このすばIF~カズマがチートを選んだら~   作:にゃるめす

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遅くなってすいません。
ダクネスが予想以上に扱い辛く、時間がかかってしまいました。
次回はもっと早くします。
・・・・・ダクネスさんや、あんたどんだけ属性盛り込んでんの?


第4話

 お祝いパーティーが終わった翌日。

 俺たちは互いの実力を実際に見て知るために、「2日以内にジャイアントトード10匹討伐」のクエストを受け、デカいカエルが結構いるあの草原に来ていた。

 まずリーダーである俺の実力が知りたいとみんなに言われたので、実力を見られるのは俺が1番最初になった。

 めぐみんは、一撃打つと動けないので迷惑にならないよう最後がいい、と本人の希望があり、意見に答えてめぐみんは最後。

 2番目はダクネスとクリスのコンビとなった。

ダクネスとクリスはパーティーを組んでいたため、二人でやりたいらしいのでそうした。

 

 

「よっし、じゃあ見とけよお前ら!」

 こいつらに俺の雄姿をみせつける!

 そう思いながら、俺は少し離れたところにいるジャイアントトード2匹に、右手にショートソード、左手に杖を持ついつもの装備で走っていく。

 奴らも走ってくるこちらに気が付いたようで、巨体を揺らし、こちらに走り出す。

 もちろんこっちは、何の策もなしに走っていない。

 中級魔法の1つを詠唱しながら走っているのだ。

 そして、だいぶ距離がなくなったころ詠唱は終わり、

 

「フリーズガスト!」

 俺は向かってくる2匹を中心に、冷気を帯びた白い霧を発生させる。

 通常より多くの魔力を込めたため、その範囲は広く、レベルの低い俺でも十分な威力を発揮する。

 するとたちまち奴らの体は凍りつき、命はあるものの、身動きが全く取れなくなる。

 そして俺は走った勢いをそのままに、一匹に喉元へのショートソードによる突きをくらわせる。

その後、残った一匹には凍った後頭部から、頭をかち割ってやった。

・・・・・・なんかあっさり終わった

 

 

 

「カズマ、お前近接戦闘しながら魔法が使えるのか!」

 戦いが終わってみんなの元に帰るとすぐに、ダクネスが興奮しながら聞いてきた。

 

「違うぞ?俺はそこまで器用なことはまだできない。ただ走りながら魔法が使えるだけだ。」

 

「にしても凄いよ。魔法使い系の人達は大抵魔力を制御するために速く走れないんだ、カズマみたいな速度は出せないよ。」

 クリスが説明と共に言う。

 

「それは俺の職業のおかげだと思うぞ?俺の場合全ステータスの伸びが高いからな。」

 俺は各上級職の中で一番伸びやすい項目の、一歩手前くらいの伸びで各ステータスが伸びる。

 魔法使い系とは身体能力に大きな差がある上、単なるウィザードより、魔法に関わるステータスの伸びは良い。

 それだけ基礎に差があるのだから、このくらいできて当たり前だ。

 

 ・・・・・・もともとの俺のステータスはカス同然だけど。

 

「・・・・少し羨ましいですね。」

 するとめぐみんは、少し妬ましそうに俺の方を見てくる。

 それに俺はどう反応すればいいか分からず、黙ってしまう。

 めぐみんの場合、仲間に頼って初めて役に立つことが出来る存在だ。

 なのに俺は、仲間に頼らず、自分一人でなんでもできる力がある。

 前衛、中衛、後衛、そのどこに立っても問題ない。

 こいつからすれば、俺はきっと妬みの対象なのだろう。

 

「い、いや別にそんなつもりでは言ってはいないのです!ただちょっと羨ましかっただけで・・・だからその、・・・そんな顔をしないでください」

 そんなことを思っていると、いきなりめぐみんが謝ってきた。

 って、えっ?

 

「・・・・・俺、暗い顔してたか?」

 

「うん、ちょっと辛そうな顔になってた。君ってそんな顔ができたんだね?」

 クリスがすこしからかうように言う。

 

「おい、それはどういう意味だ?」

 

「どういう意味も何も、言葉通りの意味だよ。君って単純そうだし」

 言ってクリスはいやらしい笑みを・・・・・ッ

 

「おい、クリスちょっと来い。スティールで裸になるまでひん剥いてやる!」

 こいつにはお仕置きが必要だ。

 泣いて謝ったって許さない。

 そんなことをおもっていると、クリスはさっきまでのいやらしい笑みとは違う、楽しそうな笑みを浮かべる。

 

「ふふふっ、君にはやっぱりその表情が似合ってるよ。辛そうな表情は似合ってないね。」

 えっ?

 

「クリス、もしかして・・」

 

「はーい、これで暗い空気お終いっ!ほら、めぐみんもそんな顔しない。せっかくパーティー結成したばかりなんだからもっと楽しくいこうよ!」

 クリスは活発そうな笑顔で言う。

 ・・・・・・ヤバい惚れそう。

 

 俺たちはこの後、クリスとダクネスの実力を見るために新たな狩場を求めて移動した。

 移動の前、こっそりとめぐみんが「ごめんなさい」と俺に言ってきたので、こっちも気を遣わなくて悪かったと謝った。

 

 ・・・・・クリスはきっと、俺たちに暗い顔をして欲しくなかったのだ。

 なら、さっきのことは無かったことにして、今からは普段通りにしていよう。

 俺はそう心に決めた。

 

 

 

 

 ・・・・・ダクネスは案外使えるかもしれない。

 俺は、8匹のジャイアントトードを引き付けているダクネスを見てそう思った。

 こいつのことだから、デコイでそこら辺中のジャイアントトードを引き付け、良いように遊ばれるだけだと思っていたのだが、

 

「はぁっ!どうした、もっと激しく攻めないと私を凌辱することはできんぞ!」

 こいつは予想以上にカエルと奮戦している。

 もちろん攻撃はほとんど当たっていないが、舌による巻きつけ攻撃を何度も力技で振りほどいている。

 そこまで強い縛りでないとはいえ、こう何度も振りほどいて平然・・・・・じゃなく、興奮しながら振りほどいていられるようなものではない。

 そして

 

「そこっ!」

 ダクネスが引き付けている間に、クリスが短剣で切り裂いていく。

 二人のチームバランスはとても良く、しばらくしているとジャイアントトード達を一掃した。

 

「どうだい?あたし達結構やれるでしょ」

 クリスは戦い終えると、光景を見ていた俺たち2人の元に来て聞いてくる。

 

「凄いです!モンスターを一気に引き付けたダクネスも、それを鮮やかに倒していくクリスも本当に凄かったです!」

 めぐみんは余程感動したのか、紅の瞳を光らせている。

 

「あぁ、まさかダクネスがあそこまでやれるとは思ってもいなかった。」

 モンスターの群れを発見した途端、奇声を揚げ突っ込んでいったときはドン引きしたが、結構戦えている(攻撃は当たっていなかったが)ことに素直に感心した。

 

「確かにダクネスは攻撃当たらないし、・・・・・モンスターの群れや強いモンスターに突っ込んでいく癖もあるけど、でも耐久力はこの国でもトップクラスだと思うよ」

 力もかなりの物なんだ。と、自慢気に言ってくる。

 ・・・そういえば、

 

「なぁクリス。あいつの体はどうなっているんだ?」

 

「えっ?それはどうい「私の体を弄びたいといったか?」「言ってない」あ、ダクネス戻ってきたんだ。」

 クリスと話していると、いつの間にかダクネスが戻ってきた

 

「なぁ、お前ってどんな力と耐久をしているんだ?前に冒険者カードを見たときは、器用さ以外は手で隠していただろ?よかったら教えてくれないか?」

「嫌だ。」

 ・・・え?

 

「私も一応、淑女の端くれ。こういったものは他人に見せたくはない。」

 

「どこが淑女だこのド変態」

 

「はぁうん!お、お前は仲間になったばかりの女に容赦ないな。・・まぁ、私はそれで嬉しいのだが。」

 

「初めて会った俺にその変態性を見せつけてきたお前に、容赦ないとか言われたくない」

コイツのことは無視しようかな・・・・無視しても、「放置プレイ・・・だと!ハァハァ」とか言って興奮するに違いない。

何をしたらこいつは嫌がるんだろう?

そんなことを考えていると、今まで黙っていためぐみんが突然口を開いた。

 

「そういえばダクネス、貴女はどうしてモンスターに抵抗したのですか?」

 言うめぐみんに、ダクネスはきょとんとした表情を浮かべている。

 質問の意味が分からなかったのだろう。

 

「お前ならモンスターに抵抗なんてしないで、されるがままにしてそうなのに、なんで抵抗したのかって聞いたんだよ。」

 

「あ、そういうことか」

 ダクネスは納得したように首を縦に振る。

 

「私はただモンスターにめちゃくちゃにされたいのではない。必死に抵抗するも力及ばず凌辱されたいのだ。だから抵抗してもなんらおかしくはあるまい?」

 ダクネスは、それはもう真面目に答えた。

 ・・・・こんな怪力を凌辱できるモンスターなんているのだろうか?

 

「あぁ、納得しました。そういうことだったのですね。」

 なるほどそういう訳でしたかと、めぐみんは頷く。

 

「いやお前にはまだ早い、納得すんな」

 ロリッ娘が平然として理解して良い範囲を、超えている気がする。

 ロリッ娘はもう少し純粋にあるべきだ。

 パンツをスティールしてやった時のクリスや、せめて今現在、ダクネスの変態ぶりに慣れているにも関わらず、苦笑いを浮かべているクリスを見習って欲しい。

 胸は見習わなくて構わないけど。

 

「・・・・・今、何故か無性に腹が立ったのは気のせいでしょうか」

「あたしも何故かバカにされた気がするんだけど?」

 おっと、鋭い。

 でも考えていた内容だけにどう返答すれば良いものか分からず、助けを求めようと、ちらりとダクネスを見る。

 ・・・・・そこには小さくてスレンダーな二人とは正反対の肉体があった。

 

「そんなことないよ。ただ二人にはダクネスみたいに大きくなって・・って、あっぶね!何すんだいきなり!」

 いきなり殴りかかってきた二人に対し、運よく回避スキルが発動した。

 クリスのストレートは顔面、めぐみんのアッパーは股間のあった場所を空振っている。

 

「なんで避けるんですか!素直に当たってくださいよ!」

 理不尽な!

 

「ふざけんな!俺の股間狙ってたくせに何イってんの!」

 

「君の口には自制が必要なんだよ!その言い方だってワザとだよね!」

 

「取り押さえましょう!そしてこの男をボコボコにするのです!ダクネス、貴女も手伝って下さい。」

 

「え、えっと、」

 突然のことにダクネスは慌てふためく。

 関係のない自分がどうすべきか迷っているようだ。

 

「おい、ダクネス!もしめぐみん達の手助けをしないと誓えるのなら、お前が泣いて謝るようなすんごいことをすると約束してやる!」

 

「なん・・だと・・・っ!・・・・・くっ、分かった。すまんな、めぐみん、クリス。ここでお前たちに協力することは出来ないようだ。」

良し!

 

「最低だよカズマ!そんなこと言ったら、ダクネスが首を縦に振らない訳ないじゃないか!」

 

「ダクネス、貴女はクルセイダーなのでしょう!?甘言に惑わされてどうするのです!」

 二人はそれからどうにかダクネスを仲間に引き込もうとするが、「カズマも仲間なんだ。多少の言葉は我慢してやれ」という、最もな言葉で断ってくれる。

 

「ほら、二人ともいい加減落ち着けよ。仲間の悪言くらい見逃してやるべきだって、ダクネスもいっているだろう?」

 

「元凶の君がそれを言うのかい?」

 クリスは怒りを通り越してあきれ始めたらしく、口調に棘がなくなってきた。

 

「・・・・はぁ、しょうがないですね。」

 めぐみんもとうとうダクネスの勧誘をあきr

 

「ダクネス、もし私たちに協力してくれるのなら、クリスと2人掛かりですんごいことをしてあげます!」

 こ、コイツッ!

 

「・・・・・悪いカズマ、私は彼女たちに協力せざるを得ないようだ。」

 

「卑怯だぞお前ら、それでも人間かよ!?ちょっとお前らの体つきに言ってやっただけじゃないか!」

 

「それがいけないんですよ!ダクネス、クリス一斉に取り押さえましょう!幾ら多彩なスキルを持っていたところで、この数に敵うはずがありません」

 

「分かった!じゃあ皆行くよ!」

 クリスの合図に三人がいっせいに俺をとっ捕まえようと襲い掛かってくる。

 右前にダクネス、中央にクリス、そして左前からめぐみんという具合だ。

 ならばっ!

 

「逃走」

 俺は正面からやりあうのは不可能と判断し、後ろに向かいスキルを使用して逃げに徹することにした。

 

「「「こ、この男!」」」

 なんか言っているが気にしない。

 そして俺は、3人からある程度の距離がとれたことを確認すると魔法の詠唱を、魔力で強引に省き、

 

「フラッシュ」

 

「「「きゃぁぁぁーーー!」」」

 突然の光に、みんな目を抑えてのた打ち回っている。

 仲間にスキルを使うなんて頭おかしいんじゃないのですか!とか、クズマ、君は本当にクズマだよ!後でひどいからね!だとか、仲間に対してこの容赦のなさ・・・・・たまらん!など言いたい放題言ってくれる。

 流石に俺が悪いのは分かっているが、何もここまで言わなくていいじゃないか。

 仕方がない、ここは黙らせよう。

 

「スティーr」

 

「「ごめんなさいカズマ様!」」「私たちから下着を剥ぎ取り、辱めるつもりかっ!ハァハァ」

 

「いや、お前からは冒険者カーd」

 

「それだけは本当にやめてください。」

 

 

  

 

 3人に俺をとっ捕まえるのを諦めさせ、めぐみんとクリスに一応謝った後。

 俺たちは次の目的、めぐみんの爆裂魔法の威力を確かめに、廃城近くの山道に来ていた。

 クリスがめぐみんの希望である「硬くて大きいもの」に該当するものを知っていると、彼女についてきたら、予想以上の物(廃城)が現れたことに、俺たち3人全員が驚いた

 特に、めぐみんなんかは息を荒げ「あんなに大きくて硬そうなものに打ち込めるなんて♡」と、なんかもういろいろとヤヴァイ反応を見せてくれている。・・・・・やっぱりこいつもダクネスと一緒か。

 気が短い分、もしかしたらダクネスより酷いのかもしれない。

 

「そう言えば、爆裂魔法を打てばモンスターがやって来るんじゃなかったか?なあクリス、敵感知があるとはいえ、こんな山道で打って大丈夫なのか?」

 俺は疑問に思ったことを聞く。

 

「大丈夫だよ、ここいら一帯のモンスターは強くてもジャイアントトードがいいところだし、臆病な性格のモンスターが多いからね。爆音なんか聞こえたら、隠れて出てこないとおもうよ。」

 

「なるほど」

 流石冒険者としての先輩だ。

 いろんな情報を持っている。

 

「あの、もうそろそろ打って良いですか?もう我が爆裂欲の抑えが利きません!」

 めぐみんは目を紅く光らせながら、訪ねてくる。

 

「良いんじゃないか?今のところ、俺の敵感知に引っかかっているモンスターはいないし。」

 めぐみんは俺の言葉を聞くと、パァっと顔をほころばせる。

 そして杖を構え、

 

「では、いきます!」

 めぐみんは、すうっと息を整え詠唱を始めた。

 

「黒より黒く闇より暗き漆黒に我が深紅の混淆を望みたもう。覚醒のとき来たれり。無謬の境界に落ちし理。無行の歪みとなりて現出せよ!」

 めぐみんが一言一句紡ぐ度、圧倒的な魔力が彼女から流れだし、杖に向かって集まっていく。

 俺は同じ魔法が扱えるものとして、めぐみんが驚嘆せざるを得ない魔力量と、魔力制御能力を誇っていることが分かってしまった。

 間違いない、こいつは天才だ。

 

「踊れ踊れ踊れ、我が力の奔流に望むは崩壊なり。並ぶ者なき崩壊なり。万象等しく灰塵に帰し、深淵より来たれ!これが人類最大の威力の攻撃手段、これこそが究極の攻撃魔法、エクスプロージョン!」

 瞬間、大爆発が起こった。

 廃城の近くとはいえ、それでもそこそこ距離があるのに、爆風がこちらにまで伝わってきた。

 これは間違いなく人類最大の攻撃手段といえるだろう。

たとえ魔王相手でも一発で勝てそうな大威力だ。

ダクネスは「・・・・凄いな」と、本当に感心したようで、あの直撃を受けてみたい!と言うような変態発言が出ていなかった。

 

「ふっ気持ちよかったです。」

 満足気に言ってめぐみんは倒れた。

 魔力切れによるものだろう。

 

「あの、すいません誰か、おぶって下さい。」

 

 この後、俺はめぐみんを背負い、みんな揃ってギルドの元にまで帰り、クエスト完了の報告をした。

 死んでから時間が経っており、カエル肉が傷んでいたせいか30万エリスしかもらえなかったが、まあ今日のところはいいだろう。

 帰路で、これからの冒険のことや、俺に覚えて欲しいスキルについて話し合ったことに、俺の冒険者生活が本当に始まった気がした。




にゃるめす「ハーッ、どうにか書き終わった。というわけで次回っ「この駄女神と愛に祝福を!」」



エリス「・・・・・もういいんです。アクア先輩の尻拭いなんて、もうこうしてやります!」ポイッ===(書類)

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