様らブーメランと言う言葉を知らんのか!」

 

「お前が言うな、モケーレ・ムベンベ!「な、蓬莱山貴様……うー!」」

 

「な、何が……何故さっきまで全てが終わっていたのに、こんな空気に⁉︎」

 

そんな不思議でありふれた光景を目の当たりにした修正力は何が何なのか理解出来ず困惑していた。

そう、理解出来ないのだ。

所詮この修正力はメリーの中にあるモノ、それがイレギュラーな事態に対応すべく人格を形成した『だけ』の仮初めの存在でしか無いのだから。

 

「アンタには分からないでしょうね、私の抵抗を、親友を取り戻そうとする戦いを茶番だの喜劇だの無駄な足掻きだの能書き垂れるアンタにはね!

私達の……たった1人の親友を失いたく無いって気持ちが、ただ一緒に居たいって他愛の無い想いが、分かる訳、無いわよ‼︎『探索者(シーカー) ラヴィング・ヒーラー』『治』

ヒールトリガーゲット、人間舐めんなよ運命‼︎」

 

探索者(シーカー) ラヴィング・ヒーラー』『治』

蓮子:ダメージ:6→5

アルフレッド・エクシヴ:P16000+5000=21000

 

人間の事を理解し切れない修正力に対し蓮子は強い口調でお前には理解出来ないと言い切りながらダメージを捲り、2枚目の……デッキにある4枚中3枚目のヒールトリガーを引き当てた。

それによりイメージ世界の暗雲が切れ、その隙間から月の光が漏れ出しアルフレッド達を照らした。

希望は繋がりファイト続行が決定され、このファイトの行方が再び分からなくなってしまっていた。

これには修正力も狼狽し、あり得ない事態に対応し切れていなかった。

 

「そ、そんな、バカな……此処で2枚のヒールトリガーを引き当てるなど、運命の流れには……‼︎」

 

「……そうか、貴様は運命の流れ、その修正力、故に運命の流れを見てこのファイトの結末が分かった気でいた訳か……ふっ、だとしたら貴様は運命の修正力と名乗るにはお粗末極まりないな、何故なら運命などほんの些細な事象で流れが変わる。

そして、最後までその運命を見たか、途中で見るのを止めて無いか?」

 

「レミリア・スカーレット……!「さあ、アンタのアタックは⁉︎」

ちっ、ジジのブースト、アンバーでアタック、スキルでセルディックをデッキボトムへ‼︎

ウルニギンのスキルで『クロノジェット』がヴァンガードに居るのでCC(カウンターチャージ)(1)、ギアホークとギアウルフのスキル発動!

そしてギアウルフでアタック、パワーは27000‼︎「モドロンでガード‼︎」

ターン、エンド……こんな事はあり得ない、こんな事は、絶対……‼︎」

 

アンバーVSエクシヴ:9000+5000VS21000=ガード成功

セルディック:デッキ送り

ギアウルフ:P10000+3000=13000

ギアホーク:P9000+5000=14000

ギアウルフVSエクシヴ:13000+14000VS21000+10000=ガード成功

修正力:ダメージ:4/5 手札:3(非公開手札0)

蓮子:手札:5(非公開手札2)

 

狼狽する修正力にレミリアは運命を操る吸血鬼として運命に触れて来た者の言葉を挑発として投げ掛け、修正力を名乗っているにも関わらずこの様と目を閉じ笑い、これには修正力も頭に来たらしく睨んで来る。

しかしまだターンは終わっておらず、アンバーとギアウルフでアタックするも結局蓮子はトリガーで引いたクリティカル1枚だけ使い凌ぎ切り、終わってみれば修正力のガード値は最大で20000、蓮子が双闘(レギオン)し、適当にアタックしただけでも勝てそうな、そんな手札でしか無かった。

 

「さあ蓮子、ナイトのPTメンとして力を発揮しても良い時だぞ!」

 

「ガツンと決めて下さい!」

 

「そいつに反撃するチャンスは与えないで!」

 

「お前なら、さっきのを凌いだお前ならメリーを救えるさ、行け蓮子‼︎」

 

「皆……ええ、勿論よ、スタンド&ドロー‼︎

…………このカードは」

 

ブロントさん、麟、菫子、魔理沙が最後の声援を掛け、蓮子の気合をMAXまで入れさせる。

蓮子はこの声援を、チームメイトや魔理沙、見守ってくれてる者の無言の応援を受け、そして……癪には触ったが、自分の心を持ち直してくれた『シャドウ』、その言葉を支えにカードをドローした。

すると、手札に加わった1枚は……『シャドウ』が贈った1枚、自分の今のボロボロの布陣を再び万全な態勢にする1枚だった。

しかもアルフレッド・エクシヴへの再ライドが活き、コストが高いスキルも全部支払える様になっていた。

それを引いた蓮子は改めて『シャドウ』を見る。

そしてそれを察した『シャドウ』は仏頂面ではあるが、強い意志を目を宿しながら頷き、迷わず行く様に促していた。

 

「……本当にアンタは癪に触る奴だからまだぶっ飛ばしたいけど……今は1発分チャラにしてあげるわよ。

さあ、このカードで幕を引くわよ‼︎

彼方より出でよ、神秘なる守護神竜‼︎

ライド、グレード4、『アークセイバー・ドラゴン』‼︎」

 

アークセイバー・ドラゴン:P13000、C1

 

蓮子はこの贈られたカードで決着を付けるとし、その1枚にライドした。

それは、『ソウルセイバー・ドラゴン』や『探索者(シーカー) シングセイバー・ドラゴン』、それらの守護竜の上位存在にしてユナイテッド・サンクチュアリを未だその神秘の力で守り抜く竜。

現れた瞬間全ての暗雲が消え去り星空と月が空一面に現れる、そんな神秘を体現せし超越生命体の一種、アークセイバー・ドラゴン……ブロントさん達でさえ見た事が無いカードだった。

それを見た修正力は驚き、目を見開いていた。

 

「な、アークセイバー・ドラゴン……何故そのカードが此処に⁉︎

そのカードは、この幻想郷にはあの1枚しか無いカードの筈、何故貴女がそれを⁉︎」

 

「へぇ〜そんなレアカードなんだ、サンキュ『シャドウ』、有り難く大切に使ってやるわよ」

 

「そうしてくれ、でなければ持ち出し許可を出して頂いた藍様や(ちぇん)に殺される」

 

アークセイバーはどうやら幻想郷にはたった1枚しか無い特殊なカードであり、『シャドウ』の言からすれば八雲家が管理し世に放たなかったらしい。

その為魔理沙やブロントさんや麟やレミリア、輝夜や霊華でさえ見た事が無かったのだ。

因みに菫子は外の世界でも余り見ない珍しいカードの一種であり、スキルは派手ではあるがグレードやスキルコスト関係で使い辛い、コレクション用カードだと認識していた。

するとアークセイバーにライドし、その姿がイメージ世界に完全に現れた直後に観戦者全員がそのイメージ世界に強制的に入り、自身のエースユニットにライドしその戦いを見守れる隣のビルに立っていた。

 

「ぬお、これは⁉︎」

 

「うわ、イメージ拉致!

しかも私ら全員自分のエースにライドしちゃってる⁉︎」

 

「どうやら、蓮子の強きイメージとアークセイバー・ドラゴンが共鳴し、我々をイメージ世界へと誘ったらしいな」

 

それぞれ青天の騎士 アルトマイル、ラナンキュラスの花乙女アーシャ、宇宙の神器 CEOユグドラシル、抹消者(イレイザー) ガントレッドバスター・ドラゴン、ブラスター・ダーク ‘‘Diablo’’、オルターエゴ・メサイア、『ペンタゴナル・メイガス』、『バトルシスター じゅれ』にライドしながら状況を把握し、ファイトの方を見やる。

すると目に光が無いクロノジェットが狼狽し、アークセイバーがそれを見下ろす構図となっていた。

 

「くっ、八雲藍……橙……そしてブライト、貴様……‼︎」

 

「ブライト?

…………あー、アイツの本名ね、了解了解……アークセイバー、スキル発動‼︎

メインフェイズ開始時、CB(カウンターブラスト)(3)、SB(ソウルブラスト)(3)を支払い、デッキ、ダメージ、ソウル、ドロップゾーンから1枚ずつ、合計3枚まで選びスペリオルコールする‼︎

ダメージゾーンよりシンリック、デッキからセルディックを‼︎

そしてソウルから…………立ち上がれ、私の、私達の分身‼︎

ブラスター・ブレード‼︎」

 

蓮子は修正力が八雲藍や橙、そして『シャドウ』……ブライトに対して完全に怒り心頭であり、今にも睨んで殺す様な剣幕を張りそうになりながら、しかし何とか冷静さを保とうとするのこの状況をチャンスだとし、更にブライトが本名だと理解して頷きながらコストを支払う。

すると、ダメージ、デッキ、ソウルからそれぞれユニットが現れアークセイバーの下に集い己が武器を天高く掲げた。

そしてその中には蓮子の分身、そして……ブライトの分身だったブラスター・ブレードがより一層強き光を受け立っていた。

 

「ブラスター・ブレードのスキル、CB(カウンターブラスト)(2)を払い、相手のグレード2以上のリアガードを退却‼︎

退却せよアンバー、バースト・バスタァァァ‼︎」

 

「アグッ⁉︎

アンバーが……⁉︎」

 

「これで奴のシールド値は合計でも15000である事は確定的に明らか‼︎」

 

「宇佐見蓮子、行け‼︎

お前の想いを、運命などと言うくだらぬ楔に負けぬ強き意志を奴に叩き付けろ‼︎」

 

『蓮子/蓮子ちゃん‼︎』

 

アンバーが退却した事で残りのガードはトリプルドライブで引いたカードのみとなりブロントさん達は蓮子に修正力へのトドメの一撃を刺す様に声を張り上げた。

アークセイバーにライドしていた蓮子はいつの間にか皆同じイメージ内に居た事に驚きながらも、直ぐ様クロノジェット・ドラゴンに視線を向き直しアークセイバーによる攻撃を敢行する。

 

「シンリックのブースト、アークセイバー・ドラゴンでアタック‼︎「メーザーギア、スモークギアでガード‼︎

まだよ、まだ私は‼︎」

いや、アンタの負けよ‼︎

ツインドライブ‼︎『未来の騎士 リュー』『☆』『未来の騎士 リュー』『☆』

ゲット、クリティカルトリガーダブル、私の本命はこっち‼︎

私達の分身、ブラスター・ブレードに全て付与‼︎

これで合計は26000、クリティカル3、もう一度言うわ、アンタの負けよ‼︎

ブラスター・ブレード、アタック‼︎「な、な、な、あぁぁぁぁぁぁぁぁ……‼︎『クロノジェット・ドラゴン』」

 

アークセイバーVSクロノジェット:13000+7000VS11000+5000×2=ガード成功

ツインドライブ『未来の騎士 リュー』『☆』『未来の騎士 リュー』『☆』

ブラスター・ブレード:P9000+10000=19000、C1→3

ブラスター・ブレードVSクロノジェット・ドラゴン:19000+7000VS11000=ヒット

ダメージチェック『クロノジェット・ドラゴン』

修正力:手札:1 ダメージ:6(8) LOSE

蓮子:手札:7(非公開手札2) ソウル:0 ダメージ:0/5 WIN

 

蓮子はアークセイバーのアタックは防がれてしまうと考え、トリガーは元からブラスター・ブレードに振る気だった。

修正力はが如何にヴァンガードのアタックを防ごうが自らの分身のアタックを確実にヒットさせる様にし、更に引いたのはクリティカルトリガー2枚。

これにより修正力の敗北は確定的となり、そしてヒールトリガーも残り1枚しか無いにも関わらずクリティカル3となったブラスター・ブレード……2枚の未来の騎士 リュー、蓮子とメリー、2人の未来を掴むと言う暗示を示したトリガーが乗った光の騎士のアタックを受け、修正力はダメージが合計8枚、どう転ぼうとも蓮子の勝ちとなった。

全てのコストリソースを使い切り、遂に蓮子はこのファイトを制し、未来への希望を繋ぐ確かな道を作り上げたのであった。

 

「……メリー……今から……!」

 

そう呟きながら全員イメージ世界から現実へと引き戻され、修正力が地に伏せながら敗北が認められないと言った表情を見せながら地面をじっと見ていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夢、再び夢の中。

女性は幻想達が生きる楽園を作り上げ、寿命で亡くなった初代巫女の墓を訪れ花の妖怪から頂いた花々を添えていた。

少女はその風景を見ながら、女性が境界の中に視線を送り何か調べている事に気付く。

その境界の先ににあった風景は、自分と親友が生きた世界、それと全く同じ風景が幾つも並び、そのどれにも自分と親友が居た。

しかし、その風景の最期はいつも決まって少女が女性となり、あの嘆きの一時に繋がってしまうものだった。

女性は理解した、自分が興味本意でこの力を安易に使い、妖怪としての自分が世に生まれ、人間としての自分が消えたあの時より最期はそうなる、そんな運命の流れが決定付けられてしまったと。

女性はまた嘆いた、いつか生まれる未来の過去の自分自身、そしてその親友に懺悔し涙を流した。

涙が枯れ果て、妖怪としての面が強くなっても彼女は懺悔した。

少女は理解した、目の前のこの人物は1番初めの『彼女(ワタシ)』であったと。

その後悔の念はどの世界の彼女(ワタシ)に受け継がれてしまっていると。

 

「……蓮子……ごめんなさい、私の所為で貴女を……ごめんなさい……‼︎」

 

少女はそれらを理解し、親友に懺悔をするのであった。

 




此処までの閲覧ありがとうございました。
ファイトの結果は、蓮子の勝利となりました。
『シャドウ』が渡したアークセイバーはこれからも蓮子が使います。
ファイト内容は実は当初、アークセイバーは使わない予定で話を作っていました。
が、アークセイバーを使い始める場面は此処位が妥当なラインだなと思い、予定を少し変えてアークセイバー使用の流れにしました。
最後に少女が見た嘆きの夢……それらを知り少女は後悔していますが、蓮子はそれを知り如何するかは次回に……。

次回もよろしくお願い致します、よろしければ感想、指摘をお願い致します。

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