今回で分かる事、また『えっ?』となる展開がありますが、その辺はどうかご容赦下さい。
では、本編へどうぞ。
時は遡り、永琳とメリーのファイトが始まる直前。
メリーは手札を見て、何を入れ替えるのかを決めようとし、既に入れ替えた永琳はそれを見ていた。
「……うん、全入れ替えしようかしら?」
するとメリーは何を思ったのか全ての手札を入れ替えると言う滅多に見ない行為をやらかし、そして5枚を改めて引くと首を縦に振り、納得した様子を見せていた。
「(手札を全て入れ替えての理想型の手札を引き当てる………これはやはり………)」
メリーを見て永琳は何かを思い、表情には出していないがメリーを警戒しているようであった。
当のメリーは永琳が何を考えているのかは分からないが、兎も角勝つ為の戦略を立て、また永琳が何故自分達を捕らえたのかの真意を問おうと考えていた。
「じゃあ行くわよ、スタンドアップ・ヴァンガード!」
「ええ、スタンドアップ・ヴァンガード!」
そうしてファイトが始まり、メリーはクレイの大地をイメージし、降り立つ。
其処は満月が照らすユナイテッド・サンクチュアリとドラゴンエンパイアの国境境にある荒地であった。
「『神鷹 一拍子』」
「『真鍮の羽のギアホーク』!」
永琳がライドしたのは神鷹 一拍子、〈オラクルシンクタンク〉と言う魔理沙からの情報によれば手札を他のデッキよりも多く確保したり、山札を操作してデッキトップをトリガーにしたりなどを行うテクニカルなクランだと言う。
対してメリーのFVはガンナーギアでは無く、別の物となっていた。
無論これは、魔理沙の家のポストにかなり多くのカードが送られて来て、その中から何を使おうか悩み、考え抜いた末に決まったFV交代とデッキ内容の変更であった。
そしてリアル視点では、永琳が先攻を確保し、そのままファイトが進み出す。
「さて、私の先攻、ドロー。
神鷹 一拍子のスキル、山札の上から5枚を見て、『三日月の女神 ツクヨミ』があればスペリオルライドする。
………スペリオルライド、三日月の女神 ツクヨミ。
そして残ったカードは山札の下に好きな順番で置くわ、
それから、このスキルでライドした後はノーマルライドが出来ないのでターン終了」
神鷹 一拍子:P5000、C1
三日月の女神 ツクヨミ:P7000、C1
永琳:手札:6 山札:4/42
「手札を使わずにライド、そして山札の下には仕込み済みの4枚………ドロー!
『メーザーギア・ドラゴン』にライド!
ギアホークは左後列に移動してコール、『頂に立つギアウルフ』!
ギアウルフでアタック!「ガード、『オラクルガーディアン ニケ』
メーザーギアでアタック、ドライブチェック………トリガー無し」
メーザーギア・ドラゴン:P8000.C1
頂に立つギアウルフ:P7000、C1
ギアウルフVSツクヨミ:7000+4000VS7000+10000=ガード成功
メーザーギアVSツクヨミ:8000VS7000=ヒット
ドライブチェック『スチームブレス・ドラゴン』
ダメージチェック『神剣 アメノムラクモ』
メリーは手札消費0のライドなどを見て驚くも、矢張り自身のファイトをするだけなのでメーザーギアにライドし、更にツクヨミのパワーが7000である事を考慮して速攻を仕掛ける。
これらに対し永琳は冷静に対処しており、メリーは中々精神的にも強いと感じていた。
「ドロー、三日月の女神のスキル発動。
山札の上から5枚を見て、『半月の女神 ツクヨミ』を1枚探してスペリオルライドする。
……半月の女神にライド。
残り4枚は山札の下に好きな順番で置き、半月の女神のスキル、ヴァンガードとして登場時、ソウルに神鷹 一拍子と三日月の女神があるなら
メインフェイズ、『サイキック・バード』をコールしてスキル発動、ソウルに移動して1枚ドロー。
更にサイキック・バードをコールして同じスキル発動、1枚ドロー。
そして『神凪 クロイカズチ』をコール」
半月の女神 ツクヨミ:P9000、C1
サイキック・バード:P4000、C1、『☆』
神凪 クロイカズチ:P9000、C1
永琳:手札5 ソウル:6 山札:8/35
永琳は返しのターンに再びスペリオルライドを成功させ、更にサイキック・バードもコールしてスキルを使う事で手札消費実質1枚でデッキを掘り進め、これらを見ていたメリーは魔理沙のコレクションにあった〈オラクルシンクタンク〉のスキルを思い出して行き、永琳の狙いがデッキを1周させ、好きなタイミングでトリガーを引ける様に調整する事だと勘付く。
「あら、その様子だと私の狙いに気が付いたのかしら?
流石は『境界を視る者』、そして………今この幻想郷に不必要なイレギュラーね」
「えっ、境界を視る………まさか、貴女私の眼の力を知っているの⁉︎」
「ええ知ってるわ。
だって、私は貴女達を人里で見掛けた時からずっとマークしていたもの………そう、貴女達が初クエストで寺子屋の子供の無くなったカードを探していたあの時からね」
するとそんな永琳の口からメリーの能力を知ってる、更に初クエスト時からマークされていた事を告げられ、何故自分らが狙われ、捕らえられた上に個人の情報を握っているのか時期的な辻褄が合わさる。
だが、矢張り何故自分らが危険因子で、幻想郷には要らないイレギュラーと呼ばれるのか分からずに居る為当初の予定通りに全てを聞き出そうとする。
「バトルフェイズ、クロイカズチでギアウルフにアタック「スチームブレスでガード!」
次、半月でアタック……クリティカルゲット」
クロイカズチVSギアウルフ:9000VS7000+5000=ガード成功
ツクヨミVSメーザーギア:9000VS8000=ヒット
ドライブチェック『バトルシスター じんじゃー』『☆』
ダメージチェック『ラッキーポット・ドラコキッド』『引』『グリマーブレス・ドラゴン』
メリー:手札:5 ダメージ:2
永琳:手札:6 山札:8/34
ギアウルフを失なう訳には行かない為、メリーは今ギアウルフへのアタックをガードするも、続くヴァンガードのアタックはクリティカルトリガー入りで2ダメージを受けてしまう。
しかしこれは計算の内であり、寧ろこれからが勝負時である。
「スタンド&ドロー!
ライド、『スモークギア・ドラゴン』!
更にコール、『ドキドキ・ワーカー』!」
スモークギア・ドラゴン:P10000、C1
ドキドキ・ワーカー:P4000、C1、『☆』
メリー:手札:4
布陣
ギアウルフ スモークギア R
ギアホーク ドキドキ・ワーカー R
メリーは相手のパワー9000の単発アタックを防ぐべく、スモークギア・ドラゴンへとライドし、更にその後列には何故かドキドキ・ワーカー、パワーが4000のクリティカルトリガーをコールするが、永琳のヴァンガードはパワーが9000の為10000+4000でしっかりとラインが組めていた。
そんな布陣を展開したメリーは少し息を吸い、吐くと永琳に対しアタックをかけながら話し掛ける。
「………八意永琳、貴女に話があります。
何で私や蓮子が幻想郷に危険を齎して、貴女の守りたい人に害を及ぼすのか「……ギアウルフのアタックをじんじゃーでガード」何でそんな計算に至ったのか!
幻想郷の住人で随一の頭脳を持っている貴女は愚かな選択は絶対にしない、だからちゃんと答えて理由を説明して下さい‼︎」
ギアウルフVSクロイカズチ:7000+4000VS9000+10000=ガード成功
スモークギアVSツクヨミ:10000+4000VS9000=ヒット
ドライブチェック『ドキドキ・ワーカー』『☆』
スモークギア:C1→2
ダメージチェック『ロゼンジ・メイガス』『治』『覇天戦神 スサノオ』
永琳:ダメージ3 手札:5 山札:32
メリー:手札:5
永琳に対し何故こんな事をするに至ったのかの理由の説明を求める為に叫ぶメリー。
それを聞いて永琳は少し顎に指を掛け、考える仕草を見せると少し何かを呟いたかと思うとメリーに対し視線を向け、相変わらずの余裕の笑みを浮かべながら口を開く
「ええ、良いわよ。
答えてあげなくもないから良く聞きなさい。
そう、あれは私が貴女達二人を目撃した、貴女達の初クエストまでに遡るわ」
永琳はメリーの問いにYESを出し、初クエストの際に見掛けた際とまで言い、記憶を辿りながらメリーに聞かせ始め、メリー自身もそれをじっくりと聞こうとするのであった。
時は遡り1ヶ月程前、まだ蓮子達が初クエストで寺子屋に居た頃、永琳は里の中を定期回診で回り、歳を召して永遠亭まで来られない老人達を診ていた。
「はい、これで回診は終わりよ。
今日も健康状態に問題なし、長生きするわねおばあちゃん」
「んにゃ永琳先生には敵いませんよ、あっはっはっは」
永琳は老婆の回診を終え、軽く話しかけながら家を後にして外に出て、次の回診の家へと向かう。
すると、その視線の先に寺子屋の教師である慧音や、寺子屋の生徒が1本の木の前に立ち上を見上げていた。
「あら、慧音に生徒……何故あんな変哲のない木の下に立っているのかしら?
上に何か………」
それを見て考え事をしようとした永琳の視界にふと、慧音の横に立ち同じく気を見上げている少女が目に映る。
その少女は永琳の記憶上に人里で見掛けた覚えが無く、更に身形からして外来人であると判断し、更に直後に木の上から同じく身形が人里の人間の物とは違う少女が飛び降り、寺子屋の生徒にカードを渡していた。
「あの二人は………外来人?
博麗の巫女が居ない上に『彼女』も居ない時期にやって来てしまうなんて不運ね…………?」
永琳は少女達を見た後にそのままその場から去り次の回診に行こうとするが、ふと永琳は何かが頭に引っかかり、一歩前に踏み出した直後に立ち止まり再び慧音達、否、正確には少女達の方を見る。
その少女達は、確かに永琳は初めて見る人物であり見覚えなど皆無であった。
否、その筈であった。
しかし、その少女達の片方………紫の服を着て、白い帽子を被る金髪の少女だけは、何故か永琳は見覚えがある様に感じ、記憶を辿るととある人物に良く似ていた事が分かってしまう。
しかもその人物は妖怪であり、人間の少女、しかも外来人が似ている事などまずあり得ない事象であった。
「………あり得ない。
あの妖怪とあの外来人が似ているなんて………おかしい、何か関連性があるとしか思えない。
けど、確信は…………?」
そんな考察をしていた永琳の視界にチルノ達が入り、何やら少女達と話していて、その直後にファイカからデッキを取り出しヴァンガードファイトを始める。
少女達が気になった永琳は影が少女達に掛からず、またファイトが見える位置に飛びファイトテーブルを見やる。
「………黒い帽子の子は『
そして………『ブラスター・ブレード』、伝説のレアカードを………さて、白い帽子の子は…………⁉︎
あ、あれは………………⁉︎」
永琳は二人のデッキを見てそれぞれ幻想郷では珍しいカードを使っている事が分かるが、永琳にとって白い帽子の少女のデッキは彼女に衝撃を齎した。
何故なら白い帽子を被っている少女のデッキ、否、クランは幻想郷には一切存在せず、また、彼女が知る限りでは少女に似た妖怪が管理し、己が目的の為に利用しようとした。
そして、その妖怪が消えたと同時に消え姿形すら無くなったクランだったのだ。
そのクランの名は。
「………〈ギアクロニクル〉………何故、何故あのクランが……あれは、『八雲紫』と『博麗霊夢』が消えたのとほぼ同時に消えた筈……⁉︎」
〈ギアクロニクル〉、時空を超越し、クレイと地球を繋げる門を形成する事が理論上可能なカードを有するクランである。
「………私が………その『八雲紫』って妖怪に似ている?
〈ギアクロニクル〉は危険?」
メリーは永琳の話を聞き、語られる話に徐々に疑念などが浮かび、また自分の持つデッキが危険と言われ戸惑い出していた。
しかし、それを意に介さず永琳は話を続ける。
「ええ。
そして貴女の持つ力を知ったのはその後、貴女がファイトハウスへ行った時よ。
貴女はあの時、クレイのユニット……『時空竜 ミステリーフレア・ドラゴン』を呼び出していたのよ。
余りにも不完全で、実体はほぼ無いに等しく、イメージ力が高い者や子供達にはしっかりとその目で捉えられる程度ではあったけどね。
其処から私は貴女自身も危険と判断したわ。
何故なら貴女の持つ力は、『八雲紫』が持つ力とほぼ同じだからよ………ユニットを召喚する力がね。
おまけにその〈ギアクロニクル〉、そのクランのカードの中に12枚だけ特殊なカードが存在するわ。
そのカードが有する力は恐るべき物で、この世の理すら変えかねないわ。
カードの力を引き出すには貴女や『八雲紫』が持つ力が必要になる、逆に言えば貴女はそのカードが持つ力を利用する事が出来るのよ……限りなき可能性と危険性を秘めたカードをね。
更に貴女の眼も境界を捉える事に長けている事も調べ上げされて貰ったわ。
そして、『八雲紫』は境界を操る程度の能力を持つ幻想郷の管理者だった。
余りにも貴女は『八雲紫』と似過ぎている……何らかの関連性があると考えるのは然るべき、無かったとしてもその力は幻想郷や姫様に危険を齎す。
だからこそ私は決断した………危険な芽は速やかに排除すると」
「………えっ?
排……除?」
そして永琳はメリーに対し話を進める事に敵意を徐々に向け始め、そして最後の方になると余裕の笑みを崩し、はっきりとした敵意を示す鋭い目をし、表情は無表情となりメリーを睨み付け、更に排除と言う言葉を使用していた。
それを聞いた瞬間メリーの頭の中から戸惑いや疑念や一気に吹き飛び、排除……つまりは命を奪おうとする永琳に対しての恐怖心と敵対心が8:2の割合で生まれていた。
「そうよ、排除。
つまりは貴女達をこの幻想郷から消し去るわ………貴女は今、力を使いこなせていない。
何らかのトリガー、恐らく宇佐見蓮子が関連して強く力を引き出せる筈。
ならば、私のやるべき事は一つ………ユニットを召喚する力を完全に身に付ける前に、貴女が『あの12枚のカード』に到達する前に、貴女達を始末する!
それの邪魔もさせなければ、貴女達をこの永遠亭から逃す訳には行かない……必ず再び捕らえる!
その為なら私は非情に、冷酷に、効率的にやるわ……ドロー!
半月の女神のスキル!
山札の上から5枚を見て『満月の女神 ツクヨミ』を1枚探し、あればスペリオルライドする!
……スペリオルライド!
そして残ったカードは山札の下に好きな順で置く!」
満月の女神 ツクヨミ:P11000、C1
永琳:手札:6 山札:12/30
永琳は再びスペリオルライドを成功させ、山札が現在残った枚数の半分に近い数が操作され、後18枚で永琳の思うように引けてしまう様になる。
これに対しメリーは何としても勝たねば自分や蓮子の命が危ないと理解し、勝つ為に何をするべきか考え、また蓮子を守ろうと躍起になり始める。
果たしてこのファイトの行方は……?
迷いの竹林の出口付近、ブライトは永琳とのファイトを中断した直後から其処まで歩き、そして到着すると何かを考えているのか目を瞑りながら立っていた。
「…………「ブライト、私だ」………貴女か。
態々直接連絡して来るとは心配性ですな、現普及協会会長殿」
「そう言うな、ブライト。
それで、行方不明者は見つかったか?
それとも見つけていないか、どちらだ?」
するとブライトの所持するクリスタルから映像が浮かび上がり、現普及協会会長が連絡を掛けて来る。
どうやらブライトに対し行方不明者の発見か否かの確認をする為に連絡を入れたらしく、報告を促していた。
「発見しました。
八意永琳が『保護していた』らしく、また侵入者と同時期に保護し、また行方不明者が不審な輩に狙われていたらしく迂闊に外に出せられない状況下にあり、また、不審人物に永遠亭に行方不明者が『保護』されているの悟られるのを防止する為に1週間『特殊な環境で生活』させていたとの事」
「……そうか、無事なのだな。
ならば良し、このまま従来通りに人里などを巡回する様に」
するとブライトは何を考えたのか、行方不明者達が永琳に監禁されていた事とは真逆に『保護されていた』と虚偽の報告をし、また居る筈の無い不審人物をでっち上げ、現会長にそれらしい事を言っていた。
それを聞いた現会長はそれを信じたのか否かは映像越しではブライトには分からないが、彼に従来通りの職務に戻る様に告げブライトはそれにYESを示す。
「了解、では通信はこれで終了とします………現会長、『八雲藍』殿」
「ああ、分かった」
「………ふう、残された時間は後………それまでに俺の想定通りに成長しろよ、宇佐見蓮子、マエリベリー・ハーン……」
ブライトはヴァンガード普及協会現会長にして幻想郷の管理者代行『八雲藍』との通信を終え、また何かを思い耽りながら空を見上げて独り言を呟くと従来通りの職務である人里や普及協会指定の施設や支部周辺の巡回に入っていった。
その瞳にどんな感情を秘め、また何を考えているのかはブライト自身にしかまだ分からない………。
はい、今回で分かった事はまさかのゆかりさんじゅうnマジメニヤレ○(`・ω・)=○)Д´∵. グハッ!!
メリーと紫様が似て、また同じ力を持つ事。
紫様の不在と代行として藍しゃまが上に立っている事でした。
一つこの場で言える事は、『紫様は死んでいない』事です。
次回もよろしくお願いします。
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