そして今回蓮子の様子が………?
詳細は本編へどうぞ。
蓮子達が永遠亭の地上部に出た頃、更に奥のとある一室にて前髪が眉にかかる程度のぱっつんと腰より長い黒髪と長い袖と右袖に月と山、左袖に月と雲が黄色で描かれ、胸元に白いリボンがあしらわれたピンクの服とその下に白い服を、赤い生地に月、桜、竹、紅葉、梅が金色で描かれた長いスカートとその下には白いスカート、更に半透明なスカートを重ねて着込む大和撫子を体現した美少女………そう、妹紅がクエストに出した人物であり、竹取物語のかぐや姫その人である少女、『蓬莱山輝夜』が其処に居た。
………3◯Sやゲーム◯ーイ、P◯PやP◯VI◯A、P◯にP◯2にP◯3にP◯4、Xbo◯ ◯◯0、ゲーム◯◯ーブやW◯◯などに囲まれながら。
「あーあ、永遠亭から出られなくなって1ヶ月以上。
妹紅にもちょっかい掛けられないしヴァンガードの大会にも出られないし、そもそも私のデッキを永琳に『取り上げられた』し…………積みゲーを消化し尽くしてやり込みもやってバグ技も全部発見したし、あ〜やる事無いな〜。
………永琳に頼んで新しいゲームでも買って貰おうかしら?
ならさっさと行きましょうか」
輝夜はそうで呟くとゲームの電源を消し、部屋の外へ出て永琳の下へ向かおうとする。
すると、輝夜は永琳の部屋とは反対方向の一室に異空間が形成されたく事を察知する。
しかもこれは隔離結界術の応用で、一度部屋に入った者を許可無しに外に出させなくするタイプの物だとも分かる。
「?
永琳、何で結界術を永遠亭内で使ったの?
………侵入者が入ったのかしら?
そう言えばイナバ達も見えないし…………何かあるわね、行ってみますか」
輝夜は永琳が何故術を使用したのかを推察し、更に永遠亭のモブイナバやてゐ、鈴仙の姿が全く見えず永遠亭内が異様に静かになっている事にも気付き、何が起きているのかを確かめるべく永琳が術を発動した部屋に走って向かう。
幸いにして此処から部屋まではそんなには離れていない為、ものの数分で到着する距離であった。
だが、輝夜は知らない。
この永遠亭に侵入したのは魔理沙やブロントさん達で、永琳が蓮子達を捕らえた事が原因で騒動が起きている事に………。
一方その頃、蓮子はFVを置き、更に初期手札を確認する。
すると、初期手札は何とグレード2と3はあるものもグレード1が無く、いきなりライド事故を起こす手札となっていた。
「(んぎゃ⁉︎
何この手札⁉︎
無理、こんなので戦えない‼︎
さっさと手札を入れ替えないと‼︎)」
慌てた蓮子は急いで手札をグレード2と3が1枚ずつ残る様に入れ替え、デッキをシャッフルする。
それを見ていた鈴仙は自身の能力で蓮子の波長を見て、蓮子が完全に焦り切っていると分析する。
「(………感情の波長が揺らいでいる、これはかなり焦っているわね。
成る程、手札が完全に事故ってて戦えないから焦っているのか………悪いけど、このデッキの力を最大限引き出して倒すわよ………例え手札が事故ってようと、貴女達が『彼』の目的を果たす為の手札であってもね………それが私の役割だから)」
鈴仙は一切の手加減をしない事を考え、冷淡な目で蓮子を見つめる。
更に頭の中でとある光景を浮かべ、思い返す。
そう、今から数ヶ月前、蓮子とメリーが幻想郷に来る前の出来事である。
「さて、今日も早々とお薬を売らないと……」
鈴仙は何時もの永琳の薬を里に売り込む為、大きな笠を被り、また大きなつづらを行者の出で立ちで担ぎ、人里の中を歩いていた。
すると、その直ぐ後。
『ガッ!』
「うわっ⁉︎
あっつぅ〜………」
鈴仙は誰かとぶつかり、尻餅をついてしまう。
更に顔からぶつかり、その上顔面を強く打ったのか顔をさすっており、ある程度痛みが引いた後ぶつかった人物に抗議を入れる
「ちょっと‼︎
痛いじゃないのよ‼︎
人が歩いてる前を通らないでよ‼︎」
「それはすまなかったな、鈴仙・優曇華院・イナバ。
それよりも話がある」
「はぁ、あんた何言って…………ちょっと待って、その声、まさか⁉︎」
するとぶつかった人物………どうやら青年は鈴仙に話があるらしく、軽く抗議に謝罪をすると淡々と言葉を紡ぐ。
その声に鈴仙は聞き覚えがあり、青年の顔を見上げると…………其処には、魔理沙の幼馴染にして彼女に一方的な絶縁を叩き付け、魔理沙や自分らの前から数年間も姿を消した者、ブライトの、数年分成長した姿があった。
「あんた…………魔理沙に酷い仕打ちして、数年間全く姿を見せなかった癖によくもノコノコと現れたわね…‼︎」
「そんな事は今はどうでも良い、今は時間が無い、手短に話すから聞け。
これは今の幻想郷や、消えた者や目覚めない者、そして『とある人物達の未来』を左右する重要な事だ。
注意事項として魔理沙達や、特に八意永琳には知られるな。
八意永琳がこれを知れば、根本の簡単な、しかも確実な解決法を選択する。
それは絶対にあってはならない事だ、分かったな」
「………………」
鈴仙はブライトの話の中で、魔理沙との間で起きた事をどうでも良いと言う発言に堪忍袋の緒が切れそうになるが、幻想郷などの未来や特に強調した『とある人物達の未来』と言う言葉がが引っ掛かり、ずっと睨みながらブライトの話を聞く事にする。
そして………プランの初期段階として蓮子とメリーを幻想郷に引き込むなどの所々容認出来ない部分があったが、取り敢えずは話を聞いてブライトの協力者として、蓮子とメリーの監視や永遠亭に来た際の対応などを聞き、万が一ファイトに発展する状況になった場合は2軍デッキの本気で戦うよう条件付けられたのであった。
その記憶を思い返した後、再び蓮子を見る。
当の蓮子はと言えば…………今にも全部が終わりそうな絶望の表情を浮かべ、手札交換を終えていた。
そう、先程の手札交換は失敗に終わりトップ解決に頼らざるを得なくなり、更にそれすら失敗した場合はとある事が可能になるが……それだけは蓮子自身は避けたかったりしてた。
「……うう〜、女は度胸!
こうなったらとことんやろうじゃん‼︎
さあ、行くわよ‼︎」
「……来なさい、宇佐見蓮子!」
『スタンドアップ・ヴァンガード‼︎』
「『先陣の
「『
蓮子は相変わらずのファイルをFVに選び、いざと言う際に『ブラスター・ブレード・
そして相手の鈴仙は……イメージ世界とリアルで蓮子が初めて対峙するクラン、魔理沙から話を聞き把握はしているダメージを第2の手札などに活用し、防御力に長けた速攻に対するメタが可能な者達、傷付いた者を癒す医療部隊〈エンジェルフェザー〉だった。
更にこれは鈴仙の2軍デッキの『
「さあ、先攻はあげるから早くファイトを進めるわよ。
私はこれから薬の売り出しがあるから暇じゃないの」
「ぐう、私達を閉じ込めておいて…………でも今はファイトに集中!
ドロー‼︎
………くっ」
そうして蓮子の先攻、最初のドローでグレード1を引き当てようとしたが結局グレード3、セイクリッド・うぃんがるだった為ライド事故が確定してしまった。
そして蓮子は、このままファイトを進める訳には行かず最終手段を切る事になった。
「私はドローフェイズ時、私の場にグレード3以上のヴァンガードが存在せず、手札に現ヴァンガードよりもグレードが1上のカードが無く、また
手札に現ヴァンガードよりもグレードが1上のカードが無い事を相手に手札全てを見せて確認させる‼︎「………(アルフレッド、ういんがる、トリガー2枚、グレード2が2枚か)グレード1は無い、確認したわ」
そしてその後、デッキの上から5枚を見て現ヴァンガードよりもグレードが1上のカードを相手に見せて手札に加えて、その後手札の2枚と
………私は『護法の
そしてライド、『護法の
ファイルはヴァンガード後列に移動‼︎」
護法の
先陣の
蓮子:手札:4
蓮子は数々のディスアドバンテージ……手札2枚とGユニット2枚の損失、更に手札全公開を負いながらも次グレードのカードをサーチするGアシストを使い、漸くグレード1にライドした。
しかし、そのユニットは完全ガードのシロン。
相手ターンで攻撃を受けるには心許なく、また防御手段を1枚損失したと同じ状態であった。
「ふぅ〜ん、ファイトから除外したのはヴァイオリニスト、ういんがる、そして『神聖竜 レリジャス・ソウルセイバー』ね……それらの損失を経てライドしたのもシロン、貴女ファイトを進める度に何かを得る代償にそれ以上の何かを失ってるわね」
「う、うるひゃい!
これからそれ全部補えば全て良しよ!」
「………ファイトには、その人間の全てが表れる「………えっ、その言葉……」絶縁した知り合いの口癖、今の貴女はガムシャラに結果を得ようと踠き苦しみ、そして得た過程で得る物以上を失う。
まるで、『必死に嫌なものから目を背けて逃げている』みたいに」
「……っ………⁉︎」
その蓮子に対し、鈴仙はあの言葉………『シャドウ』が月でファイト中に投げ掛けた言葉を口にし、蓮子の心を揺さぶりそれが言い返せないでいた。
何故ならばそれは全くの大当たりだからだ。
蓮子はファイト中であっても此処に来るまでに感じた疑念………何故四六時中一緒に居たメリーが会った事も聞いた事もない幻想郷の住人の情報を知っていたのかと言う蓮子にとっては頭の隅に追いやろうとしても出来なかった疑念。
其処から自分の胸の奥に沸き立つ何かの予感………鈴仙に嫌なものと言われてから初めて気付く『嫌な予感』が自身を縛り、それを振り払おうとする気持ちを持ちながらファイトに臨んでいたのだ。
そして蓮子は、自覚した『嫌な予感』で息が荒くなり、汗が噴き出し始めていた。
「………図星みたいね。
でも、貴女がどんな気持ちでファイトに臨んでいようが変わらない、このまま『師匠の命令通り』全力で倒すわ。
ドロー、ライド、『
ベヌエルはヴァンガード後列に移動して、アタック!
ドライブチェック……クリティカルトリガーゲットよ!「なっ⁉︎」
アラバキVSシロン:7000+5000VS6000=ヒット
ドライブチェック『クリティカルヒット・エンジェル』『☆』
アラバキ:P12000+5000=17000、C1→2
ダメージチェック『ブラスター・ブレード・
鈴仙:手札:6
蓮子:ダメージ:2
「い、いきなりダメージ2枚………⁉︎」
「貴女は今日は2って数字に嫌われてるわね。
………で、このままあっさり負けて牢屋戻り?」
蓮子は鈴仙に挑発を受け、身体が震え出す。
このまま負けて魔理沙達ごと牢屋戻りではないか、と。
すると後ろから見ていた魔理沙が蓮子を見かねて声を掛ける。
「れ、蓮子………気を逸らすな………今はファイトにだけ集中するんだ………!」
「ま、魔理沙……そ、そうだね、私とした事がペース乱してたわ…。
ドロー!
来た!
立ち上がれ、私の分身!
ライド、『ブラスター・ブレード』‼︎
スキル発動!
更に、『爛漫の
ブラスター・ブレードでアタック‼︎「ノーガードよ」
ドライブチェック、ヒールトリガー‼︎」
ブラスター・ブレード:P9000、C1
爛漫の
ブラスター・ブレードVSアラバキ:9000+5000VS7000=ヒット
ドライブチェック『
セルディック:P9000+5000=14000
蓮子:ダメージ:2→1
ダメージチェック『
セルディックVSアラバキ:14000VS9000=ヒット
ダメージチェック『
蓮子:ダメージ:0/1 手札:4
鈴仙:ダメージ:2
蓮子は魔理沙の言葉で再びファイトに集中し出し、上手くヒールトリガーを引き当ててダメージ差を無くす。
しかし鈴仙はとあるカードがダメージに落ちた時点で目を細めながら笑い、蓮子の抵抗をまるで無駄な足掻きと言わんばかりの表情で見ていた。
それを不気味に思った蓮子はつい鈴仙に話し掛けてしまう。
「……何で、そんな風に笑っていられるの?」
「だって………『貴女が抵抗をする度に事態が悪化して行ってる』のよ?
それを哀れんだらこんな表情にもなるわよ」
「何それ……!」
そして自分が鈴仙を見て思った事がそのまま返って来た為、蓮子は『シャドウ』とファイトをした時並の怒りが沸き立ち鈴仙を睨む。
すると鈴仙は横に首を振りながら話し始める。
「まあ怒るのは無理ないけど、これは事実なのよ。
だってダメージに落ちたカードは私が思い描いた理想図通り、これには笑いが止まらないわよ。
それに…………これが貴女の実力と言うなら、私に勝てない事も決定したのよ。
嫌なものから目を背けて逃げて、踠いて苦しむ貴女じゃあね………」
「っ………」
更に最後の辺りで鈴仙は睨む様な真剣な眼差しで蓮子を見つめ、威圧する。
その言葉と眼差しにより再び蓮子は言葉を詰まらせ、反論を加えられなくなる。
確かに今のメリーから感じる『嫌な予感』から目を背けてファイトをしている自分にこの言葉は返せない、何も言えないと無意識的に蓮子は思ってしまっていたのだ。
それを確かめようとしても今はファイト中、最早確認するにはどちらにせよファイトを終わらせなければならない事態になっていた為、この疑念と『嫌な予感』は蓮子を強く縛り付け、思考を絡め取り、そして言葉に詰まるの悪循環が完成していた。
「………そして何も言い返せないのね。
なら………貴女はさっさと牢屋に戻すわ………!」
そして鈴仙はその紅い瞳を輝かせ、目を見開いて蓮子を睨みながら牢屋に戻すと宣言し、殺気立ちながらファイトを再開します。
これに対し蓮子は一瞬だけ足が後退ってしまい、完全に気負いし始めてしまっていた。
この状態に陥った時点で側から見れば蓮子の敗色は濃厚であり、覆しようが無くなっていた。
果たして蓮子はこのファイトを如何に切り抜け、どの様な結末を迎えてしまうのか、まだ誰にも分からない………そう、今ファイトに臨んでいる蓮子自身にも…………。
さて、精神攻撃+動揺でかなり危ない状態に陥りつつあります蓮子。
これを如何に打開するか、このまま負けてしまうのか………その答えは次回に。
次回もよろしくお願いします。
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