因みに蓮子のデッキには意味不明☆な『ブラスター・ブレード』のピン挿しがありますが、これに関しては先導アイチのブラブレピン挿しと同レベルでツッコミを入れないで下さいm(_ _)m
では、どうぞ。
『ブラスター・ブレード』、それはヴァンガードの歴史を切り拓いた偉大なるユニットであり、この幻想郷に於いては伝説のレアカードであり、所有者とカードはヴァンガード普及協会に登録され、盗難防止を徹底される程の希少なユニットである。
そのユニットに今、蓮子はライドして魔理沙がライドしたズイタンと相対している。
それをイメージ視点と現実視点で見ていたメリーの目や感覚には、蓮子があのユニットにライドした途端に雰囲気が変わり、いつものおバカな残念系美少女では無く、勇気を力に変え、闇に迷える者を光に導く騎士の様な力強いイメージが伝わってきており、蓮子自身もそれをひしひしと感じていた。
「ブラスター・ブレードの
今、魔理沙の場にはローレンツフォースが1体居るだけだからローレンツフォースを退却させるわ‼︎」
「うぐっ…………ブラスター・ブレード………‼︎」
一方魔理沙は、蓮子がライドしたブラスター・ブレードを見てある記憶が呼び起こされる。
その記憶とは、かつて魔理沙の友人………親しき人物の中に、〈ロイヤルパラディン〉とブラスター・ブレードを使っていた少年が居たのだ。
その少年は魔理沙と幼馴染であった今は消息不明となった博麗の巫女と共通の幼馴染で、蓮子とは似ても似つかぬ真逆の少し大人しめの性格で、しかし誰よりもヴァンガードに対して情熱を持ち、誰よりもヴァンガードが好きだった………今はもう袂を別ってしまった自分にとって忘れられない人物の一人。
その少年のかつての姿と今目の前に居る蓮子、その二人がブラスター・ブレードにライドした姿が不思議と似ていたのだ。
更に魔理沙は何故か、蓮子が博麗の巫女………自分にとってかけがえの無い、唯一無二の親友であり幼馴染だった彼女にもダブる様に見え、困惑する。
「(………なんでアイツらと蓮子の姿がダブるんだ、全然似てないじゃないか!
なのに、なんで懐かしく感じるんだ、このファイトが!
アイツらに、似てない筈なのに………⁉︎)」
「コール、『爛漫の
これでセルディックのパワーを+5000するわ!」
蓮子:ダメージ0/2
手札:3
布陣
ギルダス ブラスター・ブレード セルディック
トランキル・ユニコーン ファイル R
蓮子は2回のドロートリガーの恩恵をフルに使い、リアガードサークルを埋めると同時に『
「驚いた……彼女は本当に初心者なのかい?
あんな風にパワーラインの調整を行うなんて、ある程度ヴァンガードに慣れた人じゃないと出来ないよ?」
「蓮子はああ見えてこう言ったゲームはかなり得意なんです。
感覚で覚えると言うか、見ただけでもそのゲームの動きみたいなのを何となく勘混じりで導いちゃうんです。
だから私はいつも蓮子にはこの手のゲームでは勝てなくて……」
「そうなんですか………じゃあ蓮子さんは、ヴァンガードファイターとしての天賦の才を持っているんですね」
霖之助と麟は蓮子がやったパワーラインの調整………トリガーが出ようと必ずガード札1枚を削るヴァンガードの応用的な動きを見て、更にメリーの話を聞いて彼女がこの手のゲームに強い事を知り、彼女が成長するのが楽しみに思えてしまっていた。
対して相対する魔理沙はそれを聞き、更に自らの信条である『ファイトにはなるだけ集中し、心の底で楽しむ』と言う信条に従って気分を切り替え、このファイトや蓮子に対しての懐かしさなどを振り払った上で目の前に天才肌の将来のライバルが現れた事への期待を膨らませると同時に、天才には負けたくないと言う対抗心を燃やし始めた。
「へへ………まさか初心者と侮ったらいけないタイプの奴が相手とはな。
こりゃ、ヴァンガードファイターの先輩として負けてらんなくなって来たぜ!
さあ蓮子、ビギナーズラックは終わりだ!
お前の全力を私にぶつけて来な‼︎」
「ありゃ、早くもビギナーズラックが終わって蓮子ちゃん大ピンチ⁉︎
………でも、何だかブラスター・ブレードにライドしてからは凄く自信が湧いて来たわ!
これなら負ける気がしない、行くわよ魔理沙‼︎
セルディックでヴァンガードにアタックよ‼︎「イエロージェムでガード!」
次、ファイルのブースト、ブラスター・ブレードでヴァンガードにアタック‼︎
トリガーチェック‼︎『
ヒールトリガー‼︎
パワーはギルダスにプラスしてダメージ回復‼︎
ギルダス、トランキル・ユニコーンのブーストを加えてアタック‼︎「ノーガード!『神槍の
蓮子は一気に攻撃を仕掛けた事により魔理沙にダメージを2枚、内1枚はクリティカルで自分はヒールトリガーを引くと、状況をひっくり返してしまった上にヴァンガードの経験で上を行く魔理沙に勢いで互角の勝負を繰り広げる。
その展開に周りのファイター達(年齢、性別共にバラバラ)がザワつき始める。
「なあ、あの子本当に初心者なのか?
ウチらの中でも、いや、幻想郷内でも指折りのファイターの魔理沙と互角に渡り合うなんて今この場にいる中じゃ、店長と麟さんや師範しかいないぜ?」
「解らんのか!
確かにあの娘は霧雨と互角に渡り合えている様に見えるが、それはあくまでも勢いでありまだまだ土台が出来上がっておらぬ初心者だ!
しかし初心者故に我武者羅に走り、勝利を収めようとする………それが故に霧雨にも負けぬ強いプレイングが出来、自ずとトリガーを引き寄せるのだ!」
「さ、流石師範。
見ているだけで其処まで見抜いて的確に状況を説明してくれてる…………」
そんなギャラリーの会話を気にせず………と言うより目の前のファイトに集中し過ぎて耳に入らない蓮子と魔理沙は、何方も絶対に負けないと対抗心を更にヒートアップさせファイトに入る力が更に強くなり出す。
そして魔理沙はドローし、いよいよグレード3となり実力を披露し始める。
「蓮子、こんなにも熱くなるファイトは久々だよ!
初心者だからって理由で手加減しようとしたのが間違いだったし、お前将来は凄いヴァンガードファイターになれるぜ!
だから見せてやるよ、私の全力全開を‼︎
響け強者の咆哮、轟け破軍の雷刃!
全てをブチ抜け、限界を超えて‼︎
ライド、『
蓮子と魔理沙のイメージ世界に雷を轟かせる者、『
それも既に臨戦態勢に入っており、もういつでも目の前の敵を壊す準備を整えていた。
「これが魔理沙のフェイバリット……!」
「コール、『鉄血の
さあ、その手札をブチ抜くぜ!
ガントレッドバスター・ドラゴンのスキル、
で、どれを選ぶんだい……?」
魔理沙はガントレッドバスターのスキルで蓮子に対し、4体居るリアガードの中から1体を選んで退却させる様に迫る。
蓮子はどれを退却させるか悩み、考え出す。
先ずグレード2を選ぶが出るが、これはガード値を削る為論外とする。
ならば残るはトランキル・ユニコーンかファイルだが、何方か選び間違えれば次のターンで攻め倦ねる為慎重に選ばねばならず、盤面のユニットを1体1体確認する。
……すると、トランキル・ユニコーンの前に居るギルダスのスキルを見てトランキルがリカバリーがまだ出来ると判断し、退却させる。
「トランキル・ユニコーンを退却させたか。
じゃあ、此処から本番だぜ!
ガントレッドバスター・ドラゴンは相手のリアガードが退却した瞬間、パワー+3000とクリティカル+1を得る
さあ限界をブチ破れ、
更にシュキもヴァンガードに『
「なっ、スキルの制約を解除してパワーとクリティカルが上がったの⁉︎
しかもご丁寧にガード値が中盤の筈なのに重い‼︎」
蓮子はたった1体の退却のみでいきなりパワーがガード値5000分アップした事に驚き、手札とダメージゾーンを見る。
幸いにしてダメージは1枚、例えクリティカルを引かれても大丈夫な計算………だが、それはクリティカルが1枚引けたらであり、魔理沙のクリティカルトリガーを確認するとイエロージェムとボルックスの2種類あり、これをフルで投入しているとなればクリティカルは合計8枚、しかもデッキにはまだ6枚も眠っている計算となる。
メリーとシャドウがファイトした時の比ではない程のダブルクリティカル率があり、引かれた瞬間手札と盤面を犠牲にしない限り生き残れない計算だった。
「エッグヘルムのブースト、ガントレッドバスター・ドラゴンでアタック‼︎
ブチ抜け雷刃‼︎「た、頼むからクリティカル2枚は堪忍して、ノーガード‼︎」
ツインドライブ‼︎『
っしゃ、ダブルクリティカルゲット‼︎
パワーは勿論スパークレインに、クリティカルはガントレッドバスターに‼︎」
「にぎゃあぁぁぁぁぁぁぁ、クリティカル2枚引かれたぁぁ!!?『
しかもこっちはトリガー0!!!?」
「うわぁ、こりゃあ決まっちまったか………⁉︎」
「あの子頑張ったけど、やっぱり相手が悪かったか………」
「蓮子………!」
魔理沙のアタックにノーガードをした蓮子だったが、まさかのダブルクリティカルを引かれた上にダメージトリガーが出ずにシールド値が上がらず、更にダメージも5枚となりもう後が無い状況に一気に追い詰められる。
そしてギャラリーも魔理沙の勝ちが決まったのかと思い、ザワつきが徐々に静まり始め、メリーもハラハラしながらファイトの行く末を見守っていた。
しかし、対して魔理沙は蓮子のダメージに落ちた4枚のダメージの内、1枚…………『
「(あれは……シングセイバー⁉︎
ブラスター・ブレードだけじゃなく、あんな怪物ユニットまで投入されてるのかよ‼︎
この蓮子って奴、マジで初心者でヴァンガードを始めたばかりのデッキじゃないぞ‼︎)此処で決める、シュキのブーストを入れたスパークレインでアタック‼︎
スパークレインはセルディックと同じスキルを持つのでパワー+3000、合計パワーは32000‼︎
合計シールド35000じゃなきゃ防げないこのパワーで、終わりだ‼︎「ラヴィング・ヒーラーとイスバザードとシンリックでガード、更にセルディックでインターセプト‼︎」
決め切れなかったか………まあ、そうこなくっちゃ燃え切れないよな!
ターンエンド!」
「あ、危なかった………首の皮一枚って奴だった………幾ら図太さに定評がある蓮子ちゃんでもこれはビックリするよ………」
蓮子は手札1枚……先程ダメージに落ちたグレード3を残して何とかガード仕切り、ゲームエンドだけは防ぐ。
しかし、あくまでもゲームエンドだけを防いだだけであって、状況が最悪なのには変わり無く、次のターンで魔理沙にダメージ6枚目を与えなければ確実に蓮子の黒星が待っている。
だが………初心者なのにこんな風に追い詰められているにも関わらず、蓮子は楽しいと感じていた。
ブラスター・ブレードにライドしてから不思議と世界が広がった様な感覚を持ち、シャドウから教わった時以上にヴァンガードに対して興味………否、最早興味と言う言葉で収まり切らない楽しさが蓮子の中に溢れ、もっと楽しみたい、もっとファイトをしたいと思い、そして魔理沙に対して不思議と負けたくない、競い合いたいと言う感情があったのだ。
だからこそ、このファイトは絶対に勝つと更なる闘志を燃やしていた。
「………うん、まだまだファイト出来る。
なら私は諦めない、最後のダメージが落ちるまで………ドロー!
勇気を力に変えて、希望への道筋を切り開け‼︎
ライド、『
蓮子は次にグレード3、セイクリッド・ういんがるにライドする。
しかし、蓮子はこのういんがるのスキルの詳細が分からない為。真の力を発揮するには誰かから聞かねばならない………が、肝心の蓮子はファイトに集中し過ぎて周りの声が聞こえず、誰かにういんがるのスキルを聞く事が出来そうに無く、このままでは敗北が必至だった。
「(ヴァンガードって、こんなに楽しいゲームだったんだな………もっと早く知っていればメリーと今までファイト出来てたのにな〜……ちょっとだけ損したかも。
さて、その損も一気に取り返す様にこのファイト、絶対に勝つ(マイ・ヴァンガード)って、ブラスター・ブレード?)」
すると、イメージ世界の蓮子の頭にブラスター・ブレードの声が響き、それに耳を傾ける。
「(マイ・ヴァンガード、少し肩の力が入り過ぎてる。
リラックスしてファイトに臨まねば、勝てるファイトも勝てなくなってしまう。
何より、マイ・ヴァンガードはまだ初心者だ。
まだ我々の力を全て知っている訳では無いが故に、我々の真の力を引き出す事が出来ない。
先ずは周りの声に耳を傾け、目の前のファイターに『我々のスキルの中で気になった物を聞くと良い』)」
「(ブラスター・ブレード………)」
ブラスター・ブレードの声を全て聞き終えた瞬間、蓮子の視点はイメージからリアルに戻り、やっと周りの静まり返り始めたギャラリーや、少しハラハラしながら見守るメリーなどが視界に入り、頭を冷やして冷静になり出す。
「すぅ………はぁ………いけないいけない、負けそうになって頭が熱くなり過ぎてたわ。
さて、ユニットをスキル………???」
少し深呼吸をした蓮子はギルダス、ファイル、そしてセイクリッド・ういんがるのスキルを改めて見直し始める………すると、この3体のユニットに共通のテキストが存在した。
そのテキストの名は『
しかもセイクリッド・ういんがるにはその
』の名前、更に()内には発動条件と思しきテキストまで存在した。
このスキルに興味が湧いた蓮子は早速魔理沙に聞き始める。
「ねえ魔理沙、この
「おっ、そのういんがるの目玉スキルに気付いたか。
なら説明するぜ。
そのユニットを山札の中から探し出して、
要はヴァンガードが2体になり、強力なパワーとスキルが使える様になるスキルさ!」
「ヴァンガードが………2体に………」
魔理沙の説明を一通り聞いた蓮子は、ブラスター・ブレードと今自分がライドしているういんがるが並び立ち、強大な敵に立ち向かうイメージを浮かべた。
その瞬間、自分の中のイメージがまた膨れ上がり、不思議と力が湧き上がった様に感じる。
更に、今なら魔理沙に勝てる………何となく、漠然とした感覚も覚えた。
そして蓮子は、魔理沙を見ながら高らかに声を上げる。
「シークメイト!
私はラヴィング・ヒーラー、セルディック、シンリック、まぁるがるを山札に戻してレギオンメイト、『ブラスター・ブレード・
ドロップゾーンから4枚のカードを戻し、山札の中にあるレギオンメイトを探す蓮子。
そしてそれを見つけ、山札から引き抜く。
「集え、気高き魂達!
聖なる剣に誓いを立て、並び立て!
再び立ち上がれ、私の分身!
『ブラスター・ブレード・
蓮子の分身たるブラスター・ブレード………正確にはその今よりも過去の姿の騎士がセイクリッド・ういんがると
その力に一瞬魔理沙がライドしたガントレッドバスター・ドラゴンが気圧され、その瞬間を蓮子は見逃さなかった。
「セイクリッド・ういんがるのスキル発動!
ブラスター・ブレード・
『
スパークレインを退却して、次にギルダスのスキル!
シンリックをギルダスの後ろにコールして、次に手札から『湖の巫女 リアン』をコール‼︎」
蓮子:布陣
ギルダス ブラブレ探/ういんがるブラブレ探
シンリック ファイル リアン
手札を全て使い切った上にスキルを駆使して失った分以上に盤面を埋め、ラストアタックへの準備が完了する。
そして、蓮子は白黒をはっきりさせる為に動く。
「ファイルのブースト、セイクリッド・ういんがるとブラスター・ブレードで
ツインドライブ‼︎『
クリティカル、パワーはギルダスに加えてクリティカルはヴァンガードに!
セカンドチェック!『必殺の
クリティカルトリガー、クリティカルはヴァンガードに、パワーはリアガードのブラスター・ブレードに‼︎
いっけぇぇぇ‼︎」
イメージ世界で2体の先導者の剣が、相手の先導者を深々と斬り裂き、竜はその激痛から咆哮を上げた。
リアル視点の魔理沙もダブルクリティカルにヴァンガードの先輩としての余裕が消え、ダメージチェックに入る。
「ダ、ダメージチェック!『
うがぁ〜、負けたぁ〜‼︎」
「………勝った………」
最後の最後まで諦めずに粘り強くファイトを展開した結果、蓮子が経験者の魔理沙を下してヴァンガード初の白星を挙げた。
その光景にギャラリー達は静まり返り、ただ二人の………麟と霖之助の拍手がその場に響いていた。
「蓮子、ナイスファイト‼︎」
「あ、メリー…………ええ、勝ったわよ‼︎」
『ワァァァァァァァ!』
そしてメリーが駆け寄り、蓮子と二人でハイタッチをする。
その瞬間静まり返っていたギャラリー達が歓声を上げ、魔理沙も蓮子に握手を求めて来ていた。
「全く、今回は負けたぜ。
けど、次は負けないからな!」
「ええ、私もよ、魔理沙!」
蓮子と魔理沙は握手を交わし、二人はこの瞬間ヴァンガードファイト仲間兼ライバルとなり、今後も互いに負けない様に切磋琢磨し合う関係となった。
更にそれは、間接的に蓮子の親友であるメリーともライバルとなったと言え、秘封倶楽部は新たな、そして幻想郷で初の友人とヴァンガードの白星を得たのであった。
蓮子VS魔理沙、ファイト終了!
しかし、名称軸や双闘が絡むとやっぱり文字数ががががが。
次回もこれに負けじ劣らず文字数が多いです。
長ったるい上に紙クオリティの話ですが、これからもよろしくお願いいたします(土下座)
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