秘封先導鉄   作:”蒼龍”

37 / 105
第36話目を更新し、新章に入りました。
今回前書きで何かを書くと本編のネタバレになるので特に何も書きません。
では、本編へどうぞ。


第4章「永遠亭編」
第36話「いざクエストへ‼︎→その後………」


『シャドウ』………否、『ブライト』から聞ける事全てを聞いた魔理沙は翌日、朝早くから起き紅魔館へと入り、パチュリーとレミリアにその内容を話していた。

それを聞きレミリアとパチュリーは溜め息を吐きながら喋り出した。

 

「はぁ………『メリーの力については極秘事項だから魔理沙達が知ってる情報以外は与えられない』、『二人を幻想郷に無理矢理入れたのはそれが二人の為になり、また幻想郷はメリーの力が必要になるから』、『蓮子のPSYクオリアを目覚めさせようとしたのはメリーを守らせる力を付けさせる為』、極め付けは『俺以外にもメリーの力、メリー自体を狙う輩が居る、しかも邪な感情、それが善行だと思うなど様々な理由で』とか………あいつ、蓮子の部分以外はまるで分からん事をペラペラ話したのか?」

 

「はっきり言って、彼の印象が更に悪くなったわよ。

どれもこれもきっちり説明させてくれなければ納得の行かない漠然とした内容ばかり、そんな物を言って魔理沙の問いに答えた気でいるなら最悪よ」

 

そして語られた内容をかなり伏せた漠然とした目的にかなりの不満を漏らし、魔理沙の幼馴染たる青年に対する評価が地の底に落ちて来始めていた。

しかし、魔理沙の中でもう一つ、しかしこれも誰にも言わないでくれとまで言われてしまった内容が一つあり、これが魔理沙の中で『ブライト』が言った事全てにどう繋がって来るのか分からず悩ませていた。

 

「兎に角、これはアイツが蓮子とメリーにはまだ絶対に話すなとか抜かしていたな?

ふふ……なら、これをうっかり私が二人に漏らしたら奴はどんな顔をするか見物だなぁ…」

 

「………後、『今二人に言えば絶対、確実に二人に厄災が降り掛かる』とも言ってた。

それは二人にはとても残酷で耐えられず、必ず二人を破滅させるものだって」

 

「……つまり、それを回避したかったら言うなと?」

 

「二人が成長したら全部絶対に言うとも……」

 

更に魔理沙は追加情報として二人に『ブライト』が話したこれらを二人に話す事は二人に破滅を齎すと言う警告をレミリア達に話し、絶対に蓮子達の耳には入れない様にさせようとする。

魔理沙もこの警告を最後に聞いた時はお前は何を言っているんだ程度にしか思えなかったが、その目は余りにも嘘を付いておらず、ジッと自分を見つめて来ていた事を加味し、1000歩譲って蓮子達には話さないと約束をしていたのだ。

 

「………ふん、奴の言葉を信じる訳ではないが念には念を入れねばな。

この話は我々の中で留めておくぞ」

 

「そうした方が良いわね」

 

そして三人はこの話は三人の間で共有するに留めておく事として一旦解散する。

しかし三人は『ブライト』の言葉を全て信じた訳ではない為警戒は怠らない様にするのは変わらず、また『ブライト』が蓮子達に手を出したりするなら全力で排除(魔理沙は全力パンチ)に変わりなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方蓮子とメリーは、魔理沙から『今日は適当にクエストを受けてな』と言われ、どんな感じのクエストがあるか見に行き、万が一トラブルに巻き込まれても切り抜けられる様に改造、及び新カードを投入したデッキを持って紅魔館向かった…………だが、其処で二人は会いたくない人物達に遭遇する。

 

『……………』

 

「うっはwwwwwwww蓮子ちゃんとメリーちゃんこにゃにゃちわwwwwwwwwwwww」

 

「どうもこんにちは、今日も今日とて内藤さんに振り回されそうで心配になってしまってるミストです」

 

「そしてそんなミストさんと同じ様に振り回される妖夢です」

 

何と紅魔館に来ると其処でいきなり内藤、ミスト、妖夢と再会したのだ。

蓮子とメリーは妖夢の方は歓迎はするが、残りの二名ははっきりと会いたくなかったと思っており、こんな所で何故会ってしまったのかと自分達の対人遭遇運の無さに嘆いていた。

 

「いや〜wwwwwwwww『蓮子ちゃんとメリーちゃんを守り隊』結成からそんなに経ってないのにwwwwwwwwwこんなに早く再会するなんてwwwwやっぱりwww俺様のモテ期到来だぜ!wwwwwwwww」

 

「いや無い無い……って、私達を守り隊?」

 

内藤がモテ期到来を口にした瞬間蓮子は流す様に切り捨てるが、『蓮子ちゃんとメリーちゃんを守り隊』と言う言葉を聞いた途端何か嫌な予感がし、メリーも同じく嫌な予感がしたのか顔が若干青くなりながら妖夢を見る。

 

「ああそれはですね、お二人が彼の者……お二人が『シャドウ』と呼ぶ輩に狙われてるのを知った内藤さんとミストさんがお二人を守る為に結成した親衛隊ですよ。

因みに私は幽々子様の命で内藤さん達のサポート(監視)とお二人の十円ハゲが出来ない様にする為のストレス発散係です……」

 

「あ〜………なんか、ドンマイ……後其処の二人は半径2mから先に近付かないで」

 

蓮子とメリーは妖夢の説明を聞いて妖夢は真面目キャラで苦労人ポジに居ると改めて思い、二人で肩をポンと置いて同情していた。

そのついでに蓮子は内藤とミストに対して半径2m圏内に近付くなと言い放ち、メリーと共に妖夢を抱き寄せながら後ろに下がっていた。

 

「オウフwwwwwwwww俺様達の扱い辛辣過ぎwwwww修正されてwwwwwww」

 

「護衛対象からいきなり近付くなと言われてしまうだって?

それじゃあ護衛の意味が全くないじゃないか!

こんなんじゃ俺、護衛任務をやりたくなくなっちまうよ………」

 

「だったらその超が付く位ウザい言動とか直してよ」

 

「流石に私もお近付きには………ねぇ……」

 

蓮子とメリーの辛辣な態度に内藤とミストは涙を流したり項垂れたりしたが、更に二人の追撃が入りその言葉が深々と刺さっていた。

それに対し妖夢はオドオドしながらも何とかフォローしようと言葉を引き出そうとしたが、今の蓮子とメリーには何を言ってもこの青年二人組の評価などは変わらないと悟り、この先まだまだ苦労するのだろうなと思い始めていた。

そんな中で蓮子とメリーはクエストボードを見てると、中に『私の知り合いを外に出して下さい』と言うクエストがあり、しかもそれは成功すればメリーのグレードが丁度3になり、大型の大会に参加に必要な最低グレードに到達する様になっていたのに気付く。

 

「あ、これ受けたら丁度メリーのグレードが3になるじゃん!

メリー、これ早速受けるわよ!」

 

「うーん、まあ良いかな?

でも『知り合いを外に出して下さい?』

これってどう言う意味なのかしら?

もしニートを出せなんて滅茶苦茶な内容だったら即放棄して他のクエストをするで良い?」

 

蓮子は早速これを受注してクエスト配信者の下へ行こうとする。

それに対しメリーはこれなら受けても大丈夫かと思った上で面倒な内容であった場合は即クエストを放棄して別のクエストを探そうとする事を告げ、蓮子もそれに同意して妖夢を離して向かい出す。

 

「え、あ、ちょっと待って下さい‼︎

私達も行きます行きます‼︎」

 

「ちょwwwwww待ってよ蓮子ちゃん達wwwwwwwwww」

 

「護衛対象が好き勝手に動くなんてこんなの普通じゃあ………なんて言ってる場合じゃない‼︎

皆待ってくれって‼︎」

 

そんな蓮子達を追うべく内藤達も同じクエストを受けて彼女達の後を付いて行く(ご丁寧に内藤とミストは半径2mから先には近付いてない)。

そんな奇妙な五人組は待ち合わせ場所に指定された人里の蕎麦屋へと急いで行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………で、あんた達がクエストを受けてくれた訳だな。

それには感謝するよ。

けどさ………何で噂の外来人二人に半人半霊の庭師、大草原の男に霧の申し子なんて奇妙な集まりが出来たの?」

 

『成り行き』

 

そして待ち合わせ場所の人里の蕎麦屋にてクエスト配信者である白のカッターシャツに赤いもんぺの様なズボン、白のロングヘアーに赤いリボンが特徴の少女に出会って早々、奇妙な五人の集まりに対し問われるが蓮子とメリーは成り行きと答え、妖夢は苦笑しながらメリーの隣に座っていた(内藤達は別席)。

 

「まぁクエストを受けてくれる分には関係ないね。

取り敢えず噂の外来人の二人は初めまして、私は『藤原妹紅』だ、宜しく頼む」

 

「ご丁寧にどうも。

私は宇佐見蓮子、こっちはマエリベリー・ハーンよ」

 

「初めまして藤原さん、私はマエリベリー・ハーンです。

メリーって呼んで下さい」

 

「なら私も妹紅と呼んでくれ、苗字で呼ばれるのは余り慣れてないんだ」

 

取り敢えず初対面の三人は一先ず挨拶をし、それから妹紅はクエスト内容を語る為口を開き始め、他の五人は耳を傾ける。

 

「さて、クエストの話をするんだが話は簡単さ、私の知り合い………て言うか腐れ縁の奴を外へ引っ張り出す事さ」

 

「えーと、それってニー「微妙に違うから安心しろ」アッハイ」

 

妹紅からクエストの話をされた時ニートを外に出すのかと蓮子が聞こうとした所、少し違うと言いながら否定され蓮子はまた黙って話を聞き始める。

 

「そいつはヴァンガードファイターで、しょっちゅう大会や私個人を相手に何度も住まいから出て来ていたんだ。

しかし、ある時を境にパッタリと外で見なくなったし何かあったのか住まいに見に行けば追い返されての繰り返しさ。

で、気になるからそいつを引っ張り出す、それだけ」

 

「えーと、その人が外で見かけなくなった時期は?」

 

「そうだな……1ヶ月と6日位か?

大体その位からあいつ、『蓬莱山輝夜』を見なくなったぞ」

 

蓮子とメリー、更に内藤達はクエストの内容を聞き、内藤達の方は矢張り『蓬莱山輝夜』かと言う顔をしており、これなら案外外に出すのは楽かもしれないと考えていた。

しかし蓮子とメリーは『蓬莱山輝夜』が外で見かけなくなった時期が、丁度自分達が初クエストを受けた時と大体一致する事が分かり、何かの偶然かと思いつつも変な予感が頭を過ぎり、もしかしたらまた『シャドウ』が関わっているのかもしれないと言う万に一つの可能性を胸に秘め、互いにアイコンタクト(及び指差し、J◯◯O立ち、ハイタッチをウザ可愛顔で)しながらクエストを受けるだけ受けてみようと意見を纏めた。

 

「分かりました、そのクエスト引き受けます」

 

「そ、そっか、それは有難い(今の外来人はあんな変な意思疎通方法があるのか?

やっぱ私の知る外の世界とはかなり違うんだな……)」

 

「二人共固くなり過ぎwwwwwwww輝夜ちゃんならもこたんが一言掛けたらwwwwwwwwお外に出て来るよwwwwwwwwwwwwだってww二人は仲良しざますからねwwwwwwwwwwww「断じて違う、後もこたん言うな‼︎」うはwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwもこたんカワユスwwwwwwwwwwwwwwwww」

 

そんな談笑を交わしつつ蕎麦屋で注文(メリーはかけ蕎麦、蓮子はもり蕎麦、妖夢はおろし蕎麦、ミストは天ざる、内藤はもり蕎麦大盛り三丁)を取り、全て食して会計を済ませてからクエストを達成すべく『蓬莱山輝夜』が住まう場所、『迷いの竹林』の中にある幻想郷随一の薬師が居る『永遠亭』へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかしそれからたった数時間後、蓮子達のファイカの反応が消え、4日が過ぎても彼女達の姿を見た者は誰一人として居なかった。

そう、それが蓮子達に何かと関わり火種を残して行く事に定評が出来ている『シャドウ』、否、『ブライト』であっても…………。

 

 

 




新章突入からいきなり蓮子達と妖夢達の合わせて六人が行方不明に………永遠亭に向かった彼女達に何があったのか?
更にこの事態を解決するのは誰なのか?
それは………次回をお楽しみに。

次回もよろしくお願いします。

キャラ設定を見たいですか?

  • 見たい
  • 見たくない
  • 次を早く投稿して

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。