今回も会話回で魔理沙やブロントさん達が如何に動くか注目です。
では、本編へどうぞ。
蓮子とメリーが消えてから1週間が過ぎ、その中で同時期に妖夢、内藤、ミスト、更に妹紅が居なくなった事を知った魔理沙やブロントさん達は幻想郷の端から端まで隈なく探すが、何故か六人の痕跡が人里の蕎麦屋から先が消えており、全く足取りが掴めずに居て焦り始めていた。
「くそ‼︎
蓮子達は何処に消えちまったんだ‼︎」
「蓮子達だけじゃありません、妖夢さんや内藤さん達、そして妹紅さんも」
「………六人が蕎麦屋で席に着いて何かを話して蕎麦食べて六人一緒にPT組んで何処かに行ったのは目撃情報などを照らし合わせて火を煮るより明らかなんだが、底から先は何故か足取りが消えていてコレガワカラナイと疑問が鬼なる。
蓮子達は珍しく組み合わせでPT組んでいた事から間違い無く何かのクエを受けていた事は間違いにい、だが何故かクエを受けていた事すら「そこにある筈なのになかった」とクエストボードからデータが消えていた。
まるで蓮子達が消えたかと演出をする為みたいに………だが何故そうする必要があった?
………駄目だ、パズルのピースが足りそうで足りてない、足りにくい!」
魔理沙、麟、ブロントさんは昼に人里前に集まり情報を交換しようとするも、全く情報を掴めてなかった為焦りが募るばかりであった。
特に魔理沙は友人が消えてしまった事はこれが初めてでは無い為、余計に焦り出し悪い考えばかりが頭の端から端を過ぎりネガティヴの悪循環に陥っていた。
麟がそれを宥め唯一冷静なブロントさんが考察をするも、パズルのピースが足りず答えを導き出せずにいた。
「ああ〜くそ‼︎
………これでもし蓮子達が見つからなかったら、私は……………‼︎」
「魔理沙………」
「……兎も角今は二人をもっとよく探すべきそうすべき。
少なくとも俺達にはそれ位しか出来にい……!」
魔理沙が焦り、麟がそれを宥めている中ブロントさんは二人に蓮子達の再度捜索をしようとし、二人もそれを一旦首を縦に振り立ち上がり、三人それぞれ別れて蓮子達を探そうとした………そんな時、魔理沙の目の前に矢文が飛んで来て、魔理沙は驚いて尻餅をついてしまう。
「うわっと⁉︎」
「魔理沙、大丈夫⁉︎」
「あ、ああ〜大丈夫………それよりこれ……」
麟が魔理沙を心配し駆け寄り、彼女を支えながら立たせると、当人の魔理沙は矢文に紙以外に何かが括り付けてあり、ブロントさんが矢文を引き抜いて文とその何かを取り何が書かれているのか、括り付けてあったのは何かをまじまじと見て確認し、魔理沙にも渡して見せてくる。
魔理沙と麟はそれらを見始めた。
「えっとこちらは………PC用『メモリークリスタル』………魔導機械に用いられる記憶媒体ですね」
「んで手紙には何々?
『そのクリスタル内にあるデータを解析すれば宇佐見蓮子達の行方が掴める』だって?
………名前が無い妙な文に怪しさ満点の記憶媒体………二人共、どう思う?」
手紙の内容とメモリークリスタルを見て魔理沙は改めて二人にこれらをどう思うのかを敢えて聞き出す。
「うむ、これはあくまでも一般論なんだがこれがミエミエな罠である事は明白に明瞭なんだが手掛かりが今はこれしか無いと言う意見。
なので此処は敢えて罠に乗って罠を雷属性の左で叩き潰して蓮子達の居場所を吐かせた方が良いんじゃないかと俺は思うんだが?」
「私もブロントさんに賛成です。
例え罠だとしても、今は飛び込まなければいけない時なんです!
それにこれが罠では無いしっかりとした情報なら、今の私達には僥倖です!」
「……決まりだな、じゃあこれをパチュリーに解析させよう。
紅魔館ならこれに罠が張ってあっても………!」
すると当然答えはこの罠らしき情報源に乗っかり、罠か否か関係無く蓮子達の行方の手がかりを掴もうと言うものが返って来る。
それを聞いた魔理沙は首を縦に振り紅魔館へ向かおうとし、他の二人も同じ考えだったらしく走ってパチュリーやレミリア達の下へ急いで行った。
「………問題無く乗ってくれたか。
さて、此方も先に動くか………」
すると少し離れた場所の屋根から双眼鏡で三人を見つめる一人の人間……青年の姿があった。
その青年は一切の表情を崩さず三人の動向を見て、先程飛ばした矢文とそれに括り付けた手掛かりをしっかりと解析するのを察し、これを矢文と言う形ではあるが渡せて一先ずはプラン通りになると思っていた。
そして青年………『ブライト』は三人よりも早く動く為にメモリークリスタル内にある解析が必要な情報の先………自分には解析と『修復』が出来なかったが、常に蓮子とメリーの動向をチェックしていた為ある程度は予測出来た二人の居場所(仮)に向かうのであった。
魔理沙達が紅魔館へ走り出し、途中から空を飛び(ブロントさんはとんずらを使い)ものの10分程度で辿り着き、地下図書館に行きパチュリーにメモリークリスタルを見せ、早速解析をして貰っていた。
すると其処にレミリアやアリス、更に幽々子達も駆け付け、魔理沙達に話し掛けて来る。
「魔理沙、ブロントさん、麟!
蓮子達の手掛かりが見つかったの!」
「それに妖夢や内藤君、ミスト君のも!」
「まだ決まった訳じゃないし罠かもしれない。
だからパチュリーに手に入れたメモリークリスタルの解析を……」
「成る程、情報源自体が罠であるなら此処の設備でならそれすら打ち破り、更に情報の先が罠なら我らの力を借りれば力尽くで捩じ伏せられる上、あわよくば蓮子達の居場所を吐かせられる……考えたな、魔理沙」
魔理沙はパチュリーに解析を頼んでいるとレミリア達に説明するとそのレミリアが不敵な笑みを浮かべ紅魔館の面子と設備なら如何なる罠も打破可能だと言い、全員がそれに頷く。
何故ならばレミリアを始めとした紅魔館の主要メンバーは全員トップファイターとその直ぐ下、トップファイターすら喰らう可能性がある強豪ヴァンガードファイターなのだ。
特にレミリアは〈シャドウパラディン〉の中でも恐るべき力を持つユニットを多数所持し、それらを自在に操るのだ。
そんな面子を相手にすれば大打撃間違い無しなので正面きっての抗争は避けられているのだ。
「……皆、盛り上がってる所でちょっとこれを見なさい」
『?』
そんな中パチュリーが全員に話し掛け、モニターを見るようにと指示して来る。
それを聞いて全員パチュリーの後ろに身長が小さい順から前に並びモニターを見ると、其処には日付けが1週間前のクエスト管理データのファイルが映し出されていた。
しかし、いざファイルを開くと所々文字化けや穴が空いた様に黒くなっている部分があり、とてもじゃないが管理データとは思えない程中身が破損、及び改竄され尽くしていた。
「何だこりゃ?
見た所ヴァンガード普及協会本部で管理されてるクエストデータだけど、滅茶苦茶に弄られてるじゃないか」
「……つまりこのメモリークリスタルを渡して来た素敵な方はこれを解析、修復してくれと言ってる訳ね。
全く、無茶な要求をして来るわね」
それらを見てパチュリーはやれやれと言わんばかりに肩を竦め、メモリークリスタルを渡して来た人物に皮肉を言い出していた。
これを聞き魔理沙は少しだけ「これ大丈夫か?」と思い始め、パチュリーに声を掛けようとする。
しかしそれと同時にパチュリーは座りながら背伸びし、再び画面に向かい、更にキーボードを高速で打ち始めた。
すると小悪魔もそれに参戦し、二人でキーボードを打って行くと見る見る内に破損、改竄されていたデータが解析と復元が進む。
「お、おお………!」
「『カタカタカタカターン!』はい終了、お疲れこあ」
「いえいえ、パチュリー様をサポートするのは使い魔の私の務めですから」
そしてものの5分もしない内に全て修復、解析が終わりクエスト管理データが元の改竄前の状態になっていた。
それを見て魔理沙達は矢張り紅魔館は格が違うと感じ、薄ら笑いを浮かべている者やガッツポーズをとる者が居た。
そんなこんなで復元されたデータを少しずつ慎重に覗いて行くと、其処に蓮子とメリー、更に妖夢に内藤やミストの名がありクエストを見てみるとクエストを出した人物は妹紅で、クエスト名は『私の知り合いを外に出して下さい』であり、此処から内容は『永遠亭の蓬莱山輝夜』を外に出すものだと全員は容易に想像出来た。
「……そう、妖夢達に蓮子ちゃんとメリーちゃんは藤原妹紅のクエストを受け、永遠亭に向かい其処で……」
「ふん、となれば犯人は永遠亭に居る誰かか藤原妹紅自身、或いは永遠亭の面子全員か………面白い、我らが紅魔の者に連なる者共に手を出せば如何なるものが返って来るか教えてやろうではないか………‼︎」
するとモニターに映し出されてた内容を見てレミリアがかなり殺気立ち、今にも永遠亭に飛び出して行きそうな雰囲気を醸し出しており、咲夜とオリオンが『失礼します』と一声掛けてレミリアの肩と足を押さえつけていた。
「なっ、お前達離せ!」
「駄目です、今にも飛び出して行きそうですのでせめて作戦を立ててからにして下さい。
……それで、ミッション内容は如何に?」
「今回は恐らく永遠亭に囚われている六人……藤原妹紅が被害者と仮定してだけど、彼女達を囚えている者に感付かれる事無く救出する潜入ミッションよ。
………人選は、ブロントさん、麟、魔理沙、咲夜、後こあ、貴女にも出て貰うわ、良いわね?」
「はい、分かりました」
するとパチュリーが潜入ミッションのメンバーを選出し、全員で5名での潜入ミッションとなった。
それを聞いた魔理沙達は真剣な表情となり、顔を上げる。
するとオリオンが手を挙げパチュリーに意見を言おうとし、それを予測してたのかパチュリーが口を開く。
「オリオン、貴方の言わんとする事は分かるわ。
確かに潜入ミッションなら貴方も得意だけどもし向こうに貴方も連れ出していきなり捕まれば切り札とバックアップを一気に失う事になるわ。
だから、今回は魔理沙達に何かあった場合に備えて取り敢えず待機よ。
アリス、幽々子、貴女達もよ」
「……了解」
「バックアップと言う事なら」
パチュリーの説明な渋々了解し、ブロントさん達に任せてオリオンやアリス達はバックアップに回る事となり、いよいよ潜入ミッションが開始されようとしていた。
するとパチュリーは魔理沙を手招きし、側に寄せる。
「どうしたんだ、パチュリー?」
「魔理沙、もしも蓮子達を見つけたらこのクリスタルを砕きなさい。
これには私の魔力が微量に込められた結晶よ、砕けば私が察知する様になってる。
要は証拠を押さえたって合図よ。
それを合図にバックアップ組も突入するわ、良いわね?」
パチュリーからクリスタルを渡された魔理沙は首を縦に振り、それを懐にしまい込みブロントさん達の下に戻る。
そして潜入ミッション成功の為に会議を開き、話をどんどん煮詰めて行き最終的に内容が30分で決まった。
「………えーとつまり、『兎に見つからない様に地下を掘り進めて永遠亭の直下から侵入して蓮子達を救出する』?
上手く行くのかよそれ……」
「ブロントさんのマッピング能力で永遠亭の正確な位置は把握してるから、迷いの竹林の近くから掘り進めて行けば何とかなるわ。
それに、地上や空から行けば兎達にどうしでも見つかってしまうわ。
ならば、見つからない様にするには………」
「地面を掘り進めて行くしかない、と言う事ですね……」
そして決まった内容は何とブロントさんのマッピング能力で正確な位置を把握してるので、監視に見つからない様に地面を掘り進めて永遠亭に侵入すると言うギャグ漫画などで良くある事をしようと言うのだ(咲夜提案)。
更にそれの説得力はかなりの物で、全員兎達に見つからない様に地上から行くのは咲夜以外は不可能だと感じこれしか無いとまで思えていた……が、これが成功すると思えてなく、魔理沙はジト目となり、地面を掘り進める役のブロントさんはゲンナリとしていた。
「しかし、現実的に永遠亭に侵入するには矢張り地面からの方が見つからない確率が非常に高いです。
ならば、これに賭けてみる他無いでしょう。
……なのでブロントさん、ヴァナで鍛え上げた身体に秘められた超パワーを披露宴にする機会ですよ、頑張って下さい」
「………ム牛ン」
こうして魔理沙達は咲夜が提案した作戦を実行するべくスコップやツルハシなどを持ち出し、迷いの竹林近くから地面を掘り進めだそうと出掛けて行った。
それを聞き、側で見ていたレミリア達は『大丈夫か?』と思ってはいたが、矢張り咲夜の立てた意外性が高い作戦以外に現状方法が見当たらない為、魔理沙やブロントさん達の背中を見送る以外に他なかったのであった……………。
はい、今回咲夜が立てた作戦はこんな感じになりました。
『三月精を使えば楽』とかメタは無しで。
因みにブロントさんの頭の中には幻想郷のマップが大体インプットされています。
次回もよろしくお願いします。
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