ファイトを入れるか否か迷っていたら更新が遅れてしまい申し訳ありませんでした……。
今回も短めですが、次回は予め言いますがやや長くなります、その点はご了承下さい。
では、本編へどうぞ!
追記:この72話時点で本作掲載開始から約1年が過ぎていました。
ここまで続けていられるのも読者の皆様のお陰です。
本作を閲覧して下さってくれた皆様、本当にありがとうございますm(_ _)m
遂にファンタズムカップ予選が始まる時が迫り、蓮子達は主催者側と思しき者達三人と犬耳や烏の翼を生やした者達、白狼天狗や烏天狗達の目の前に行き、それと同時に紫がかった青髪の女性が前に出てマイクを持って話し始める。
「お集り頂いた諸君、恐らく知らない者は居ないだろうが私の名を敢えて言おう。
私はヴァンガードファイト普及協会『妖怪の山』支部の企画実行取締役『八坂神奈子』だ。
これよりヴァンガードファイトファンタズムカップ、妖怪の山予選の開会式を執り行う!」
『わぁぁぁぁぁぁ!』
企画実行取締役の八坂神奈子と言う人物が予選の開会式を宣言すると同時に集まった殆どの妖怪、人間が歓声を上げこの時を待っていたと言わんばかりの熱気が蓮子とメリーに伝わる。
ヴァンガードファイターとして日が浅い蓮子達でもこの場に集まったファイター達の思いを一瞬で理解して気を引き締めだし、真っ直ぐ神奈子の方を見る。
「さて、早速だがこの妖怪の山予選の説明を行う。
今から説明が終わってから1時間の間にこの『守矢コイン』を持って一般開放された妖怪の山全土に好きな様に散って貰う。
それからこちらから花火を打ち上げるのでそれが予選開始の合図とし、諸君らは制限時間3時間半以内にこの妖怪の山各所にに隠されたコイン、他のチームを探しコインをファイトで1枚でも多く奪い合って貰う。
ファイトでコインを賭ける際は全賭けか1チーム2回まで半賭けを選べ、その場で両チームが合意し、代表2人がファイトをし勝った方にコインが渡る。
全ての守矢コインを失ったチームはその場で脱落となる!
そして、予選終了時間に到達し再び花火が上がった際にコインをより1番多く集めたチームがファンタズムカップ本戦に出場する権利が与えられ、其処から頂点を決める闘いへと駒を進めれる様になるのだ‼︎」
「つまり、この場に集まった全チームによるサバイバル&バトルロワイヤル形式……‼︎」
神奈子の説明を聞きこの場に集まったファイター全員が固唾を飲み、周りを見て目を光らせる。
蓮子達も周りを見ていよいよ臨戦態勢に入り始めたと肌で感じていた。
そして神奈子は咳払いをし、再びファイター達の注目を集める。
「そして、我々主催者側は腕章を付けスペシャルファイター、又はお助け人としてこの予選に参加し、各チームはスペシャルファイターに一人につき1回挑む権利が与えられる。
挑戦者が敗北してもコインは失う事は無いが、諸君が我らに勝てば大量の守矢コイン、具体的には300枚を贈呈しよう!
お助け人は一人につき1回クイズを出題し、正しい答えを出せば最大50枚コインを与えてよう!
だが、我々も負ける気は一切無いしクイズを簡単に答える気は無いので気を引き締めて予選に臨む事を期待する。
なお空を飛んで相手を探すのは無しだ、監視の天狗が見つけ次第コインを没収して失格とする、以上‼︎」
『わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎』
そして神奈子は腕章を付けながら更なる説明を行い、腕章を付けた者は主催者側でありスペシャルファイターとして参加した者だとし、勝てばコイン300枚を得るチャンスがあると話し全ファイターを沸かせる。
それを聞いて蓮子達はスペシャルファイターに対しては如何にするかを考え出す。
「皆、スペシャルファイターを倒せば300枚コインが貰えるらしいけどどうする?」
「うむ、確かに一見すれば予選参加者側には一切デメリット無く挑めると思わず食い付きたくなるが実はこれには落とし穴がありスペシャルファイターは1りにつき1回しか挑めない不具合がある。
そしてこちらは何人スペシャルファイターが居るか、スペシャルファイターとお助け人の見分けもつかないのでコレガワカラナイと疑問が鬼なるだけで無く1回分ファイト時間をロストするデメリットがあり、更に制限時間はこの広い妖怪の山全土で3時間半、隠されたコインや他のチームからコインをGETしなければならないので意外と時間が無いのは明白に明らか。
なのでこちらが選ぶべきは主催者側は3回見つめてきても基本無視するべきそうすべき、下手なタイムロスしたくないならそうすべき」
「そうですね、時間制限がある以上迅速に行動する必要があります。
なら、スペシャルファイター達は残り時間が少なくなった瞬間に狙うしかありません」
「それが一番ね」
「下手なタイムロスは痛いからね」
蓮子が皆に話を聞くとブロントさんがタイムロス等のデメリットを話し、全員同じ意見としてスペシャルファイターの方は残り時間が少なくなった時を狙うとした。
「はいはーい、集まった皆の衆、このケロちゃんこと守矢の二柱が一人『洩矢諏訪子』のトコに集まれ〜。
今から守矢コインを配布するから早く来るんだよ〜!
コインを持ったらさっさと山の中に行くんだよ〜!
それから、チームメンバーと逸れた場合は各所にある鳴子を鳴らして監視役の天狗を呼んでチームメンバーの下に案内して貰いなよ〜!」
すると諏訪子と言うカエル目が付いた帽子を被った少女が集まったファイター達に声を掛け、守矢コインを配布し始める。
それを聞いて蓮子達も諏訪子の下に行きコインを受け取りだす。
「はいよ〜、守矢コイン1枚。
んじゃ頑張ってよ〜………おっ、ブロントさん達じゃないか!
いや〜君らがまさかこの予選に参加する……いや、ブロントさんはまたチームを組んでファンタズムカップに出るとはね〜。
いやはや、実に数年振りだね〜」
「おう諏訪子、今年は俺も新たなPTメンと共に至高の存在にヴァージョンアップする為にやって来たぞ。
ほれ、早く【コインをください】」
「あいよ!」
すると諏訪子とブロントさんは顔見知りだったらしくフレンドリーな雰囲気の中でコインを受け取り、ブロントさんは先頭に立って山の中へと行き始め、その後ろに麟、菫子、蓮子とメリーと続きどんどん進み出す。
「…………頑張りなよ、新しい『ブラスター・ブレード』の先導者と〈ギアクロニクル〉のファイターちゃん」
『っ⁉︎
えっ⁉︎』
「はいはい押さない押さない、コインはしっかりと配布してあげるからね〜」
だが、蓮子とメリーがすれ違う際に自己紹介もデッキも教えていない筈の諏訪子が蓮子のブラスター・ブレードとメリーの〈ギアクロニクル〉を言い当て、それに驚き諏訪子の方を見る二人だが諏訪子は次々と来るチームにコインを配布しとてもでは無いが何故自分らを知っているかを聞けない状態だった。
「蓮子……」
「そうね。
でも、少なくとも頑張れって労った辺りもしかしたら私達に余り……」
蓮子とメリーは諏訪子の方に後ろ髪を引かれながらも菫子やブロントさん達の方へ走って行き、そうしながら諏訪子の事を予想し、恐らくではあるが『シャドウ』の関係者の可能性が出て来るが、少なくとも彼と違い有無を言わさぬ敵意を向けず労いの言葉を掛けて来た為、其処から憶測ではあるが諏訪子は自分らには敵意は無いと判断し、この事は妖怪の山の中で一先ずスタート地点を決めてから話そうとし、ブロントさん達に追い付いたのであった。
「あやややや、まさか1チームとして参加した私達の前にブロントさんや麟さん、更には外来人と言う異色チームが現れるとは……」
「武者修行から帰って来たと聞いていましたが……ふふふふ、これは燃えて来ましたよ‼︎
あのブロントさんが相手なら私達も全力で向かうべきですよ‼︎」
そんなブロントさんや蓮子達を見る守矢コインを配布されたカメラを持った黒髪の少女と腋が出ている白と青の巫女服を着た緑の長髪の少女らが中心のチームが対抗心をその二人が燃やし出し、それに感化され他のメンバーもニッコリと笑いブロントさん達……チームファンタズマと闘う事を楽しみにしている様子を伺わせながら同じく妖怪の山へ入って行った。
その事を蓮子達はまだ知らずにいた……。
それから50分以上が経過し、蓮子達は適当な場所をスタート位置と決め、其処で花火が上がるのを待ちながら諏訪子の事をブロントさん達に伝えていた。
「成る程、諏訪子さん、つまり守矢も彼から二人の情報を得てるけど二人に特に敵意無しと判断したのね。
なら無視無視、大会に集中して勝つわよ!」
「だな。
もしも後ろから不意だまして来たらナイトの圧倒的な防御力で受け止めて「こんなにも才能の差がある敵を作りたくないので僕はあやまりますごめんなさい」と諦めが鬼させれば良い意見。
なのでお前ら安心して大会を楽しんで良いぞ(この辺の気配りが人気の秘訣かも)」
「そうね、敵意見せたら取り敢えずって感じでOKだし大会に集中するわ」
それを聞いた菫子とブロントさんは敵意を見せない諏訪子は無視して大会の方に意識を向ける様に言い、それに蓮子とメリーは同意し頷く。
そして菫子が腕時計を見ながら1時間経過まで後2分と呟き、全員それぞれ頭をファイト前の段階に持って行く。
そして。
「……3、2、1、『ドン、ボン、ボン、ボボォォン‼︎』時間よ。
予定通り花火が上がったからこれで予選スタート、早速行動開始よ!」
「OK、じゃあ先ずこの辺を探してコイン集めを「対戦相手みっけ‼︎」……はい?」
花火が上がり予選が始まる。
それから蓮子達はコインを集めようとした瞬間林の中から声がし、直後に人が3人現れ蓮子達は身構える。
そう、この予選に参加した他のチームの一つが偶然にも蓮子達の近くで予選スタートを迎え、声が聞こえた為こちらへやって来たのだ。
「なっ、こっちから声がしたから相手が居ただろ?」
「だな……さあファイトだ!
こちらのコインは1枚、そっちも1枚だろう。
負ければ半分も無い即脱落、恐れがないなら来い!」
そしてそのうち二人がデッキを構え前に出て来る。
蓮子達は遭遇した以上ファイトするしかない為、見合って誰が出るか決めようとしていた。
「うーん、誰が出る?」
「なら私!
新しいこのデッキの力を試したいわ!」
「ほむ、蓮子は決定として残り一人なんだが此処は麟に任せようと思った感。
元々麟がトーナメント戦の先鋒と決まっていたのでこの組み合わせが正しいか証明するべきだろうと俺は考えた、まぁ編成論でね」
「……分かりました、では私が行きます」
「OK、頑張んなさいよ麟、蓮子!」
すると蓮子が新デッキを試すと言い、ブロントさんが麟が先鋒に置いて正しいかとトーナメント戦の編成を見極める意見を出し麟も了承し、二人がファイトをすることとなりファイカからデッキを取り出し、ファイトテーブルを展開した。
「へぇ、あんたらが相手か。
まぁ俺らはさっさとコインを集めて予選突破してやるんだ、悪く思うなよ!」
「そっちこそ、新デッキの力を今発揮する時が来たから手加減無しよ!
モタモタしてたら置いてかれるから気を抜かないように!」
蓮子とその対戦相手は初めから闘う気を剥き出しにし、最初からフルスロットルでファイトをしようとする姿勢が見てとれ、麟とその相手は静かながらも本気モードであるとして闘気が放たれていた為、どちらも最初から最後まで気を抜かないファイトになると容易にイメージが出来てしまっていた。
『スタンドアップ・ヴァンガード‼︎』
そして各々がFVをスタンドアップさせ、ファンタズムカップ予選最初のファイトが遂に始まる。
ブロントさん、菫子、メリーは蓮子と麟の勝利を信じて見守り、当の二人はスタンドアップした瞬間にイメージを広げ始めたのであった。
場所は妖怪の山に似た一つの山、その中の森内部にて蓮子達は戦い始める。
「『道標の賢者 エルロン』!」
「『メカ・トレーナー』!」
「『春待ちの乙女 オズ』!」
「『ペンシル・コアラ』!」
蓮子は新たなFVをスタンドアップして〈スパイクブラザーズ〉のFVと対峙し、麟は〈グレートネイチャー〉のFVと対峙した。
二人はそれぞれの相手に全力でぶつかるべく手札を見て、頭の中で戦略を組み立てて行っていた。
そして…………それを遠くからブロントさん達にも分からない様に見ていた人物が居た。
「さて、あの子と麟さんがしっかりと勝ち私達と当たるか見させて貰いますかな」
その人物とチームメイトの正体、そして何故ブロントさん達とファイトをしたがるのか。
これが判明する時、それは最短でもこの大会中ではあるがそれは蓮子達が勝たなければ先ず無理である。
しかし、その人物達は敗北の可能性など皆無の様に、また自分らとファイトを必ずする事を確信して蓮子達を見ていた。
そう、まるでそれが当たり前かの様に…………。
此処までの閲覧ありがとうございました。
次回はファイト描写を入れますが、蓮子から先に描写して行きます。
次回もよろしくお願いします、よろしければ感想、指摘をお願い致します。
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