秘封先導鉄   作:”蒼龍”

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第11話です、やっぱり更新速度がなんかおかしい気がする今日この頃。
さて、今回はメリーVSシャドウの第2戦の結果が出ますが、色々アレな気がします。
では、どうぞ。


第11話「アイツを見返したい‼︎」

「はぁ〜、やっと見つけたよ猫ちゃん」

 

メリーがシャドウとファイトを始めたその頃、蓮子はクエストの猫探しで目的の猫を見つけ、依頼者の下に連れ帰る所であった。

 

「………そう言えば、メリー大丈夫かな〜?

私にこれを預けてたし」

 

すると蓮子はポシェットの中からヴァンガードのカード………それも、〈ギアクロニクル〉のカードを幾つも取り出し、眺めていた。

実はこれは、つい先日の朝早くに魔理沙がポストの中を確認した所、何故かこれらのカードが入っており、魔理沙達を困惑させたが新カードがあるなら使ってみようと魔理沙と蓮子は提案し、メリーのデッキ改造をしようとしたのだ。

しかし、それをメリーは咲夜にも言った事を二人にも言い、デッキ改造をせずに手にした時のままにしていたのだ。

 

「うーむ、何か強いファイターに会ったら負けちゃいそうな気がしてならないなぁ〜………まっ、メリーもその内デッキ改造をするだろうし、その時までこれは預かる約束もしたからね、とやかく言わないでおこうかな〜。

で、デッキ改造の時には……」

 

そんな独り言を話しながら、蓮子は依頼者の下に走り、クエストをクリアしようとしていた。

しかし、彼女は知らない。

今まさに、メリーがシャドウとファイトを始めていた事に………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ライド、『メーザーギア・ドラゴン』!

ガンナーギアは後ろに移動してターンエンド!」

 

「ドロー、『煉獄闘士 マレイコウ』にライド、サーデクは後ろに移動して『ドラゴンモンク ゴジョー』を『左後ろ(・・・)』にコール。

スキル発動、レストして手札1枚をドロップし、1枚ドロー。

サーデクのブースト、マレイコウでアタック『ガトリングクロー・ドラゴン』『引』ドロートリガーゲット、1枚ドロー」

 

メリーとシャドウのファイトが始まり、ギアースによりユニット達がホログラフィックで動きを再現され、派手に動き回り戦っていた。

対して二人の立ち上がりはとても静かな物でいつ爆発するのかタイミングを伺っているかの様な動きだった。

そのファイトを観戦する少女も二人が如何動くのか、またメリーとメリーの〈ギアクロニクル〉の力を見たいと考え、黙って二人のファイトの行方を見ていた。

 

「ライド、『スモークギア・ドラゴン』!

更に『山盛り甲羅のギアタートル』とメーザーギアをコールして、ギアタートルの方からアタック!「ダメージトリガーチェック『煉獄の踊り子 アンナ』

ガンナーギアのブースト、スモークギアでアタック!

ドライブトリガーチェック『腹時計付きのギアラビット』『醒』スタンドトリガー!

パワーとスタンド効果はギアタートルに!「ダメージトリガー『煉獄竜 ボーテックス・ドラゴニュート』」

ギアタートルでアタック!「………『煉獄の踊り子 アガフィア』『治』ヒールトリガー、ダメージ回復」

ターンエンド!」

 

メリーはヒールトリガーに阻まれたとは言え、シャドウに序盤からいきなり3枚のダメージを与えかけ、それを観戦していた少女もメリーの強気な動きに対して小さく拍手を送っていた。

 

「(よし、3枚目のダメージは与えられなかったけど良いスタートを切れた!

それに万が一シャドウが一斉攻撃を仕掛けたとしてもギアタートルのインターセプトがあるから防げる!

後はクロノジェットにライドして超越(ストライド)にいつも通りに繋げる………これなら勝てるわ!)」

 

メリーは心の中でそう思い、意外と次のアタックに対しての防御手段を確保していた。

更にクロノジェットにライドした後の事も考え、いつも通りにやれば勝てるとし、このファイトに対して勝機を見出していた。

 

「スタンド&ドロー、『煉獄竜 ワールウインド・ドラゴン』にライド。

………今お前は、『ギアタートルもあるしこの調子で行けば勝てる』と考えているな?「………えっ⁉︎」

言った筈だ、ファイトにはその人間の全てが表れると。

お前はギアタートルで防御手段も確保し、更に後続をコールする用意があるから敢えて序盤からリアガードを展開した、違うか?」

 

するとシャドウはそれらの動きに対して指摘し、更にメリーが今強気であるとも話し出し、当の本人にその指摘が正解だと言い始めた。

事実、メリーの手札には『スチームファイター アンバー』があり、例えギアタートルのインターセプトを使おうとまた次のターンでも同じ『右側(・・)』ラインを使う事が出来るのだ。

それらをきっぱり当てられ、メリーは少し動揺する。

 

「………そんな程度が見抜けないと思ったか?

コール、『ガトリングクロー・ドラゴン』。

更にガトリングクローのスキル、CB(カウンターブラスト)(1)を払い、ガトリングクローをソウルに移動し、相手のグレード0のリアガードを退却させる。

ガンナーギアを退却」

 

「うっ、ガンナーギア………(でもまだガンナーギアしか退却されてない、これなら立て直しも)「更にサーデクのスキル、相手のリアガードが退却した時にソウルに移動し、相手は自らのリアガードを選んで退却させる」…………えっ⁉︎」

 

返しのシャドウのターンにて、ガトリングクローを起点とされ、いきなり2体のリアガードが退却させられる事が確定し、はっきりとした動揺を浮かべてしまう。

そしてメリーはサーデクのスキルで退却させるのを何方にするのか考え、まだ後続のアンバーが居るのでブースト要員を残すべく、敢えてギアタートルを退却させた。

しかし………。

 

「コール、『煉獄竜 メナスレーザー・ドラゴン』。

スキル発動、CB(カウンターブラスト)(1)を払い、同じ縦列の相手リアガードを退却。

消えろ、メーザーギア」

 

「なっ、嘘………たった1ターンで私のリアガードが3体全て退却させた⁉︎」

 

メナスレーザーにより同じ縦列………メリーから見れば右側、シャドウから見れば左側のリアガードサークルに居たメーザーギアすら退却させられ、ヴァンガードしか場に居ない完全孤立状態が築かれてしまう。

経験が浅く、こんな序盤から中盤にかけての苛烈な退却は魔理沙の〈なるかみ〉相手ですら無かった為、次に如何に展開すれば良いのか分からなくなってしまう。

 

「〈かげろう〉は基本的に〈なるかみ〉を上回る退却能力を持つクラン、序盤から展開するのは展開力が高いクラン以外では愚策だ。

ワールウィンドでアタック「っ、ノーガード‼︎」………確かに9000のワールウインドではパワー10000のスモークギアにはアタックはそのままではヒットしない。

しかし『煉獄竜 バスターレイン・ドラゴン』『☆』こんな風にトリガーが出れば話は別だ。

全てヴァンガードに割り振る」

 

「ダ、ダメージチェック!『ブラスウイング・ドラゴン』『スチームバトラー ダダシグ』『☆』

クリティカル、パワーはヴァンガードに!」

 

更にシャドウに〈かげろう〉の特性を話された上でクリティカルトリガーも引かれ、状況は一気に逆転させられてしまうが、ダメージトリガーが出たので次のメナスレーザーのアタックはギリギリギアラビットで防ぎ切った。

しかし、次のドローでメーザーギアの代わりのブースト要員が引けず、今はただクロノジェットにライドし、ブースト無しのアンバーも出すしか道が無くなっていた。

 

「ま、まだ負けない!

ライド、『クロノジェット・ドラゴン』‼︎

『スチームファイター アンバー』もコールして、アンバーでヴァンガードにアタック!「……『煉獄竜 ブレイクダウン・ドラゴン』

クロノジェットでヴァンガードにアタック‼︎『スチームメイデン ウルル』『治』『スチームバトラー ダダシグ』『☆』

ヒール、クリティカルトリガーゲット‼︎

全てクロノジェットにプラスしてダメージ回復‼︎」

 

メリーは何とか食らい付こうとしてクロノジェット、アンバーのアタックを加え、ダブルトリガーも引き何とかダメージレース上では逆転する。

しかし、5枚のダメージを受けても尚シャドウは涼しく、また何処か呆れた様な表情を浮かべていた。

 

「………この程度か」

 

「な、何よ」

 

「運命だ何だとほざいて置きながら一方的に追い込まれ、デッキの改造もしなかった為ブースト要員も確保出来ず、また新しいカードを使わずに自らの視野を狭め、新しい玩具を得たガキの様にはしゃいでこのザマ………大方『自分には何処まで出来るか、何をデッキに加えれば良いのか分からない』と言い訳して今の状態を維持して、『適当にデッキを作り直してみよう、もしも何かあったら蓮子が居るから大丈夫』と高を括っただろう!」

 

「な、ち、違「違わない‼︎」っ⁉︎」

 

更にシャドウから一方的な分析が始まり、自分はこう考えていると勝手に決められそれに反論しようとするが、メリーはシャドウの違わないの一言で押し黙ってしまう。

そう、シャドウの指摘が少し違っていてもだ。

 

「何故なら、自らのデッキをしっかりと組まなかった時点でお前は結果的に宇佐見蓮子におんぶ抱っこの状態になったんだ!

その時点で宇佐見蓮子に頼り切りという部分も結果的に変わりはしない!

それに、デッキを改造しないのは成長しない、折角新たなイメージで広がった世界をまた狭めてしまう、そんな事も考えていなかった!

その結果がこのザマだ‼︎

緩い考えを持ったまま適当に行動し、致命的なミスを招く、余りにも鈍臭くバカな宇佐見蓮子以上に楽観的過ぎだ‼︎

しっかりとデッキを組んでさえいれば、俺にこの場で勝つ事も出来た筈なのにな………やはり貴様にはそのデッキは相応しくない、俺が頂く‼︎」

 

「っ⁉︎」

 

更にシャドウから発せられた殺気に気圧されてしまい、肩を竦めてしまうメリー。

その光景を見ていた少女は小さく「大人気ない……」と呟き、シャドウのメリーに対する言動に対して良い印象を持っていなかった。

しかし、そんなのはファイトをしている二人には関係無く無情にターンが進む。

 

「ライド、『煉獄竜 ブレイクダウン・ドラゴン』!

更に『カラミティタワー・ワイバーン』をコールしてSB(ソウルブラスト)(2)、1枚ドロー!

ドロップゾーンに4枚のカードが揃った今、条件は達成された!

シーク・THE・メイト!

混沌蔓延る世の中で、並び立ちて焼き払え、『煉獄竜騎士 タラーエフ』、双闘(レギオン)‼︎

ブレイクダウンの双闘(レギオン)スキル、CB(カウンターブラスト)(3)を払い、相手のリアガードを1体選び、それと同じ縦列に居る相手リアガード全てを退却する!

この時相手リアガードが2体以下なら裏向きのダメージを1枚表向きに!

更に『煉獄の踊り子 アンナ』をコールし、『煉獄』名称のESB(エスペシャルソウルブラスト)(1)!

同じ縦列に相手リアガードが居なければダメージを2枚表向きにする‼︎

そして『煉獄竜 ボーテックス・ドラゴニュート』をコール‼︎」

 

「あ、ああ…」

 

そして再びリアガードを退却され、更にそれに使われたコストを丸々回復されてしまったメリーは、逆にリアガードをフル展開したシャドウとの間に圧倒的な、しかも初期デッキでは万に一つ勝てない程の差をはっきりとイメージさせられ、勝利する確率が完全に0になってしまったと感じ取ってしまっていた。

その為………幾ら悔しくても、幾ら言い返したくても、何一つ言えない精神状態にまで追い込まれてしまった。

 

「………ボーテックス・ドラゴニュートでアタック!「ウ、ウルルでガード……」

ブレイクダウンとタラーエフで双闘(レギオン)アタック!

ツインドライブ『煉獄竜 ボーテックス・ドラゴニュート』『煉獄竜ブレイクダウン・ドラゴン』トリガーは無し「……………『ラッキーポット・ドラコキッド』『引』」

メナスレーザーでアタック「……………『引っ込み思案のギアレイヴン』」もう何も言えないか…………結局此処までだったな。

ならばこのままサレンダーしろ、そして〈ギアクロニクル〉のデッキを置いて、一生お前の大事な宇佐見蓮子に縋っていろ」

 

その上サレンダーしろとまで言われ、最早何もかもが嫌になってしまう程の悔しさと何も言えず一矢報いる事も出来ない無力感に苛まれ、右手がデッキに吸い込まれ始めてそのままサレンダーの合図をしようとしていた…………………と、シャドウと少女は思っていた。

しかし、その右手はいきなり握り拳となり、あろう事か勢い良く台パンをしていた。

 

「…………よ」

 

「何?」

 

「好き勝手言って、あんたは何様のつもりよって言ったのよ‼︎

確かにデッキに何を入れたら良いのか分からないのは事実よ!

でもね‼︎

何回かファイトしていて何を入れようかなって考えてたしイメージも掴み始めてたのよ‼︎

それを一方的にああだこうだ言って勝手に私の事を分析したみたいに言って‼︎

オマケに私が蓮子におんぶ抱っこしているですって⁉︎

ふざけないで‼︎

私は蓮子と一緒に居てもかけがえの無い親友に頼り切りにならない様にしてるわよ、鈍臭くてドジをいつもやらかすから説得力は無いけど‼︎

なのにあんたは私が気にしていた事をズケズケズケズケ言った上に身勝手な事を…………あんたの勝手なイメージを私に押し付けないでよ‼︎」

 

するとメリーは涙を流しながらもはっきりとシャドウに対して怒りをぶつけ始め、普段温厚な人物が怒ると止まらないと言う言葉を今体現していた。

如何やらシャドウに言われた事などは気にしていたらしく、それを指摘されてたから何も言えなかった様だが、彼の最後の一言で遂に頭に血が上る所か燃え始めていた炎に燃料を更に投下されたらしく、もう誰が何を言おうと止まる事の無い大爆発を起こしたのである。

 

「スタンド&ドロー‼︎

私があんたに勝てない⁉︎

だったらそのイメージを今崩してやるわよ‼︎

G(ジェネレーション)ゾーン解放‼︎

今こそ示せ、我が望む真の世界を‼︎

ストライド………ジェネレーションッ‼︎」

 

メリーはドローフェイズで2枚目のクロノジェットを引き当てて、そのまま超越(ストライド)を行いイメージを爆発させた。

するとそれに呼応するかの様にギアースのホログラフにノイズが走り出し、更にはバチバチと電流が走り出し、明らかにギアースの機器が動作不良を起こし始めていた。

それを見てシャドウは外のカメラの映像を電子モニターっぽい物に出し、外の光景を見始めていた。

そしてその外では…………子供達やイメージ力が高い人が空を見上げ始め、其処に何かがあるかの様な振る舞いをしていた。

余りイメージ力が無い人にはそれが何なのか、何故周りの人の一部や子供達が空を見上げているのか訳が分からずにいた。

だが、イメージ力が高い人や子供達にはそれが見えていた。

そう、メリーが超越(ストライド)を実行したと同時に現れ、実体化を起こし始めていたその存在………今正にメリーが使おうとしている『時空竜 ミステリーフレア・ドラゴン』の姿を。

 

『ボンッ‼︎』

 

すると、ギアースが遂にオーバーフローを起こして爆発を起こして緊急停止装置が作動し、完全にギアースは沈黙した。

それと同じくして、イメージ力が高い人や子供達の目に映っていたミステリーフレア・ドラゴンも消え去り、後には何も残らなかった。

 

「はぁ、はぁ、はぁ…………」

 

「…………(な、なんてイメージ力………これがマエリベリー・ハーンと〈ギアクロニクル〉が持つ………)」

 

「(ヴァンガードを始めて間も無いにも関わらずこのイメージ力………如何やら、こちらの予想以上の………)ギアースが動作不良を起こし緊急停止したらしいな。

ファイトは此処までだ」

 

「なっ、待ちなさいよ………‼︎」

 

「あ、待ちなさい!

ギアースが停止したとは言え爆発まで起こしたのですよ!

早く避難をしますよ!」

 

するとシャドウは何かを考えたらしく、ファイトを中断してそのままメリーが入って来た方とは反対方向の魔方陣に向かい出し、メリーが

後を追おうとするとファイトを観戦し、今の現象に惚けていた少女が我に返りメリーをこの場から避難させようとしてそれを阻んだ。

するとシャドウは振り返り、メリーに話し掛ける。

 

「……このファイトの決着はまた今度だ。

それまでそのデッキをお前に預けておく。

精々強くなるんだな、『副部長』」

 

「………上等よ、いつか吠え面かかせてその顔面にグーパンしてやるわよ!」

 

そんな短い言葉を交わした後、シャドウとメリーは互いに来た魔方陣から外に出て、2回目のファイトは機器の故障と言うアクシデントにより有耶無耶になったのであった。

因みにメリーのファイカにはクエスト完了の証として7ポイントが入り、グレード昇格が決まっていた………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全く、貴方と言う人は本当に不器用を通り越して大人気ないですよ。

あんなに可愛らしい女の子に散々精神攻撃をするなんて…………アレが正式な試合で私が審判だったら貴方をジャッジキルしていた所です!」

 

「そうでもしなければマエリベリー・ハーンの現段階の実力を引き出せないと踏んだからだ。

しかし、デッキを一切改造して無かったのははっきり言って予想外だった。

お陰で熱くなり過ぎて要らん事まで言う結果になった」

 

メリーが魔理沙の家に帰った直後、メリーをあの場に案内した少女とシャドウは人里の一角で落ち合い、先程のファイトの事で少し口論となり若干険悪なムードが二人の間に漂っていた。

 

「………だが、予想以上の結果も出せた。

これなら期待は出来る、違うか?

ヴァンガードファイト普及協会『地霊殿』支部長、『古明地さとり』」

 

「……本当、貴方は可愛げが無くなりましたね。

昔は愛想が良くて弄り甲斐があったのに……」

 

「昔は昔だ。

それよりもプランは修正は無し、このまま進める方向で行くぞ。

………それと、このデッキの持ち主の子に伝えてくれ、良く出来たデッキで使い易かったと」

 

しかし、シャドウはそれに意に介さず話を進め、何かの計画はそのままと言い、更にファイトで使ったデッキの持ち主の子供にも言付けを地霊殿の長、古明地さとりに頼み、そのまま何処かへと歩いて行ってしまった。

その背中を見送った後、さとりは「はぁ……」と溜め息を吐き、彼女も元居るべき場所である地底に戻ろうと歩き出した。

 

「………ああ、そうそう。

これは独り言ですが、プランの事を聞きたいなら彼に直接聞いて下さいな、紅魔のメイド長に普通の魔法使いさん?」

 

『っ⁉︎』

 

するとさとりは少し振り向きながら物陰を見て、そこで盗み聞きをしていた咲夜と魔理沙に『話をするならシャドウとやれ(意訳)』と言ってそのままその場から離れて行った。

 

「………流石は覚妖怪、私達の心を読んで盗み聞きを看破していたわね……」

 

「………何だよアイツ、プランが如何だのって………一体何考えてんだよ……‼︎」

 

二人は物陰から出て咲夜はさとりの強かさに警戒心を強め、対する魔理沙はシャドウ………かつては共にヴァンガードファイトを楽しみ、一緒のチームを組んで博麗の巫女達と共に切磋琢磨し合い、時には異変解決を一緒にしていた袂を別ってしまった幼馴染に、言い表す事の出来ない複雑な気持ちを抱いていた…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方魔理沙の家にて、蓮子は家主と親友の帰りをお腹の虫を鳴らしながら待ち、暇な時間を使ってデッキを見直して何を入れようかと考えていた。

 

「うむむ………『ブラスター・ブレード』は抜きたくないんだけど、他には何を入れるべきか………一層の事『マジェスティ・ロードブラスター』を加えた『マジェシング』構築なるものでもやって「『バタンッ‼︎』蓮子っ‼︎」うっひゃい⁉︎

メ、メリーさん一体どうし…………メリー、何で泣いてるの⁉︎

何があったの⁉︎」

 

そんな時、昼間のファイトを終えて涙を流しながら帰って来て抱きついて来たメリーに驚き、何があったのかを聞き出す。

そして昼間にシャドウと再会し、散々な事を言われて一方的なワンサイドゲームをやられ、その怒りをぶつけ切る事が出来ずにファイトが終わった事を蓮子は知った。

 

「あ、あの低身長キザ男が‼︎

メリーに勝手なイメージを押し付けた上にそんな事言って泣かせるとは…………アイツ、次会ったら絶対ファイト前に本気のグーパンしてやるわ‼︎」

 

「蓮子、だからシャドウを見返す為にもデッキ改造を手伝って‼︎

私、アイツに一泡吹かせないと気が済まないわ‼︎」

 

「私もよ‼︎

だからデッキ改造、手伝ってあげるわよ‼︎」

 

そうしてメリーは自分の〈ギアクロニクル〉デッキを改造し始め、蓮子もそれを横から見て何を入れるのかのイメージを手伝い、デッキ完成に勤しんだ。

途中からそれに魔理沙も参加し、三人は夕食を食べた後もデッキを改造し、夜が更けるまで改造とテストプレイを重ねて行くのであった。




☆祝、蓮メリのシャドウに対するヘイト値がオーバーフローを起こしました☆
はい、シャドウは蓮子と出会ったら問答無用の顔面グーパンが決定です。
因みに蓮子はそんじょそこらのTHE・不良を叩きのめす位には戦闘力(物理)が高いです。
やっぱりカードゲームをする人はリアル戦闘能力がある程度高くないとダメですよね‼︎(確信)
でも戦闘力(意味深)はメリーの方が……ゲフンゲフン‼︎

さて、次回は流れ的に『アルトマイル』使いか『アーシャ』使いが出ないといけない気がしますが果たして……?
次回もよろしくお願いします!
後、『サヴァス』のフライングはノーカンです。

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