秘封先導鉄   作:”蒼龍”

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ほぼ突貫工事の勢いで第26話を更新致しました。
そして大体はチェック入れましたが誤字脱字があるかも………そして一般公開して置きながら非ログインユーザーにも感想が描ける様に設定変更していなかったミスが発覚。
完璧で幸福な作者ならこんな初歩ミスを犯さないのでコミーだと発覚し前の作者はZAPられました。
今度の自分は完璧で幸福の為ミスは無い(と思いたいです)。
では、どうぞ。


第26話「交差する絆と力」

「………此処が………此処が、月!

人類が初めて有人ロケットで月に着陸し足を踏み入れたとされるのは1969年のアポロ11号とされてるけど、この月にはそれ以前から人が居て文明を…………くぅ〜、秘封倶楽部としてはこの神秘は唆られるわぁ〜‼︎」

 

「おバカ蓮子、私達はあくまで客人としてこっちに招かれただけなのよ?

あんまし粗相が無い様に大人しくしてなさいな、秘封倶楽部として謎と怪異とかを解き明かす活動はこっちでは禁止よ!」

 

「君、そのお嬢さんの言う通りだよ。

もしこの月で何かしようものなら、即刻地上に送り返す事になるから大人しくなさい」

 

豊姫の合図と同時に目の前の景色が幻想郷の物から月のそれに変わり、蓮子は数歩歩きジャンプなどしてはしゃいでいた所でメリーからストップ、依姫からは完全な警告をされてしまい、余りはしゃげなくなった蓮子は「ぶーぶー」とブーイングしていたが、当然聞き入れられる訳も無く無視され、蓮子は月の地面を不貞腐れて蹴っていた。

 

「(………それにしてもこの子達………それぞれ似てるわ。

メリーは『奴』と瓜二つ、蓮子は………微妙に容姿と、性格は全然違う筈なのに彼女、『霊夢』の持っている独特な雰囲気が………一体何故なのかしらね)」

 

そんな中で依姫は蓮子とメリーが自分が知る二人の人物に似ている事に疑念を抱き、それをレミリア達と話しながら思考していた。

無論依姫が気付いた事は姉の豊姫も気付かない訳が無く、月の賢者の弟子であった彼女達に蓮子とメリーは微妙に目を付けられてしまう。

しかし、そんな事とは知らず蓮子は月の石を見て一個持ち帰っても良いかや写真を撮ろうとしてスマホのバッテリー切れを改めて思い出し項垂れていたりと割とフリーダムな行動を起こしており、最後ら辺でメリーが動き、蓮子のこめかみを拳でグリグリとして行動を諌めていたりと仲の良い二人組の行動をして魔理沙達を笑わせていた。

 

「はいはい仲の良いお二人さん、そろそろ貴方達が寝泊まりする場所に行くから此方へおいでらっしゃいな」

 

「あ、分かりました。

ほら、行くわよ蓮子」

 

「う、うい〜………」

 

すると豊姫が蓮子とメリーを呼び、二人はレミリア達の側に戻って行くと再び景色がいきなり変わり、月の殺風景な場所からレミリア達の紅魔館の様な数階建ての物と違い一階建てではあるが、立派なお屋敷の前に場所が移った。

 

「あ、また景色が………このお屋敷は?」

 

「此方のお屋敷は私と依姫の住まいよ。

そしてあっちが、オリオンが本選に出場しちゃった辺りから約束を守らなきゃって思って急遽玉兎達に作らせた宿泊所よ。

見た目はアレだけど、圧縮空間で出来てるから貴女達位の人数はアッサリ入りますわ」

 

メリーが目の前の屋敷に疑問を投げかけた時に予想してたと言わんばかりに豊姫が直ぐに答え、更に屋敷の敷地内にポツンと建つ二階建てプレハブ小屋に指差し、それが自分らが寝泊まりする宿泊所と言う。

しかし、見た目が何処からどう見てもプレハブ小屋の為蓮子、魔理沙、ブロントさん、レミリアは完全に嫌そうな顔をし、フランが率先して小屋に近付いて中へと入り、それに続いて嫌そうな顔をしてる者以外は全員中に入って行き、最後に残った四人も渋々中へと入る。

すると中は外観とは似て似つかぬ程広く、内装は洋風で案外紅魔館の内装に引けを取らない上品な雰囲気を醸し出していた。

 

「へ、へぇ〜、ウチの紅魔館には劣るけど中々に良い所じゃないの、外観は完全に嫌がらせにしか思えないけど」

 

「それは当然よ。

この小屋は月の技術が使われて、貴女達吸血鬼に合いそうな作りにする様に指示したのですから良くない訳が無いわ。

因みに外観は私の遊び心を込めた物よ、気に入って頂けたかしら?」

 

「あはは、凄いすごーい!

紅魔館みたいな場所で気に入っちゃった、ありがとうよっちゃん♪「えっ、よ、よっちゃん?」」

 

レミリアとフランの姉妹による温度差感想を聞いて蓮子とメリー、魔理沙達は確かに外観はアレだが中身がしっかりとしてる為、こんなプレハブ小屋みたいな外観の宿泊所を用意し、自分らを招き入れた綿月姉妹には感謝せねばと思い、特に蓮子とメリー以外は月が地上人と地上を穢れに満ちている為毛嫌い、その穢れが無い月に招き入れる事自体が異例中の異例であり、レミリア達が立てた口約束が月の上層部に届けられた上、高貴なる月人は約束は地上人の様に破らないと言うプライドとオリオンの予測外の快進撃がこの結果を生み出したとし、改めて紅魔の勢力は他に干渉した際の影響力が大きいと感じていた。

 

「では、オリオンを呼んで来ますから依姫と一緒に此処で待ってて下さいな「えっ、お姉様?」じゃあ依姫、『レイセン』と一緒に客人を退屈させない様にね〜」

 

「えっ、あ、ちょっ………はぁ、行ってしまいましたか。

まあお姉様の能力があるから直ぐに来るとは思うけど………『レイセン』、来なさい!「は、はい、今行きまってうわぁ⁉︎『ドテン、ガラガラ、ガシャーン‼︎』」………ちょっと様子を見て来ますから大人しくしてなさいな」

 

すると豊姫がオリオンを呼んで来ると言って何処かに行き、残された依姫は『レイセン』と言う人物(蓮子とメリーは部下と予想)を呼ぶが、プレハブ小屋の外で何やら倒れる音や割れ物が割れた音がし、その様子を依姫が見に行く事となりその場を一時離れ、それを見てた咲夜は妖精メイドがいつもやらかしては怒るの繰り返しのメイド業務を思い出し、何だか依姫に部下に四苦八苦する自分と同じ様な上司の苦労的な物を感じ、後で紅茶とケーキを差し入れしようと考えたり、他は大体言葉にならない何かを感じて苦笑してたりした。

 

「待たせたわね、ウチの部下が屋敷の物を壊したから片付けと反省として正座する様に言って来ましたよ………お陰で私がお茶と菓子を運ぶ事になりましたが、どうぞ召し上がれ」

 

「わぁ〜い、お菓子だ〜☆」

 

「うむ、おれはおれは丁度小腹が空き喉もほんのわずかに乾き始めていたんだが其処に月のチート姉妹の片割れが謙虚にもナイトとそのLSメンにお茶と菓子を運んで来た様なので玲技正しく頂こうと思いとんずらを使い普通ではまだ取れない菓子をきょうきょと参戦して取り口に運ぶ前にナイト礼を忘れにぃのでいただきますをするます。

なので【いただきます】」

 

『頂きます』

 

直ぐに依姫が戻り、部下の不手際に頭を抱えてその部下の代わりにお茶と菓子を運んで来て、宿泊所の入って直ぐにある大きな丸テーブルに置き、全員で頂きますを言って食した。

すると味は地上の菓子やお茶よりも高級感が溢れる物で、風味が極めて高く地上で店を出しこれを提供したら大繁盛間違いなしの味だった。

これには咲夜やアリスも参ったと思わずにはいられず、そんな様子を見ていた依姫からは何か勝ち誇った様な雰囲気が漂い何故かレミリアは悔しそうに見ている。

 

「ゴクッ、ゴクッ………ふう、ご馳走様でした。

依姫さんが出したお茶とお菓子、とても美味しかったですよ」

 

「そう、ありがとうね。

それより貴女……」

 

「?」

 

1番先に食べ終えた蓮子が依姫にお茶と菓子がとても良かったと感想を送ると依姫は当然と言った感じに素っ気なく返し、その後蓮子に近付きジッと見つめ始めていた。

当然蓮子は首を傾げ何の用かと思い始める。

そして依姫の取った行動は……。

 

「……えい(ワシャワシャ)」

 

「に、ニギャァァァァ⁉︎

な、何突然髪の毛をワシャワシャとするんすか〜⁉︎」

 

「貴女、黒帽子を被ってるからと言って寝癖を直さないのはどうかと思うわよ?

後ろ向きなさい、髪をとかしてあげるから」

 

何といきなり蓮子の帽子を取り、髪をワシャワシャとした後に後ろを向かせて常備している櫛で髪をとかし始めたのだ。

この行動にレミリアやブロントさん、魔理沙やメリー達は何が起きているんだと言わんばかりに驚き、思考が凍り付き事の成り行きを見ている以外が出来なくなった。

その間にも蓮子の髪の毛は依姫のによって手入れられ、その手付きは彼女の髪の質感などを初めから把握していたかの様にとても丁寧なとかし方で、蓮子に乱れた髪がどんどん綺麗にとかされ、そしてとかし終えた時には何故か髪をとかしただけで蓮子が今まであった事のない美少女の様に輝いている様に見え、また鏡で自分の姿を確認する蓮子も一瞬誰コレと思ってしまっていた。

そして魔理沙、アリス、咲夜、レミリア、麟、ブロントさんは蓮子の今の姿が自分らの知り合いで中心人物の一人であった少女……魔理沙の幼馴染で博麗の巫女であった『博麗霊夢』と重なり、魔理沙に関しては何故か本人が気付かない内に涙が頬を伝っていた。

 

「はい、貴女顔とかの素材が良いのに適切に髪の手入れをしてないから少し魅力が落ちていたわよ。

全く、折角の整った容姿がそれじゃ台無しよ、これからはちゃんと髪の毛を手入れしなさい」

 

「……あるぇ〜?

コレ私?

何か、自分以外の絵にも描いた様な美少女が鏡に映り込んだ様に見えたわ……ねえみん………魔理沙?

何で泣いてるの?」

 

「はっ?

………あれ、何で涙が流れてるんだ………」

 

蓮子がそれを指摘して魔理沙は頬を手で拭うと、確かに涙が流れており何故こうなったか訳が分からず魔理沙は困惑し始めた。

しかし、魔理沙は確かに蓮子が『霊夢』と重なったと見えた為、最初のファイトで感じた事を今改めて思い出し、するとまた涙が流れて、今度は涙が止まらなくなり何度も手で拭い出していた。

 

「ま、魔理沙⁈

貴女、大丈夫なの?

突然どうしたの?」

 

「魔理沙、貴女大丈夫なんですか?」

 

「魔理沙、何処か痛いの?」

 

「な、何でもない……何でもないよ……」

 

「魔理沙………ほら、顔を隠してあげるから、泣きながらでも良いから気を落ち着けなさい」

 

そんな魔理沙を心配してパチュリー、美鈴、フラン、更にアリスが側に駆け寄り、彼女を宥め出して場の空気がしんみりとし始め、依姫はそのきっかけを作った事から余計な事をしたかと、また、初対面の筈の蓮子にいきなり髪をとかすなどの行動を何故やったのか考え出し、その答えは魔理沙達が感じた様に蓮子が『霊夢』に似ていた為だと結論付け、綿月依姫は宇佐見蓮子と言う少女に興味を持ち出していた。

 

「………あらあら、戻ってみたら何故か金髪の子「き、霧雨魔理沙だぁ………!」…コホン、霧雨魔理沙が泣いてしまってますが……依姫、貴女何かやったのかしら?」

 

「お、お姉様!

いえ、私はその……宇佐見蓮子の寝癖が気になったので髪をとかしたらこんな事に……」

 

「ふーん(依姫が初対面の少女に髪をとかした……ねぇ)」

 

すると其処に豊姫と、傍に蓮子とメリーがテレビ越しで見た青年、しかし大会中に着用していた執事服では無く私服を着たオリオンが現れ、その場の空気や魔理沙が泣いているのを不思議がって依姫を見てたりした。

するとオリオンはレミリアの前に来て腰を落とし、片膝をつきながらレミリアを見上げていた。

 

「お嬢様、遥々月へとお越し頂いた事に感謝し、またこの場所にまで来た事に対するご足労をお掛けしました」

 

「いや、良い。

貴様がエキスパートカップを決勝まで駒を進めたらVIP席で観戦させて貰う約束事だったのだ、気にする必要は無い。

それよりも我が従者として、また幻想郷の代表としてよくぞ此処まで勝ち抜いた、褒めて使わす」

 

「勿体無きお言葉です」

 

レミリアとオリオンは主従の会話を交わし、レミリアが手を差し出すとオリオンはそれを受け取り、忠誠心を示し褒美の言葉も同時に受け取っていた。

それを見て咲夜がオリオンに近付き、声を掛ける。

 

「久々ねオリオン、予選を含めて4ヶ月半振りね」

 

「ああ、大体それ位だな。

……で、何故お嬢様達以外に魔理沙達が居るのには別段気にはしないとして、あの見知らぬ二人と何故魔理沙が泣いているか説明をしてくれないか?」

 

「そうね、じゃあ簡素に説明するわ」

 

咲夜とオリオンは同じ主に忠誠を誓う者同士として対等に話し、オリオンが疑問を投げ掛けると咲夜が分かり易く蓮子とメリーの事、二人が居る理由、二人が主であるレミリアが気に掛け、また二人が置かれてる状況下、そして蓮子の髪をとかしたら魔理沙が突然泣き出した事を聞き、オリオンは大体理解する。

 

「………そうか、そんな事がな。

しかし………あの時聞こえた声は確かに……「オリオン?」いや、何でも無い。

だが、奴が自らの分身を捨て宇佐見蓮子に一方的に渡し、外来人、しかも二人の女を付け回すとはな………ヴァンガードファイターとしても男としても失格だな、次に奴と会ったら俺が直接奴に手を下してやる……」

 

「うむ、それはそうだな………して、オリオンはあの二人、特に宇佐見蓮子を見て何か感じないか?」

 

オリオンは咲夜の説明を聞き、『シャドウ』……魔理沙の幼馴染であり、『ブラスター・ブレード』を使っていたかつての最大級のライバルが其処まで堕ちた事に怒りを見せ、しかし何でも無いとしながらも準決勝時に聞こえた声の主が蓮子であった事に対し疑念を抱き、またレミリアに言われ蓮子を見ると蓮子とメリーの前へ行き、特に蓮子をジッと見ていた。

 

「あ、あの……一体なんすか?」

 

「…………成る程、奴がブラスター・ブレードを渡したのはそう言う事か」

 

「やはり私の睨んだ通りか」

 

「?????」

 

するとオリオンは何かを察したのか一人で納得をし始め、レミリアも自分が予想した通りだったと確信を持ち、しかしまた面倒な事になるとも思い始め、それが全く分からない蓮子は頭に疑問符を幾つも浮かべ、解答を待っていた。

一方その場で咲夜とオリオンの会話などを聞き耳を立てた豊姫と依姫は、宇佐見蓮子とマエリベリー・ハーンが自分らには関係なさそうで、しかしとある人物と『霊夢』にそれぞれ似た二人がそんなトラブルに巻き込まれてる事を知り、益々興味を抱き個人的に調べてみようかなどと考えていた。

 

「………ふむ、挨拶がまだだったな。

俺はオリオン、レミリアお嬢様の従者であり『ドラゴニック・オーバーロード』を使う者だ」

「あ、ご丁寧にどうも。

私は宇佐見蓮子で、咲夜から聞いた通り『ブラスター・ブレード』を使ってるわ、よろしく」

 

「こちらも初めまして、〈ギアクロニクル〉使いのマエリベリー・ハーンです。

メリーと呼んで下さい…」

 

そして改めて二人がオリオンと挨拶を交わし、視線を合わせる。

すると、この三者の脳裏にとあるイメージが浮かぶ。

それは、惑星クレイにて『ブラスター・ブレード』と『クロノジェット・ドラゴン』が、数多くのユニットに囲まれその中心で『ドラゴニック・オーバーロード』と互いに見合う光景だった。

更に光の剣士はかつての先導者と黙示録の炎とその先導者と数多くの因縁があり、再び相見えた事に嬉しさなどとは違う不思議な高揚感が身体を走り、もう二度と対峙する事は無いと思った宿命の強敵との再会に互いの剣を差し出し、重ね合せる。

その瞬間光が周りを照らし、またイメージを見ていた蓮子とオリオンにも不思議な感覚が押し寄せ、一気に現実視点に戻った。

 

「今のは一体………」

 

「………ああ、やはり………先導者が変わろうとも、この宿命は変わらんか………『ブラスター・ブレード』の先導者と対峙する宿命は……」

 

そんなイメージを見た蓮子とメリー、特に不思議な感覚にも襲われた蓮子は困惑しオリオンの呟きが耳に入ると静かに視線を向ける。

すると彼の瞳に赤……レミリアの血を思わせる紅と違い炎を思わせる赤とその周りを虹色が囲む不思議な輝きが見えていた。

しかしこの時、蓮子は気付かず隣に居たメリーと目の前のオリオンのみが気付く。

蓮子の瞳にも青とその周りを虹色が囲む不思議な輝きが宿っていた事を………。




蓮子達が月に行き、其処で2人目のオリキャラと邂逅し、また蓮子に前回からあったフラグが着々と建築されました。
蓮子の瞳に宿った光………一体、何SY何オリアなんだ………。

次回もよろしくお願いします。

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