今回は前編で、長めの話になってます。
では、本編へどうぞ。
蓮子と『シャドウ』、2人は無言のままデッキをシャッフルし、そのまま手札を入れ替残るはスタンドアップだけになる。
「ねぇねぇブロントさん、麟?
これ良いのやらせて?
彼が何か手立てあるならこう物理的に締めて吐き出させるとか」
「無駄だろうな、アイツは恐らくこうやって揉め事になるのがミエミエなのに顔を出した、つまりは蓮子と一戦交える事も織り込み済みである事は明白に明瞭の事実。
もしも何もなく手段を口にさせるのであれば、それこそさっき蓮子がOK出す以外に無かっただろうな(確信)
だから今から何をやろうと口を割らないな」
「そしてファイトになる今、互いに手を抜くなどあり得ないでしょう。
そう、お互いの全てをぶつけ合う……其処に一切の手抜きを加える余地は無いのです」
しかし菫子は、今までの経緯を聞いていても今はそれ所では無く猫の手だろうが何だろうが借りたい時の為、締め上げてでもその場で手立てを口にさせられないか他の2人に聞くと、何もなく穏便に済ませられる瞬間は蓮子が真っ先にOKを出す以外に無かったとし、またファイトになった今は蓮子と『シャドウ』は手を抜くなどあり得ないとまで予想し、このファイトを見守るしか出来なかった。
「…………」
「(確かにメリーを手早く助けたいならコイツとファイトしている余裕なんて無い。
ファイトせずにコイツの手を借りるのが1番無難な道だって分かる。
でも、それでも私はコイツの手を借りるのに蟠りを持っちゃう!
そんな蟠りを持ったままメリーを救う自信は無い……なら、1番良い方法はこうやってぶつかり合って今手を組む蟠りを消すだけ‼︎)
……さぁ、行くわよ‼︎」
『スタンドアップ・「THE・」ヴァンガード‼︎」
そうして蓮子と『シャドウ』はFVをスタンドアップさせ、ファイトを開始。
蓮子は『シャドウ』が取り出したデッキケースが黒では無く白かった事から、月で戦った時のデッキとはまた別の、恐らくサグメが言っていたクレイの生物として生まれ変わった新生〈リンクジョーカー〉を中心にした物と考えていた。
その考えは的中し、『シャドウ』のFVは『
「『ネオンメサイア』!」
「それがアンタのもう一つの……『道標の賢者 エルロン』!」
ネオンメサイア:P5000、C1
道標の賢者 エルロン:P5000、C1
『シャドウ』のFV、ネオンメサイアを見た瞬間その名と姿に反応する者が観戦者の中に居た。
それはかつて、
「メサイア……⁉︎
あのユニット、まさかハーモニクス・メサイアに連なるユニットなのでは⁉︎」
「ハーモニクス・メサイアって何?」
「惑星クレイの調和と秩序の神、クレイを支えクレイの危機に目覚め力を振るう救世の神様だ!
アイツ、何故そのメサイアと同じ名を持つユニットを……?」
菫子はその現場に居合わせなかった為メサイアの名を聞いてもピンと来なかったが、ブロントさんの説明で何となく存在は理解し、そんな神と同じ名を持つユニットを使う『シャドウ』……偽りの名を名乗る青年に少し疑問が生まれ、このファイトを静かに見ようと考え始めていた。
そうこうしている内に2人のファイトはスピーディに進み、蓮子は『ブラスター・ブレード』にライドし、『シャドウ』はグレード3のユニット、『オルターエゴ・メサイア』にライドし攻撃をしていた。
「ツインドライブ!『デスティニー・ディーラー』『超弦理論の愛し子』『引』
ドロートリガーゲット、パワーは『重力井戸のレディバトラー』に与え1枚ドロー!「ダメージチェック!『
ダメージ回復、パワーはブラスター・ブレードに‼︎」
『サクリファイス・メサイア』のブースト、重力井戸でアタック!「ガード‼︎」
ターンエンド!」
『シャドウ』:ダメージ:2 手札:6
布陣
重力井戸 オルターエゴ R
サクリファイス ネオンメサイア R
蓮子:ダメージ:2 手札:6 ソウル:0
布陣
ベノン ブラブレ R
ミロン エルロン R
以前はこの後に速攻を決められ、蓮子の惨敗で終わったがあの時と違いデッキが違ったり、蓮子の引きの良さもアップしており取り敢えずはこの段階で『シャドウ』が黒のデッキを使っても負けない様にはなっており、また白のデッキはどんな戦略を取るか不明だがその分慎重且つ攻める時は攻めてる為今は静かながら互角の勝負になっていた。
「私のターン!
勇気を剣に、希望を盾に進め!
ライド、『光源の
エルロンのスキル、
ミロンのスキル、
更に『救国の賢者 ベノン』をコールして
もう一度ミロンをコールして更にコストを払い1枚ドロー‼︎
そして今、ドロップゾーンのカードは4枚以上となったのでシークメイト発動‼︎
『せぶるみー・
アルフレッド・エクシヴは
光源の
救国の賢者 ベノン:P8000、C1
護国の賢者 ミロン:P6000、C1
蓮子:手札:7 ソウル:0 ダメージ:0/2
蓮子はアルフレッド・エクシヴにライドし、手札をミロンのスキルを使い実質消費0にしつつ
「コール、『爛漫の
バトルに移行、ミロンのブースト、ベノンで重力井戸をアタック!「ノーガード」
アルフレッド・エクシヴとブラスター・ブレード・
ツインドライブ‼︎『未来の騎士 リュー』『☆』『
クリティカルトリガーダブル、全てセルディックにプラスするわ‼︎
セルディック、アタック‼︎「ノーガード、ダメージチェック!『ダークメタル・カメレオン』『サクリファイス・メサイア』『綻びた世界のレディヒーラー』『治』
ヒールトリガー、ダメージ回復‼︎」
ターンエンド‼︎」
爛漫の
ベノンVS重力井戸:8000+6000VS9000=ヒット、退却
アルフレッド・エクシヴVSオルターエゴ:22000+6000VS11000+0=完全ガード
ツインドライブ『未来の騎士 リュー』『☆』『
セルディック:P9000+10000=19000、C1→3
セルディックVSオルターエゴ:19000+6000+3000VS11000=ヒット
ダメージチェック『ダークメタル・カメレオン』『サクリファイス・メサイア』『綻びた世界のレディヒーラー』『治』
シャドウ:ダメージ:5→4 手札:4
蓮子:手札:8
蓮子は『シャドウ』のリアガードを減らしつつダメージもダブルクリティカル込みで3枚与えて一気に畳み掛けるも、対する『シャドウ』はダブルクリティカルでヒットしていたら更に痛手を被るアルフレッド・エクシヴのアタックのみを防ぎ、ダメージもヒールトリガーを引き当てる事で押さえ蓮子にファイトの流れを持って行かせる気は全く無く、寧ろ完全ガードでドロップする手札も計算して次から反撃に入る準備すら整えている程だった。
「ファイトにはその者の全てが表れる……成る程、こちらの予想を更に上回るのみならず予想の斜め上にすら行きこちらを追い立てるか……確かにこれならばマエリベリー・ハーンを救う可能性があるな……だが、実力はあっても其処に注ぐ想い、覚悟は如何なるものかな!
スタンド&ドロー、Gゾーン解放、コストは『デスティニー・ディーラー』‼︎
『スノーエレメント・ブリーザー』、ストライド・ジェネレーション‼︎
オルターエゴの
更にコール、『ダークメタル・カメレオン』、『中性子星のレディガンナー』‼︎
レディガンナーのGB1、ダークメタルを
『アレスター・メサイア』をコールしGB1、『メサイア』のヴァンガードが居るならコール時にパワー+2000とスキルを与える‼︎」
スノーエレメント・ブリーザー:P15000+11000+5000=31000、C1
ダークメタル・カメレオン:P7000、C1、
中性子星のレディガンナー:P11000、C1
アレスター・メサイア:P9000+2000=11000、C1
『シャドウ』:ダメージ:3/4 手札:1
布陣
アレスター ブリーザー 中性子星
サクリファイス
【●】:
蓮子:
布陣
ミロン ミロン ミロン
「自分のリアガードを
わざわざこっちに
『シャドウ』は蓮子のファイトを見て自分の予想を超える実力が身に付き自分を負かそうとしているとし、しかし精神面の成長は如何なる物かと測るべく
その動きに際したユニット達のスキルを見た蓮子、麟達は味方リアガードを使用不能状態にする
「([‘‘
〈リンクジョーカー〉とか『エイゼル』、『
さて、蓮子は気が付くか?)」
ブロントさんは『シャドウ』のユニット達を考察し、その動きから次に何をするかを予想……否、確信しながら蓮子がそれに気付き何かするかを見る為注目する。
そうした中でバトルフェイズが始まる。
「中性子星、ヴァンガードをアタック!「『誠実の
ブリーザーでアタックしスキル発動、Gゾーンのカードを1枚表にしてパワー+5000!「36000……ノーガード!」
トリプルドライブ!『アローザル・メサイア』『超弦理論の愛し子』『引』
ドロートリガーゲット、1枚ドローしパワーはアレスターへ!『ブリンクメサイア』『☆』
クリティカルトリガーゲット、クリティカルはヴァンガード、パワーはアレスターへ!「ダメージチェック!『ブラスター・ブレード・
サクリファイスのブースト、アレスターでアタック!「ダメージチェック!『
ヒールトリガー、ダメージ回復‼︎」
流石に5ダメージまで行かないか……アレスターの追加スキル、アタック終了後に自身を
更にサクリファイスのGB1スキル、リアガードが
そしてエンドフェイズ時に俺の
中性子星VSアルフレッド・エクシヴ:11000VS11000+5000=ガード成功
ブリーザーVSアルフレッド・エクシヴ:31000+5000VS11000=ヒット
トリプルドライブ『アローザル・メサイア』『超弦理論の愛し子』『引』『ブリンクメサイア』『☆』
『シャドウ』:手札:4→5 ダメージ:2/4→3/4
ブリーザー:C1→2
アレスター:P11000+10000=21000
ダメージチェック『ブラスター・ブレード・
アレスターVSアルフレッド・エクシヴ:21000+7000VS11000=ヒット
ダメージチェック『
『シャドウ』:手札(エンドフェイズ時):6 ダメージ(エンドフェイズ時):3/4→4/4
蓮子:ダメージ:3/5→3/4 手札:7
布陣:ベノン、セルディック、ヴァンガード後列ミロン
『シャドウ』は攻撃の為に手札を一気に使い蓮子を追い立て、その上でドロートリガーもあったとは言え使った手札を回復し切るだけでなく終わってみればターン開始よりも手札が1枚多く増え、更にCBコストも2枚分使っていたがこれもブロントさんや蓮子の予想通りあった
この事はファイトを見ている全員も肌で感じ、ジッと『シャドウ』を見つめるのであった。
「スタンド&ドロー‼︎(今ので分かった、コイツの本当の実力が……でも‼︎)
今度はこっちの番よ‼︎
アルフレッドをコストにGゾーン解放!
ストライド・ジェネレーション、『転生竜 ホーリースクワイヤ・ドラゴン』‼︎
ホーリースクワイヤのスキル、Gゾーンの同名カードを1枚表にしてこのターン中リアガードにパワー+2000するスキルと……『
呪縛から解放されよ、ブレイク・オブ・ジョーカー‼︎」
転生竜 ホーリースクワイヤ・ドラゴン:P15000+11000=26000、C1
蓮子:全リアガード:P+2000、
「おお、あのGユニット
これなら後1回分だけだけど
「ホーリースクワイヤの神秘のベールに包まれていたスキルが遂にカーテンコールして披露宴を迎えた事でアワレにも〈リンクジョーカー〉はその特性をガンメタされてしまい「強すぐる……」「こんなんじゃ勝てるわけがない」と諦めが鬼なりアイツも余裕の表情が崩れ醜い顔になって「今、
ホーリースクワイヤのスキルにより蓮子の
そして
「……やったわよ、それがどうした訳?」
「いや、オルターエゴのスキル発動条件がしっかり成されたかを確認しただけだ…………オルターエゴ・メサイアのGB2スキル発動‼︎
自分、又は相手のリアガードが
このスキルは自ターン、相手ターン問わず発動する、よってコストを2回分払い2枚ドロー‼︎」
シャドウ:ソウル:3→1 手札:6→8
何と蓮子が発動させた
このスキルの存在は蓮子達には想定外だったらしく、『シャドウ』のガード力は手札2枚分増えた為強固となり、全員驚愕し汗が滲み出てしまっていた。
「そ、そんな……
「それ、まるで『
と言うか、ターンもどっちのリアガードも関係無く発動させられるならなんで……」
「(や、やられた……アイツ、さっきのエンドフェイズ時にもブリーザーのスキルによってGB2になり、発動条件が揃っていたのに態々蓮子のターン、しかもホーリースクワイヤ・ドラゴンと言う蓮子の新たな切り札のスキルを逆用してGB2スキルを発動させやがった……!
お前、このファイトに今のお前の本気を、本当の本気を出して来たのか…‼︎)」
ブロントさんは何とか頭を冷静にさせ先程の『シャドウ』……ブライトのやり口を分析し、こちらの反撃ムードを全て一掃し一気に劣勢の雰囲気を醸し出させる様に仕向ける心理戦まで仕掛けて来たとし、ブロントさん……否、ファイトをしてる蓮子自身や麟、菫子すら肌で感じたこの目の前の青年がこのファイトに全身全霊を、今まで自分達には見せなかった物まで使った本当の意味での本気で臨んでいると察してしまった。
そしてそんな青年が本気を出す意味もこのファイトをした理由と合わせて察してしまう……が、蓮子は最後までファイトを続けると頭を切り替え、キッと目の前の青年に鋭い視線を向けユニットに手を掛け始めた。
「手札が増えるのがなんだ、
ミロンのブースト、ベノンでアタック‼︎
私のリアガードは全員パワー+2000されてるので合計18000よ‼︎「ノーガード、ダメージチェック‼︎『重力井戸のレディバトラー』」
ホーリースクワイヤ・ドラゴンで、オルターエゴ・メサイアをアタック‼︎
私は、私はメリーを助けたいのよ‼︎
だからこんなとこで足踏みする訳には行かない、アンタを必ず踏み越えてやる‼︎
いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
イメージ世界にてベノンの魔法がオルターエゴ・メサイアに直撃し、残り1ダメージで勝てる様になり、ホーリースクワイヤ・ドラゴンに憑依した蓮子はオルターエゴに叫びながら突っ込んで行き、その拳を叩き込もうとした…………その時、蓮子は突如ユニットへの憑依が剥がれ、真っ白な何も無い空間に出てしまい拳が空振りしよろけてしまう。
「っとと!
……えっと、此処は?
イメージの中、の筈なんだけど……一体何なのよこれ?
真っ白で何も無いし、ファイト中だったのに……PSYクオリアを発動させても無いのにこんな…………あっ!」
事態が全く掴めず困惑する蓮子は周りを見渡しながら落ち着こうと考え始め、こうなる前にPSYクオリアを発動させていたか否かも思い出しつつ視線を泳がせる。
すると蓮子の視界に誰かの後ろ姿が映り込み、誰なのか確認すべく近付いて行った。
その後ろ姿の主は、何とさっきまでファイトをしていた『シャドウ』その人だった。
蓮子はまたこの青年が何かしたのかと思い詰め寄り始める。
「ちょっと、一体何なのこれ!
またアンタが何かやったんでしょ、私を元の場所、イメージに戻しなさいよ‼︎」
「……そうか、これが…………悪いが宇佐見蓮子、これは俺の仕業じゃない。
寧ろ俺が巻き込まれた側だ」
「……はい?」
『シャドウ』に詰め寄り胸倉を掴みながら元に戻せと要求すると、胸倉を掴んだ手を払いながらその口から出た言葉は、自分の方が巻き込まれた側と言う自分が当事者では無いと言うものだった。
これには蓮子も呆気に取られ、更に事態が飲み込めなくなってしまう。
「えっ、えっ?
じゃあこれ誰がやったのよ?」
「……はぁ、俺がやらないでお前がこの場に居て、お前がやった以外に誰がやるんだ?」
「え、私?
いやいやPSYクオリアを使ってないしこんな力知らないわよ」
そんな中で『シャドウ』はこれを蓮子がやったのだと話し始め、当の本人はその説を否定し、引き起こす要因の一つだと思われるPSYクオリアも使っていないとし、更にそれ以外でこんな事を引き起こす力も知らないと手を振りながら話す。
すると『シャドウ』はじっと蓮子を見つめながら口を更に開く。
「ああ、お前はまだ知らないだろうな。
お前の力は外の世界では星と月を見て時と位置が解る眼であるが、この幻想郷の中では全く別の力を発揮する事を……そう、マエリベリー・ハーンの境界を視る眼が紫様の境界を操る程度の能力に変わるようになる事を」
「…………えっ?
アンタ、何を言って「それを今から説明する、幸いこの空間には時間の概念が無い。
よって幾ら話していてもこの空間が消えない限り本来の時間はお前がホーリースクワイヤ・ドラゴンのアタックをした所のままだからな」…………」
『シャドウ』は蓮子の自身の知らない事を、蓮子の持つ眼とは別の力を彼女が持ち、メリーの力が八雲紫の能力に変わった様に幻想郷でそれは発揮されると言い始め、蓮子は訳が分からずに居たが、それをお構い無く目の前の青年は話を続けようとする。
この空間に時間の概念が無い為幾ら話しても大丈夫と、矢張りこの空間などを色々知る素振りや言動を見せながら。
それらを聞いた蓮子は『シャドウ』の事は信用ならないが、何か情報を握っているならそれを話させるべきだと思い彼の話を聞く事に対し無言の肯定をするのであった。
此処までの閲覧ありがとうございます。
前編の最後は少し分からない様な終わり方をしましたが、メリーの話を消化したので次は蓮子の話にも予想がつく様にする為にこうなりました。
『シャドウ』……ブライト……偽りの名を名乗り、蓮子達に近付いた青年は何を話すのか、お楽しみに。
時間もよろしくお願いします、よろしければ感想、指摘をお願い致します。
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