今回は会話パートで珍しくサブタイにネタバレ要素が少なくなってます。
そしてあるキャラがキャラ崩壊を起こしますが、悪条件が見事に重なり過ぎたと思って下さい。
では、本編へどうぞ。
『シャドウ』と蓮子のファイト後、蓮子はデッキを回収して一旦状況整理の為に宿泊所へと戻り、稀神サグメも一緒に(逃げない様に)連れて行くと先に豊姫側が戻って来ていたらしくフランが豊姫にファイトを挑み負けてしまっていたらしい。
「あぁ〜も〜う、彼処で『
「ふふ、世の中全てが上手く行くとは限らないのよフランちゃん。
さて次は……あら、依姫。
先に戻ってたわよ」
「ああお姉様………え〜と、ちょっと話があるので全員で丸テーブルを囲んで貰いますか?」
『?』
豊姫が依姫達の帰宿を確認し声を掛けると依姫は豊姫組全員に丸テーブルを囲む様に提案。
それに何か嫌な空気を感じたのかブロントさんが至極真面目な表情を浮かべて率先してテーブルの椅子に座り、他の全員も座り(サグメを含めた月人3人は上座)、メリーや依姫が自分達の方で何があったのか話し始め、それを聞いていた豊姫組の全員が表情を険しくし出し、特にブロントさんの怒りの表情が前面に出ておりかなり頭に血が上り出している事が伺えていた。
「………そう、サグメ殿がちょっと行方を眩ませたのを皮切りにそんなトラブルがね………」
「申し訳ありませんお姉様、私の監督不十分が招いた」
「いいえ、依姫の責任では無いしサグメ殿の責任でも無い、かと言ってトラブルを引き起こした宇佐見蓮子が、と言う訳でも無い。
今回のトラブルは起こるべくして起きた必然的事象と私は判明します、なので余り気に病む必要は無いわ。
宇佐見蓮子も同様に」
これらを聞き豊姫は依姫や『シャドウ』を出会い頭に全力右ストレートで殴った蓮子には責任は無く起こるべくして起きたと言い、特に誰を咎める事無く話を円滑に進ませようとする。
するとブロントさんが丸テーブルを力強く叩き、全員が驚いてそれを見てしまう。
「ちくしょう…………幾ら心が広大で表情豊かでぜいいんの中心人物のナイトでももうダメアイツの俺の一級の廃の友でアイツの幼馴染だった魔理沙を泣かして蓮子達に対しても舐めた真似を取っている事で俺の怒りが有頂天になった‼︎
この怒りはしばらくおさまる事を知らない‼︎」
「落ち着きなさいブロントさん、幾ら貴方が怒った所で今回はアンティでエキスパートカップ終了まで手出し不可能だ。
アンティに逆らえば如何なる結末を迎えるか知っているだろう?」
「ぐっ………ちくしょう………チクショー‼︎」
ブロントさんの怒りが爆発してオーラが目に見えそうになる状態となったがレミリアがアンティの件を指摘しそれを諌め、ブロントさんは手が出せない事に怒りの叫び声を上げ、宿泊所全体と綿月姉妹の屋敷に木霊する。
「くっ、私がその場にいれば時を止めて捕縛し、アンティファイトでも……」
「恐らく無理ですよ。
咲夜さんや蓮子に引いては私、パチュリー様、小悪魔さんに妹様は聞く限り『
ヴァンガードがデリートされればパワーだけでなく
それに彼の実力は私達は良く知ってる筈………悔しいですが勝つにはお嬢様やメリー達の
後は
「………うがぁぁぁぁぁ悔しい〜‼︎
あの場で勝ててたらアイツの目的を洗いざらい吐かせてついでにボコボコに出来たのにぃ〜‼︎
次アンティ外で会ったら負かせてやる〜‼︎」
咲夜が自分ならばと口にするが、美鈴が的確に自分達や蓮子の
一方の蓮子は悔しさの余り声を荒らげ、頭を掻き毟りながら顔を上げ、しかしどうも其処まで深く引きずっている様子は無く寧ろリベンジに燃えていると言った印象だった。
このポジティブさを見てメリーは、シャドウに惨敗して泣き付いた自分と違いやっぱりサバサバしてるなと感じ、またそれが少しだけ羨ましいと思っていた。
「『……ふむ、では今話に出てる彼について私が感じた事を話して構わないか?』」
「サグメ殿?
……ええ、どうぞ」
するとその場でサグメがスケッチブックに字を書き、筆談で何かを言おうとしており、豊姫はそれにOKを出し、他の全員もサグメのスケッチブックに視線を集中し出す。
「『うむ、私は彼の言動や私が使うデッキ、それから〈リンクジョーカー〉に余りにも精通し過ぎていると感じ、其処から予想した事ではあるのだが………恐らく、彼の『
「な、何だと⁉︎
おい稀神サグメ、それは一体どう言う事だ‼︎」
「レミリア・スカーレット、サグメ殿に「はい依姫ストップ〜」うぐっ……」
サグメが突然スケッチブックに『シャドウ』が蓮子に使ったデッキが2軍だと言う予想が書かれた事でレミリアは声を荒らげてしまい、依姫がそれを諌めようとして逆に豊姫にストップを掛けられ、黙ってそれを見ているだけとなる。
「『と言ってもあくまで私の予想ではある。
先ず彼と私は初対面であり、デッキの中身も知らない筈だ。
にも関わらず私のデッキを『
「………いや、それだけではアイツのデッキが2軍だと思うにはちょと僅かに押しが足りないと言う意見。
何故ならば、〈リンクジョーカー〉が侵略の力を失ったのは『シード』と呼ばれる〈リンクジョーカー〉に勝利した者に憑依し、その者を更に強い新たな〈リンクジョーカー〉にする恐るべき物質であり、奴らの力その物と呼べる物をバラバラに引き裂かれて幻想郷、果ては月に居た全ファイターや外の世界に居るであろう未来のファイターにその欠片が分散した事が原因の筈。
俺達はその当事者だったから良く覚えている、たがらこそ稀神サグメ、お前が言う根拠に説得力が欠けているんだが?」
サグメの筆談内容を見たやっと頭を冷やしたブロントさんが答え出し、〈リンクジョーカー〉が侵略の力を失った原因を知る者としてサグメの根拠を説得力が欠けていると指摘する。
これには当時関わっていた魔理沙、レミリア、オリオンがそれに頷き、ブロントさんの言う事が正しいとする。
するとサグメはその答えを予想していたと言わんばかりに次のページに文字を書き、見せてくる。
「『確かに地球側で『シード』が砕かれた事もまた〈リンクジョーカー〉が侵略の力を失った原因の一つだ。
だが君達は知らない、クレイ側と地球側で密かに起きた事件とその顛末を。
それこそが〈リンクジョーカー〉が侵略の力を失った最大の原因だと』」
「………何?」
その内容とはブロントさん達が知らない事件の事であり、それこそが〈リンクジョーカー〉が力を失う最大の原因とまで言い、それを見た魔理沙とオリオンは勢い良く椅子から立ち上がり、その際に椅子が倒れてしまう。
「……何故お前が幻想郷の上層部、管理者や薬師に守矢の二柱、そして当時の被害者でもあった閻魔や、関わった俺や魔理沙、博麗の巫女と………アイツしか知り得ない事を⁉︎」
「『月はクレイと関わり深くなり始めた幻想郷を気にしていると言う事だ。
最も、私達は閻魔以外に誰が関わっていたかは知らなかった。
上手く情報が秘匿されてた為な。
そして君が今、誰が関わっていたか話してくれた』」
「っ⁉︎」
オリオンの問いに筆談で答え冷静な表情で会話を進めるサグメ。
しかし、〈リンクジョーカー〉の事やそれらが原因で起きた事件を蓮子とメリーは知らない為首を傾げている。
しかし、それらは今に繋がる事件ではあったと言う認識だけは何とか関わりが全く無い二人にも理解出来ていた。
「『そう、〈リンクジョーカー〉が力を失う最大の原因とは『
その力を振るう事で一部を除く〈リンクジョーカー〉が力を失い今に至るのだと…』」
「………ああ、そうだ、しかし、それらが何故奴の持っていた『
そしてサグメはその事件の内容を簡素に言い、オリオンはそれを肯定し魔理沙も無言でサグメを見つめるがそれらが何故『
「『……実はもう一つ理由がある、まだ誰にも言っていない事が。
私も君の様に『先導者の力』を使え、ある時惑星クレイに意識がシンクロした際に見たのだ………何人たりとも侵入した事が無い穢れ無き聖地で一部の〈リンクジョーカー〉がクレイの生命として転生し、更にそれらを見守る存在を。
そしてそれは私にこう話した、『二つの世界を救いし我が見守りし者を頼む』、この一言を………そして彼からはその存在に似た気配が感じられた。
更にクレイの一生命へ転生した〈リンクジョーカー〉の気配すら感じた。
これが私が感じ、『
まあ、この予想は外れてくれてたらややこしく無くて済むがな』」
サグメのスケッチブックに書かれた文字を全て見終わり、その場に居た全員は沈黙し場の空気が重くなる。
もしかしたら『
「ぬ、ぬっふっふっふっふ………上等じゃないのよ、アイツがそんな切り札みたいな物を隠し持ってるならそれを出させて、文句の付けようが無い位に倒してやれば良いのよ!
でしょメリー?」
「蓮子………そう、かもね。
ううん、絶対そう!」
蓮子は空元気とは違う心の其処からの元気を出し、若干実力が不透明に不透明になりつつある『シャドウ』に勝てるか不安を抱き始めたメリーを励まし、メリーも蓮子のポジティブ振りに感化されて笑顔になり、二人は互いの心の内で何処までも強くなろうと誓い合って手を重ねていた。
自分達を狙う謎多き青年に負けない、必ず勝つ為に。
「……ふむ、まだまだ初心者マークが抜けてにい二人に追い抜かれない様にナイトは今の地位にしがみ付くよりも実力を昇華させるべきだろうと思った感。
アイツにも一撃を入れる為にも必要ひ可決ならば尚更な」
「私達も、ですね。
帰ったら早速ショップへ……」
そんな二人を見ていたブロントさん、麟も感化され更なる実力向上を図ろうとし、月の都から幻想郷へ帰った後は早速ショップにより新しいカードの購入などしてデッキの改造をすると決める。
美鈴達も見守る役として、咲夜やアリスもブロントさん達と同様の事を思っていた。
「(今回の一件はこの者達の成長を促す結果になるか………特に宇佐見蓮子とマエリベリー・ハーン、彼女達とは帰る前に…………そう言えば、何か忘れている様な……あ)ああ、そうだ!
サグメ殿、今日は何故行方を眩ませたのですか!
地上人が今回居なければ、決勝までに見つかっていたか怪しいですよ!
一体何故なんですか!」
これらを見ていた依姫は蓮子とメリーに対し思う所があり、彼女達が幻想郷へと帰る前に……そう思っていた所でサグメが今日行方を一時眩ませた事を思い出し、幾ら豊姫が非はないとは言えど今回の一件が間接的にトラブルに繋がってる為、立場上それを追及する必要がある為サグメに問い質す。
するとサグメは慌ててスケッチブックに文字を書き出す。
「『あ、ああ………それは………』」
「と言うよりサグメ殿、貴女確か『普段話す分には能力が暴発する怖れは少ないから、口数が少なくても話せる』って前に言ってたじゃないですか?
なのに何故今更筆談を?」
「『だ、だからこれは』」
「ああそれは………えい♪」
すると依姫はサグメが何故筆談でコミュニケーションを取っているかの理由まで問い質し、それに対応する為にもサグメは急いでスケッチブックに字を書いていると、豊姫がいきなりスケッチブックを没取してしまう。
それに慌ててサグメはスケッチブックを取り返そうと躍起になり、まるで親にオモチャを取り上げられた子供の構図になっていた。
「サグメ殿、もう決勝の組み合わせが決まってしまったので遅かれ早かれバレますよ。
なら、今この場でバラした方がダメージが少ないかと。
では先ずは、改めて自己紹介からどうぞ」
「〜〜〜〜〜〜〜‼︎
………………っ」
『?』
スケッチブックを取り返せず豊姫に自己紹介する様に言われ……しかしその直前の言には今バラした方がと言う一言がありそれが何なのか分からず蓮子達は注目する(依姫も)。
そしてスケッチブックを取り上げられたサグメは俯きながらも深呼吸して心を落ち着かせる動作をし、全員の方を向く……但し顔が紅潮しながら、である。
「…………あ」
『あ?』
「あああああああの、わ、わ、わわわ私は稀神サグメと、い、言う者だ。
ほ、本日はお日柄ららが良く」
『⁉︎』
そしてやっと開かれた口からは筆談時にはクールと言った印象を受けた彼女の雰囲気が一気に崩れ、身体が震え呂律が上手く回らず声質も甲高くなっており、明らかにガチガチに緊張している様子が伺え(依姫も含めた)全員驚いてしまっていた。
「えっ、えっ⁉︎
い、一体どうしたのですがサグメ殿⁉︎
何がありましたか⁉︎」
「え〜と、サグメ殿は実は見知らぬ人、特に異性を前にするとガチガチに固まり過ぎて頭も真っ白になってこうなっちゃうらしいのよ。
筆談での会話への参加は問題無いみたいだけれど、それが無ければこの通り。
しかも本人曰くまともにヴァンガードファイト出来る状態じゃないらしく、上手くデッキを回せるか怪しくなる位ヤバイって言ってますわ。
因みに私もコレを相談に受けたのは私がオリオン、彼に敗してからたった2時間後だったのよ………」
「ええええええええ!!?Σ(゚д゚lll)」
こんなサグメの一面を見て依姫は驚き、更に豊姫の説明とこの状態ではまともなファイトが出来ないとまで言われ余りの衝撃に声を上げてしまう依姫。
そのやり取りを見ていた蓮子達は等しく思考停止し、一体何が起きているのか分からず固まっている。
「ちょっ、これどうするんですか⁉︎
決勝でこの状態になられたらまともなファイトが出来るなんて私も思えませんよ⁉︎」
「ええ、だからちょっと困ってたりするのよね〜」
「すすすすすすまない、すまないいい〜」
こんなやり取りがほぼ30分以上繰り広げられ、結局豊姫にスケッチブックを返されて筆談に移るまでこのサグメの緊張状態が続き、そして行方を眩ませた理由も何とか緊張状態になるのを治そうとしたのとこれを知られるのを避ける為だったと釈明され、そして『シャドウ』が言っていた事もこの緊張状態の所為であったらしく本人ですらどうすれば良いのか分からずにいたらしい。
そしてこれらのやり取りの中で蓮子とメリーは思ってしまう、世の中には不思議な事が一杯あり過ぎると。
日が変わる真夜中の月の都、その中の議会場内を『シャドウ』と、共に招かれたヴァンガードファイト普及協会会長が歩いており、その先の大きな扉の前で一人の眼帯を巻いた少年らしき人物と遭遇する。
「ようこそ議会場へ。
僕は『エルドナーシュ』、一応はヴァナ・ディール出身で名誉月人と呼べるべき者だよ」
「ヴァナの人間が月人に歓迎されているとは………一体どの様な経緯で?」
「ふふ、僕は少々特殊な出自でね。
それ故に歓迎されたのさ。
さっ、早く中へ入ろう。
議会が始まるよ」
そして『シャドウ』と普及協会会長は扉が開かれ、エルドナーシュに先導されて中に入る。
其処には如何にも自分達地上の者を見下し、早く自分らの視界の中から消えてくれと言う雰囲気を醸し出している。
これらを両者は一切合切気にも止めず、自分らが座る下座に歩いて行こうとし、エルドナーシュの隣を通り過ぎる。
「……成る程、君は余程閉心術が得意なようだ、僕でも微妙に心が読み辛いよ。
でも結局、幾ら心に鎧を纏わせようと僕の前では無意味だけどね……ふふ……」
「………」
擦れ違い様にエルドナーシュにそう言われた『シャドウ』だが、それすら無視して普及協会会長の隣に座り静かにその時を待つ。
そして議会室の扉が閉められ、中で月の都と幻想郷の間で結ばれる(明らかに表向きのみの)ヴァンガードファイト連盟の設立の議会が開かれた………。
今回の最後はあんな感じで締めましたが、あの議会は特に描写するまでもなく淡々と話が進むだけです。
そしてサグメ様をこんなキャラにしてしまった。
これも全部筆談サグメから働いたイメージが悪いです(←結局自分の所為)
次回は小話を挟んでやっと決勝開幕となります。
次回もよろしくお願いします。
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