前回の続きからとなっていますので前回を見ていない方は前回と合わせて見て下さいませ。
では、本編へどうぞ。
蓮子とメリーと霊華の変則ファイトが終わってから1時間後、霊華が昼食前にさっぱりさせる様に裏の温泉を開き、其処で蓮子達も一緒に入らせ、残った男性であるブロントさんは台所に立ち冷蔵庫などを開け、何が作れるかの確認をして料理に取り掛かっていた。
「うむ、野菜や豚肉やその他諸々ある上に霊華は俺たちが来る前に買出しをしていたのは野菜などの鮮度を見れば火を煮るより明らかだった。
流石に巫女の配慮は格が違った。
そしてこれらの具材を見てリア♀の長風呂の時間を考慮すればカレーだろうが作れるのが一般論だがナイトは料理スキルも青字なので此処は豚汁と混ぜご飯(ナイトのお手製)を作るだろうな。
確かにカレーはお手頃な料理なのでオススメなのだが捻りが無いのはミエミエなのでこんな見た目のヤツが作りそうに無い豚汁や混ぜご飯を作る事で俺の料理スキルが認可され皆の料理のお手本になる。
さて、そんな訳で豚汁と混ぜご飯をカカッと作ってやろう」
ブロントさんはカレーに使える具材を見てから豚汁と混ぜご飯を作る事にし、包丁を洗い野菜を切り始めたり混ぜご飯を作り始める。
その手付きは主夫然とした物で、料理を初めて作る者の動きでは無く何度も場数をこなして熟練の域にまで達したものが見て取れていた。
ブロントさんのこの姿を蓮子やメリーが見れば、自分達よりも料理を作るのが上手だと1発で分かり、少し女子のプライドが傷付いたであろう。
一方その頃、蓮子達女性陣は皆裏手の方の温泉に来ており、脱衣所で服を脱いだ後に身体や頭を良く洗ってから湯船に浸かっていた。
「あぁ〜、この温泉の湯気持ちいい〜」
「ホント、良い湯加減ね〜」
蓮子とメリーは丁度良い湯加減に惚けており、肩までしっかり入り、蓮子の方はデロ〜ンと言う擬音が出る様な気の抜けた表情を浮かべていた。
「あっはっは、気に入ってくれたなら幸いだよ。
いや〜私も2ヶ月振りにこの温泉に入ったけど、やっぱりこの湯は良いなぁ〜と我ながら思うよ」
霊華は蓮子達の反応を見て笑い声を上げ、その直ぐ後に背伸びをしながら湯を堪能し、石に背を掛けながらお酒を飲んでいた。
そして、麟や菫子、魔理沙も勿論温泉に入ってはいるが、魔理沙のみ何故か不機嫌そうな表情を浮かべながらメリーや麟、霊華に視線を向けていた。
「あれ、魔理沙どうかしたの?
もしかしてもう少し熱い湯が良かったの?」
「……そうじゃないって。
私が今思ってるのは羨ましいって事」
「えっ、羨ましい……?」
麟が視線に気付き、魔理沙の不機嫌そうな表情をどうかしたのかと聞くと当の魔理沙は羨ましいと答え、麟やメリー達は何が羨ましいのか分からず頭を傾げていた。
が、蓮子はその言葉を察し、メリーにそこはかとなく近付きながら口を開く。
「あ〜成る程、分かるよ魔理沙。
私も分かるよ」
「えっ、蓮子は分かったの?」
「ええ勿論よ。
そう、魔理沙が羨ましいって言った理由はね…………この温泉の湯にプカプカと浮いてるこの『メロン』が羨ましいって事なのよ〜!『モミッ』」
「ひゃぁぁぁぁぁ、れ、蓮子〜⁉︎」
すると蓮子はいきなりメリーの湯に浮かぶ豊満な胸を下からすくい上げる様に持ち、メリーはそれに対し顔を真っ赤に染めながらその手を直ぐ払い、両手で胸を隠していた。
「だよな蓮子、何で同じ女なのにこうも戦闘力に差が生まれちまうんだって私はいつも嘆いてるよ!
てか私の周りは麟もアリスもパチュリーも咲夜も皆大きいからこう言う場に来ると涙が流れちまうよ‼︎」
「分かるよ魔理沙、私もメリーとはすっごい差があってそれだけはメリーを羨ましいってずっと思って枕を涙で濡らしてるわ‼︎
確かに世の中には貧乳はステータスって言葉はあるけど、それでもね、もっと大きな胸が欲しかったのよぉ〜‼︎」
「ど、同志よ〜!」
そして蓮子と魔理沙は肩に手を掛け合いながら涙を流し、自分らの周りには巨乳が居て自分達は貧乳と言う現実に貧乳同盟を組み、女同士の固い友情を結び合っていた。
それを見ていた麟は苦笑し、メリーは胸を隠しながら話に付いて行けず、菫子は自分の胸と麟達の胸を見比べグッと羨ましさから拳を作ってしまっていた。
「胸が大きくて羨ましい?
あのねぇ魔理沙ちゃ〜ん?
胸なんて所詮脂肪の塊だしデカさが価値じゃない、授乳機能がしっかり備わってればそれで十分なんだよ?」
「……霊華さん、この面子の中で1番胸が大きいのにその言葉は説得力無いよ……」
「えっ、そう?」
すると霊華は魔理沙達に胸はどんな風になっていれば良いのかを説くが、この女性陣の中で1番サイズが大きな彼女が言っても説得力は無く、寧ろ魔理沙と蓮子は余計に悔し涙を流し密かに胸を大きさを気にしてしまっていた。
「…………私からしたら、蓮子のお腹周りやすらっとした足が羨ましいわよ…………」
「……えっ⁉︎」
するとメリーは蓮子に対し細いお腹周りや綺麗に伸びた足が羨ましいと言い、それに蓮子が驚きメリーの方をバッと見る。
するとメリーの視線は蓮子のお腹周りなどに向いており、蓮子はいきなりの返しに頭がフリーズしていた。
「…………えーと、女性には様々な悩みがあるって事でこの話は終わりましょう。
これ以上は多分堂々巡りになりますので…………」
『…………うん』
そして魔理沙達の間で微妙な空気が流れる中麟が話を終わらせようと提案し、霊華以外の面々はそれに同意し、その後は別のガールズトークをし先程までの空気を完全に彼方へと追いやらせて普段通りの状態に戻るのであった。
そして蓮子達が温泉から出て、ブロントさんが作った昼食を食べ終え(その際蓮子達は何故か女のプライドが少し傷付いたが)、丁度帰るまでにまだ時間がある為蓮子達は卓袱台にデッキをバラしながら並べ、魔理沙達のコレクションなども持って来てカードと睨めっこをしていた。
また、ブロントさんは(効果があるか不明だが)ドローやライドの練習をしていた(ギプスを付けながら)
「ドロー、ライド!
ドロー、ライド!!
ドロー、ライドォ!!!」
「…………えーと、ブロントさんは何か特訓中だから邪魔しない様にして、うーん……私はどんなカードを入れたら良いのか…………」
「私もあれから〈ギアクロニクル〉のカードが送られて来てるからまたデッキを改造しようかなって思ったけれど……」
ブロントさんの行なっている特訓に戸惑いながらも蓮子とメリー、特に蓮子の方はどのカードを抜き、どのカードを入れようかと迷い唸っていた。
しかも蓮子のデッキは『
「うーむ…………蓮子にPSYクオリアを使わせて最適なデッキを組ませるって手も一応あるんだけど……」
「私、その手は使いたくないのよ。
試しに鈴仙とのファイト後に一応自由に使える様になったPSYクオリアの力で組んだデッキを使ったけど、肌に合わなくてメリーにボロ負けしたんだから」
魔理沙が蓮子にPSYクオリアを使ってそのイメージで浮かんだデッキを使わせる手を一応挙げるが、蓮子はこれを一度試して失敗している為無理として拒否し、再びカードと睨めっこを始める。
因みにそのPSYクオリアのイメージで組んだデッキにはシングセイバーも入っていたが、そもそもこのユニットは肌に合わないとして抜いたのに再び入ると言う本末転倒の事態が発生していたりもするのだ。
メリーもそれが分かっている為黙って蓮子のカードの睨めっこを手伝っていたりする。
「てか、蓮子ってあの力を使えたんだ」
「あーうん、私が『シャドウ』に狙われてるのはこの力を持っているからってのが私達が浮かんだ見解なの。
……にしても、何入れようかしら…………」
菫子は蓮子がPSYクオリアを使える事を聞いていなかった為、それを改めて聞いてみると蓮子はPSYクオリアの輝きを瞳に宿し、菫子にその力がある事を伝えながらカードを1枚1枚手に取りながら頭の中でデッキを組むも、納得の行くデッキにならず悩んでいた。
「はーい、悩める紳士淑女諸君注目〜!」
「?
どうかしたの霊華さん?」
すると霊華が居間に入って来て注目する様に声掛けをして来た為、全員霊華の方を向くと霊華は一つの風呂敷を下げており、それを霊華が開けると中には様々なカード、しかも販売されたばかりの最新ブースターのカードまで入っており、皆驚いていた。
「えっ、これ最近発売したばっかのパックに収録されてるカードばかりだ⁉︎
霊華さん、これどうしたの⁉︎」
「いや〜普及協会が私の方に最新ブースターを幾つか送って来てさ、私が使わないカードばかりでどうしようか迷ってたんだよね〜。
ほら、例えばこの〈ロイヤルパラディン〉のカード達とかさ、ブロント君のデッキに入るかちょっと怪しいけど蓮子ちゃんの方なら入れられるんじゃないかと思ってね〜♪」
霊華は普及協会から回されて来た物だが自分は使わないと言い、扱いに困っていたと言った雰囲気を出しながら蓮子にカードを見せると蓮子は目を見開き、瞬間コレだと何かを感じ取っていた。
「こ、これよ‼︎
『王佐の騎士 ガルハール』、私のアルフレッド・エクシブを中心にしたデッキに入るカード‼︎
霊華さん、他にもカードを見せてもらえますか⁉︎」
「勿論、好きなだけ見て好きなだけ持って行って良いよ♪
どうせ私も使わないし、近々ファンタズムカップの予選があって、温泉に浸かりながら貴女達は出るって聞いたし丁度良かっただろうしね♪」
霊華は気前良く蓮子に他のカードも見せた上で好きなだけ持って行っても良いと答え、蓮子は初めて出る大会前の意外なプレゼントに心を躍り、目が輝いていた。
それを見てメリー達も笑みを浮かべ、蓮子がカードを見つけデッキ改造を始めたと同時にメリーも送られて来た〈ギアクロニクル〉のカードを見て、何を入れて抜くかを決め始めていた。
「ふむ、俺も蓮子の見ているカードを見ていたんだがどうも俺のデッキに入りそうなカードが余りにも少なすぐるという不具合。
同じ〈ロイヤルパラディン〉でも『
そろそろ俺もカードが少し欲しいんですがねぇ…………」
するとブロントさんも蓮子が見ているカードを見るが、どれも自身のデッキとは違うタイプの名称参照の為入らず、少し悩んだ表情を見せながら新しいカードが欲しいと言い蓮子は他人事では無い為少し同情していた。
そしてそれから数十分が経過した頃。
「……よっし、デッキ改造出来たー!」
「私も出来たわ。
Gユニットの配分も変えたりユニットを変えたりしてみたから少し慣れが必要ね…………じゃあ蓮子、早速テストよ!」
「OKメリー、テストファイトやるわよ!」
デッキ改造を終えた蓮子とメリーは早速テストファイトを始め、自分の手に新しいデッキを馴染ませて行く。
しかも蓮子は漸く思い描いた動きが出来る為か、デッキの回転率が恐ろしい程跳ね上がり、メリーも驚く程の速攻を見せていた。
「おっ、蓮子の速攻が更に早くなってる!」
「ほう、それだけ新カード英語で言うとNew faceを入れた事で懐古主義を破って新たな力を得たのかと関心が鬼なる。
よし、メリーの後は俺とのファイトを【よろしくお願いします】」
「あ、ブロントさんズルいですよ!
私も蓮子とファイトしたいです!」
そんな蓮子の新デッキに興味が湧いたのかいつの間にか特訓を終えたブロントさんが早速次のファイトを申し入れ、それに対し麟もファイトしたいと言い、どうにも互いに譲る気は無いらしく静かな火花が散っていた。
「…………」
「…………」
『よろしい、ならファイトなんだが!/良いでしょう、ならファイトです!』
そして麟とブロントさんと言う珍しい組み合わせの、蓮子との次のファイト相手になる順番を賭けたファイトが始まり魔理沙は遠目に二人を見ていた。
「あはは、皆仲が良いねぇ!」
「そ、そうっすね〜………………頑張れよ皆、私も応援してるからな!」
霊華がこれらの光景を見て笑う隣で魔理沙は全員に応援の言葉を掛け、全員がそれを聞いて魔理沙の方を向き頷き、6日後の予選への意気込みをファイトで示し、更なる気合を入れ始める。
「よっし皆、6日後の予選を通過して本選へ行くわよ‼︎」
『お〜!/はい!/勿論よ蓮子!/当然なんだが!』
全員蓮子の掛け声に返事をそれぞれ返し、6日後の予選に向けて着実に歩を進めて行くのであった。
本選進出、ひいてはその先にある優勝と言う大きな目標を皆で勝ち取る為に。
特に蓮子とメリーは、ヴァンガードを通じて出会えたこのチームメンバーや、幻想郷で世話になった皆に優勝出来るまで強くなれたと礼を贈る為に、そして……月で再会して以来姿を見せない『シャドウ』の鼻を明かす為に…………。
「へっへっへっへ…………はははは、ひゃーはっはっはっは‼︎
見つけたぜぇ、ブロントォ〜…………‼︎」
そして、そんな蓮子達……否、ブロントさんを陰に隠れながら見つめる人物が一人居り、ブロントさんはその視線に気付きその人物が隠れている方に一瞬だけ目を向け、気付いているぞと隠れている人物にしか分からないアイコンタクトをしその人物は口をつり上げ、ブロントさんが自分に気付いた事を確認した直後にその場を去り、互いに言葉を交わさないまま、しかし明確な因縁が二人の間に出来るのであった。
此処までの閲覧ありがとうございました。
今回は短めにし、次回以降への布石のイベントを最後に挟みました。
最後にブロントさんを見ていた人物……イッタイダレナンダー。
次回もよろしくお願いします、よろしければ感想、指摘をお願い致します
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