今回も会話回+最後にファイト突入となってます。
そしてタイトルからも分かる通り……。
では、本編へどうぞ!
蓮子達がチーム結成の話をした同時刻の紅魔館、レミリアの執務室に咲夜、パチュリー、小悪魔、美鈴が集められ、普及協会本部にてブライトから告げられた事、及び八雲藍がひた隠しにしていたブライトの現在の立場を蓮子とメリー以外の、信頼の置ける者に話して良いと本部での話し合いの最後に言われ咲夜達に話していた所であった。
「……成る程ね、もう一つの〈リンクジョーカー〉のデッキの正体は惑星クレイの神、『メサイア』から授かった物+惑星クレイに新生した者達で構成されていたのね。
魔理沙が言っていた『メサイア』のカード、それがそうであるなら納得ね、誰も見た事が無い訳よ」
「そして、彼の計画…………いえ、『賭け』と呼ぶべきでしょうか?
それには蓮子とメリーが絶対不可欠な存在であり、彼女達が『成長』するのを望んでいる…………しかし、身勝手に未来から彼女達を連れて来るだけで無く、かなり面倒な事を…………」
「奴の話ではメリーの身に降りかかる事は未来でも起き、そちらでは覆しようの無い定めにあるが、幻想郷に連れて来た事でその発生するものも本来よりも前倒しに起き、同時に蓮子とメリーを『成長』させる事によりそれを覆す可能性を生ませるとの事だ……」
レミリアは普及協会本部でブライトから蓮子とメリーの情報を洗いざらい(汚い忍者がアンティで黙らされたレミリアの代わりに)吐かせた事で魔理沙が聞かされた情報よりも更に深い部分の物を聞き出せ、そして、二人の身に降りかかる『とある出来事』と言う物も聞かされ、これを二人の手で覆したその時こそが真に自分の計画がスタートするとも言っていたのだ。
「全く、魔理沙が聞けば間違い無くマスパの刑になるわね。
私も思わずロイヤルフレアを撃って彼を消し炭にしてやろうかと思ったもの、ね」
「……それでお嬢様、この話はお二人…………蓮子さんとメリーさんに話されるのでしょうか?」
パチュリーが冷たい笑みを浮かべながら話すと次に美鈴が蓮子とメリーにこの事実を話すかと言うが、レミリアはそれを首を横に振り、否定する。
「……もしもこれを二人に話せば、二人が乗り越えるべき出来事……『………………………………』が乗り越えられず、そして全ての未来の可能性が失われ、二人に最大の厄災が降りかかり、何もかもが終わると言っていた。
それを信じる訳では無いが…………もしもメリーが豹変したら、それが前兆であると言われ、最初の頃は豹変も直ぐに戻るが3回目…………3回目の豹変、これが起きればターニングポイントだと言う。
これを乗り切り、真の『成長』が成されるには何も知らせず、見守ってて欲しいと言われた。
…………アンティファイトで負けた故、黙って従うしか出来んがな」
レミリアはアンティにより従う他ないとしながらも、ブライトがメリーの豹変を口にした事、3回目がターニングポイントとも言った事なども踏まえ、見守る事を選び蓮子達には敢えてこれを言わないとした。
「3回目…………蓮子が言っていた白玉楼での西行寺幽々子とのファイトの時、そして私やブロントさん達の前で起きた八意永琳とのファイト、その2回でそれぞれ豹変してます…………つまりは後1回、その豹変こそが……」
「うむ、二人が乗り越えるべき事象だ。
ブライトの奴もこれにはある程度は介入するが、あくまで二人が乗り越えるべき物だと言ってた。
3回目は2回目が起きてから少し経過した時に突然起きるとも。
そして、既に2回起きているならもうそろそろ3回目が起きるとも、それに気が付けるのは蓮子のみと、な……」
咲夜がメリーの豹変について振り返り、既に2回起きていた事を改めて確認し、レミリアはブライトから齎された情報により3回目が近々、しかも突然発生し蓮子しか分からないと告げながら窓の外を見て、今は外に出て日常を過ごしている蓮子とメリーに自分は何も出来ない歯痒さなどを感じながら、二人が無事に3回目の豹変、それを乗り越えられると信じていたのであった。
同時刻、蓮子とメリー以外が名前をバラバラに言った為改めてチーム名を決めるべく注文した物を突きながら話し込んでいた。
「えーと、先ずチーム名は4つ候補が出たんだけど、皆それぞれ何でそのチーム名にしようとしたか話して。
それ聞いて改めて決めるわ」
「うむ、チームKnightはナイトがリーダーでナイトの精神を持つPTメンがナイトとして正正堂堂と相手と戦い勝ちナイトは圧倒的にさすがだと喜び褒められるためにつけようと思った由緒正しいチーム名だぞ」
「でも騎士はブロントさんで、騎士クランを使うのは私とブロントさんだけだし騎士道精神云々の前に正々堂々ファイトするのは当たり前だからね?」
「……むむむ」
先ずブロントさんがチーム名の由来を話すも蓮子にダメ出しを受け、意見を引っ込めるもまだチームKnightを諦め切れないのかむむむと唸り、頭を必死に回転させ反論を絞り出そうとしていた。
「えーと、次は麟の花鳥風月ね。
何でこの名前なの?」
「はい、私達の自然体やファイトの姿、それらを全て余す事無くファイトを見に来てくれた皆さんに楽しんで貰い、そして様々な物を互いに表現し合いたいと願掛けを込めてこの名前にしました」
「おぉ、ブロントさんの9倍位考えられてる名前だ「何やら魔理沙がナイトをdisり始めたんだが麟の花鳥風月と言う名前の由来におれは必死に頭を回転させたが何も出なかった」」
次に麟の花鳥風月はどんな意味を持つのかと聞くとかなり考えられた名前であると皆納得し、花鳥風月は第1候補として残ると、麟は少し照れながらありがとうございますと頭を下げていた。
「で、菫子姉さんの秘封倶楽部と愉快な仲間達なんだけど……」
「そんなの言わずともわかるでしょ、私と蓮子とメリーとその愉快な仲間達って意味だ「ごめん、ふざけてる蓮子の原型が見えた気がしたわ」「あー、うー…………すんませんメリーさん」「えーと……」「麟、ちゃんと言ってやらないと逆に気の毒だぜ」「まるでネーミングセンスのカケラが無いなと思わず呆れが鬼なったネーミングセンス⑨だろこれならまだチームKnightが900倍マシだと思った感」おいコラ、特に其処のアルパカナイト上等だよ表でやがれこの野郎!」
「おいィ、誰が白い首長アルパカだよ!
人の身体的特徴を貶すとかマジぶっころしよ前歯へし折られたいか!
自慢じゃないがナイトは剣を振るうが実はリアルではモンクタイプなので喧嘩も強いので謝るべき、男女平等パンチを受けたくないなら謝るべき!!」
菫子のチーム名に思わず全員がそっぽ向いたりダメ出しをしたりし、当然却下となるが此処で菫子とブロントさんが喧嘩一歩前の状態となり売り言葉買い言葉をし、互いに火花を散らして険悪な雰囲気になる…………が、食事処の店員(何処ぞの吸血鬼と戦う超強面な某神父風の見た目)に無言で睨まれ、二人は黙って座り出されたメニューを再び突いて険悪な雰囲気を霧散させる。
「…………えーと、じゃあ蓮子とメリー、チームファンタズマってどんな意味があるんだ?」
「えっと、チームファンタズマって言うのは先ず、ファンタズマは『幻想』って意味があるでしょ?
で、此処は幻想郷、そう踏まえてこのチーム名を和名にすると『幻想郷』になってね」
「それからね、『私達は幻想郷で出会い、幻想郷でチームを組み、幻想郷で大会に出て、幻想郷で友情を育んで行く』と、『私達は幻想郷から元の世界にいつかは帰るけど、この幻想郷であった全ての出来事や出会った人達は忘れない』、そして、『私達の記録をこの名に込めて、幻想郷に刻み込もう』って意味と想いを全部込めたら自然とこの名前が二人で浮かんじゃったのよ。
それが、チームファンタズマの由来」
魔理沙が最後に蓮子とメリーにチームファンタズマと言う名前を聞くと、二人はそれぞれ和名にした際のチーム名と其処に込めた物を口にすると、魔理沙も麟も菫子もブロントさんも目を丸くした後、物凄く納得の行く名前に関心を持ち、またこれを二人が考えた所で浮かんだ物と聞き不思議と笑みが零れていた。
「……そっか。
二人共すげえネーミングセンスだと思ったよ」
「はい、様々な意味がそれぞれ納得の行く物でとても素晴らしいです」
「素晴らしいチーム名だすばらしい。
これには思わずナイトも一本取られたなと思いチーム名をチームファンタズマで全力で認可しようとするだろうな」
「おお〜流石私の未来の姪っ子と相棒、本気で考えたら凄く洒落てたり真剣な想いを込められる様にする…………流石は未来の秘封倶楽部‼︎
うん、私このチームファンタズマって名前凄く気に入ったよ!」
魔理沙達は皆それを聞き納得し、また洒落が効いた名前でもある為麟は紙に書いた花鳥風月に横線を引き、チームファンタズマの名前の横に◯を書き蓮子とメリー以外の全員はそれでOKと言う形で首を縦に振る。
「え、麟良いの?」
「はい、お二人の真剣な想いを聞いたらこの名よりもチームファンタズマの方が余程らしいと思いました。
ですから、チーム名はこれで大丈夫ですよ。
幸いにしてこれに反対意見はありません」
『異論なし!』
「皆…………」
そうして、チーム名を話し合った結果蓮子とメリーが考えたチーム名、チームファンタズマに決定され、これ以降この5人の集まりはチームファンタズマとして集まる事もまた決まり、魔理沙はそれの見届け人となったのであった。
「んじゃ、チームファンタズマで決定だな。
なら早速紅魔館のクエストボードの前に行ってファンタズムカップへ参加するって申請を出しに行こうぜ!」
『賛成!』
そして蓮子達チームファンタズマは早速会計を済ませ、紅魔館へと向かいヴァンガードファイト・ファンタズムカップへの参加を申請しに行く。
その後ろ姿は正しく喜びに満ちた、蓮子とメリーを中心にしたチームであると示していたのであった。
それから数十分が経過し、クエストボードの前にて蓮子とメリーが操作し、大会に参加するからファンタズムカップを選びチーム名を入力し、5人がファイカをスキャンしてチームファンタズマがファンタズムカップに参加するがクエストボードに表示され、予選開催日時と会場も画面に映る。
「ふむふむ、今から1週間後の妖怪の山、其処が私達の予選会場になるわけね」
「1週間後に妖怪の山…………うん、メモ出来たよ」
チームファンタズマが参加する予選会場は妖怪の山、蓮子とメリーが聞いた話によれば天狗達や河童達の縄張りでもあるが、ヴァンガードの大会の会場になると普段は入れない場所も解放され、人里の人間や妖怪の山以外に居る妖怪も集まり、皆ファイトを楽しむのである。
「さて、チームファンタズマは予選に出る事が決まったがこれからやるべき事は沢山あるぜ。
互いのデッキの把握、改良、どの試合でどんな状況で誰が出たりするのかを決める、何よりチーム戦だからチームワークを育む、これらを1週間の間に全部やるんだ、結構大変だぜお二人さん」
「だね。
じゃあ最初はデッキ確認も兼ねて5人でファイトをしよう。
私とメリー、麟とブロントさんはファイトを良くしてるからデッキや実力は分かるけど、菫子姉さんはどんなデッキで実力も不明、だから先ずは菫子姉さんと私達がファイトをする、初めはこんな所ね」
魔理沙が1週間の間にやる事を大体挙げると、蓮子が秘封倶楽部部長の経験を活かして最初にやるべき事、更に確認する事を示し菫子のデッキや実力を把握しようとファイトを挑もうとする。
すると菫子は笑いながらメガネをクイっと上げながら蓮子がたまに見せるウザ可愛い笑みを浮かべる。
「ふっふっふ〜、そうよねそうだよね〜、私の実力とか知りたいよね〜。
ならば我が姪っ子よ、そのファイト受けてしんぜよう!
そして見ると良いわ、この秘封倶楽部初代会長の実力を!」
「!
ほほう、ならば存分に堪能させて貰いましょうか、菫子姉さんのファイト力を!
そしてこの成績優秀スポーツ万能、道行く男は皆振り返る超コワモテ不良サークルの美少女部長蓮子ちゃんの実力も味わいなさいな‼︎」
それに対し蓮子もウザ可愛い笑みと妙にキレがあるポーズを決め、菫子の言葉を返し両者共に闘志を燃やし、それを見ていた麟達は置いてけぼりを喰らい、メリーはふざけが入った蓮子が二人に増えた様な光景を目の当たりにして頭を少し抱え、そして久々に聞いたこのふざけてはいるがこの状況を楽しんでいる蓮子の姿に笑みを浮かべ、幻想郷に居ようが元の世界に戻ろうがこれだけは変わらないと思い何処か安心感に似た感覚を覚えていた。
「シャッフル完了、初期手札や手札交換も完了、FVもセットしたし準備万端!」
「じゃあメリー、ファイト宣言をお願い!」
蓮子と菫子はファイト準備を終え、FVに手を掛けいつでもスタンドアップが出来る状態にしつつ、蓮子はメリーにファイトの開始宣言をする様に頼みメリーはいきなりの事で驚く。
「え、ええ⁉︎
いきなり話振られても何話したら」
「まぁまぁそんな固くならず、ただ『ファイト開始ィ〜‼︎』だけでも良いわよ」
すると菫子がファイト開始をただ言うだけでも良いと言い、メリーの肩を解そうとする。
しかしメリーはいきなりとは言え、チームの初活動の為此処はきっちりと何かを言うべきだと考え、頭の中で何を言うのかを纏めて口を開く。
「…………よし。
じゃあこれからチームファンタズマの初活動を行うわ。
このファイトはチーム間の交流や実力把握を兼ねた物だけど、だからと言って気を抜かず全力でファイトをして欲しいわ。
OK?『OK!』
それでは……ファイト開始ッ‼︎」
『スタンドアップ・ヴァンガード‼︎』
「『自若の
「『祈りの神器 プレイ・エンジェル』!」
メリーのちょっとした話を聞き、気を引き締める蓮子と菫子を見たメリーはファイト開始の宣言をし、それを合図に二人はFVをスタンドアップさせる。
そして今、チームファンタズマの第一歩が踏み出され、これより1週間の間着々とファンタズムカップへの準備が進められる事が今約束されたのであった。
此処までの閲覧ありがとうございました。
レミリアの会話の中で意図的に隠す物があり、その表現の為に『………………』を使用させて頂きました。
これの回収は…………もしかしたら意外と早いかも…………?
そしてチーム名が決まりました。
このチーム名は実は物語中の蓮子達の想いを込めてみようかなと思ったらこうなったら経緯があったりなかったり…………。
次回もよろしくお願いします、よろしければ感想、指摘をお願い致します。
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