いつもよりも話が長くなってしまってますが、どうか最後までお付き合い下さいm(_ _)m
では、本編へどうぞ。
「ライド、『
更に『
ラグエルでセルディックにアタック、スキルでパワー+3000!「くっ、ラヴィング・ヒーラーでガード!」
ダネルでアタック!
ドライブチェック………クリティカルトリガーゲット!」
ラグエルVSセルディック:9000+3000VS9000+10000=ガード成功
ダネルVSブラスター・ブレード:9000+5000VS9000=ヒット
ドライブチェック『
ダネル:P14000+5000=19000、C1→2
ダメージチェック『聖棍の
蓮子:ダメージ:2/3 手札:3
鈴仙:手札:6
鈴仙がグレード2にライドし、蓮子の手札に後続が全く無い事をGアシストで知っていた為、現在唯一のアタッカーであるセルディックが狙われてしまいそれをガードするも、ヴァンガードのアタックで再びクリティカルトリガーを引かれてしまい再びダメージレースを逆転されてしまう。
しかも残り手札はたった3枚、しかもグレード0が2枚、グレード3が1枚と言う崖っ淵に立たされてしまっていた。
「ま、またクリティカル………⁉︎(ヤバイ……勝つ手段が見出せない‼︎)」
「さて、また逆転………どうするの?
さっさと諦めて牢屋に戻る?
それとも無駄に足掻いて首を更に締める?」
「くっ………!」
倍の手札、逆転しても返されるダメージレース、カードを引いても見えない勝利への活路。
たった4ターンしか進んでない中で起きた圧倒的不利な状況と自身の中で未だ膨らみ続ける不安などの感情により蓮子の心は折れ掛けており、既に目の焦点がブレたりなどが起き、更に鈴仙の煽りもあり最早蓮子の心が折れ切るのも時間に問題となっていた。
「れ、蓮子……気をしっかり持て……!」
「………魔理沙、この様子だと蓮子には………」
「おいィ……鈴仙、なんでこんなにも相手を煽るんですかねぇ?
煽りプレイは止めろよ名誉既存の犯罪だぞ。
煽りプレイは関係悪化を招きジャッジからキルを受けてそのままファイトを無効にされて裏世界でひっそりと幕を閉じる事になる悪質な手段だぞこのままジャッジキルを受けたくなければ止めるべきそうすべき!
そももも煽りプレイをやるとかおもえらしくもないんですわ、お?
何故こんなにも親の仇みたいにムキになっているんだ?」
魔理沙が蓮子に声を掛けても先程と違い反応が無く、既に耳に言葉が入らない程に追い詰められ切っていた。
するとブロントさんは鈴仙に話し掛け、何故この様な事、しかもブロントさんや魔理沙達が知る鈴仙では調子に乗っても先ずやらない煽りプレイをやるのかと聞き出そうとする。
「……知らないわよ、今のこの子を見てると何か煽りたくもなるしムカついたりするのよ」
それに対し鈴仙は何故かそうしたくなると言い、以降ブロントさん達の言葉を右から左へと受け流して目の前のファイトに意識を向ける。
するとその間に蓮子は自ターンになってた為ドローし、新しく来たカードを見て考え出し、こうすれば行けるかもしれないと何とか考えを纏めていた。
「勇気を剣に、希望を盾に進め!
ライド、『光源の
前列にコール、『誠実の
更にアルフレッドのスキル、『
私は『聖棍の
オクタウィウスのスキル、前列に『
光源の
誠実の
聖棍の
蓮子:ダメージ:0/3 ソウル:0 手札:3 ドロップゾーン:4
布陣
セルディック アルフレッド・エクシヴ シンリック
オクタウィウス ファイル R
蓮子はソウルやダメージなどを全てコストに活用し、実質手札消費1枚で布陣を敷き、更に手札1枚をこのファイト初の非公開にするなど序盤の遅れを徐々に取り戻しつつあった。
それらを見ていた鈴仙は少しは関心した様子を見せ、手札に手を掛け初めていた。
「シンリック、ラグエルにアタック、スキルでパワー+3000!「『クリティカルヒット・エンジェル』でガード」
次、ファイルのブースト、アルフレッド・エクシヴでアタック‼︎「ノーガード」
ツイン………ドライブ‼︎」
シンリックVSラグエル:7000+3000VS9000+10000=ガード成功
アルフレッド・エクシヴVSダネル:11000+5000VS9000=ヒット
ドライブチェック『
アルフレッド・エクシヴ:C1→2
セルディック:P9000+10000=19000
蓮子:ダメージ:0/3→0/2
ダメージチェック『
ダネル:P9000+5000=14000、C1→2
イメージ世界にて、蓮子がライドしたアルフレッド・エクシヴの指示によりシンリックがラグエルに攻撃し、一瞬取ったかと思いきやクリティカルヒット・エンジェルが割って入り、治療器具で光の矢を防ぐ。
続くアルフレッド・エクシヴがダネルを切り捨て、更にトリガーユニットの恩恵が入りダメージが和らぎ、一撃が重い物となった。
「よし、後2ダメージ……!
セルディック、オクタウィウス‼︎」
『了解、はぁぁ‼︎「シェミハザ、ラムエル‼︎」
ぐっ⁉︎』
セルディックVSダネル:19000+7000+3000VS14000+20000=ガード成功
蓮子:手札:5
鈴仙:ダメージ:4 手札:3
そしてセルディックがオクタウィウスの支援を受けダネルに斬り掛かるも、トリガーユニットに阻まれてしまい攻撃が通らなかった。
リアル視点でもトリガー、クリティカルと温存されたヒールによりガードされ切っていた。
「ふん、少しはやるみたいね。
ダブルトリガーを引き当てて私とのダメージレースをまた広げて来るとはね………けど、まだ想定内。
ドロー!
虚無の快楽で痛みを癒せ!
ライド、『
そして
舞い降りよ、聖なる天使!
全ての苦痛から解放せんが為に!
ストライド・ジェネレーション、『
だが返しのターン、鈴仙は‘‘
それを見た蓮子は、Gユニット故に強力なスキルを持っていると予想し、警戒をする。
「ふふ、警戒しても無駄よ。
このターンで差を広げてやるわ………先ずはベヌエルのスキル発動!
このユニットをソウルに置き、ダメージゾーンから『
更に、デッキの上から1枚を裏向きでダメージゾーンに置く!
ナレルのスキル、手札の『
私はレミエルをダメージゾーンに置き、ベヌエルのスキルで置かれた裏向きのダメージを手札に!
更にミカエルのスキル!
私はもう1体のナレルをコール‼︎
更にナレルのスキル、手札から『
更にミカエルのスキルで置かれたダネルのスキル!
『
そしてデッキの上から1枚をダメージゾーンに‼︎」
ナレル(B):P7000+5000=12000
鈴仙:手札:2
布陣
ラグエル ミカエル ダネル
ナレル R ナレル
「くっ、手札を交換しつつ盤面をしっかり整えた……‼︎」
「これが〈エンジェルフェザー〉よ、勉強になったかしら!」
鈴仙は手札を次のターンでガードし易い様に入れ替えると同時に盤面を一気に整え蓮子に猛攻を掛けようとしていた。
対して蓮子は非公開の手札1枚とトリガー4枚、上手く防がなくてはならない状況下に追い込まれている。
そう、常に崖っ淵状態だった物がいよいよ後が無くなり出したのだ。
「先ずはセルディックをアタックする、ラグエル!「っ、ガード‼︎」
次、ミカエルでアタック!「うっ、ノーガード………‼︎」
トリプルドライブ!」
ラグエルVSセルディック:9000+3000+7000VS9000+10000×2=ガード成功
ミカエルでVSアルフレッド・エクシヴ:26000VS11000=ヒット
トリプルドライブ『
ダネル:P9000+5000=14000
鈴仙:手札:5→6
ダメージチェック『爛漫の
蓮子はアタッカーのセルディックを守るも、次のミカエルのアタックは防がず受け、そのまま3枚目のダメージを受け、更にダネルが後から続き、それも受けてしまう。
ダネルVSアルフレッド・エクシヴ:14000+12000VS11000=ヒット
ダメージチェック『必殺の
蓮子:ダメージ:4
「ターンエンド!
さあ、次は貴女の番よ、何をするかはじっくり考えなさい!」
「くっ、ドロー!
………シークメイト‼︎
ドロップゾーンの4枚、シロン、ラヴィング・ヒーラー2枚、そしてハロウドブレス・ドラゴンをデッキに戻す‼︎
そしてデッキから『ブラスター・ブレード・
勇気を力に変え、共に突き進め、私の分身‼︎
『ブラスター・ブレード・
更にファイルのスキル、
まだまだ、アルフレッドのスキル、
そしてアルフレッド・エクシヴの
場に居る私のアルフレッド以外の『
ブラスター・ブレード・
正道の
アルフレッド・エクシヴ:P11000+6000+9000=26000、C1→2、
だが蓮子も負けじと
これによりセンターラインは合計パワー33000となり、完全ガード以外で防ぎ切るには手札を最低3枚は削らねばならなくなり、またクリティカルも2となっている為今の鈴仙ではスルーは出来ない物となっていた。
「へぇ………単純なパワー増強、でもシンプル故にポテンシャルも高いと来る訳ね………」
「その余裕、今崩すわ!
アルフレッドとブラスター・ブレードで
そして未だ余裕を見せる鈴仙に
しかし………それは出来なかった。
何故ならば鈴仙は既に手札に加えていたからだ、防御手段を。
「完全ガード、残念だったわね」
「なっ、完全ガード⁉︎
そんな、いつ確保を………待って、その完全ガード、まさかベヌエルでコールされたナレルの………⁉︎「そう、その時手札に加えた裏向きのダメージだった物よ、分かったでしょ、私には勝てないって」
ま、まだ………ツインドライブ‼︎
…………嘘……⁉︎」
それでも蓮子はツインドライブに賭けてクリティカルトリガーを引こうとする。
だが、これすら蓮子を見放してしまっていた。
そう、今蓮子がトリガーチェックで引いたカードとは。
アルフレッド・エクシヴVSレミエル ‘‘
ツインドライブ『光源の
セイクリッド・ういんがるとアルフレッド・エクシヴ、よりにもよってガードには使えないグレード3ばかりだった。
「グレード3が2枚、遂にデッキにまで見放されたわね………ほんと、足掻けば足掻く程失う物が大きいわね。
私が言った通りに」
「くっ……セルディック‼︎
ブラスター・ブレード・
う…………く………ターン、エンド……‼︎」
セルディックVSレミエル ‘‘
ダメージチェック『
ブラブレ探VSレミエル ‘‘
最後の足掻きでブラスター・ブレード・
それを鈴仙は冷淡な瞳で笑い、そして一瞬で険しい表情になりドローをし、
「レミエル ‘‘
………いい加減理解出来たでしょ、貴女じゃ私には勝てないって………なのにまだ諦めないの?」
「わ、私は………!」
「………中途半端に足掻くから苦しむのよ………!
ストライド・ジェネレーション、ミカエル‼︎
ミカエルのスキル、
さあ、これで終わりよ、ミカエル‼︎「か、完全ガード、コストはアルフレッド・エクシブ‼︎」
………トリプルドライブ‼︎」
ミカエルVSアルフレッド・エクシヴ:26000VS11000+0=完全ガード
トリプルドライブ『
ラグエル:P9000+5000=14000、C1→2
レミエル:P16000+5000=21000、C1→2
蓮子は諦めずに完全ガードを繰り出すも、ダブルクリティカルを捲られ左右にパワーとクリティカルが割り振られてしまい目の前が真っ暗になり始める。
そして手札を改めて見れば其処にあるのはグレード0が2枚、そしてグレード3が『2枚』である。
そう……未公開手札の内1枚はグレード3、しかも3枚目(正確には2枚目)のアルフレッド・エクシヴであり、蓮子はこのファイトにおいて本当に2と言う数字に嫌われていたのだ。
「……レミエルでアタック‼︎「ガ、ガード………」
ならラグエルでヴァンガードをアタック、残り手札は2枚、内1枚はセイクリッド・ういんがるよ。
これを守るにはインターセプト2枚と手札1枚を使う必要がある………ガードは?「………………」
……そう、ならヒットよ、ダメージチェックをして6枚目のダメージをさっさと置いて地下に戻りなさい!
直ぐにマエリベリー・ハーンも地下に送り返してやるわ」
蓮子はガードし切れずにアタックヒットが確定し、このままダメージチェックを行い6枚目のダメージが置かれてしまえばメリーを一人にしてしまう事が決定する。
今の、嫌な予感が消えない中で一人にする。
この瞬間、ふと蓮子は幻想郷に来る前のとある記憶が呼び起こされる。
それは『シャドウ』に出会ったあの日の朝、蓮子の記憶に焼き付き離れないあの夢の内容…………真っ黒塗りになったメリーに幾ら手を伸ばし、追い掛け、叫んでも届かず、追い付かず、最後には消えてしまうあの悪夢が。
何故今になりこれが呼び起こされるのかは蓮子の頭は理解出来ていない。
しかし本能的には理解する、『もしも自分が負けて今のメリーをこの場に一人にすれば悪夢の内容に直結するかも知れない』と。
そう感じた蓮子は急に青ざめ始め、身体が震え出しそれを押さえる為に両手を肩に掛けるが、震えは徐々に増し汗も過剰に流れ出し、呼吸も荒くなり出してしまう。
「お、おい蓮子‼︎
しっかりすろ、一体どうしたんだ、気をしっかり持つべきそうすべき死にたくないならそうすべき‼︎
おい蓮子‼︎」
「蓮子、蓮子‼︎
お前どうしたんだよ⁉︎」
「……ダメ、あの様子じゃこっちの声が全く聞こえてない‼︎」
「れ、蓮子………⁉︎」
魔理沙やブロントさん達が様子がおかしくなった蓮子に話しかけるも、その声は全く届かず更に悪化し出す。
その様子を見ていた鈴仙は何かを感じたのか、または薬師であり医者の永琳の弟子としての癖からなのか、蓮子の波長を見始める。
「(………波長が乱れ過ぎてるわね、精神的にボロボロになってる………………か)」
そして蓮子の思考も完全に乱れ、正常な思考も出来ずただ考えが浮かんでは消え浮かんでは消えの繰り返しとなり蓮子自身を更に追い込み、思考の泥沼へと沈ませて行き、苦しませる。
「(そんな、なんであの夢が今浮かぶのよ!
今メリーを一人にしたらああなる?
私が負けたらそれでメリーは私から離れて行く?
このままメリーとはお別れ?
2度とメリーとは会えなくなる?
嘘よ、そんなのあり得ない‼︎
メリーが私から離れるなんてあり得ない、目の前から居なくなるなんて考えられない‼︎
……でも、なら何でこの嫌な予感は消えないのよ?
何であの悪夢の内容が連想されるのよ?
まさか本当に………嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!!!!
絶対にそんな事はさせたくない、メリーと離れ離れなんて絶対に嫌だ!!!!!
ならどうする?
これを逆転する?
無理よ、ダメージが確定している‼︎
ならヒールトリガーに期待?
そんなの無理、
だったらアンティを無視する?
それも無理、アンティを無視したらこっちが死ぬ‼︎
でもそれならどうしたら良いのよ⁉︎
分からない、分からない‼︎
これがどうにかなる奇策なんて無い‼︎
わ、私は、どうしたら…………嫌だ、このままじゃ…………メリーが…………)」
蓮子の頭の中に考えが浮かんでは消え、浮かんでは消えを繰り返して行く内に蓮子は意識が朦朧とし出し、足がおぼつかなくなる。
そう、精神的にボロボロとなった為に過呼吸が起き、その為に意識が保てなくなり出し今にも倒れそうな状態となっていたのだ。
そんな蓮子に魔理沙達は大声で叫ぶが蓮子の耳には届かず、そのまま倒れそうになる。
「………宇佐見蓮子、聞きなさい」
すると鈴仙が急に蓮子に声を掛け、何かを話そうとし始める。
しかも蓮子の目をその狂気の瞳で見て能力を発動させながらだ。
すると蓮子は急に身体に震えが止まり、先程までブレていた視界をはっきりと鈴仙の方に向け、話を聞き始める。
「……宇佐見蓮子、中途半端に足掻いて自滅する位なら今直ぐサレンダーしなさい、あんたのファイトは見るに堪えないわ」
「………えっ?」
「……………」
鈴仙は何故か蓮子に対してサレンダーをする様に促し、以降黙ってしまう。
それを聞いた蓮子は再び考えを纏めようとする。
しかも今度は鈴仙が感情の波長を操っている為、非常に落ち着いた中で思考の泥沼………否、海に入り込みその中で自分の答えを、このファイトの正解を導こうとする。
「(………何でだろう、さっきよりも落ち着いて考えられる……………私がこのファイトですべき事は………私が勝つ事。
メリーを一人にさせない事、それがこのファイトでの目的。
確かに魔理沙やブロントさん達を牢屋送りにしたくないけど、それとメリーを一人にしないは勝つ事でイコールとなるから今はメリー優先。
その障害となるのは目の前の兎耳の人……確か鈴仙、この人から与えられた2ダメージを切り抜ける以外に無い。
なら……………なんだ、答えは初めから1個しか無いじゃん。
なのにうじうじ悩んでたのか、私は……)」
すると蓮子は1つの答えを出し、それを実行すべくデッキに手を掛ける。
しかもそれはサレンダーの合図では無く、トリガーを引こうとする指つきの手だ。
「あんた、まだ……!」
「うん、抵抗する。
だって、此処で負けたら魔理沙達は牢屋行き、メリーも此処で一人にしちゃうし………なら勝つしかないでしょ、普通!」
「………」
蓮子は鈴仙に睨まれてもなお取り戻した落ち着きを崩さず、更にいつの間にか鈴仙の能力は切れ、蓮子はファイト時と同じ状況になりながらも感情を乱さず、ただカードを引こうとしていた。
それはもう鈴仙の言う中途半端な足掻きでは無く、しっかりとした意志による抵抗であった。
「ダメージチェック……ノートリガー」
ダメージチェック『スターライト・ヴァイオリニスト』
そして1枚目を引き外すも、全然感情は乱れずそのままトリガーを引く事のみに全神経が集中し、蓮子の意志を更に強靭な物に変え必ずヒールトリガーを引くと意気込み出す。
そしてそれは魔理沙やブロントさん達、更には目の前の鈴仙にすら伝わり、その鈴仙ですら先程まであった余裕が消え去り、本当にヒールトリガーを引くのでは無いかと緊張を持ち始めてしまっていた。
そう、今の蓮子は先程までの蓮子とは別人。
今の蓮子は、ほんのささやかな、しかし確かな勇気を胸に相棒兼親友と共に怪異に踏み込み、それを暴こうと前へ進む普段の蓮子に戻っているのだ。
自らが抱いた嫌な予感の正体を知る為に、メリーと共に居る為に。
「(引く、必ず引く!
そしてメリーを一人にさせるもんか‼︎
絶対に……『マイ・ヴァンガード、我々も貴方と共に……!』えっ、ブラスター………ブレード………私と、一緒に?)」
すると、その蓮子の横にうっすらとブラスター・ブレードが、否、蓮子のデッキに入っているユニット達が並び立ち、そしていつの間にか蓮子はアルフレッド・エクシヴにライドしており、クレイの大地で膝を付きながら〈エンジェルフェザー〉の部隊を、特に鈴仙が憑依するGユニット、ミカエルを見据えていた。
だが、そんな不思議な光景を蓮子は不思議とは思わず、まるでそれが当たり前で、普通な事と感じながら立とうとし、足に力を込め始めていた。
「……そうね、貴方達は私と一緒にファイトして、戦ってくれてたね。
多分これからも………なら、改めて言うわ。
こんな頼りない私でも一緒に戦ってくれるって言うなら力を貸して!
私の友達を、1番の親友をこの手で支える為にも、私がメリーと一緒に居る為に‼︎」
『イエス、マイ・ヴァンガード‼︎』
「ああぁぁぁぁぁ、セカンドチェック‼︎」
そして、蓮子はユニット達に声を掛け、改めて力を貸す様に言うと全員が、ライドされているアルフレッド・エクシヴも含めた蓮子のデッキ内のユニット全てが応え、そしてクレイの大地で蓮子は力強く立ち上がった。
それとシンクロして、永遠亭でファイトをしている蓮子もデッキトップを力強く捲り、鈴仙に対してそのカードを突き出しながら見せる。
そして、そのカードは…………。
『
蓮子:ダメージ:5→4
アルフレッド・エクシヴ:P11000+5000=16000
蓮子:ダメージ(最終結果):5 手札:2
ラヴィング・ヒーラー、ヒールトリガーであった。
これにより蓮子は最後の首の皮一枚が繋がり、ファイトが続行される事となった。
それを見ていた魔理沙達は動けていたのならガッツポーズなどをし、表情だけでなく身体も使って大喜びしていたであろう。
しかし、その魔理沙達は知らず、メリーとファイト中の永琳は此方に鈴仙が何故か2軍デッキを使った事以外に興味が無く、目を向けない為気付かず、対峙している鈴仙しか気付いて居ないであろう。
今の蓮子の瞳には、メリーが月の大会会場VIPルームで見たあの輝きが……空を思わせる蒼と、その周りを虹色の輝きが渦を巻くあの幻想的な輝きが、あの時よりも更に力強く光り、また蓮子の纏う気配などを一回り大きくしている。
そう、この時蓮子は覚醒したのだ、オリオンやサグメが使えたあの力、『先導者の力』と呼称される惑星クレイと地球をシンクロさせる力、『PSYクオリア』が。
「……PSYクオリア、あんた、先導者の力を持っていたの……⁉︎」
「PSYクオリア………そっか、先導者の力ってそんな名前なんだ……でも、今はそれよりもファイトの方が優先よ。
そしてこれが私のファイナルターン、此処であんたを、鈴仙って一人のファイターに勝てなきゃメリーを支えられない‼︎
だからこのターンで終わらせる、ドロー‼︎
そして
それから蓮子は自身の最終ターンを悟り、此処で決めると宣言して力強くドローをし、手札にあったアルフレッド・エクシヴをドロップし、
そして蓮子が呼び出すのは最初のGアシストで除外した2枚と同名カードであり、今の自分が最も使い易いと感じ、また自分が使うならばこれと月から戻り、デッキ改造した際に投入した新たな切り札である。
「天翔ける聖なる竜よ、その神秘なる力で正しき道を照らせ!
ストライド・ジェネレーション、『神聖竜 レリジャス・ソウルセイバー』‼︎
スキル発動‼︎
このユニットがヴァンガードサークルに登場した時ハーツに『ブラスター』の名を含むカードがあるなら、
シンリック、セルディック、ブラスター・ブレード・
神聖竜 レリジャス・ソウルセイバー:P15000+11000=26000、C1、ハーツ『光源の
セルディック:P9000+5000=14000
シンリック:P7000+5000=12000
ブラスター・ブレード・
「……流石『ソウルセイバー・ドラゴン』がGユニット化しただけはあるわ、3体のユニットを強化したわね……!」
鈴仙は手札を見てレリジャス・ソウルセイバーは防げても次のアタックは全く防げないと計算し、頬に汗を伝せ焦りが生まれていた。
今まで散々追い詰めて来た相手が突如として勢い付き、反撃したのだから無理もなかった。
しかし、これは鈴仙が蓮子の精神を安定させた事が原因で起きた事であり、もしも鈴仙の戦略が精神的に揺さぶり勝利を得るであるならば大きなミスであろう。
だが………鈴仙はそんな事はしない
「(………そう、これは私のミス。
もしも精神的に揺さぶる戦略が私の戦い方だったら。
でも、私の戦略はそんな物じゃない………宇佐見蓮子の精神を安定させたのは私が八意永琳、師匠の弟子としてあの状態の人を放って置けなかったから。
『あのバカ』に宇佐見蓮子とマエリベリー・ハーンをしっかり試す事と頼まれたから。
そして、私が宇佐見蓮子の精神を安定させる前まであんなにキツイ態度を取った理由は…………)」
鈴仙は心の中でそんな自問自答をし、自分が蓮子の反撃を許す事をしたのが二つの理由があったからと結論付け、次に何故蓮子に対しキツく当たったのかと考え始める。
そんな中、蓮子はレリジャス・ソウルセイバーでアタックをし、それを見た鈴仙は首を横に振りノーガードと言う意思を見せ、攻撃を受け切るつもりでいた。
そして、蓮子はそれを見てトリプルドライブに入る。
「私は諦めないし絶対に勝つ!
この嫌な予感が何なのか確かめる為に‼︎
メリーと一緒に居る為に!!!」
レリジャス・ソウルセイバーVSレミエル ‘‘
トリプルドライブ『必殺の
レリジャス・ソウルセイバー:P33000+15000=48000、C1→4
蓮子はトリガーを引きながら吠え、全てのトリガー効果をヴァンガードに付与し鈴仙に一気に4ダメージを与える事に成功する。
対する鈴仙は自問自答の最後の答えをその最中に出しながら、トリガーチェックを行なっていた。
「(……私かあんな風に当たった理由は、さっきまでの宇佐見蓮子がまるで昔の私みたいだったから。
弱い癖に見栄張って、嫌な物から目を背けて、でも中途半端に足掻いて、終いには逃げて………最後は姫様達に拾われた私みたいに………)」
ダメージチェック『
レミエル ‘‘
鈴仙:ダメージ:6 LOSE
蓮子:WIN
そしてファイトは、蓮子の反撃とトリプルクリティカルと言う大逆転劇により決着がつく。
それを受けて、鈴仙は魔理沙やブロントさん達を元に戻し、自由にする。
「あ、身体が!」
「うむ、今までとてとて動けない状態だったがどうやら蓮子のお陰で身体の自由が戻った感‼︎」
「はぁ、はぁ、勝った…………メリーは………⁉︎」
蓮子は身体の自由を取り戻した魔理沙達を息を切らしながら見て安心し、その直ぐ後にメリーの方が気になり様子を見る。
するとその瞳に、信じ難い光景が広がり蓮子は目を見開いてしまう。
「嘘、そんな………駄目!!!!」
蓮子はデッキを仕舞うのも忘れて直ぐ様メリーの方へと駆け出して行ってしまう。
果たして蓮子の瞳に映った物の正体とは?
それの全貌を知るには、メリーと永琳がファイトを始めた時まで少し遡る……。
最後まで閲覧して頂きありがとうございました。
今回は詰め込み過ぎたと言いましたが、実はこの話を半分に分けようかとも考えたのですが、切るべき場所が見つからず結局1話に詰め込んでしまいました。
本当に申し訳ありませんでした。
さて、次回は遂にメリーVS永琳です。
そして、永遠亭でのお話も終盤となって来ました。
この永遠亭でのお話がどんな風に終わるのかお付き合い頂ければ幸いです。
次回もよろしくお願いします。
キャラ設定を見たいですか?
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