秘封先導鉄   作:”蒼龍”

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最近某東方ヴォーカル曲を聴いて涙腺が緩みっぱなしになりつつも、次話を書く事を止めずに第23話話を更新です。
今回は前半部となっており、後半はちょっと遅れるかもしれません。
では、どうぞ。


第23話「黙示録の炎」

オリオンと依姫が静まり返った会場の中では互いに睨み合いを効かせながら淡々とデッキをシャッフルして既に数分、漸くシャッフルが終わりデッキをギアーステーブルに置き、デッキがギアーステーブルへと接続され、初期手札が目の前に浮かぶ。

それをテレビ越しで見てた蓮子はギアースの不思議技術に目を輝かせたが、一方のメリーはシャドウとのファイトが一種のトラウマとなっており、頭を抱えていた。

そんな中で手札の入れ替えが終了して既に両者はFVに手を掛け、審判の合図を待っていた。

 

『………では、綿月依姫選手対オリオン選手、ファイト開始ィィィィィ‼︎』

 

『スタンドアップ・『THE・』ヴァンガード‼︎』

 

『煉獄竜 ペタルフレア・ドラコキッド!』

 

『始まりの伝説 アンブロシウス‼︎』

 

『さあ始まりました、ヴァンガードエキスパートカップ準決勝‼︎

オリオン選手がスタンドアップしたペタルフレアは双闘(レギオン)時にスキルを発揮するFVに対し、依姫選手がスタンドアップしたのはアンブロシウス、自分ターンのメインフェイズならばいつでもスキルを発動出来る汎用タイプのFVです‼︎

『ブラスター・ブレード 』並に希少とされる『サンクチュアリガード・ドラゴン』を使う彼女と、その『ブラスター・ブレード』と並ぶ伝説のユニットの1体、『ドラゴニック・オーバーロード』を使うオリオン選手………手札交換と展開対Vスタンドと退却、果たして何方がこの試合を制するのか予測出来ません‼︎』

 

審判の合図で両者はスタンドアップし、その瞬間会場が大盛り上がりとなり、実況の射命丸もヒートアップする。

すると蓮子はデッキから『ブラスター・ブレード』を取り出し、メリーもそれを見て、画面に居る青年が使う伝説のユニットとされる『ドラゴニック・オーバーロード』を使う彼の存在が気になっていた。

 

「ふふふ、オリオンと『ドラゴニック・オーバーロード』が気になるか?

私も一応その光の騎士の対の存在を持っているんだが………まぁ、今はどうでも良い。

今はオリオンのファイトを見る事を専念する事だ、さすればオーバーロードの力と私の従者のファイトスタイルが見える筈だ」

 

「は、はぁ……」

 

「(オリオン………『ドラゴニック・オーバーロード』………幻想郷に来てからユニットの方は噂に聞いてた。

私が持つ『ブラスター・ブレード』の永遠の好敵手であり、『ブラスター・ブレード』が姿形を変え、仲間達と力を高め合う絆の象徴と言われるのに対して、『ドラゴニック・オーバーロード』はあらゆる手段を用いて自らの力を昇華させる力の象徴とされる…………それがどんな物なのか、見せて貰うわよ)」

 

そして蓮子とメリーはレミリアにも言われ、画面に集中し始めた。

その画面の向こうでは第1ターンが開始され、先攻は依姫の方からだった。

 

『ライド、『小さな賢者 マロン』!

アンブロシウスは先駆で後ろにコールし、『湖の巫女 リアン』をコールしてスキルを発動、手札の『ホーリーナイト・ガーディアン』をドロップして1枚ドロー!

ターンエンド』

 

「あれ⁉︎

初回ターンで完全ガードをドロップ⁉︎

あの依姫って人、もしかして舐めプしてる?」

 

「いや、多分違うと思うよメリー。

『ホーリーナイト・ガーディアン』はガード時にドロップゾーンに同名カードがあれば、CB(カウンターブラスト)で使ったダメージを表向きにするスキルがあるから、その布石でドロップしたんだと思う。

後は序盤は完全ガードが腐るからって理由もあると思う………けど、実際にやるかは別だけどね」

 

「ふむ、「」確かに蓮子の予測は見事な物だとは関心はするがどこもおかしくないな。

そう、完全ガードは序盤は全くいらないと言って良い程に腐る中盤から力を披露宴を迎える盾のユニット、序盤はアタッカーの方が欲しいのはミエミエなので手札交換が出来るなら落とすのも一応アリだと言う上級テクニックがあるのだよ。

しかし、実際にやるとこれは一見すると非常に役立つテクなのだが一歩間違えればカウンターを受けてギャラリーが沸くので普段はやらないと言うのが0か100で言えば100だろうなと言う意見。

なのでそれをすると言う事は、綿月依姫は中盤や終盤をあの完全ガード1枚が無くとも守り切るか攻め切るかのどちらかを考えているのは明白に明らか」

 

依姫がいきなり完全ガードをドロップした事に驚き、メリーがそれを指摘すると同じ〈ロイヤルパラディン〉使いたる蓮子とブロントさんが説明をし、実際にやるかは別の上級テクニックをやったのだと分かりメリーは困惑していた。

が、画面内の両者はそんな画面越しに困惑する者などお構い無しにファイトを淡々と進める。

 

『ライド・THE・ヴァンガード、『ドラゴンモンク ゴジョー』!

ペタルフレアはヴァンガードの後ろに移動し、左後列に『エターナルブリンガー・グリフォン』をコールし、スキル発動!

手札の『ドラゴニック・オーバーロード・ジ・エンド』をドロップし、デッキから『ドラゴニック・オーバーロード』を1枚探し手札に加える!

ペタルフレアのブースト、ゴジョーでアタック!

チェック・THE・ドライブトリガー『ガトリングクロー・ドラゴン』『引』ゲット、ドロートリガー!

1枚ドローし、パワー付与は省略しターンエンド!』

 

『私のターン、『決意の騎士 ラモラック』にライド!

『スターライト・ヴァイオリニスト』をコールしてスキル発動、CB(カウンターブラスト)SB(ソウルブラスト)を1枚ずつ払い、『流転の騎士 ブレードゥ』をコール!

ヴァイオリニストでアタック!『ダメージトリガーチェック『ブルーレイ・ドラコキッド』『☆』ゲット、クリティカルトリガー、パワーはゴジョーに』

ならばヴァンガードでアタック!『ガドリングクローでガード』

トリガーチェック『幸運の運び手 エポナ』『☆』クリティカルトリガー、パワーとクリティカルはブレードゥに!

ブレードゥでアタック!『ダメージトリガーチェック『バーニングホーン・ドラゴン』『ドラゴンモンク ゲンジョウ』『治』ゲット、ヒールトリガー、ダメージ回復!』』

 

此処まではまだまだ静かな方の立ち上がりでファイトが進み、しかしヴァイオリニストの展開力で依姫の布陣が整いつつあり、オリオンの方はやや苦しいと言った感じのファイトとなっている。

しかし、メリーはこのクランとファイトをした為知っている。

〈かげろう〉を前にして迂闊にコールすればただの餌となる事を。

 

『ドロー。

ライド・THE・ヴァンガード、『ドラゴンナイト ネハーレン』!

更に『ガトリングクロー・ドラゴン』とエターナルブリンガーの前列に『ドラゴニック・バーンアウト』をコール!

バーンアウトのスキル、ドロップゾーンの『オーバーロード』をデッキの下に戻し、更にSB(ソウルブラスト)(1)を払い、リアンを退却する!

更にガトリングクローのスキル、CB(カウンターブラスト)(1)を払い、このユニットをソウルに送り、アンブロシウスを退却!

そして、ネハーレンでアタック!『ドラゴンモンク ゲンジョウ』『治』

パワーはバーンアウトに、ダメージ回復は裏向きのゲンジョウだ!『『まぁるがる』『引』残念ながらドロートリガーなので、パワーをヴァンガードに与えて1枚ドローします』

俺の狙いはラモラックでは無い、貴様だ、ブレードゥ‼︎『……退却』』

 

「うっひゃ〜………ダメージレースも負けてないし、展開したら退却させてって、すっごく激戦になってる……」

 

この〈かげろう〉の連続退却を見せつけられた蓮子は汗をかき、〈ロイヤルパラディン〉の展開力を以ってしても片っ端から退却される事を学び、メモしていた。

しかし、実際に〈かげろう〉とファイトしたメリーや蓮子以外の面々はまだこんなのは生温い方だと感じ、爆発するとすれば互いがグレード3になってからだと確信していた。

そして画面の向こうでは、この退却を見た依姫は………オリオンに嘲笑を向けていた。

それに対しオリオンも不敵な笑みを浮かべ、無言ではあるが互いの考えを把握し合い、それを表情に出している事が見て取れ、未だこの両者の間には競技戦の空気では無く血を血で洗う空気が流れている。

 

『ドロー。

絶対にして美しき聖域より出でし守護竜よ、悍ましき帝国の竜を討ち払え!

ライド、『サンクチュアリガード・ドラゴン』‼︎

サンクチュアリガード・ドラゴンのスキル、手札を1枚ドロップして、山札の中からグレード1以下のユニットをコールします。

来なさい、『希望の剣 リシャール』!

そのリシャールのスキル、山札より出でし時SB(ソウルブラスト)(1)を払う事で1枚ドローします。

更に『まぁるがる』をコールしてソウルイン、ヴァイオリニストにパワーを与え、『ナイト・オブ・ツインソード』もコールします。

ヴァイオリニストでネハーレンをアタック!『ゲンジョウでガード!』

ならサンクチュアリガード、やりなさい!『世界樹の巫女 エレイン』『治』『ナイト・オブ・フラッシュ』『☆』

ヒール&クリティカル、パワーは無論ツインソードへ、クリティカルはヴァンガードに!『ふん、少しはやるみたいだな『プロテクトオーブ・ドラゴン』『ドラゴンモンク ゲンジョウ』『治』だが、俺の首を取るにはまだまだだな』

その余裕、何時まで持つか見物ですね………ヴァンガードにアタック!『ラーヴァフロウ・ドラゴン』』

 

『さあ〜ファイトは中盤に差し掛かり、ダメージも3:2と盛り上がって参りました‼︎

オリオン選手はバーンアウトなどを駆使してトリガーなども引き寄せ、依姫選手に徐々にダメージを蓄積させるのに対し、依姫選手はお返しと言わんばかりに切り札のサンクチュアリガードのスキルで展開、そしてトリガーを引きダメージレースも返す‼︎

この様な先の読めない熱いファイトは本選第3試合の綿月豊姫選手戦以来です‼︎

果たしてオリオン選手は此処から如何に逆転するのか必見です‼︎』

 

実況の射命丸のボルテージも上がる中、ファイトも激しさをどんどん増して行き勝利の行方も分からなくなって来ており、蓮子やメリー、更に他の面々は画面に釘付けになっている………が、一人だけ笑い、静かに言葉をその口から出していた。

 

「ククク………何を寝言をほざいているのだ、天狗?

如何に逆転するのかだと?

そんな瑣末な事、初めから決まっている……」

 

その言葉を合図にしたかの様に画面越しのオリオンも黙ってドローをし、一旦瞳を閉じ、そして見開いた時には先程の目つきとは全然違う………相手を圧倒する威圧感と画面越しから伝わる桁違いの殺気が放たれる。

 

「そう、紅魔のファイトとは‼︎

敵を遥かに圧倒し、蹂躙し、そして誇りに満ちた高貴なるファイトの事よ‼︎

さあオリオン、我が紅魔の執事よ、今こそ貴様の分身を、黙示録の炎と呼ばれし帝国の暴竜を月の者共の眼に焼き付けてやれ‼︎」

 

『ライド・THE・ヴァンガード‼︎

この世の全ての物を焼き尽くす黙示録の炎‼︎

『ドラゴニック・オーバーロード』‼︎』

 

更にレミリアの高らかなる言葉を合図にオリオンはエターナルブリンガーで加えた伝説のユニットの1体………ドラゴニック・オーバーロードにライドし、ギアースのホログラムにも地面から吹き出る炎を裂き、カードに描かれた紅い竜が白き光を纏う白竜と対峙していた。

 

「あれが………『ブラスター・ブレード』の永遠の好敵手、『ドラゴニック・オーバーロード』……‼︎」

 

「サンクチュアリガード・ドラゴンもそうだけど………同じグレード3の筈なのに………『クロノジェット・ドラゴン』とは比較にならない位、凄く重い威圧感がを放ってる…………‼︎」

 

「ああ……ヴァンガードに於いて『ブラスター・ブレード』の次に派生ユニットが多く、また、サポートユニットも数多く存在する〈かげろう〉の最強のユニット………オリオンの分身であり、全ての派生ユニットを所持しているのも現状あいつただ一人の、コレクター癖がある私ですら派生ユニットの1体すら実物を手にしていない、超激レアのユニットさ!」

 

蓮子とメリーはその他を圧倒する威圧感に加え、サンクチュアリガードも放つ他のユニットとはまるで違う存在感に固唾を飲み、画面越しでありながらもまるであの会場に居てそれらに当てられた様な錯覚すら覚えていた。

そして、魔理沙もその感覚に当てられた為か、早く画面の先に居るあのドラゴニック・オーバーロードを使う青年と戦いたいと言った感情が滲み出ている笑みを浮かべ、更に続けて言う。

魔理沙自身でさえドラゴニック・オーバーロードやその派生ユニットを手にしておらず、更にそれらはあの青年、オリオンの分身であると。

それを肯定するかの如く、ブロントさん達はそれを黙って聞き、そして魔理沙の様にヴァンガードファイターとしての感覚を刺激され、あの場に何故自分は居ないのかと言う悔しさ混じりの笑みを浮かべ、画面に釘付けとなっているのであった。




此処でちょっとした小話を。
ドラゴニック・オーバーロードの派生ユニットに関してですが、流石のオリオンもあの1体……『ドラゴニック・オーバーロード‘‘The Яe-birth(ザ・リバース)’’は持ってはいないだろうと思いますが、このユニットもちゃんと所持していて専用のデッキを組んでいます。
まぁ、流石にグレンディオスやブラスター・ジョーカーなどが相手ではこのユニットは相性的に高確率で使いませんが………。


次回もよろしくお願いします。

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