秘封先導鉄   作:”蒼龍”

72 / 105
お待たせしました、第71話目更新です。
今回も短めですが次回からは長くなる予定です。
それからお気に入り登録ユーザーが20人に、UAが4000突破致しました。
この数字はひとえに閲覧して下さる皆様、この小説を気に入って頂けた皆様のお陰です。
改めまして、ありがとうございます‼︎
これからも頑張ります!

では、本編へどうぞ。


第71話「邂逅と参戦」

博麗神社で霊華に出会い、彼女からカードを渡されたり交流を深めてから5日が経過し、その間にチームファンタズマは実力向上やチーム戦に於ける各々の役割(例えば麟が切り込み役、ブロントさんが中堅役など)などを決めて行き、予選を前日に控えた女子達は女子会として魔理沙の家に泊まり、ガールズトークをしていた。

 

「……でさ、私が咲夜にこう言ってやったんだ、『おまっ、サバ読みのサバと鯖味噌のサバ間違えてるよ!』てな!」

 

「あはは、咲夜って抜けてる部分があったのね〜」

 

「…………」

 

魔理沙が咲夜の少し天然な部分を話し、メリーや菫子、麟が笑みを浮かべている中、蓮子は少し気になる事があるのか魔理沙の話を全部聞かず、何かを考えている様子を見せメリーはそれが気になり蓮子に問い掛け始める。

 

「蓮子、どうかしたの?

何か会話に参加していないけど……」

 

「ああ、ごめんごめん。

いやね、今日のブロントさんが少し気になってね」

 

「えっ、ブロントさん?」

 

すると蓮子はブロントさんが少し気になると答え、他の女子達は一瞬恋バナかと思ったが、どうもそれとは違う意味で気になっている事を察し、それを深く聞き始める。

 

「今日のって、何かあったの?」

 

「何かって明確じゃないんだけど、ブロントさん今日は何かたまに周りをチラ見したりしてちょっと警戒度が普段以上、それこそ誰かに見られるって感じだったから気になってね」

 

蓮子は今日の昼間に共に女子会以外での予選前最後のチーム交流をしていたブロントさんが時折何処かに視線を送ったり、誰かに見られている様な、しかし良く観察しなければ分からない程度に隠した何時も以上の警戒的な様子が気になったとメリー達に話す。

 

「ブロントさんが今日そんな様子だったの?

…言われてみれば、そうかも…」

 

「ブロントさんが誰かに見られて警戒する……魔理沙、これは……」

 

「ああ、間違い無くアイツだな」

 

メリーが改めて思い返すと確かにその様な様子をブロントさんが見せていたと肯定し、すると麟と魔理沙が何か分かった様子とアイツと言う言葉を使い、菫子もああと言いながら頷いた為蓮子とメリーは『シャドウ』の事かと思い魔理沙達に詳細を聞き始める。

 

「ねぇ、そのアイツって『シャドウ』?」

 

「まさかアイツ、私達をまた?」

 

「いやいや、アイツじゃないよ。

もしもアイツだったらブロントさんにも分からない様に見てるし、仮にブロントさんが見つけてたら普通に〆るよ」

 

魔理沙はそれを聞いて首を横に振り、『シャドウ』ならばブロントさんにも分からない様に蓮子達を見ると言い、今までの『シャドウ』の行動などを蓮子とメリーは振り返ると確かにそんな気がすると思い、しかしそれなら誰が見ていたのかと思い魔理沙を見やる。

 

「ふ〜ふっふ、蓮子とメリーよ、世の中の男は皆譲れない物がある、コイツにだけは絶対負けたくない、絶対負かせてやるって言う相手が必ず一人は居るものなのよ。

つまり、ブロントさんを見ていたのはその負けたくない奴、ブロントさんが気にする程の相手……要はライバルなのよ!」

 

「ブロントさんの……」

 

「ライバル?」

 

すると菫子が眼鏡をくいっと一押ししながらブロントさんを見ていたのは誰かを結論付けながら話し、更にそれをライバルと言う言葉を使い分かり易くし、蓮子とメリーはブロントさんにもそんな相手が居る事を初めて知り興味を持ち出す。

 

「まぁそんなとこだよ。

でだ、このライバルってのはどんな奴かと言うとな……」

 

そして魔理沙もまた菫子の言葉に続き蓮子とメリーにそのブロントさんのライバルの事を話し始め、蓮子とメリーはこう言った話も好きなのか耳を傾けて興味津々に聞き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、ブロントさんは夜に人里の中を出歩き、目を閉じながらゆっくりと人里を回り、そしてとある大通り……但し、夜中の為誰も居ない、静かな場所で立ち止まり、其処で口を開け始める。

 

「もう分かっているぞ、一々汚い粘着な視線を送らないで出てこいよ。

今の時間なら貧弱一般人も寝静まって誰も邪魔に入らない効率的な時間だぞ」

 

ブロントさんは誰かに話し掛ける様に言葉を紡ぎ、返事が返って来ない夜の風景に独り言を余裕のある態度で話し、昼間から自分に視線を向けていた者……ブロントさんの中でたった一人しか該当しない気配と視線の主に対し自分の前に出て来る様に言う。

しかし、夏の夜更けに月明かりが綺麗な人里の中に、その言葉は搔き消え涼しい風だけが流れ、時間が1秒、また1秒と過ぎ去って行った。

 

「……どうした、ビビって出て来れない不具合があるのか?

ならやはり小汚くて効率厨な「ッハ‼︎『ガァァァンッ‼︎』…………やはりお前だったなと言う明白な結論だった、汚い忍者!」

 

すると突然ブロントさんが話している途中で、ブロントさんの長い首に向けて裏手に持った苦無を向け斬り付けて来る影が迫り、ブロントさんは瞬間的に反応し左手に盾を召喚しそれを受け止め、空かさず反撃としてブロントさんは右手に刀身が刺々しく、更に魔力を纏っていそう……否、秘めている片手剣『グラットンソード』を右手に装備し、斬り付け返すとその相手は更にもう一本の苦無を装備し受け止め、両者互いに押し返し距離が開きその影の人物も月明かりに照らされ姿がはっきりする。

しかしブロントさんは最初から分かっていた為驚きもせずただただその相手…………ブロントさんの往年のライバル、汚い忍者を見ていた。

 

「へっへっへっへ…………久し振りだなぁブロントォ〜!

どうやらこっちの腕も鈍ってないみたいで嬉しいぜ!

会いたかったぜ、てめぇが武者修行の旅に出てからずっとなぁ!」

 

「俺は別に会いたくもなかったしお前の顔を見なくて清正していたんだが帰って来てああやはりかと気分が悪くなったんだが?

博麗神社じゃただ見ただけで帰ったが今日は3回連続で見つめてきただけでなくひたすら陰から粘着してきて普段は笑顔な俺も思わず腕に血管が血走って手が出そうになった不具合になったいい加減にしろよお前。

いくらナイトがみんなのお手本で人気者でもお前みたいな汚い効率厨な奴は【呼んでいません、帰れ】」

 

「はっ、相変わらず訳分からない言語と

馬鹿みたいに自信過剰な態度、だがその実全く隙を見せず不意打ちを今みたいにわざと不意打ちを誘い迎撃する、やっぱてめぇは他の奴とは一味も二味も違う!

お前だけだ、お前だけが俺を熱くさせる。

俺の全神経と本能が常に超えるべき壁と認識してやがる……ああそうだ、てめぇはいつ何時も変わらねぇ、俺が倒すべき最強の宿敵だ……!!」

 

ブロントさんは汚い忍者の博麗神社での視線の件を引き出し、其処から今日の昼間でのストーキング行為や挑発と取れる視線も詳細に言い、汚い忍者から頻繁に行われる粘着行為に怒りの表情を見せ、また信条そのものも水と油の為そもそも会いたくないと言った上で帰る様に要求する。

しかし汚い忍者はそれを無視してブロントさんこそが自分を最高峰に燃え上がらせる宿敵と言い、今再会したこの瞬間を喜び、そしてブロントさんと今この場で闘ってしまいたいと昂り、そんな自身を来るべき時まで押さえようともしていた。

 

「だが、この場でやり合うのも良いがちょいと味気ねぇ。

そう、多くのギャラリーが集まる中でてめぇを倒し、俺がブロントと言う相手を明確に超えたと証明しなきゃならねぇ。

でなきゃ俺は真にブロントを超えた事にならねぇ…………どうせ出るんだろ、新しく出来たチームでファンタズムカップに」

 

汚い忍者はブロントさんにファンタズムカップに新しい仲間……恐らく蓮子、メリー、菫子と言う一度も共闘した事の無い者達を指し、博麗神社での光景を見てそう判断したのだろうとブロントさんは直感的に察し、しかしブロントさんも汚い忍者に一歩も譲らない様に食い下がる。

 

「はっ?

なんでお前みたいな汚い目線つけてみにくい表情が見えるお前にそんな事を教えなきゃならないのかと呆れが鬼なる。

そもももお前みたいに人に粘着する事しか能がない奴に個人情報を晒しても得があるのが0か100なら0なので教える気なんか無いと言う意見。

ならば俺はお前に言う事は何もないので話をする気は無いだろうなと言う事なので完 全 論 破 !」

 

「あっ、そう。

じゃあこっちは勝手に言うが俺らは地底の予選に出て本選を目指す。

精々俺以外の奴に膝をつく無様な姿を晒すんじゃねぇぞ。

それからウチの妹がてめぇの妹の世話になってる訳だから今後はこんな闇討ち紛いな真似はしないとだけ言っておくぜ」

 

ブロントさんはファンタズムカップに出る事を一切言わず話す気も無いと言い、話をそのまま切ると汚い忍者は地底の方の予選に出ると勝手に告げ、更に妹同士が仲が良い為か今後はこの夜様な事はしないと言って背中を見せる。

しかし、その後姿は全くと言って良い程隙は無く、不意打ちを仕掛ければ返り討ちに遭うと言うのが分かる為ブロントさんはそのまま汚い忍者を見送ろうとする。

だが……。

 

「……ああそうそう、宇佐見蓮子とマエリベリー・ハーンって奴、俺が大会で会ったら全力でぶっ倒す様に言われてるからそのつもりでいやがれよ」

 

「なっ、忍者お前何で蓮子とメリーの名を会って話した事も無いのに知ってるわけ⁉︎」

 

「うっはははは‼︎

それを知りたきゃ俺のチームに本選で勝つんだな‼︎

あばよ、ブロントォ〜‼︎」

 

汚い忍者は蓮子とメリーの名を口にし、更には全力で倒すと宣言した為ブロントさんはこの場で初めて驚いた表情を見せ、それに満足した汚い忍者は高笑いを上げながらその場を去る。

 

「…………まさか、汚い忍者もブライトの派閥に居るのか…………?」

 

ブロントさんがその場に残され、頭の中に生まれた一つの疑念を口にした後冷たい風が吹き、その短い髪を揺らす。

そしてブロントさんは、今考えても答えは出ない為そのまま帰宅し、明日の予選の為の睡眠をし集中しようと考えるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の朝9時、蓮子達は早速妖怪の山の麓に赴き、其処で蓮子とメリーは同じ予選に参加する多くの人間や妖怪が集まっている事に目を輝かせていた。

 

「お、おぉ〜!

何か結構人や妖怪が一杯居る!」

 

「これ皆参加者なの?

だとするとファンタズムカップは本当に人気の大会なのね」

 

「はい、何せ年に1回しか無い幻想郷全土を巻き込んだ超大型大会であり、幻想郷最強を決める大会ですので皆我こそはと参加して大会に名を残そうとするんですよ」

 

蓮子とメリーに麟はそう言い周りの人や妖怪は皆この大会で自らの名を幻想郷中に轟かせようとする者達であると言い、蓮子達はそれを聞き集まっている者達の目を見ると、確かにそうであると思わせる闘志を目に宿し、蓮子とメリーはこの場に居る者は皆予選が始まれば一斉にライバルになると悟り息を飲む。

そんな蓮子とメリーに対し、菫子はブロントさんの姿が無い事から昔からの遅刻癖がまた起きたと思い始めていた。

 

「それにしても、ブロントさんやっぱ居ないや。

あの人遅刻癖が抜けてないのね〜「俺がいつまでも常に遅刻しているというその浅はかさは愚かしい、ナイトは常にヴァージョンアップしているので遅刻もたまにしか無くなっている実績があるのだよ」ってうわっ⁉︎

ブロントさんいつの間に後ろに居たの⁉︎」

 

「あ、ブロントさん!

今日は珍しく大事な約束の時間に来ましたね♪」

 

「お、おいィ……なんか自然に毒を吐かれた気がしたんだが>>麟。

俺も大会は楽しみなので遅れない様に開場の9分前に来てたがその後に蓮子達を見つけたので近付いたと言った訳なのだが……」

 

その菫子の後ろからブロントさんが菫子に話し掛け、いきなり声を掛けられた菫子はビックリし飛び退いてしまう。

それに気付いた麟は特に裏も何も無い言葉を掛けるが自然な毒舌となりブロントさんの目を一瞬点にさせる。

そしてブロントさんは自分が来た時間を言い合流した所でチームファンタズマはいつでも予選に参戦出来る様になる。

 

『皆様大変お待たせしました、今から10分後にヴァンガードファイトファンタズムカップ予選の開会式が行われる。

参加される皆様はメイン会場となる広場へ集まって下さい』

 

「あ、アナウンス。

いよいよ始まるわね……!」

 

「みたいね……!」

 

そしてチームファンタズマが全員集合した直後にアナウンスが流れ、後10分で開会式が始まると言われ全員引き締めた表情を浮かべながら広場へと向かう。

これより先が蓮子とメリーの、チームファンタズマ最初の挑戦となる…………それに対する気合が十分入った蓮子達は幻想郷最強を決める大会に、この先如何なる強敵が待ち受けるのかと言う一定の緊張感を持って本格的に参戦するのであった。

 




此処までの閲覧ありがとうございました。
途中おい、ヴァンガードファイトしろよな場面がありましたがヴァンガードファイターならリアルファイトも出来なきゃ、ですよね?(思考停止)
さて、次回から予選が始まりますがそれ故にファイト回が多くなります。
なので、投稿も少し遅くなるかもしれませんが気長にお待ち頂けたら幸いです。

次回もよろしくお願いします、よろしければ感想、指摘をお願い致します。

キャラ設定を見たいですか?

  • 見たい
  • 見たくない
  • 次を早く投稿して

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。