秘封先導鉄   作:”蒼龍”

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タイトルが微妙に何かあると匂わせてますが第62話目更新です。
今回は完全会話回、『そこまで長くなる筈が無いじぇAーHAHAHAHA→長くなった、どう言う事だってばよ⁈』になりorz中です。
徐々にフラグ回収と新しい伏線を張り話を加速させてます(この話から想定していた第1部インターバル〜後半戦)。
さて、今回何が起きるかは本編へどうぞ。


第62話「回収完了、そして一悶着」

ファイトを終え一息付き、正邪と針妙丸を座りながらブライトが近付き、いよいよ普及協会が課した任務が果たされようとしていた。

 

「では、カオスブレイカーのオリジナルカードをこちらに渡して貰おうか。

ついでに、新しい星輝兵(スターベイダー)を、先のファイトで使用した物とあればだがデッキに入れてなかった物も全てだ。

他の既存カードは好きにしろ」

 

「ちぇ、負けたから仕方ないな。

私だってアンティに逆らえばヤバイのは知ってるし……ほら、カオスブレイカーのオリジナルカードだ。

ついでにこれが私の見つけた新しい奴全部、こっちはアンティに含まれてなかったけどどうせ此処で回収出来なかったらまた後でドカドカ来るだろうし、ほらよ!」

 

正邪はアンティ通りにカオスブレイカーのオリジナルカードを先程まで自分が使っていた新カードを含めて束にしてブライトにあっさりと投げ渡し、それを受け取ったブライトはそちらを1枚1枚目を通し始め、それを汚い忍者や聖達も横から見ていた。

 

「ほう、これが咲夜の言っていた新たなる星輝兵(スターベイダー)か。

成る程、聞いた通りただ呪縛(ロック)カードがあれば優秀過ぎるスキルを発動する様だな」

 

「そして、使用しなかったのはこの『星輝兵(スターベイダー) カオスブリンガー』、イメージ世界ではカオスユニバースがあの忌まわしい鎌に似た雰囲気の剣を持っていたのはカオスブレイカーから超越(ストライド)した影響だと思いますが、こちらは元々ですね。

スキルはカオスブレイカーのサポート特化みたいですね」

 

それらを見て聖やレミリアはそれぞれ言葉を発し、汚い忍者も改めてスキルを見ればどれもこれも呪縛(ロック)1枚あるだけであり得ないリターンが返って来ると考え、この破格のスキルに脱帽すらしていた。

そしてブライトがそれらを見終わり、再び一つの束に戻し右ポケットに仕舞い込み、それから改めて正邪と針妙丸を見る。

 

「確認完了だ。

鬼人正邪、及び少名針妙丸、この新しい星輝兵(スターベイダー)は後日何処で見つけ、如何に入手したか聞き取り調査に来るがそれで異論は無いな?「無い」「うん、無いわ」

良し、では我々は輝針城から去ろう。

それから、もし新カードのコピーが作られればそちらを補填として回す事を約束しよう。

では任務完了、このまま輝針城から去り解散とする」

 

ブライトは事務的な文言で正邪達に後日聞き取り調査の許可を得た上で補填の約束も交わし、そのまま輝針城を出た後に解散すると宣言してからレミリア達の方を向き、そのまま襖の方へと歩き出し汚い忍者達も付いて行こうと広間から出ようとしていた。

 

「…………待って」

 

「…………何だ」

 

すると針妙丸がブライトを呼び止め、何の用なのかと振り返りながらその先を促す。

 

「……私、強くなったでしょ?」

 

「そうだな、最後に会った時と比べればレベルその物が上がったな、鬼人正邪共々」

 

「じゃあさ………霊夢が見てくれてたら、強くなったって言ってくれたと思う?」

 

「……………………ああ、言ってただろうな」

 

針妙丸の問いに対しブライトは答えて行き、最後の方で霊夢の名が出て、レミリアと咲夜と鈴仙、更に汚い忍者は針妙丸の方を振り向き、しかしブライトは全く振り向かずにそのまま答え再び歩き出そうとしていた。

 

「…………救世主にでもなるつもりかい、英雄さん?」

 

すると今度は正邪が口を開き、しかし誰に言っているのか分からない問いを投げかけた為全員が立ち止まって今度は正邪を見る。

しかしただ一人、ブライトだけは針妙丸の時と変わらず一切振り向かずその問いに言葉を返す。

 

「俺は救世主には興味は無い、俺の目的は一つ、その為だけに行動する、ただそれだけだ…………」

 

ブライトはそう言いながら広間から去り、そのまま輝針城から出ようと入り口まで向かい始める。

レミリア達も後を追って直ぐ後ろに着く。

 

「(救世主……一体何の事だ?

何を救うんだ?)」

 

「(たった一つの目的、その為に蓮子やメリーを利用している……?)」

 

「(何れにせよ、くだらん目的の為に我が傘下に手を出したのであるならば報いは受けて貰うぞ、小僧…………)」

 

正邪やブライトの発言を聞いた汚い忍者や咲夜はそれぞれ疑問を持ち、特に咲夜の頭には蓮子とメリーが浮かび発言内のただ一つの目的の為に、彼女らを利用していると考え、そしてレミリアは報いを受けさせるとしながらその背中を睨み付けていた。

そうこうしている内に入り口に辿り着き、それぞれの思惑を胸に秘めたまま全員輝針城から外へ出たのであった。

 

 

 

 

 

 

 

「……正邪の持ってたカード、取られちゃったね」

 

「……ま、オリジナルはね」

 

汚い忍者達が輝針城から去った後、針妙丸がポツリと呟くと正邪も頭を掻きながら懐に手を入れ、そしてある物を取り出す。

それは、正邪がアンティで渡したカオスブレイカーや新たなる星輝兵(スターベイダー)達と全く同じイラストのカードであった。

 

「それにしても考えたね、普及協会が刷る前にこっちで予めコピーを作ろう、なんて」

 

「まっ、そうしなきゃ私のカードがいつ戻って来るか分からないしぃ〜?

取られちまうなら取られちまうなりに先手打ってカード製作所の生産ラインに細工して必要な分のコピーをちょろまかせちまえって奴。

そしてこいつらは製作所で刷られたカードだから海賊版かの検査にも引っかからない、いやぁ〜、これで私もファイトが堂々と出来ますわ〜www」

 

そう、正邪はブライト達が輝針城に来る前にカード製作所の一つに忍び込み、正邪が入手していたカオスブレイカー、並びに新しい星輝兵(スターベイダー)達……カオスユニバース等を予めコピーを作り、オリジナルの方を渡す事になってもデッキが弱体化する事の無い様にしていたのだ。

しかもカード製作所で生産されてしまったコピー故、海賊版探知にも引っかからずメリーの〈ギアクロニクル〉のカードみたく『誰も見た事無い珍しいカード』扱いで堂々と大会にも出場出来てしまうのだ。

そんな思惑があった為、新カードのオリジナルもカオスブレイカーのオリジナルごとあっさり渡したのである。

 

「でも、改めて良いの?

カオスブレイカーはまだしも、新しい奴はオリジナルカードは全部まだ『未浄化』だよ?

オリジナルはさっき渡して、これはコピーでもオリジナルが未浄化のままだとコピーにも〈リンクジョーカー〉の力が浸透して、危険性は……まぁ、クラン自体が侵略の力をほぼ失って微々たる物だけど、一般の人とファイトしたら‘‘Я(リバース)’’ファイターが出来上がっちゃうよ?

そしたら正邪、また追われちゃうよ?

今度は、トップが八雲藍だから前みたいなお遊びじゃ無い、本気で正邪を……」

 

すると針妙丸は正邪の心配をし、更に渡したカオスユニバース等のオリジナルカードが『未浄化』……現在の〈リンクジョーカー〉は覚醒した『ハーモニクス・メサイア』の力を受けそれまでにあった全てのカードが浄化され、一般のカードと全く変わらない物になっていたのだが、渡したカードはまだそれを受けていない状態の為、弱体化したとは言え侵略の力が残ってしまっているのだ。

その為、コピーカードも影響を受け邪悪な力がカードに宿っている。

そして、それを使い一般ファイターとファイトをすればかつての事件の再来が起きてしまい、大規模かつ幻想郷所か世界全てが滅亡する異変が発生しかねない。

そうなれば今の幻想郷のトップである八雲藍が動き、正邪をカードごと葬り去りかねなくなる。

針妙丸はそれが気掛かりで、正邪を輝針城に匿い、また正邪もそうなれば面倒な為城から外に出なかったのだ。

しかし、それに対して正邪は今けろっとしていた。

 

「まっ、其処はもう大丈夫だと思うよ姫様」

 

「ちょっと正邪、私がどれだけ心配してるか」

 

「分かってますしマジで大丈夫ですって。

何せ、あのカード達はどうせこの後直ぐに浄化を受けますよ」

 

正邪は針妙丸の真剣な話を少々茶化しながら理解していると言い、更にオリジナルカードが浄化を受け無害になると言いながら寝っ転がり畳の一部をトントンと叩き、其処からスイッチが出るとそれを押し、すると先程まで何もなかった広間の床が回転し、その裏から全く同じ畳、しかし今度は正邪の目の前に卓袱台やテレビ、YESNO枕が乗ったベッド、更に正邪の手元にリモコン等がが現れ広間に一気に生活臭が漂い出す。

そして正邪はリモコンでテレビを点け、煎餅を食べながら放送されてる物を見ていた。

針妙丸は正邪の隣に座りお茶を飲みながら彼女が何故そんなに安心出来るか疑問を投げかける。

 

「何でそんな事が分かるの?

あれを浄化するには霊夢並の霊力で、クレイの……と言うより、『メサイア』の力を受けられる場所で数ヶ月間清めなきゃ無理って〈リンクジョーカー〉を持ってた正邪が言ってたよね?

なのに何で直ぐ浄化されるって分かるの?」

 

「まっ、これは〈リンクジョーカー〉に身体を乗っ取られて色々やっちまった私だから感覚で分かるんすよ、あの英雄さんがカードを浄化するって。

じっくり見て気配を感じたから、ね」

 

「?????」

 

すると正邪は〈リンクジョーカー〉により異変を引き起こし、最後はブライトや霊夢達を中心にしたチームに倒され、解放された者としてのある種の感覚を話し、更にブライトがカードを浄化すると言い、針妙丸は困惑する。

ブライトには霊夢の様な霊力が無く、一応PSYクオリアを使え、クレイの先導者としては特別な存在だがカードの浄化には一切関わりが無い筈の為意味が分からなかった。

そして、正邪は更に口を開く。

自分が先程のファイト中にブライトの言動、更にマジマジと見て感じた察知した気配の事を。

 

「あーつまりですね、あの英雄さんはね……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『メサイアの先導者』だから、メサイアの浄化の力をこっちの世界で振るい放題なんですよ」

 

ブライトがメサイアの力を振るえる唯一の存在、『メサイアの先導者』と言うクレイや幻想郷、否、地球を見てもただ一人しか居ない者であると、そう感じ取ったと正邪は話した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

輝針城の任務から1時間、ブライトは途中でまた別の囮となり魔導機械の半分を引き受けた依姫や作戦に参加した各支部トップと地霊殿支部長の代理として汚い忍者を伴いながら普及協会本部へと足を運び出していた。

 

「フン、我々を本部に誘いなんのつもりだ?」

 

「会長への任務終了の報告と、会長から作戦に参加した支部長に直接話があるとの事だ。

まあ、この会長の話は後日書面で各支部長へと伝わるが作戦に参加した者に限りは直接話を通したいそうだ」

 

「藍会長が?」

 

レミリアの棘のある問いにブライトはあっさり答え、すると聖が八雲藍会長からの話と聞き少し驚いた表情を見せ、レミリアや永琳も何があるのかと疑念を感じ、依姫や汚い忍者も黙りながらも何かあると感じ動向を見守っていた。

そして会長室の前に辿り着き、ブライトがIDとなるクリスタルをドア横のセンサー機に嵌め込むと、IDナンバーが表示されドアロックが外れ、其処からノックし、中から「入って良いですよ〜」と言う声を確認してから入室する。

 

「失礼します、本部所属ブライト、及び命蓮寺支部、永遠亭支部、紅魔館支部各支部長、地霊殿支部長代理汚い忍者、並びに綿月依姫、任務遂行の報告に参りました」

 

「うむ、ご苦労であった。

そして紅魔館支部レミリア・スカーレット支部長、永遠亭支部八意永琳支部長、命蓮寺支部聖白蓮支部長、そして汚い忍者と綿月依姫殿、此度の任務への協力感謝する」

 

そして中に入ると其処には会長室の椅子から立ち、話し合いを行うテーブルの前に立つヴァンガード普及協会現会長、八雲藍とその補佐の(ちぇん)が全員を出迎えていた。

そして橙がブライト達を全員ソファーへと座らせ、藍も対面へと座り橙がお茶を汲み全に和菓子と共に出す。

 

「さて、早速ではあるがブライト、回収したカオスブレイカーのオリジナルカード、並びに貴様が告げられ存在を感知したと言う新たなる星輝兵(スターベイダー)を出せ」

 

「了解、こちらがカオスブレイカー、そして鬼人正邪が発見し、保有していた新たな星輝兵(スターベイダー)となります」

 

藍はブライトに回収した物を出す様に命令すると、ブライトは了解しポケットにしまっていた回収したカードを藍の前に出す。そして藍はそれを見てこれがカオスブレイカーのオリジナルカードであると滲み出る邪悪な気配から察し、更に新たなカードも微々たる物ではあるが虚無の力を有していると確信し、橙はそれらを見て感じ、固唾を飲む。

 

「うむ、間違い無くこれは我々が封印する為に探していたカオスブレイカーのオリジナルカード、そしてクレイの神たる『メサイア』の浄化を受けず幻想郷に紛れ込んだ〈リンクジョーカー〉のカードであるな。

浄化してないこれらはこの場で直ぐ浄化に移り、カオスブレイカーは私が誰にも触れられぬ場所へと責任をもって封印する」

 

「(告げられた……?

一体何の事だ?

それに浄化されてない物をこの場で浄化するだと?

この場には東風谷の様な強い霊力を持つ奴は居ないし、クレイの力を受けられる霊地じゃねえぞ?)」

 

藍がそれらを見てからの発言に汚い忍者やレミリア達はカオスブレイカーの封印には納得が行くが、それ以外には様々な疑問が浮かび、少し理解が出来ていない中でブライトがカオスユニバース等のカード束に手をかざし、集中を始めるとブライトの手から光が溢れ、それがカード束を包みその光の中で虚無の力が霧散されて行き、最終的には光が消え、虚無の力があったカードはその辺にあるカードと何ら変わり無い状態となり無害な物に変化していた。

 

「な、今のは……⁉︎」

 

「うむ、皆を呼んだのは今まで秘匿していたこれらを説明する為でもある。

先ずブライトの今放った力だが、これは見て感じた通りクレイの神たる『メサイア』の力だ。

何故これを振るえるか、それはブライトが数年前…………丁度ゆか…………八雲紫前会長と博麗霊夢が失踪してから直ぐ、ブライトが『メサイアの先導者』に選ばれその力をこちらで行使出来る様になった為だ。

そして、今回のカオスブレイカーのオリジナルカード回収ついでに彼が夢の中でメサイアに告げられた未浄化のカードも回収させたのだ、やり方は現場に任せたがな」

 

「メサイアの…………先導者…………?

何なんだ、それは?」

 

藍がブライトの放った力を説明し始め、『メサイアの先導者』と言う単語も出し、レミリア達がそれを聞いてくる様に促し、更に説明を続ける。

 

「『メサイアの先導者』とは、二つの世界に大きな影響を及ぼす事象を解決するこちら側でメサイアの力を振る者、端的に言えば博麗の巫女に似た様な物だ。

そして、その先導者は唯一『メサイア』のカードを使える資格者でもある。

我々普及協会、と言うより私はこの力が何者かに悪用されかねんと思いそれらを秘匿し、また〈リンクジョーカー〉達の引き起した異変の二の舞が起きぬ様に前会長時代のアンティルールを更に厳罰化し、幻想郷に多大なる影響を及ぼす大規模異変には首謀者の討伐をするとし、悪用する者が現れ得ぬ環境作りをこの二つの理由から行ったのだ、

その一環として、ブライトには過去の関係を清算し、今後は今まで接した者達とは距離を置いて貰った。

霧雨魔理沙が反発し、厳罰化された直後のアンティを無視しようとしたのは想定外ではあったがな」

 

「(成る程、鬼人が言ってた救世主になるってそう言う。

そして、ブロントのチームが崩壊した原因の一つは)『ドォォンッ!!!!』うおわっ、スカーレット何やって……‼︎」

 

そして藍はブライトの今の立場やメサイアの先導者の事を話し、またこれらや〈リンクジョーカー〉達の事件があった故に今の様なアンティルールの厳罰化などが発生し、そして霧雨魔理沙が生死の境を彷徨った原因の命を下したと話す。

汚い忍者は正邪の言葉を理解し、納得した次の瞬間、レミリアは友人の魔理沙が死に掛けたのは藍の責任でもあると理解し、内に秘めた覇気や殺気が肥大化し、右手に紅の槍を作り……自分の背後の壁に投げ込んだ。

そしてその壁はあっさりと崩れ、更にその衝撃で警報が鳴り響くが藍がそれを誤報として止め、レミリアを見やる。

 

「(うわぁ……やっぱり怖いなぁ……)」

 

「……レミリア・スカーレット、貴殿の心情は理解出来る。

霧雨魔理沙は博麗霊夢が失踪した直後もあり精神的に不安定だった。

其処に共に闘って来た者の絶縁、そして件が起きた…………しかし、私はそれらが間違っていたとは思わん。

何故なら、あの場で『メサイアの先導者』の話をすれば間違い無く要らぬ衝突が生まれていただろう。

幻想郷が一つに纏まり、輝ける未来に生きようとしているのに陰りを与えてはならなかった。

更に現体制を整える為には秘匿すべき物であった。

そして今、幻想郷は食料供給、エネルギー、ヴァナから来た者達との確執などの様々な問題を前会長から私が引き継いだ上で着実に解消し、多大なる影響を齎す異変は起きず、起こそうとすれば討伐隊を編成出来る様になり、漸くそれらが実を結び月とも連盟を結ぶに至った。

これらは全て現体制が作られ、そして幻想郷に生きる人妖全てが一つの世界に生きる者として纏まった結果なのだ。

よって、この情報を支部長のみに公開すると言う判断に至ったのだ。

納得せよとは言わん、だが理解し今後とも現体制の意地を心掛けて欲しい」

 

レミリアの殺気に藍は臆さず話し続け、現在の幻想郷の体制を淡々と話し、更に月との連盟も引き合いに出し、そして今に至るまでに人間と妖怪が纏まったとし、レミリアはそれを否定する要素はまるで無く確かに幻想郷に生きる人間や妖怪は今を納得し、またそれぞれ生を謳歌していると思い、肩を震わせながらもソファーに再び座り藍を見据える。

但し、納得はしていない為怒りの表情となっているが。

なお橙は一連のやりとりを汗を少し流し、怖いと思いながら見ていた。

そしてもう一人納得出来ていない人物がいる。

それは…………ブロントさんのチームが崩壊し、ブロントさんが大会に参加せず武者修行の旅に出てしまった為に燻ってしまった汚い忍者である。

チーム崩壊の原因の一端を知り不機嫌となっているのだ。

 

「…………フン、この男がメサイアの先導者とやらで、 霊夢の様な立場に何故かなったと言うのは理解した。

しかし、魔理沙の件は絶対に許さんし、コイツは現在我が支部所属のファイターと揉め事を起こしている。

しかも聞く所によれば、コイツが原因で外の世界から幻想郷に来てしまったと。

それに関してはどう弁解するのだ、会長殿……!」

 

「何…………!」

 

更にレミリアは藍に名前は出さないが蓮子とメリーの件を出し問い質す。

汚い忍者や聖はそれを聞いてブライトを見て、依姫と永琳は誰の事を話しているか即座に理解し藍の回答を待つ。

 

「その件についてか。

報告には上がっているし、ブライトから話は聞いている。

そして、私はその件は一任してある」

 

「何だと、貴様……「無論」!」

 

「無論それは、彼が察知したと言う近い将来に起きる物を阻止する為の一環である。

今は私の口からはそれしか言えん、その件はブライト本人から聞いて欲しい」

 

藍は蓮子とメリーの件を知っていると話し、更にそれは今後起きる何らかの物……恐らく先程藍が話した大規模な異変を阻止する為だと言い、そして残りの話はブライトから聞く様にと言う。

それを聞いたレミリアは怒りの表情か続いていたが、ふと無表情になり口を開く。

 

「……そうか、ならば此奴から話は聞いてやろう。

但し、つまらん話であるならば首を刎ねて貰うがな」

 

「それは困るな。

うむ……ならばファイトせよ、レミリア支部長が勝てば好きにして良い、だがブライトが勝てば黙って話を聞く、その特別アンティでなら許可する」

 

「俺も異論はありません、そろそろ紅魔館、永遠亭、命蓮寺にも話を通す必要があります故」

 

「ほう…………思い切った事をしてくれるな…………!」

 

レミリアは話を聞くが、それがレミリアからしてつまらない事であるなら今までの負債として首を刎ねてしまうと言い聖を驚かせ、橙が頭を抱えてる。

汚い忍者は自分ならボコボコにブン殴るで終わらせると考えたが口にせず、藍も流石にそれは無理として特別アンティを許可し、ブライトもそれで構わないと話した。

そしてレミリアはニィっと悪魔的な笑みを浮かべ、ファイトに勝てば自分が正統的に好きにする権利が与えられた事を大いに楽しんでいた。

そうしてアンティが成立し、藍がテーブルを指で二回叩くとスイッチが現れ、それを押すと床が開き、テーブルが沈んで行き代わりにファイトテーブルが現れる。

こうして、レミリアとブライトのファイトが今この瞬間に始まろうとしていた……。

 




此処までの閲覧ありがとうございました。
正邪がただカードを渡す訳無く予め製作所に侵入→コピー作ったった→だからもうオリジナル渡すよん(渡された側はコピーの存在知らず)な展開になりました。
そして藍しゃま…………ついに本格的に会話に参加させましたが、自分の中で想定外な事が起き、話を一部修正しました(なお見通し)。
さて、次回はレミリアVSムカつくアイツ戦。
果たして勝利はどちらに……?

次回もよろしくお願いします、よろしければ感想、指摘をお願い致します。

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