メリーVS永琳後編開幕します。
今回もかなり詰め込み過ぎましたが、果たして受け入れられるのか…………では、本編へどうぞ。
「先ずは満月の女神のスキル、
更にクロイカヅチの後列にサイキック・バードをコールしてスキル、ソウルに置き1枚ドロー、そして『ダーク・キャット』をコールしてスキルを発動、全てのプレイヤー、この場合は私と貴女は1枚ドローしても良いわ。
私は当然ドロー「………私もドロー」さて、いよいよバトルフェイズよ。
ツクヨミでアタック「……ノーガード!」ツインドライブ」
ツクヨミVSスモークギア:11000VS10000=ヒット
ツインドライブ『バトルシスター じんじゃー』『☆』『ロゼンジ・メイガス』『治』
ツクヨミ:C1→2
永琳:ダメージ1/3→1/2
クロイカヅチ:P9000+10000=19000
ダメージチェック『メーザーギア・ドラゴン』『次元放逐の
メリー:ダメージ:4
「一気にダメージ4………!「追撃よ、アタック!」
パワー26000………ノーガード、ダメージチェック…………ヒールトリガー!」
クロイカヅチVSスモークギア:19000+7000VS10000=ヒット
ダメージチェック『スチームメイデン ウルル』『治』
メリー:ダメージ:4→3 最終ダメージ:4 手札:6
永琳:手札:9 山札:12/24 ソウル:9 ドロップゾーン:3
メリーはダメージ4枚で踏み止まるも、永琳が遂にデッキの半分をドロー、
この状況に汗を掻き、また自分達を排除すると言う永琳に対しメリーは幽々子の時以上の負けられないと言うプレッシャーが生まれ、息が荒くなり始め、また明確な敵意も生み出されていた。
「くっ……もうあんなにも手札やデッキの掘り進めを………流石は八意永琳…………でも負けてられない!
私が負けたら魔理沙やブロントさん達まで捕まるし、何より蓮子の身が危ないわ‼︎
このファイト、絶対に勝つ!
スタンド&ドロー‼︎
導け未来、切り開け世界!
ライド、『クロノジェット・ドラゴン』‼︎」
クロノジェット・ドラゴン:P11000、C1
「そして、
(何時もの様に新しく届けられたカード達、蓮子や牢屋の中に居た妖夢達以外に使うのは初めてだけど、上手く使い熟してみせる!)ストライド・ジェネレーション、未来を切り開け、運命の操縦者!
『時空竜 フェイトライダー・ドラゴン』!
クロノジェットの
ギアホークとギアウルフの
更にラッキーポットをコールしてフェイトライダーのスキル、私のリアガードをデッキの下に送り、デッキの中からそのユニットのグレードを+1したカードをリアガードとしてスペリオルコールする!
ラッキーポットを送り、ギアウルフをコール!
更に『グリマーブレス・ドラゴン』をコールして
ヴァンガードは今はGユニットのフェイトライダーだけど、ハーツはクロノジェット・ドラゴン、よってクロノジェットのパワーと名を継いで居る為スキルは有効!
ダーク・キャットを送り、ギアウルフ2体とギアホークのスキル発動‼︎」
時空竜 フェイトライダー・ドラゴン:P15000+11000=26000、C1、ハーツ『クロノジェット・ドラゴン』
グリマーブレス・ドラゴン:P9000+2000=11000、C1
ギアホーク:P4000+10000=14000
ギアウルフ(A):P7000+6000=13000
ギアウルフ(B):P7000+3000=10000
永琳:山札:12+2/26
メリーは自分のターンが回った瞬間、自らのフェイバリットであるクロノジェット・ドラゴンにライド、更に新たなるGユニットに
「ふむ………リアガードを山札の下に送る事で私の戦術の妨害と自陣のパワーを底上げね………セオリー通りの展開ね」
「その余裕を崩す………フェイトライダーでアタック!
更にドキドキ・ワーカーのスキル、ヴァンガードのクロノジェットがアタックする時にソウルに送る事で、クロノジェットのパワーを+5000して1枚ドロー出来る!
フェイトライダーのパワー+5000、よってパワーは31000‼︎「あら、良いスキルね………けど残念、完全ガード」
トリプルドライブ‼︎」
フェイトライダーVSツクヨミ:26000+5000VS11000+0=完全ガード
トリプルドライブ『スチームメイデン アルリム』『頂に立つギアウルフ』『スチームバトラー ダダシグ』『☆』
グリマーブレス・ドラゴン:P11000+5000=16000、C1→2
「グリマーブレスでアタック!「ノーガード」
ギアウルフでアタック!「これもノーガード」
ターンエンド………減らせた手札は結局2枚、しかも完全ガード、でもダメージは5…………後、一息……!」
メリー:手札:7
メリーは思う様に手札を削れなかった事に若干苦虫を噛んだ様な表情を見せるも、5ダメージを与えたのを良しとして気を引き締め直す。
しかし、対して永琳は余裕の表情であり、メリーの攻撃やデッキ一周の妨害など全く気にしていないと言った様子であった。
「あら、私が余裕なのが気に入らないのかしら?
まあ、余裕のあるのは仕方無い事よ。
何故なら、私の勝利の方程式は貴女が妨害を始める前にやった12枚の操作で確定していたのよ。
だから今から妨害を行おうと無駄な事なのよ、決定された物は覆らないわ」
「何ですって……?」
「さて、無駄話は終えてさっさと決めようかしら………ドロー」
永琳は勝利宣言とも言うべき台詞をメリーに告げ、幾ら山札操作を妨害しようが決まった12枚がある為無駄と口にする。
更にドローしたカード、『覇天戦神 スサノオ』をドロー直後のライドフェイズ中にメリーに公開し、ドロップゾーンへと送る。
メリーはこれは
「
来たれ満ち欠けする夜の鐘、未来を読み解け!
ストライド・ジェネレーション、『夜を統べる月神 ツクヨミ』!」
「‼︎
ツクヨミのGユニット……⁉︎」
夜を統べる月神 ツクヨミ:P15000+11000=26000、C1、ハーツ『満月の女神 ツクヨミ』
永琳:ダメージ:4/5 手札:7 山札:12+2/22 ソウル:9 ドロップゾーン:6
イメージ世界にてツクヨミが強い月光に包まれ、その瞬間輝きが増したかと思うと弾け飛び、光の中から神々しさが更に増した永琳が憑依したツクヨミが現れ、クロノジェット・ドラゴンを見下ろしていた。
リアル視点でもツクヨミのGユニットのイラストはグレード3の時よりも武器や装備がゴツゴツとし、如何にも力が増したとイラストだけでも分かる様になっていた。
「ツクヨミのスキル、ハーツが『ツクヨミ』を含むなら
更にクロイカヅチ、『覇天戦神 スサノオ』をコール」
永琳:山札:12+5/18 手札:6ソウル:10 ドロップゾーン:6
布陣
スサノオ ツクヨミ クロイカヅチ
ダーク・キャット R ダーク・キャット
「ダーク・キャットのブースト、クロイカヅチでアタック、
そして山札は1周、さあ、どうするかしら?「くっ、ノーガード……トリガー無し」
ツクヨミでアタック!「完全ガード!‼︎」
トリプルドライブ、確認するまでも無くクリティカルトリガー2枚と完全ガードよ、全てスサノオに付与してアタック!「ガード、インターセプト‼︎」
ターン終了………さあ、無駄な足掻きをしてさっさと捕まりなさい、それが貴女の運命よ」
クロイカヅチVSクロノジェット・ドラゴン:9000+7000VS11000=ヒット
ダメージチェック『スモークギア・ドラゴン』
ツクヨミVSクロノジェット・ドラゴン:26000VS11000+0=完全ガード
トリプルドライブ『オラクルガーディアン ニケ』『☆』『サイキック・バード』『☆』『調停者 アメノサギリ』
スサノオ:P11000+10000=21000、C1→3
スサノオVSクロノジェット・ドラゴン::21000+7000VS11000+10000+5000+5000=ガード
メリー:ダメージ:5 手札:5
永琳:手札:10 山札:9+5/14 ソウル:10 ドロップゾーン:6 ダメージ:3/5
遂に永琳の山札は1周を果たし、残りは永琳が初めの内に操作したカードとメリーが山札に送った2枚、更に3枚の操作した計14枚のみしか無く、ソウルと手札が破格の10枚になり盤面のユニットもツクヨミの後ろ以外は見事に揃えられ、ダメージ5枚でありながらメリーはこれを突破出来るか不安になって………否、突破出来そうに無いとすら感じ最早戦意が喪失しかけていた。
「こ、こんなの………どうやって勝てば………私のユニット、それに攻略法は………」
「どうする、サレンダーするのかしら?
そしたらもう絶望的な状況を終わらせて、後は排除されるのを待つだけよ……心配は無用よ、貴女達を恐怖させず、楽に逝かせる方法は幾らでもあるのだから…」
「っ⁉︎
ふ、ふざけないで‼︎
こんな所で私は負けてられないわ、まだあいつ……『シャドウ』を見返してやれてないし、それに………私は蓮子を守る、その為にも負けてられないのよ‼︎
ドロー、
今こそ示せ、我が真に望む世界を‼︎
ストライド・ジェネレーション、『時空竜 ラグナクロック・ドラゴン』‼︎
3体目のギアウルフをコール、グリマーブレスをもう1度来なさい、グリマーブレス‼︎
スキル発動、コストを払ってクロイカヅチをデッキの下に送ってパワー+2000‼︎
元々居たギアウルフ、ギアホークをそれぞれパワー+3000と50002回ずつ、さっきコールしたギアウルフはパワー+3000を1回発動‼︎」
時空竜 ラグナクロック:ドラゴン:P15000+11000=26000、C1、ハーツ『クロノジェット・ドラゴン』
グリマーブレス・ドラゴン:P9000+2000=11000、C1
ギアウルフ(A&B):P7000+3000×2=13000
ギアホーク:P4000+5000×2=14000
ギアウルフ(C):P7000+3000=10000
メリー:ダメージ:1/5
メリーは永琳の挑発に対して声を荒らげ、不安などを頭の隅に追いやり
更にグリマーブレスやクロノジェットのスキルを駆使して両ラインのパワーを最低手札2枚以上削れる様にし、何とかこのターンで決めようとしていた。
だが永琳はそれをやれやれと言った感じに見やり、手札に手を掛けそれを防ぐ気が満々であった。
「決める………絶対に決めてみせる‼︎
ギアウルフのブースト、ラグナクロック・ドラゴンでアタック‼︎
スキル発動
八意永琳、これで貴女はグレード0でこのアタックを防げない‼︎「成る程……完全ガード」
これは予測済み、トリプルドライブ………ヒール&クリティカルトリガー、クリティカルトリガーの効果はギアホーク、ヒールトリガーの効果はグリマーブレス、そしてダメージ回復‼︎」
ラグナクロックVSツクヨミ:26000+10000+グレード0ガード不可VS11000+0=完全ガード
トリプルドライブ『鉄の牙のギアハウンド』『スチームバトラー ダダシグ』『☆』『スチームメイデン ウルル』『治』
ギアホーク:P14000+5000=19000、C1→2
グリマーブレス・ドラゴン:P11000+5000=16000
メリー:ダメージ:5→4
ラグナクロックが防がれるのは想定内だったメリーはリアガードのアタックにかける為トリガーに賭け、見事クリティカルとヒールの2枚を引き当てて左右のパワーラインを引き上げる事に成功する。
そして手に掛け、アタックを宣言する。
「グリマーブレスでアタック‼︎「クリティカル2枚でガード」
ならギアホークでアタック、合計パワーは32000‼︎
いっけぇぇ‼︎「残念、完全ガード」
なっ………完全ガード………ターン、エンド………」
グリマーブレスVSツクヨミ:P16000+13000VS11000+10000×2=ガード成功
ギアホークVSツクヨミ:P19000+13000VS11000+0=完全ガード
永琳:手札:4 山札:9+7=16
メリー:ダメージ:0/4 手札:6
しかし、結局メリーは完全ガードなどに阻まれてしまい決め切れずそのまま永琳にターンを渡してしまった。
しかも、今度は永琳の望む様に手札が引ける最悪な状況下で。
メリーは其処で完全に折れてしまい、負けて再び地下牢に戻され、今度は排除されるのをただただ待つしか無くなると言う恐ろしい未来への恐怖に支配され、カタカタと震え始めていた。
「あらあら………折れてしまったのね。
言ったでしょう、無駄な足掻きって。
さて、これ以上ファイトを長引かせる訳には行かない、此処で終わらせるわ。
ドロー、ツクヨミのスキル、
更に満月の女神、半月の女神をコール。
ヴァンガードの満月の女神でアタック「……トリガー2枚で、ガード……」ツインドライブ、勿論クリティカル2枚。
効果はそれぞれ左右に振り分け。
満月の女神でアタック「完全………ガード……」半月の女神でアタック「……完全……ガード……」あらあら。
防がれたわね……ターン終了よ。
さて、予め言うわ。
私の手札、これは残りのクリティカル4枚と更に完全ガード1枚とコスト、更に山札の上はヒールトリガー2枚よ……諦めなさい、手札が0、クロノジェットもグリマーブレス、ラグナクロックのコストも無い貴女にもう勝つ確率は無いわ。
大人しく牢に戻りなさい、そしたら………譲歩してデッキを取り上げてこの幻想郷から追い出すに止めるわ。
………サレンダーなさい、自分や宇佐見蓮子の命が惜しいなら、ね」
そうして、メリーは全ての手札を使い切る事で永琳のアタックを防ぐ事に成功するが、永琳の言う通りクロノジェットやグリマーブレス、更にラグナクロックのコストが全く無く、更に完全ガードを1枚に加え山札の上はヒールトリガー2枚と言われ、クリティカルトリガー1枚を引く程度では勝てず、またラグナクロックを使えようが防がれる、左右のリアガードをパワーラインを引き上げても1回や2回では全く足りないと言う八方塞がりとなっていた。
メリーはそんな状況で声が出ず、ただただ静かに無言で涙を流す以外に何も出来ず、更にその原因たる永琳が譲歩をして命は助けて幻想郷から追い出し、またデッキを取り上げる程度で終わらせると言って再びサレンダーを要求して来る。
それを耳にしたメリーは頭の中でほんの少しだけ動く思考が回り始める。
「(………此処でサレンダーをすれば私や……蓮子は助かる。
デッキを取り上げられるだけで済んで、オマケに私達の世界……外の世界に帰れる………でも、このデッキや蓮子のデッキ……クロノジェットや〈ギアクロニクル〉、『ブラスター・ブレード』や〈ロイヤルパラディン〉のユニット達や魔理沙、咲夜、アリス、麟、ブロントさん達と離れ離れになったり、『シャドウ』を見返せないまま離れるなんて嫌………まだ、幻想郷の中で行ってない場所が沢山ある、まだ、ファイトをしていないファイターやクランが沢山居る、まだ………蓮子との冒険を終わらせたくない。
だって………あんな経緯や危険が一杯だけど、蓮子との幻想郷での生活は外の世界のそれよりも充実してた、ヴァンガードが楽しいと感じられた、このデッキと出会えたのは運命だって思えた………幻想郷が、美しいって思えたから。
だから…この生活を終わりにするなんて、嫌『なら、カードを引きなさい』…………)」
数々の思考の中で、メリーは皆と離れ離れになる事やデッキを取り上げられ、楽しいと感じたヴァンガードが出来なくなる、更に未だ見ぬファイターやクランとの対決、運命の出会いだと思えたデッキを失くす、蓮子との美しい幻想郷の世界での冒険を終わらせるのは嫌だと思った瞬間、メリーの頭の中で声が響く。
その声をメリーははっきりと覚えていた、幽々子とのファイトで今みたいな絶望の淵に追いやられた時に聞いた、何処か聞きたくないと思うあの声であった。
『カードを引きなさい。
この状況を打破する解は既に貴女は有している。
ならばその解をあの月の賢者に見せ付けてやりなさい………その程度では到底貴女には敵わない、ヴァンガードを奪う事は出来ない、宇佐見蓮子との冒険譚を阻めないと。
さあ……貴女や大切な宇佐見蓮子の命を狙う者に裁きの鉄槌を下すのよ……』
そして、メリーは再びその声を最後まで聞くと、幽々子の時の様に生魚不能なドス黒い感情が思考を支配し、殺意と憎悪に塗れた言葉がメリーの口から流れ始める。
「…八意永琳、この程度でこの私を終わらせたと?
蓮子や私の命を奪えると?
ヴァンガードを取り上げ、全てを受け入れるこの世で最も美しく、残酷な幻想郷での蓮子と私の冒険に終焉を齎せるとでも?
ふふふ………月の賢者が呆れる程愚かで、また想定不足であるわね……」
「何?
マエリベリー・ハーン、貴女は何を……いえ、サレンダーをする気は無いとでも言うの?」
「当たり前よ。
何故なら一見して打破不可能な状況下であるこの盤面、実はたった一手、たった一手であっさり崩す事が可能なのよ。
それはまるで、小さな水面に一石を投じる事で水面全体に波紋を広げるが如く簡単に………」
不敵な笑みに加え、一言一言がまるで高圧的で且つ普段とはかけ離れた言葉の数々を口にするメリー。
その一言一言を聞いて永琳は、一瞬この小娘は何を言っているのかと思うが、それを鼻で笑い遇らおうとした瞬間、永琳の頭の中に一人の人物が浮かび上がった。
その人物は、自分がメリーに対して口にした彼女と良く似た存在………幻想郷の管理者にして、境界を操る妖怪、『八雲紫』であった。
その瞬間、様々な計算が頭の中を駆け巡り、そして今目の前に居るメリーの豹変により、当初自分が思っていた解答は実は見当違いをしていた事に気付き青ざめ始めていた。
「ま、まさかそんな、貴女は………そして、今その豹変は……⁉︎」
「今更気付こうがもう遅い。
さあ、蓮子に手を出した事、私達の冒険譚とヴァンガードを奪おうとした事を悔い、その尽き果てぬ命の一つで贖い、永遠に怯えていなさい、月の賢者八意永琳。
ドロー………
超越せよ!
『時空獣 アップヒーバル・ペガサス』!」
時空獣 アップヒーバル・ペガサス:P15000+11000=26000、C1、ハーツ『クロノジェット・ドラゴン』
メリーは長い口上を言い終えると同時に
それは、ポストに入れられ自分に贈られて来たカードの1枚であり、やや使い所が難しく中々使えなかった1枚。
口上の中にある激動の名を冠する天馬、アップヒーバル・ペガサスである。
「時空獣……アップヒーバル・ペガサス?」
「アップヒーバル・ペガサスのスキル、このユニットがヴァンガードに登場した時、相手は自分のリアガードを好きな順番で山札の下に置く」
永琳がアップヒーバル・ペガサスに目を向けてる間にメリーは単体とスキルを説明し、永琳にリアガードを全て山札の下に置かせ始める。
これによりギアウルフ、ギアホークは4回分スキルが発動する事が確定となり、永琳は中々のスキルと関心を、しかしまだ足りないとも思っていた。
「出ただけでリアガード全てを山札の下に送るとは、中々のユニットね。
けれど、それではまだ「更に」?」
そんな考えを口にしようとした永琳に対してメリーは、普段では考えられない様な妖艶で美しく、また何処か冷たくもあり無邪気な様にも見える笑みを浮かべながら何かを口にしようとする。
そしてその何かとは……今の状況を打破し、永琳を負かすと言う現実である。
「このスキルで山札の下に送られたカード1枚につき、相手は山札の上から1枚を見て『好きな、ユニットの居ないリアガードサークルにそのカードを置く』」
「………えっ……⁉︎」
その瞬間、永琳の山札の上から合計4枚………ヒールトリガー2枚に加え、最初にメリーが戻したクロイカヅチとダーク・キャットがコールされ、永琳の盤面が再び4体のリアガードでヴァンガードの後ろ以外が埋まる………但し、永琳の策の要の一つにして最大の一手である残りのヒールトリガーを含めた、最悪にして最低の布陣で。
「な………なっ…………⁉︎」
「ふふふ、前に一度貴女は学んだ筈よ?
幾ら月の賢者とは言えど裏をかく事など容易いと。
それとも、マエリベリー・ハーンと言う齢十数年程度しか生きてない小娘如きと侮った結果かしら?
どちらにせよ………貴様の負けだ、八意永琳。
ギアウルフ3体のスキル、相手のリアガードが山札の中に送られた時、その度にパワー+3000!
更にギアホークのスキル、こちらも同様の条件でパワー+5000!」
ギアウルフ×3:P7000+3000×4=19000
ギアホーク:P4000+5000×4=24000
そしてギアウルフとギアホークが破格のパワーアップを遂げ、グリマーブレスのラインでも合計パワーは28000、アップヒーバルとギアホークのラインに至ってはそれぞれ45000、43000と最早永琳の手札では防ぎ切れず、また頼みの綱のヒールトリガーも最早リアガードサークルにある為負けが確定していた。
「さあ、死ぬ事の許されぬ永遠の咎人よ。
その身を恐怖で染め上げ、私や蓮子に対する愚行を悔い改めよ………アップヒーバル・ペガサスでアタック‼︎「っ、ガード、インターセプト‼︎」
悪足掻きを、トリプルドライブ‼︎」
アップヒーバルVSツクヨミ:P26000+19000VS11000+10000×3+5000=ガード成功
トリプルドライブ『スチームブレス・ドラゴン』『次元放逐の
アップヒーバル・ペガサス:P45000+5000=50000、C1→2、ガード突破、ダメージ確定
イメージ世界にて永琳の憑依したツクヨミを守ろうとユニット達がガーディアンとしてアップヒーバル・ペガサスの前に出るも、アップヒーバル・ペガサスが放つ雷撃によりユニット達は倒れ、ツクヨミまでの道が出来、阻む物が一切無い状態になった。
リアル視点でもトリガーによりガードを突破、ダメージが確定し永琳は青ざめた表情でメリーを、『八雲紫』に『良く似た』少女に目を向け、恐怖心を抱いてしまう。
そして、メリーの背後でイメージ世界のアップヒーバル・ペガサスの翼が放つ雷撃と同じ雷が瞬き、今にも永琳を穿とうと光を放っていた。
「さあ、八意永琳……この雷でその身を焦せ‼︎
双翼動ら「メリー、ダメぇ‼︎」『ガバッ!』………蓮……子……?」
「メリー駄目、その力に溺れちゃ、ドス黒い感情に身を任せないで‼︎
嫌な予感の正体が分かった、何だかメリーがメリーで無くなって行くみたいな、そんな感じが今のメリーからするの‼︎
だから………お願い、一度心を落ち着けて正気に戻って‼︎
私は平気だから、ちゃんと勝ったから‼︎」
メリーが攻撃を宣言し、雷撃が永琳を穿たんとした瞬間、メリーの後ろからたった今ファイトを終えた蓮子が介入し、今のメリーの動きを制止する為に抱き着き、メリーを宥める様に叫ぶ。
実は蓮子の瞳にはメリーの周りに何か異質な気配が漂い、更に身体から黒い靄の様な何かが噴出しているのが映り、それが蓮子にはメリーが別の何かに変わって行く様にも見え、メリーと離れ離れになる悪夢とダブった為にしがみ付いたのだ。
メリーをこの手から離さない様に、絶対に何があっても近くに居る為に。
それに反応してか、メリーの身体から出ていた黒い靄の様な物と異様な気配は消えて行き、普段のメリーに戻りつつあった。
「……蓮子………私…………あ……『フラァ…』」
「っ、メリー?!」
するとメリーは突然気絶し、倒れそうになるも蓮子が頭を打たない様にそれをしっかりと抱き止めて腰を下ろす。
そんな光景を見ていた永琳は冷や汗を掻きながらダメージチェック(敗北確定)を行い、ゲームエンドとなった瞬間地面に腰を落とし呼吸運動をし、心を落ち付けようとしていた。
「はぁ、はぁ、はぁ、………すぅ、はぁ………どうやら私は、とんでもない見当違いと呼び起こしてはならない物を呼び起こし、『12枚のカード』への扉を一つ開けてしまったのか………「ほう、『12枚のカード』とな?
詳しく聞かせろよ月の賢者、何故こんな真似をしたのかも今節丁寧に、なぁ………」……レミリア・スカーレット、お早いお着きで……」
するとその永琳の背後から紅い槍を首筋に突き立てているレミリアが現れ、月の賢者に対して説明要求をしていた。
実は魔理沙はこの部屋に入り、鈴仙に感覚を狂わされる直前に懐にしまっていたクリスタルを砕き、レミリア達に突入要請をしていたのだ。
それにより、迷いの竹林の近場で待機していた潜入組待機班+レミリア&パチュリーは正面から永遠亭へと突入し、今に至るのだ。
更に、その道中でもう一人と合流しその者にも事情を簡潔に説明してレミリアともう一人が部屋の中に突入していたのだ。
そのもう一人とは。
「………永琳、説明なさい。
私に黙って何をしていたか、何を行おうとしたか、隠し立てせずに話しなさい。
これは私、『蓬莱山輝夜』の命である」
「……姫様………御意」
永琳達の主人にして竹取物語のかぐや姫本人である永遠と須臾の罪人、『蓬莱山輝夜』その人であった。
さて、今回で永琳戦が終了致しました。
………はい、ちょっとした伏線の回収とまたしてもです。
メリーの身に何が起きているのか?
あの豹変の正体は?
それらの答えはまだ先に………。
次回はまた事情説明回、そして小話があります。
いよいよ永遠亭編最終盤………次回もまたよろしくお願いします。
キャラ設定を見たいですか?
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